128 : ◆SDCdfJbTOQ :2009/04/13(月) 18:21:21 ID:ExYHDbYP

困惑顔のミスタ・ロックが持ち帰った本日の荷物を前に、ミス・レヴェッカは人知れず静かにガッツポーズをキメる。
本当は小躍りしながら叫びたい。サンキュー神さん!と。
彼女は思う。今日は最高にツイてるに違いない。だってそうだろ?今日の荷物は極上品だ。

彼女の同僚が持ち帰った荷物。それは、どこぞから掠われて来たという、金髪の美少年だった。

『荷物』の監視をビッグボスに命じられたレヴィは、かったるい顔を装いながらその実、内心ウキウキしながら彼の待つ船室へ入る。
扉の向こうには床に尻をついて座り込む少年。
改めて見てもはやり上玉だ。
ふわっふわのブロンド。
真っ白な肌は健康的にツヤツヤだ。
生っ白い脚は膝小僧すらスベスベで、ソックスが微妙に食い込む程よい肉付きがたまらなくチャーミング。
頬には微かにピンク色がさしていて、ブルーの瞳でキッとこちらを睨み据えている。
 ―――やっべぇよ、やっべぇ!どこに売られんだよ!?
     変態野郎に掘られるなんざ勿体無ぇ!
     その前にあたしが味見するべきだろ!?
     そうだろ、なぁ!?
     いやいや、商品に手をつけたとなりゃダッチに半殺しにされかねない。
     だよな、そうだよなぁ……。
     けどコイツだって脂っこい親父に玩具にされる前に若くてピチピチの年上の『お姉さん』に可愛がって貰った方がいいはずさ、なぁ?そうだろ、ベイビー。
     恥ずかしがらなくてもいいんだからな。


誰に話し掛けるわけでもなく、脳内でマシンガンのごとく自問自答するレヴィ。
少年の目には、部屋に入るなり目の前で遠い目をしながら突っ立ったままの女海賊。
時折ちらちらとこちらを窺いながらニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる様に、彼は背中にゾクゾクとした寒気を覚える。
 ―――怖い、よくわからないけど恐すぎる。
      助けて…ロベルタ!
少年は故郷での無二の使用人に助けを求める。
だが、少年の怯えなどどこ吹く風。
レヴィの頭の不埒な妄想が止まることはない。

 ―――そりゃよ、ズコバコ突かれまくるならデカマラの方がイイに決まってるさ。
      けどよぉ、ズル剥けのナニってのはキモいんだよ、血走ってグロいしよ、もさもさ毛ェ生えてっし。
      やっぱ皮被ってるくれぇが可愛いげあんじゃんよ、毛なんか以っての外だ。
      小せぇのを優しくしゃぶってやったら『ダメだよ、お姉さん…僕、こんなの恥ずかしいよ』なんてよ!!!なんてよ!!!!たまんねぇ………!
      顔真っ赤にして涙なんか浮かべたりして、でもキモチよくてだんだん息荒げてくるんだよ。
      『お姉さ…ん…僕…僕っ!やめてよ、そんなにされたら…何か出ちゃうよぉ!』
      なんつってよ、可愛いじゃねぇかよ!イイんだぜ?出してもよぉ…一杯出したって全部飲んでやるからさ…。な?遠慮なんか要らねぇ。出しちまいな?
      あ、ヨダレ出て来た…。


129 : ◆SDCdfJbTOQ :2009/04/13(月) 18:23:35 ID:ExYHDbYP
薄笑いを浮かべたまま、次は口からヨダレを垂らさんばかりの女に、少年は得体の知れぬ危険を感じ始める。
マフィアに誘拐された時だってこんなに怖くなんか無かった。
 ―――やだよやだよやだよ、こっち見るなよ!!あ、笑ってる、どうしよう、何で笑ってるんだよ、こわい。

レヴィから視線を反らした少年の目には涙。
 ―――…照れやがって!可愛いなぁ、おい!
      ヤツはまだ女ってヤツを知らねぇに決まってる。やっぱあたしがリードしてやんねぇと始まらないだろ、うん。
      こっちの準備はしておかねぇとってコトで、ちゃんと濡らしておかねぇとな、まぁさっきから十分ぐちょぐちょになってるんだけどよ。
      で、初めての経験に緊張してるハニーに笑いかけてやるのさ。
      『心配するこたぁ無ぇ。あたしに任せな、ちゃんとオトナノオトコにしてやっからな』
      『あんたはただちんこをあたしのココに突っ込んで、自分がキモチイイように出し入れすりゃいいのさ。オーライ?』ってよ。

そんな妄想に浸るミス・レヴェッカの耳に、ぐぅ〜という腹の虫の音。
小さな身体から魚雷挺の低いエンジン音にも負けず響きわたる、空腹を知らせる可愛い音。
 ―――何だよ、ハラ減ってんのか。まぁ、まずは仲良くなんねぇ始まらねぇし、食い物でもやっとくか。
     あー確か冷凍庫に取っておきのハーゲンダッツがあった。
     まずは食い物でお近づきになって、そのあとにメインディッシュをお楽しみ頂くってのが賢いやり方だよな。
     アイスはデザートだなんて、そんなこたぁ関係ねぇ。
     あぁ、野郎共に馬鹿にされつつ仕事のたび常備した甲斐があるってモンだ。
     酒飲みだろうと甘いモンは別なんだよ、女ってのはよ。
     特にバニラアイスにラムをヒタヒタになるまでぶっかけるとたまんねぇ…あー…後で食おう、うん。
     へへ……。
     さて、そうと決まれば早速行動開始だ!


130 : ◆SDCdfJbTOQ :2009/04/13(月) 18:27:20 ID:ExYHDbYP
レヴィは込み上げる笑みを抑えることもせず、だが「ちょっとまってろ」と口調だけはクールを装い『餌』を調達するべく部屋を出る。
そんな挙動不審な彼女に少年の怯えの色が濃くなったことなど、当の彼女には知る由も無い。

仕事を放棄したかのようにデッキへ出てきたレヴィを「どうした」と問うボスの声が出迎える。
「どうもこうも無ぇよ、あのガキャ腹が減ったんだとよ」
どうしようもねぇクソガキだと一人ごちながら冷凍庫の扉に手を掛ける。
「ふ〜ん…。缶詰なら船倉だよ」

 ―――……うぜえんだよ、このOTAKU!

暗に、どうして冷凍庫に手を掛けているのかと茶々を入れるベニーを睨みつけ、激しく後悔する。

 ―――目が汚れる!ヒゲくらい剃れ!
     鼻テカってんだよ!その指紋だらけの眼鏡もどうにかしやがれ!ああ、早く可愛いハニーで癒されよう。

それだけ決めて汚いものから目を逸らすと冷凍庫からお気に入りのダッツを取り出す。
ポータブルの小型冷凍庫の冷凍能力はそう高くなく、全体的に少し柔らかい。
酒をかけて食べるにはちょうどいいが、多少冷房が効いているとはいえ南国のこの気温ではすぐにドロドロに解けてしまうだろう。

 ―――はやく届けてやんねぇと!で、その後はお楽しみタイムだぜっ!!

今はムサ苦しい野郎共に構っている暇など一分一秒たりとも無い。一瞬でそれだけを判断して、天使の待つ船室へと踵を返す。
「…いそいそと何してんだ?」
しかもお気に入りのアイスクリームを携えてと眉をしかめるボスの呟きに、二人の社員の声が重なる。
「「さぁ?」」

彼女の去ったデッキ。
残された男達がどこか浮足立つ様子を隠し切れぬレヴィに怪訝な表情を浮かべていたことも彼女に知る由は無い。
そして、彼女のあんまりな挙動不審を訝しんだボスが日本人の部下に様子を見てくるよう命じたのは無理からぬことなのかもしれない。
決して彼女を信頼していなかったワケではないが、多分。

その後、差し出した溶けかけの大好物を顔にぶちまけられ、ミス・レヴェッカのいかがわしい夢が儚く敗れたのは、諸兄の知るところである。

終わる



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