- 153 :700:2007/08/13(月) 02:51:33 ID:vBrwABK4
「うん…」
さっきまでそんな事感じなかった。暑さなんか考えられないくらい、夢中になれるものがあったから。
…我ながら堕落してると思うけど。
今夜はレヴィのお酒の勢いがあったせいで、それがそのままさっきまでの勢いになってた。
少し回想すると。
「なあー。ロックー?」
「んー?…って、酔ってるじゃないか!」
「暑かったんだよお。そしたら飲み過ぎてぇ…」
「…この街じゃ冷たい飲み物でさえお酒しかないのか」
「いい具合にヒートアップできてるぜぇ?」
漂うアルコールをこらえながら、半分無理やりなレヴィのキスに応えてやった。
レヴィはその後もっとヒートアップして。
「…今日は暑いよなあ?」
「忘れたのか?今日は…ってレヴィ!」
目に映ったのは理性を吹き飛ばす体。もうタンクトップも無くって、下も…下着だけで。
あっという間に冷静な俺が消えそうになったのに、更に追い討ち。
「暑かったら服を脱ぐ。当たり前の事だろ?」
「あ、ああ…」
「んで、服を脱いだ男と女が居れば、ナニするのが当たり前だ…」
後はお決まりの流れだった。熱いキスに熱い瞬間。
「光栄だろ?滅多にこんな事しねえしな?」
変わった事をしてもらえて、少しだけ酒の勢いに感謝した。
それから。冷静になった今。俺は汗だくで思い出していた。なんで今日は暑いのか。
レヴィは荒い息をしながら、大量の汗をかいていた。髪の毛はなんかは水分を吸って、張り付いていた。
そうだ。思い出した。
冷房がイカれてた。
- 154 :名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 02:52:55 ID:vBrwABK4
- 「…飲み物は?」
「無い。買い出しに行く気力も無かった」
「氷は?」
「この前自分で冷蔵庫壊したろ?」
「…じゃあ」
「…諦めろ」
豪快にレヴィが突っ伏すと、ベッドが軽く揺れた。掛けるシーツは足で投げて、せめてもの涼を取ろうと窓を開ける。
「…暑い」
「熱帯だから」
「涼しくねえ!」
手近にあった雑誌を取って、胸元を扇ぎ始めた。
まだ下着も付けてないから、大きな胸が小刻みに揺れる所が見て取れた。
…本当は嬉しい場面なのかも知れないけど、俺の頭の中も熱が溜まって、回らない。
「シャワーでも浴びてくれば?」
「汗かいたらおんなじ事だ…アルコールも抜けちまった」
ベッドの上に出来た汗の跡に毒づく。
「あーあ。寝られもしない」
「明日は何の仕事も入ってないじゃないか」
「今日はやることやったらさっさと寝るつもりだったんだ。クーラーが効いてりゃ寝苦しくねえし…アタシを抱いても暑い思いをしなくて済むだろ?」
俺に抱かれながら寝る事は前提だったみたいだ。
「最悪暑さを忘れられりゃあ…」
ん?
「レヴィ?」
「…あ?」
「忘れられれば良いのか?」
「ああ。もう何でも良い」
「…いい方法がある。おまけに暇しないで済む」
「?」
確かにさっきまでは。
忘れてたんだ。
「こ…これか…よ」
「嫌なのか?」
「嫌じゃあ無いが…アタシの汗が…」
「構わない…ちょっと興奮するかな」
「へ、変態…野郎…」
本当にしっかり忘れられた。
ちなみに「一緒に」汗を流せばいいと気付いたのはこの後で、シャワールームの中で涼を取りながら…
終