625 :ある女中の、回想。:2009/09/18(金) 20:30:03 ID:E0dBDZvj
あの日私は、見てしまった。
若様と婦長様が、愛を交わしているところを。
まだ他の使用人たちが起き出してこない時間帯に、二人が、若様のベッドの中で……その、まさに致しているところを。

廊下から、薄いドアごしに聞こえるその声を私は聞いてしまった。
婦長様の、まるで獣のような、あの声を。
それに混ざる、若様の、婦長様を呼ぶ声を。
そしてその合間の、くちゅ、ぷちゅ、という水音を。

膝立ちして鍵穴からそっと覗き見た私の目に飛び込んで来たのは、一糸まとわず仰向けになった若様の上に跨っている、女中服を脱ぎ捨てた婦長様の姿。
婦長様の形の引き締まった、形のよいお尻と、二人の接合部が、はっきり見えて。
ぬらぬらした液体にまみれた若様のそれが、濡れそぼった婦長様のあの部分を貫き、奥まで行っては戻っていて。

若様は、婦長様の露になった胸を、両手を伸ばして揉みしだく。
そのたびに婦長様の口からは、甘い吐息が漏れる。
若様が、婦長様の腰の動きと逆に、より接合部の摩擦が激しくなるように下から腰を細かく突き上げる。
それに合わせ、ビクッ、ビクッ、と婦長様の背中が震える。
二人とも、オトコとオンナの顔を、いつもは私たちに見せない顔をしている。

私は、目の前の光景が信じられなかった。
私より少し年下で、頭の回転はすごく速いけれど、でも私よりずっと子供だと思っていた若様の、そんな姿。
厳しく、でも優しく、若様をお守りする術を私に教えてくださった婦長様の、そんな姿。

二人がそんな関係だったなんて、全然知らなかった。
確かに、私たちが来る前から婦長様はお屋敷におられたけれど、だけど私たちの前では決してそんなそぶりは見せていなかった。

驚きと同時に、婦長様への嫉妬の気持ちが私の心を襲っていた。
婦長様は、私の知らない若様の顔を、どれだけ知っているのだろう。
私には見せない若様のいろいろなことを、婦長様はどれだけご存知なのだろう。

気づいたら私は、若様の腰の動きに合わせ、自分で自分の胸に、そして…あの部分に、手をやっていた。
鍵穴から流れ込んでくる、婦長様のメスの匂いと、若様のオスの匂いの混ざった匂いのおかげで、なんだか私までおかしくなりそうだった。
いや、もうおかしくなっていたに違いなかった。

スパッツの上から手を入れ、薄い茂みの下の、割れ目の付け根のあたり、固くなっている豆のような突起を、私は右手の指で刺激する。
左手は胸の先端、硬くなりつつある乳首を、力の加減を調整しながら摘む。
手が、自然と動いてしまう。
声が出そうになるのを、必死に堪える。
若様と婦長様に気づかれないように、と思っても、つい声が出そうになる。

私のスパッツはもう、私の出した液体にまみれてぐしょぬれになってしまっている。
それはとめどなく、私の中から溢れ出してくる。
私の指が襞の間を通るたびに、入り口の周りを撫でるたびに、どんどん、どんどん溢れてくる。
背筋に電流が走って、もう、まともに膝立ちしているのも難しくなってくる。

だけど、私は二人の痴態から、目を離せずにいた。
私の指は、どうしても止めることができなかった。
だんだん、頭の中の白い領域が広がってくる。
何も、考えられなくなってくる。

626 :ある女中の、回想。:2009/09/18(金) 20:30:31 ID:E0dBDZvj
二人の動きが、速くなる。
それに合わせるように、私の指の動きも速くなってしまう。
体の芯が、ひどく切ない。

鍵穴の中の二人は、互いを呼びながら、激しく体を重ねている。
若様が、背中をのけぞらせながら婦長様の名を呼ぶ。
若様の両足が、ぴくぴくと震える。
たぶん今、若様の精が、婦長様の中に思い切り吐き出されている。
婦長様のそこを、若様の精が打っている。

私が達したのは、ちょうどその直後だった。
子宮に精が放たれる、あの感覚を、私は想像していた。
若様の精が、私のそこを汚すことを、私は想像していた。

体の力の抜けた婦長様が、同じくぐったりした若様の上に倒れこむのを、私は絶頂の余韻の中、悲しく見ていた。
婦長様の位置に、私はいたかった。
どうして、若様の隣にいるのは私じゃなくて婦長様なんだろう、そう思った。
そして、どうして自分はそれをこっそりと覗き見ているのだろう、という背徳感と寂寥の混ざった思いに、私は身を震わせた。
なんだか、涙が出てきた。

絶頂の余韻に浸る間もなく、私は二人に気付かれるのを恐れて、そっと身を起こした。
そして、音を立てないように小走りでその場を離れた。

だけど、私の瞳には、涙が溢れていた。
どうしてもそれは、止まらなかった。

633 :ある女中の、回想。II:2009/09/20(日) 00:07:22 ID:R3ztYEHW
夜の、サンカンパレスホテルのスイート。
傷を負ってはいるけれど、デスクで経済誌を読めるくらいにはお元気な若様と、精神安定剤を飲まれて今は私のベッドルームでお休みになられている婦長様。
若様の傍らに立つ、女中服の私。

私はあのときの、若様と婦長様のキスの光景を思い出していた。
私という他人がいる状況ではおそらく初めての、キス。
私が見てるのに、婦長様もそれを恥ずかしがっていたのに、あっさりと目の前で見せつけられた、あのキス。
真っ赤な顔の、二人のキス。

ロアナプラに来てから、私と若様の距離はおそらく相当縮まったに違いなかった。
だけどやっぱり、若様の心の中には、婦長様が一番大きい場所を占めているらしくて。
そこに私が入る余地は、どうやらとても小さくて。

「ファビオラ、ねえファビオラ?」

「…は、はい、若様!」

経済誌を置いて振り返った若様に急に声をかけられて、私は狼狽する。

「どうしたの、僕のこと、そんなにじっと見て?」

「い、いえ…何でもありません!」

「何でもないってことはないだろう?
 そんなに見られたら、照れちゃうよ。
 …それに、敬語、使わなくていいんだよ?
 ロベルタだって、寝てるんだしさ。」

「いえ、そういうわけには…私は若様の女中で、今も仕事中なんですよ?」

「だけど、こないだは普通にしゃべってくれたじゃないか?
 女中服着てるときは、仕事モードが抜けない?」

「若様…。」

そうだ、私は確かに若様に敬語を使わずにしゃべったのだ。
私みたいなバリオ育ちが、上流階級に属する、それもお父上亡き後は私の雇用主でもある若様に。
私の心を狂わせてやまない、若様に。
私を惹きつけてやまない、若様に。

私は、一大決心をして、再び口を開いた。

「…若様は、婦長様のために、ここまで来られましたよね。
 そして、あんなことまでされた。
 そのことを、考えていました。
 若様には、婦長様が必要なんだって。
 婦長様にも、若様が必要なんだって。」

「ファビオラ…。」

634 :ある女中の、回想。II:2009/09/20(日) 00:07:51 ID:R3ztYEHW
「実は、私、見てしまったんです。
 お二人がお屋敷で、若様のお部屋で…その…愛を交わされているところを。
 もちろん、見ようとして見たのではありません。
 偶然、見てしまいました…すみません。」

「…そっか、見られてたか。
 それならもう、言い訳はできないよな。」

「若様…本当に申し訳ございません。
 私が、不注意だったせいなんです。
 あんな時間に、不用意に若様のお部屋の前を通ったのがいけなかったのです。」

「ファビオラ…僕ね。」

「すみません若様。
 私は…悪い女中です。」

「いや、責めたいわけじゃないよ。
 僕とロベルタのことは、いつかは、誰かに知られてもおかしくなかったんだから。
 それに…婦長とはいえ、女中一人のために地球の反対側のタイくんだりまで来る、なんておかしいとも思ったろう?」

「それは…。」

「いや、いいんだ。
 ロベルタはね、いつだって父のために、我が家のために一生懸命やってくれた。
 僕が誘拐されたときだって、一生懸命駆けつけてくれた。
 だから…僕にとってロベルタは、特別な人なんだ。」

「若様…。」

やっぱり、若様のお心には、私が入る余地なんてない。
婦長様のことで、若様の頭はいっぱいなんだ。
きっと私のことなんて、若様の眼中にはないんだ。
そう思うと、なんだか涙が出てきた。

だめだ…どうしても止められない。
私の瞼から流れた涙が、女中服にポツ、ポツと黒い水玉を作る。
その水玉が、どんどん大きくなっていく。

「…どうして、泣いてるの?」

「なんでも、ありません。
 私は、大丈夫です、若様。」

私は、右手で目の辺りを拭いながら、必死で平静を装う。
だけど、若様は立ち上がって私を見据えて、強い調子でこう言ったのだ。

635 :ある女中の、回想。II:2009/09/20(日) 00:08:18 ID:R3ztYEHW
「僕、何か悪いこと言ったんだね!
 ファビオラを傷つけるようなことを、僕が…。」

「若様…違うんです、若様は悪くないんです…悪いのは私です…。」

「ファビオラは何も悪くないよ!
 悪いのは、僕だ。
 僕が、ファビオラを傷つけたんだ!」

私の両肩を、がっしと掴む、若様の両手。
でも、私には若様を正視することなんてできない。
私が若様を、苦しめているのだから。
私は、目を逸らしながら、いつしかこんなことを言っていた。

「いいんです、若様。
 私が、勝手に若様のことをお慕いしているのがいけないんです!
 婦長様がいらっしゃるのに、思いなんてかなうわけないのに、勝手に夢を持っていた私が悪いんです!」

「…。」

言ってしまってから、はっと気が付く。
そうだ、こんなことを言ってしまっては、若様をもっと苦しめるだけだ。

「すみません、若様。
 今のは、お忘れください。
 しがない女中の、ただの世迷…。」

右手で私を抱き寄せた若様の左手が私の頬に触れ、そして若様の口が私の口を塞いだのは、それを言っている途中のことだった。

背筋を、電流が走った。
若様と私が、今まさに口付けを交わしているのだ。
それは、さっきまではありえるとも思っていないようなことだった。

若様の舌が、私の口の中に入ってくる。
二人の舌が絡まり、若様の匂いが私に侵入してくる。
唾液が、混ざり合う。

二人の口が離れるのを、私は名残惜しく感じていた。
もっと、若様のぬくもりが欲しかった。
だから私は、若様にこう言った。
断られることも、覚悟で。

「若様…私を、抱いてください。
 一晩だけの関係でも、いいんです。
 今晩だけは、婦長様の若様でなく、私の若様になってくださいませんか?」

「ファビオラ…。」

胸の鼓動が、どうしようもなく激しく打っていた。
口から、心臓が飛び出しそうだった。

若様は何も言わずに、私の頬を寄せ、もう一度口付けた。
私たちの長い夜がいま、始まろうとしていた。

650 :ある女中の、回想。III:2009/09/20(日) 22:10:06 ID:38X6xd9c
レースのカーテンしかかかっていない窓の外からの、点滅するネオンの光だけに照らされた、薄暗いベッドルーム。
二人の、荒い息。
ベッドの周りに、脱ぎ散らかされた衣服。
ベッドに二人、向き合って膝立ちをしている私たち。

さっき下ろした、軽くカールした私の髪を、片方の手で若様が撫でる。
もう片方の手は、私の控えめな胸を優しく、優しく揉みしだく。
若様の指が、粘膜と皮膚の境目あたりに触れるたびに、そして、既に硬くなっている胸の先に触れるたびに、声が出てしまう。
背筋が、ビクっとする。

私も、つたないながら若様の既に固くなっているそれを、さわさわと撫でる。
いきり立つそれの、ほんの少しだけ出ている、まだピンク色の先っぽを、優しく刺激する。
そのたびに若様の口からは、熱い吐息が漏れる。

若様が、顔を近づけてくる。
私も首を伸ばし、若様と口付けを交わす。

その間も、若様の手の動きは止まらない。
若様はまだこんなお歳なのに、若様のそれはまだあんなに初々しい色なのに、若様はとても上手い。
きっと、婦長様とそれだけの経験を積んだに違いない。
そう思うことへの悲しさと、若様から与えられる快感とがないまぜになった感情が、私の心を襲う。
悔しいけれど、感じさせられてしまう。

私は、一気に若様のそれを包んでいる皮をまだ薄い茂みの側に引き、先っぽを露出させる。
未発達な、まだエラの張っていない先っぽの部分が、露になる。
ぱんぱんに充血してテカテカと光を反射する若様のそれと、皮との隙間に私は指先を入れて、ぐりぐりと刺激する。
若様はまるで、女の子のような声を出す。
若様の手の動きが、一瞬止まる。

私のそこも、若様の指を求めて蠢いているのを感じる。
じゅんと湿って、ぴくぴくと震えて、そこが若様に触れて欲しがっているのを、私は感じる。
切なさが、私の脳髄を支配する。

「若様ッ…お願い…しますッ…下も…触って…下さいッ…!」

胸を触られているだけでも、絶え絶えになってしまう声で、私は若様にお願いする。
本当はこういうはしたないことは若様はお好きではないんだろうな、と思いつつも、若様を失望させてしまったかもしれないことを恐れながらも、そう言わずにはいられない。
恥ずかしいけれど、どうしても若様に触って欲しい。

651 :ある女中の、回想。III:2009/09/20(日) 22:10:44 ID:38X6xd9c
若様は無言のまま、おっかなびっくり私のそこに片手を持ってくる。
だけど、若様の指は行きつ戻りつして、なかなかそこをちゃんと触ってくれない。
…もしかして、処女だと思われている?

「若様ッ…私ッ…大丈夫ですからッ…初めてじゃないですからッ…!」

そうだ。
娯楽の少ないバリオでは、そのくらいしかすることがなかったのだ。
私も、幼馴染と、初めての経験をした。
そして、惰性だったかもしれないけれど、何度も身体を重ねた。

貧しさのあまり、友達の中には自らの体を売るような子もいたけれど、だけど私はそれにはさすがに抵抗があった。
これまで私が身体を許したのは、その幼馴染、ただ一人だけだった。
でも、そのことが若様のお心を傷つけていないか、それが心配だった。

私の思いをよそに、若様の指が、ためらいながらも私の茂みの間の、割れ目を微妙なタッチでなぞる。
その瞬間、私の脊髄を電流が走る。
硬くなりつつある肉芽を、くりくりと若様の指がソフトに撫で上げる。

「うぁ…ッ…若様ッ…若様ッ…!」

一気に、私のそこから液体が分泌する。
キレイにアイロンのかけられたシーツが、若様の指をひどく濡らすほどしたたった私の出したもので、どんどん湿っていく。
若様の指が、じゅぷじゅぷと水音をたてる私のそこを、少しずつかき回す。
その動きによって与えられる快感で背中が震えてしまって、私の手が若様のそれから離れそうになるけれど、私は若様のそれを懸命に扱く。
若様のそれが、青筋をたてていっそう硬く、熱くなる。
何かぬるぬるしたものが、若様のそれの先から少しずつ出始めている。

「キャッ!!」

急に若様に、押し倒される。
倒れた私の背中を、柔らかいベッドが受け止める。

「ファビオラ…ッ…僕ッ…もう我慢できない…ファビオラの…中にッ…入りたいッ!!」

私を組み敷いた真っ赤な顔の若様が、荒い息の中でそう言う。
若様が、私を求めている。
そのことが嬉しくて、涙が出そうになる。

「はいッ…若様ッ…!」

私は両足を開くと、そこを、くぱぁ、と音のしそうなほどに濡れ、熱を持ったそこを自分の指で開く。
若様は自分のそれに手を添えて、私のひどく濡れてしまったそこの入口へと、ぴたっと当てる。

652 :ある女中の、回想。III:2009/09/20(日) 22:11:10 ID:38X6xd9c
「いくよ…ファビオラッ!」

「どうぞ…若様ッ!」

刹那、若様のそれが私のそこを、一気に貫く。
いきなり自分では触れないところまで、若様のそれが来ている。

「うぁ…ッ…若様ッ…ぁ…ッ!!」

それを入れられただけで、私は軽く達してしまっていた。
私のそこが、まるで別の生き物のように、若様のそれを包み込みながら、蠢いていた。

「っく…ぁ…ファビオラっ…ファビオラッ…!」

おそらくは快感に打ち震えながら、若様が、私を呼んでくれる。
それが、すごく嬉しい。
それだけでも、私のそこはキュッと締まるような、そんな感じがする。
私の中に侵入した若様のそれの形が、はっきりとわかる。

若様は、少しずつ腰を動かし始める。
私のそこから流れ込む快感が、若様の動きに合わせて激しく波打つ。
奥まで行っては戻る若様のそれが、激しく私を蹂躙する。
私の長い髪が、揺れる。

「あァ…ッ…若様ッ…若様ッ…!」

硬く閉ざされた子宮の入口を、若様のそれが押し広げている。
若様の腰の微妙な動きが、より感じる場所にときどき当たる動きが、私の心を溶かしていく。
若様と私は、いま、一つになっている。
乾いた肉と肉のぶつかる音が、そして二人の喘ぎ声が、部屋に充満する。

若様が、腰を動かしながら私の片手を握ってくれる。
私のもう片方の手は、ぎゅっとシーツをつかんだままだ。
若様のぬくもりが、手から伝わってくるのが嬉しい。

若様の背中が、だんだんのけぞってくる。
身体の芯が、ぴんと張ってきている。
私も、だんだん何も考えられなくなってくる。

「ファビオラッ…だめだッ…出ちゃうッ…!」

「若様ッ…ください…若様のを…中にッ…くださいッ…!」

ドクン、ドクンと脈打つ、若様のそれ。
私の子宮を打つ、若様の精。
それは、ものすごい勢いで、そして量で。
私の中に、じゅわ、と若様の精が染み込むのが、よくわかって。
すごく、幸せな気分になって。

ずるっと、少し柔らかくなった若様のそれが私の中からこぼれ落ちる。
二人の出したものが、トロッとシーツに滴り落ちる。

荒い息の中、私は、若様の腕の中にぎゅっと抱かれていた。
コトを終えても、若様から離れたくはなかった。
ずっと、こうしていたかった。
この時間が、ずっと続いてほしかった。

663 :ある女中の、回想。IV:2009/09/22(火) 01:34:13 ID:U0YheQlW
ベネズエラに帰った私たちは、婦長様のリハビリでの不在の間、何度も愛し合った。
若様には婦長様がおられるということ、決して私が若様の一番ではないだろうということ、それは辛かったけれど、だけど、若様と肌を重ねることができて、幸せだった。

その夜も、私たちは若様のベッドで愛し合っていた。
カラカスの病院に入院されている婦長様からは、「私の留守の間、きちんと若様をお守りするように。」と仰せつかっていたから、警戒しにくい夜に二人でいるのはなおさら都合がよかった。
明かりを暗くして、レースのカーテンだけ残して窓の外がわかるようにして、いつでも手に取れるようにベッドサイドに銃を置き、私たちは生まれたままの姿で、互いの肉体を貪りあっていた。

髪を下ろし、犬のように四つんばいになった私のそこを、膝立ちした若様が愛してくれる。
若様の指が、じゅぷじゅぷになった私の中を、ちょうど肉芽の裏あたりをつんつんと突く。
そのたびに私の背筋がビクッと震えて、声がまろび出てしまう。
私の中から、液体がどんどん溢れてくる。
同時にもう片方の手で後ろから揉まれている胸の先が、ぴんと硬くなる。
二人の激しい息遣いと、淫猥な水音が部屋に響き渡る。

「ファビオラ…少し胸、大きくなってきたみたいだね。」

「うぁ…若様がッ…ぁ…そんなにッ…ン…ッ…揉ま…れる…からです…ッ!」

そうだ。
こっちに帰ってきてから、ブラのサイズも一つ大きいカップになった。
若様が、こんなに私の胸を愛してくれるからだ。
婦長様ほどはまだ大きくないけれど、着実に、着実に育っている。

ちらっと若様の方を見る。
若様のそれは、大きく反り返り、青筋を立て、ビクンビクンと震えている。
私が初めて見た頃はピンク色だったそれの先は、今ではその頃よりはちょっと赤紫がかった色になっている。
そんなになるほどまでに、私たちは身体を重ねている。

早く、若様のそれで貫いてほしい。
また私の中で、精を放ってほしい。
それで万が一妊娠してしまっても、私はかまわない。
愛する若様の子供だから、二人の愛の結晶だから。

婦長様がいても、若様の心の欠片にでも私がいることができれば、それでよかった。
私のことを若様が忘れないでくれれば、それでよかった。
使用人と雇い主という身分違いの、それもメスチソと純粋な白人という容易には越えられない壁のある恋だから、私はそれでよかった。

若様が、私に後ろから覆いかぶさる。
若様のそれが、私のそこの入口を撫でる。
私のそこが、若様のそれを求めてヒクヒクと蠢いているのを感じる。

664 :ある女中の、回想。IV:2009/09/22(火) 01:35:09 ID:U0YheQlW
「ぁ…ッ…!」

若様のそれが、入ってくる。
私を焦らすように、入口の周りを何度も浅く、それが行き来する。

奥のほうが、すごく切ない。
若様は、ちょっと意地悪だ。
それがわかっていて、こうしているのだ。
普段はすごくお優しいのに、こういうときは別だった。

「…ッ!」

唐突に、いきなり奥まで貫かれて。
激しい快感の波が、私にいきなり襲い掛かってきて。

そのまま若様は、後ろから私をリズミカルに突き上げる。
ぱんぱんと乾いた肉同士のぶつかる音が、私の声と二人の荒い息とあわせて部屋に響く。
私の腰をつかむ若様の手のひらが、だんだん汗ばんでくる。

「若様ッ…若さ…まッ…キス…キスしてくださいッ…若様ッ…!」

若様は、腰を動かしながら身体を捻り、私の顔の横にご自分の顔を持ってくる。
私は横を向き、若様に口付ける。
唾液の混ざり合う、淫猥な音がする。

若様の腰の勢いは、ちっとも衰えない。
私より歳下だけれど、やっぱり男の子だ。
スタミナが、全然違う。

若様と二人、快楽の階段をどんどん上り詰めていく。
頭の中がどんどん、真っ白になっていく。
今のこの行為のことしか、考えられなくなっていく。

若様の熱い精が私の中に注ぎ込まれるのと、私が達するのはほぼ同時だった。
子宮口からその奥まで、若様の青臭い液体が、一気に染み込んでいく。

この瞬間が、私は一番幸せなのだ。
身も心も若様のものだと再確認できる、この瞬間が私は一番好きだった。

二人の息が、だんだん落ち着いていく。
全ての力を使い果たしたかのように私の横に大の字になっていた若様が、むくっと起き上がる。
そして、枕の下に手を入れる。

「…若様?」

「ちょっと待ってね、ファビオラ。」

「…?」

665 :ある女中の、回想。IV:2009/09/22(火) 01:35:30 ID:U0YheQlW
若様が、枕の下から取り出したのは、革でできた、円筒状の指輪のケース。
ケースには大文字で"BVLGARI"と書いてあるが、なんと読むのかわからない。

「…!」

若様はケースを開けて、指輪を取り出し、私の左手の薬指に、優しく嵌めてくれる。
何重にもなった輪が特徴的な、キラキラ光る指輪。
表面にも"BVLGARI"って彫ってある、キレイな指輪。
それはまるであつらえたように、私の指にぴったりと嵌まる。

「ちょっと早いかもしれないけど、これが僕の気持ちだよ。
 ファビオラ、僕と一緒に我が家を支えてくれないか?」

「…若様!」

私はあふれ出る涙を拭きもせず、若様の首に手を回して、若様に口付けた。
正直、これは予想外だった。
まったく、してやられた。
若様は、婦長様のことを第一に思われている、と思っていたから。
こんな私なんかが、バリオ出身のメスチソの女中が、そんなことをしてもらえるなんて、思ってもみなかったから。

私と若様は、それまでの情事の跡片付けもしないまま、再びひっしと抱き合った。
外からの月明かりが、祝福するように二人を照らしていた。
私は、若様の瞳を見つめながら、こう言った。

「…これからは私が一番じゃないと、許しませんからね!」




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