- 684 :名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 02:33:18 ID:6viile1B
「なぁロック、あのカラフルでゴキゲンな建物は一体なんだ?」
俺たちはいま、バラライカさんの通訳として日本に来ている。
相変わらず危ない橋を渡ってはいるけど、仕事がない時は休みなんかもあって、
レヴィとの日本での滞在は思いのほか楽しい。
レヴィは初めて見るものばかりみたいで、居酒屋とか縁日とか、
そういう日本的な物に興味を持っては俺に説明を求めてくる。
昨日は通りがかったパチンコ屋に興味津々。
「『銀玉』を撃つんじゃなくて転がすだけで金がもらえるんだなぁ」とか何とか言って感心してたっけ。
その翌日の今日でタクシーの窓から外を指差してそんなことを言うもんだから、
またてっきり派手なパチンコ屋か何かだと思ったのだが…。
「お、ロック、あっちの方には日本のシロみたいなのがある。ニンジャでも住んでるのかなぁ。
その隣はやけに電飾が派手だな。カーニバルでもやってんのか?」
何かと思ってレヴィの肩越しに覗き込めば…お嬢さん、あれは日本が誇る「合法的ワイセツ施設」、
ラブホテルだよ…。
「あー、レヴィ、あれは『ラブホテル』といって日本のカップルが、その、むにゃむにゃをむにゃと…」
「お、あっちのはちょっとゴージャスな『イエローフラッグ』みたいだな。
ロック、行ってみようぜ。ヘイタクシー!あそこの建物の前で止めてくれないか?」
う、うわーっ、レヴィ?!駄目だよそんなとこにタクシー横付けしちゃぁ〜!
悪いことにレヴィが英語で言ったにもかかわらずタクシーの運転手には何となく通じてしまったようで、
ちらりとバックミラー越しにこちらを見て、ニヤリと笑われた。
「いや、あの、違うんです。そうじゃなくて!」
とっさに日本語で否定しようとしたが、時すでに遅し、車はあっという間にそのホテルの前へ。
「兄ちゃん、女の子に恥かかせちゃいけないよ」
とか何とか言われて、強制的におろされてしまった。
「そのねぇちゃんの心意気にちなんで、今回はお代はいいよ。カァ〜ッ、若いってのはいいねぇ」
…勝手に運賃もタダにしてもらってしまった。
その様子を見ていたレヴィが不思議そうに首をひねる。
「なぁ、ロック。今のドライバーは何で金を受け取らなかったんだ?」
「…うん、頑張れってさ」
「ん?何を?姐御の仕事をか?」
そうじゃないけどさぁ…。
- 685 :(684続き):2009/01/27(火) 02:38:38 ID:6viile1B
- 「それはそうとロック、ここ入ってみようぜ。さっきから若い連中が何人か入って行ったけど…
こないだ連れてってくれた『ゲーセン』とか『パチンコ』みたいなとこなんだろ?
それとも本家『イエローフラッグ』みたいに、ゴロツキどもが集まる酒場なのか?」
何も知らないレヴィは屈託がない。
このままではやばい。早く誤解を解かなくては。
「レヴィ、よく聞け。ここは恋人同士で入って、その、メイクラブをするための部屋を借りる場所だ」
「え…」
「いいか、分かったか。分かったらとっとと退散するぞ、レヴィ!」
「何てこった、ロック…」
そうだ、驚いたかレヴィ。
日本では、建前では貞節だの慎みだのいう考えがいちおうあることにはなってるが、
こんな街中で真っ昼間っからセックスをするための場所が用意されてるんだぞ。
「さ、そうとわかれば…」
俺はレヴィの腕を引っ張って帰ろうと思ったが、何を考えているのかレヴィはそこから一歩も動かない。
あまりの衝撃にそこを動けずにいる…なんてことはないだろうなぁ。
「レヴィ?」
もう一度顔を覗き込むと、それはもういやな予感がした。
なぜなら、レヴィの顔に浮かんでいるのは「面白そうじゃねぇか!」という、好奇心いっぱいの笑顔。
案の定、レヴィは悪魔も尻尾を巻いて逃げるほど邪悪な微笑みを浮かべてこちらを振り返った。
「売春宿やストリップなら、NYでもロアナプラでも見たことある。
でも、こんなポップな連れ込み宿は初めてだぜ、ベイビー!いっぺん中も見てみたい。
ロック、つき合えよ!」
うわー、やっぱり〜!
俺は、かなりあたふたと慌ててたと思う。
「えーとさ、レヴィ。話聞いてなかったの?これはその、男と女がセックスする場所なんだよ。
俺たちが入ってなにするのさ」
「だから?あたしとロックは男と女だし、入るのはオッケーなんだろ?
なにするって、そりゃいざとなればナニすれば問題ないだろ」
そして俺は、レヴィに引きずられるようにしながらそのホテルの入り口をくぐった。
きっと、傍から見れば優柔不断な彼氏を彼女がリードする微笑ましいカップル…
なんかに見えてるんだろうなぁ。
- 686 :(684続き):2009/01/27(火) 02:47:22 ID:6viile1B
- 「305号室だって。ほら、レヴィいくよ」
「お、おう」
勢い込んで入ってはみたものの、悩ましげな照明や無人の受付など、
ラブホテル独特の雰囲気に少し戸惑っているらしい。
銃弾飛び交う修羅場なら、どんな場面でも冷静沈着なレヴィなのに…そう考えると、
少しおかしくなってしまった。
「何にやけてんだよ」
「いや別に…っと」
エレベーターを降り、廊下を少し進むと目的の部屋についた。
さっき一瞬見せた不安はどこへやら、すっかり「ゴキゲン」の状態に戻ったレヴィは勢いよく扉を開けた。
「うわぁ…」
そう言ったのは、二人同時だったと思う。
なぜなら扉の向うの空間には、派手なピンクを基調にしたロココ調の家具と天蓋付きのベットが置かれた、
いわゆる「超少女趣味」な世界が広がっていたからだ。
そしてこう言ったのもほぼ同時だった。
「ありえない、信じられないよ!」
「意外とキュートな部屋じゃないか、ベイビー」
思わずお互いに顔を見合わせた。
…俺が「信じられない」って言ったから、「キュートな部屋」はレヴィだよな…?
部屋は散らかり放題で殺風景、仕事柄とはいえいつもスポーティーな格好のレヴィの
どこをどう押せば、この「超ロココ」がキュートなんていう発言が出てくるんだ??
俺は我が耳を疑って、思わずレヴィをまじまじと見つめてしまった。
するとレヴィは、目の前でどんどん赤くなっていった。
「わ、わりィかよ、こういうの嫌いじゃなくて…」
「悪いとかそういうんじゃないけど…」
あまりにも予想外のレヴィの反応にどうしていいかわからず、とにもかくにも俺は部屋に入り、
やっぱりフリフリのソファに腰掛けた。
「えっと、立ち話もなんだからさ、レヴィもこっちに来て座りなよ。
その、何だ、とりあえずビールでも飲むか?」
「…あぁ」
俺は冷蔵庫からビールを2本取り出すと、1本をレヴィに渡した。
プルタブまでよく冷えたビールの栓をプシュッと上げる。
キンキンに冷えたビールに、「あぁ、日本だなぁ」なんてことをしみじみ感じながら喉に流し込んでいると、
ヤケクソのように一気に飲み干したレヴィが、空き缶をガン、とテーブルにたたきつけた。
「で、どーするよロック」
「どーするってレヴィ、部屋も見たしこれで満足だろ?
まぁ『ご休憩』で2時間ほどは時間があるから、のんびり昼寝とかしてってもいいけど…」
「…昼寝、するのか」
「え?じゃぁ何するの?」
その時俺は、多分、いわゆる「鳩が豆デッポウ」な顔をしていたんだと思うのだが…。
「何って、そのアレだ。折角のイチャツキ部屋だろ、ちょっとはベッドの弾み心地も試して行こうぜ」
「だ、だから昼寝…」
「ここのベッドは思い切りハジけてもいいように出来てんだろ?
そんなら暴れてみるのがジョーシキってもんだぜ」
まさかレヴィの口から常識なんていう言葉が出るとは思わなかった…。
あっけに取られてレヴィの顔をまじまじと眺めていると、
それまで一気にまくしたててたレヴィの頬がまたもや、みるみる赤く染まった。
…ビールは、まだ1本しか飲んでないよな?
- 744 :名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 23:26:59 ID:oti69JW7
「と、とにかくだロック。相手しろ」
何を言われているのか分からず呆然とするうちに、どうやら唇を奪われた。
乱暴に、噛み付くようなキス。
息が出来ないと思ったら、唇が重なってるのに加えて、片手で胸ぐらを思い切り締め上げられていた。
「く、苦しいってば、レヴィ。息、できない」
「ん?ロック、キスのときの息の仕方も知らないのか。やっぱりこのレヴィ姐さんに比べりゃ、
まだまだお子ちゃまだよなぁ〜」
ニヤリと、優越感タップリに笑うレヴィ。
その笑顔を見て、俺はちょっとむっとした。
俺は人サマに胸張って自慢できるような恋愛経験の持ち主ではない、確かに。
しかし、しかしだなぁ。
相手の胸ぐら掴みながらムードの一つも出せないキスなんぞして相手を見下すヤツには、
全身全霊かけてどっちが「お子ちゃま」なのか思い知らせてやる!
「ま、レヴィ。とにかくその手を離せよ」
やんわりと大人の貫禄を見せつける。
そしてレヴィを抱きしめて、ゆっくりとあじわうように、顔を斜めに傾けながらキスをした。
- 746 :(684続き):2009/02/11(水) 23:32:03 ID:oti69JW7
- レヴィの唇のやわらかさに驚く。
いつも乱暴きわまりない言葉しか吐かない唇なのに、触れればあまりにも頼りない…。
その心地よさに溺れていると、突然レヴィの腕が首に回され、身動きできなくなった。
思わず目を開き、レヴィを見る。
するとそこには、これまで見た事がない表情の「女」がひとりいた。
「レヴィ?」
そっと唇を離して、呼びかける。
レヴィははっと我に返り、少し目を伏せながら言った。
「あぁ…すまん。その、なんだ、ロックのキスが今までシたことない感じだったから…。ああいうの、日本風なのか?」
その時、俺の胸は何かに締め付けられるみたいにギュッと痛みを覚えた。
「…こんな風にキスするの、初めてなのか?」
「あぁ、すごく気持ちのいいキスだった」
少し力なく笑って、レヴィは何かを仕切り直すかのように俺の懐を抜け出した。
つい今しがたまでレヴィを捉えていた腕が空に放り出され、無性に寂しいと感じる。
――寂しい?
自分でも訳が分からない感情に戸惑って呆然と立ち尽くす俺の傍らで、
レヴィはソファーの上に放り出していたニット帽とカトラスを手に取った。
「ロック、お遊びはそろそろオシマイだ。姐御が待ってる。さ、出よう」
何事もなかったかのように言いながら、ドアの方に歩き出す。
けれども俺は、一歩も動かなかった。
「…いやだ」
ドアノブに手を掛けかけようとしたレヴィが、驚いたように振り返る。
「何寝ぼけたこと言ってンだよ。さっきのあたしの提案はやっぱりちょっとおかしかった。取り消すよ」
「…だから、いやだ」
「ロック!」
「レヴィを抱きたい」
気がつくと俺は、そう言い切っていた。
- 747 :(684続き):2009/02/11(水) 23:34:06 ID:oti69JW7
- 「…ロック。お前、気は確かか?」
レヴィがあきれたようにつぶやく。
「自分から誘っておいて言うのもなんだが、あたしはその辺に転がってるコークの空きカンよりゃあ、
カルくない女だぜ?」
俺は必死に言葉を探し、伝えようと試みる。
「…たんだ…」
「ん?」
「…だから…とき…」
「あー、うっとおしい。言いたい事ははっきり言いやがれ、このファッキン野郎!」
懐のカトラスに手を伸ばすレヴィに慌てて、俺は意を決した。
「だから!キスしてるときのレヴィ、めちゃくちゃ可愛いと思ったんだッ!」
「…は?」
驚きのあまり、なのだろう。
ホルダーに収まったカトラスに手をかけたまま固まっている。
「レヴィは跳ねっ返りでガサツで凶暴で、どう考えても俺の好みじゃないはずなんだけど…」
身じろぎもしないレヴィの手元から、カチリ、とカトラスを握り直す音が聞こえた。
ひしひしと生命の危機を感じ、冷や汗をかきながらも、俺は懸命に言葉を続ける。
「ごめん、キスまでは冗談のつもりだったんだ。でも、気づいた。レヴィのこと好きだ。抱きたい」
もう、迷いはなかった。
今ここでならレヴィに打ち抜かれても構わない…なぜかそう思えて、まっすぐに、レヴィの目を見て伝えた。
「…相変わらず、自分勝手な上に命知らずだな」
レヴィはカトラスから手を離し、参ったといわんばかりに片手を額に当てて天を仰いだ。
「張のダンナや姐御たちが、あんたの言い分を聞いてしまう理由、何となくわかるよ」
大きなため息をつくと、レヴィは身につけていた帽子とコート、カトラスを再びソファに投げ出した。
そして片手で束ねた髪をほどきながら立ち尽くす俺のところまで戻って来ると、ネクタイをひっつかんだ。
「まさか、床やソファでってのはナシだよな?ベッドの弾み心地、試させろ」
俺を見上げてニカリと笑うレヴィを、俺はめちゃくちゃに抱きしめた。
- 748 :(684続き):2009/02/11(水) 23:38:12 ID:oti69JW7
- 「なぁ、ロック?」
そう言ってレヴィが首を腕をかしげるものだから、何かと思えば「お姫様だっこ」の催促だった。
「あー…はいはい、お姫様」
レヴィを横抱きにかかえ、ベッドに運ぶ。
レヴィの身体は、思いのほかふわりと持ち上がった。
こんなに華奢な身体でいつも撃ち合いを、特に日本では俺のために全霊をかけて戦ってくれているのかと思うと
改めて愛おしさがこみ上げて来る。
レヴィの髪の毛にキスの雨を降らせる。
「やめろ、くすぐってー」
レヴィは猫のように目を細めた。
「そっと下ろせよ?そっと」
ベッドに到着し、言い付け通り壊れ物を扱うようにわがまま放題の「姫」を降ろすとブーツを脱がせ、
俺もベッドに上がる。
「ほら、レヴィ。服も脱がすからバンザイして」
「…バカヤロー。もうちょっとそれらしいやり方があンだろ」
「それは、もうちょっと色っぽいオネエサンとかの場合だな」
「あ、テメ、あたしのどこが色っぽくないってんだよ。目ぇおかしいんじゃないか?」
お互い、テレがあったんだと思う。
じゃれ合いながら、気がつけばセーターを脱がしていた。
その下のTシャツも頭から抜き取ると、黒いシルク地の下着が見えてくる。
ふちに沿って上品な赤いバラの刺繍が施してあり、鮮やかなコントラストが
シャープなレヴィの雰囲気に良く合っている。
「レヴィ、可愛い下着だね。こんなの、もってたんだ?」
「…姐御が揃えてくれた荷物に入ってたから着てみたんだ。文句あっかよ」
横を向いてレヴィがボソボソと答える。
「文句なんてないよ。最高に似合ってる」
今度は、レヴィの右手が俺のネクタイにかかる。
器用な指が結び目を素早くほどき、シュッ、と勢い良く抜き取った。
そのまま、テンポよくボタンがはずされていく。
一番下のボタンがはずれたのを見届けて、Tシャツと一緒に脱ぎ捨てた。
レヴィの手が、ベルトにかかる。
両手でバックルを外し、引き抜いたベルトはベッドから放り投げられた。
そのまま指がジッパーにかかり、ほんの一瞬、ためらってから下ろされた。
「ロック…サカってんじゃねぇよ」
レヴィの細い指が、下着の上から俺自身をすっとなで上げる。
「…誰のせいだと、思ってる?」
俺はレヴィのスカートのホックを一気にはずし、タイツと一緒にレヴィの足から抜き取った。
- 749 :(684続き):2009/02/11(水) 23:41:47 ID:oti69JW7
- ブラジャーと同じデザインのショーツが現れる。
「…あんまり見るなよ…」
思わずしみじみと眺めていたら、苦情が来た。
「見なきゃ、いいんだな?」
言うなり俺はブラジャーの後ろに手を回し、ホックを外した。
「あ、ロック!」
「外しちまえば、見られることもないだろ」
「…ヘンタイ」
「何とでも」
自分のズボンを蹴飛ばすように脱ぎ捨て、仰向けに横たわるレヴィの上に移動する。
鍛え上げられたしなやかな肢体に無駄なぜい肉は一切なく、健康的に日焼けした肌が引き締まったラインを描いている。
けれどもヒップから足にかけての曲線と、半端に浮き上がったブラジャーの引っかかるバストの張りは、
目の前のカラダが女であることを主張していた。
レヴィのわき腹にそっと手を滑らせ、肌の感触を楽しむ。
「レヴィ…きれいだ」
顔の横に投げ出されたレヴィの両手が、シーツを握る。
俺と目を合わせないように横向けられた顔に、羞恥の色が浮かぶ。
「ん…ロック…。何、やってんだよ?ヤるなら、ヤるでとっとと済ませろ」
思わず、笑みが浮かぶ。
「そんな注文に応えることは、できないね。もっと、喜ぶレヴィが見たいんだ」
「…やっぱお前、ヘンタイだろ。日本人には多いって聞くけど、サイテーな野郎だな」
「言ってろ」
俺はゆるめたブラジャーを上にずらし上げた。
ピン、と尖った頂が現れる
両手で、レヴィの乳房をやんわりと包み込んだ。
「はぁッ…」
「気持ちいいの?レヴィ?」
「くッ…気持ちよく、なんか…」
「ま、いいけどね」
俺は「シンプル」なレヴィの身体に触れてみたくて、さっさとブラジャーを脱がせてしまった。
その勢いで、ショーツにも手をかける。
「我慢できねェのか、ロック?」
揶揄するようなレヴィのからかいに、素直に答える。
「うん。早くレヴィのこと、知りたい」
「…なんだよそりゃ。ハイスクールのティーンエージャーかよ…」
あきれた口調でつぶやきながら、レヴィが俺の首に腕を回す。
「でもな、ロック…」
覗き込むような姿勢で引き寄せられる。
「笑うんじゃないぜ。実はあたしも、早くあんたが欲しくてドキドキしてるんだ。
だから、さっさとしろ?」
耳元で囁かれた言葉に、全身がかっと熱くなるような気がした。
- 750 :(684続き):2009/02/11(水) 23:45:09 ID:oti69JW7
- レヴィの肌を覆っていた最後の一枚をはぎ取ると、
同時にレヴィの手も俺の腰に伸びて俺の下着を強引にはぎ取った。
レヴィが、薄い毛布のなかに勢い良くダイブする。
「あ、ズルイ!」
何がずるいのかは自分でもよく分からなかったが、俺も毛布の端を跳ね上げて、
レヴィの横に潜り込む。
毛布とシーツをくしゃくしゃにしながらお互いの暖かさを確かめ合い、たくさんキスをした。
やがてレヴィが身体をすり寄せながら、ぼそりとつぶやいた。
「…ロック、あんたの、当たってる…」
「…ん」
俺は、レヴィの手を俺自身に導く。
やんわりと包み込まれ、ゆるやかな動きが始まる。
穏やかな波間をたゆたうような快楽に身を委ねながら、レヴィの唇を求める。
それに応えながらレヴィの手は、確実に俺の欲情を尖端に集めていく。
ともすれば揺らめきそうになってしまう腰にはレヴィの足が回され、
甘やかな枷のように自由な動きを封じられる。
「…ッく、レヴィ、いい加減にしとかないと、ヤバいよ…」
「ん?もう降参か?」
レヴィはとても楽しげだ。
「しょーがねーなー。もっといろいろ、エグいやつも知ってんだけど」
…恐ろしくて具体的には聞けないが、俺はレヴィの手をそっとどけると、
仰向けのレヴィの上になった。
- 751 :(684続き):2009/02/11(水) 23:47:32 ID:oti69JW7
- 長い髪の毛がベッドに散らばり、潤んだ瞳がこちらを見上げている。
片手をレヴィの顔の横につき、片手をレヴィの腰のあたりに下ろしていく。
足の付け根に、指をもぐり込ませる。
レヴィが深く、あえぐような呼吸をした。
そこは見事なほどに潤って、俺を迎え入れた。
谷間に指を滑らせる。
「あぁっ…」
「レヴィ、すごく濡れてる」
「言うなよ、ンなこと…」
与えられる刺激への本能なのか、閉じようとするレヴィの足の間に俺は身体を滑り込ませ、
さらに深部へ指を進める。
中指で、内側をくるりとかき回す。
「っく…」
俺の肩に置かれた手に、力が入る。
内側の熱を楽しみながら、親指で花芯を刺激する。
「あ…あぁ、ッはぁ…!」
レヴィの眉根がぎゅっと寄せられ、そこが快楽の源であることを告げる。
俺は、指の本数を増やしながら、ゆっくりと花芯へをすり上げ続けた。
やがてレヴィの呼吸のリズムが、短いものになってきた。
「ロッ…ク!いつまで、こんなこと…やってるつもりだ…!」
「さぁ?いつまでにしようか」
強気なレヴィが泣き言を言い出したのが面白くて、少し、意地の悪い気持ちになった。
「ロック…なんて、死んじまえ!このアクマ!ばかやろう!」
睦言の最中とは思えない言い草だが、頬を上気させ、
肩で喘ぎながらそんなことを言われると、まんざらでもない。
「それは穏やかじゃないね、レヴィ。どうしてほしい」
「…ッ!それを言わせる気か…っ!」
「イヤなら、別にいいんだよ?無理に、ってわけじゃない」
「…この、ド変態っ!」
目尻にうっすらと涙を浮かべながら、レヴィの体温はどんどん上昇していく。
さすがにそろそろ度が過ぎたか、と思った頃、俺の両肩にレヴィの爪が食い込んだ。
「ロック…頼むっ…。おまえの、イレ、て…ッ」
レヴィだけじゃない。
さんざん「女」を見せつけられ続けた俺も、限界だった。
俺は鎖骨のくぼみにキスを落とすとレヴィの両足を大きく開いた。
そして素早く準備を済ませ、俺自身を深く埋めた。
- 752 :(684続き):2009/02/11(水) 23:50:51 ID:oti69JW7
- 何も考えず、ただレヴィのなかの熱を貪った。
「レヴィ…レヴィ…!」
「…ロック…ッ!」
うわごとのようにただ繰り返されるだけのお互いの名。
これまで幾度も口にしてきたはずなのに、まだ呼び足りないと思う。
そして、まだ呼ばれ足りない。
レヴィの両足を肩に抱え上げ、もっと奥に届くよう、渾身の力を込める。
「くっ…はァっ…ァ!」
自分の下で、レヴィが大きくのけぞる。
無防備にさらされたのど元に、とどめを刺すように噛み付く。
背中に回された二本の腕に力が込められ、10本の爪が抗議するかのように突き立てられた。
まるで獣だな――。
ぼんやりとしたアタマの片隅で妙に冷静にそう思いながら、レヴィの唇を甘噛みする。
「ん…」
しばらく閉じられていたレヴィのまぶたが、うっすらと持ち上げられる。
あらわれたのは琥珀みたいに透明で、吸い込まれそうなブラウンの瞳。
その持ち主は、うるんだ瞳をそれでも強気な光で彩りながら、俺にこう告げた。
「あたしのなかであんたの、もう限界だって感じだぜ…。そろそろイっちまいな、
ベイビー?」
瞬間、俺の中の「何か」がはじけ飛んだ。
しなやかなその身体を強く抱きしめながら、俺はレヴィと同時に昇りつめた。
- 753 :(684続き):2009/02/11(水) 23:59:32 ID:oti69JW7
- 「…ロック、てめぇよくもこんなとこに歯形つけやがって。
こっちではまぁ隠れるとしても、あっちに帰るまでに消えなかったらどーすんだよ、コレ?」
シャワーから上がったレヴィは開口一番、のど元をなでさすりながらそんな文句を言った。
髪からしたたる水気が頬にかかる風情などはまぁ色っぽいものではあったけど、
備え付けのバスローブをざっくりと…というか、かなりだらしなくはおり、口にはくわえタバコ、
ビール片手に素足でぺたぺた歩く様子は、どうひいき目に見ても「艶やか」とか「せくしー」といった形容詞にはほど遠い。
「ん…ごめん。夢中だったからつい、さ」
「ほぉ、夢中、ね。まぁ、こんなに魅力的なレヴィ姐さんに溺れるな、って方が無理な相談だけどな」
まんざらでもなさそうにニヤリと笑うレヴィ。
「…とにかく、俺もシャワー浴びて来る」
やたらと金ピカな浴室に入りシャワーの栓を開くと、部屋からは大音量のイントロが流れて来た。
…今度は備え付けのカラオケが気になるらしい。
やがてレヴィの、音も歌詞もデタラメな歌声が聞こえて来る。
熱いシャワーを頭からかぶりながら、
もしかすると俺はとんでもない「懐刀」を手に入れてしまったのではないかという気になっていた。
レヴィはやはり同僚以上の存在で、こういう関係になったことは望んだことだし後悔もしていない。
しかし相手が相手。
その辺の「やんちゃなコ」なんかとはレベルが違う、
ちょっとした私設軍隊やゲリラ部隊ならほぼ一人でカタをつけてしまう「お嬢さん」なのだ。
「確実に俺、命、縮めるよなぁ…」
硝煙の臭いのするトラブルに関わる頻度が高くなるのはともかく、万が一浮気などしようものなら、
そして彼女チョイスのアロハを着ることを拒もうものなら…。
「あのセンスだけは勘弁してくれ…」
思わず頭を抱えてしまうが、苦悩の原因である当の本人はいたくご機嫌のようで、
部屋の方からは2曲目の「自由すぎる歌」が聞こえて来た。
あぁそうだ、レヴィがこの部屋をいたく気に入った理由。
俺はふと当然すぎる結論に至り、勢い良くシャワーの栓を止めた。
そいつは断然、彼女の趣味が「あんなアロハ」を気に入る趣味だからなんだ!
しかし1つの命題にすっきりと答えが出た爽快感とは裏腹に、
俺は根本的な問題がさらに大きく確かなものになったと気づいてしまった。
そして鏡に映ったこの上なく不安そうな風呂上がりの男の顔を、
まじまじと眺めるのだった…。
- 754 :(684続き):2009/02/12(木) 00:03:34 ID:oti69JW7
- 「…なぁ、エダ。『らぶほ』って知ってるか」
「んー、何だそりゃ。聞いたことねぇなぁ」
「結構、いいトコなんだ。ポップでキュートでタクシーの無料送迎もアリだ。
日本には、そんなものがたくさんある」
「何すっとこか知らないけどよぉ。なーんかアヤしいなぁ。ロックと行ったのか?ン?」
「まぁな。でもま、んなこたぁいいじゃねぇか。しっかし暑ッちィなぁ、この教会も!
やってらんねぇよ。もうひと勝負だ、せめてむしり取って帰らにゃ割にあわねぇ」
レヴィが、カード台にしている祭壇の上に無造作にドル札を放り投げる。
この勝負も頂きだ…エダは自分の手札を確認しながら浮わついたゲームを続ける腐れ縁の「相棒」の姿を眺め、
ラングレーで学んだ極東の項目の中から「らぶほ」についての情報を脳内で検索する。
…確か「らぶほ」とは、主に日本で見られる連れ込み宿のようなもののはず。
その「らぶほ」にロックと連れ立って行ったというのなら、
目の前の相棒はとうとうラグーン商会の「男前」とそういう仲になったのだろう。
そしてそれは、恐らく彼女の人生のなかで、初めての心あるやり取りだったはず…。
そう考えると諸事情をかかえながらのつき合いではあるが、
妙に気の合うことは事実である女友だちの幸福を、心から祝福したい気持ちでいっぱいになった。
しかし「らぶほ」はとにかく派手な外観という情報だったから、「ポップでキュート」はまだ理解できるが、
「タクシーの無料送迎」とは一体なんなんだろう?
「そんなデータ、ファイルには…」
思わず小さくつぶやいたエダ。
「ん?何か言ったか?お前ェの番だ。早くしろよー」
「いや、何でもない。お、迷える子羊チャン、おいしそうじゃなーい。
これでっと、今回もまるっといただきだねぇ」
「あー、エダ、てめぇ!」
今日のお前さんは「手のうち」が全部丸見えなんだよ。
でもま、言葉にはせずとも「おのろけ」を無理矢理聞かされたようなもんだから、
これくらいは頂いといてもバチはあたんないよな…。
そう考えながらエダはタメ息をつき、
性懲りもなく次のゲームを始めようとカードを切るレヴィの姿に思わず苦笑した。