90 :大神竜一朗:2009/11/24(火) 16:08:19 ID:qIl/+dKn
    BLACK LAGOON
     〜8分程度の愛撫〜   大神竜一朗
                 
                  
 ロアナプラ。
この町では各国のギャング達が縄張りをひろげ
微妙な均衡のゲームを営んでいる。

 コンコン、俺はレヴィの部屋のドアを二度ノックし、中に入った。
部屋の奥のベットでパンツにタンクトップの女が背を向け眠っている。

 俺は町で喧嘩してパクられたあの日から、数回レヴィと関係を持った。
7本程度のビールの代わりに寝てやる、こいつはそう言った。
その後は、レヴィが美酒に酔い機嫌のいい時にさりげなくお願いすれば抱かせてくれた。

 
 ー部屋ー
 つけっぱなしのTVからは惨劇を伝えるCMNのリポーターの声が聞こえてくる。
死亡37名ー・・・  
 もう驚くような数字じゃなくなった。大使館建物は形を留めていません・・・て。
フッ、この部屋みたいにか?
「汚い部屋だな。」
 壁や棚には商売道具の銃器等が立てかけられ、机には薬莢やジャンクフードの包み紙や、
ピザの食べ残しが置いてある。だから小さいサイズにしとけって言ったのに。
「レヴィ、起きてるか。」
 背を向け眠るレヴィの反応はない。
「仕事だよ、ダッチが緊急だってさ。レヴィ!」
「うー…ん、……ロックか………?」
「そうだよ、とび込みで大口だってさ。」
 ブラジャーの引っ掛かったライフル銃を適当に隅に押しのけ俺の歩き道を作った。
部屋を少しは片付けたほうがいいっていつも言ってるのに一向に片付ける気配がない。
片付けると今度探すのに面倒だって言い返されたが・・・まあいい、困るのはお前だ。
「とっとと起こせって言われて、事務所から飛んで来たんだ。」
 俺はベットのレヴィの身体を跨ぎ、いつまでも夢の中から戻ってこないこいつの為に、
わざと身体を当てて、ブラインドを回し真昼の陽射しを眠るレヴィに浴びせた。
「うー…っ、………。」
 正解だった。
払いのける事の出来ない陽射しにうづくまり、憂鬱そうにも身体を起こした。
「チクショウ……仕事、誰からだって……」
「ミスター張だよ、三合会の。」
「−…………。」
 
まだ頭の中、憂鬱が大半を占めてるこいつに
ホワイトシャツのポケットから取り出した煙草を一本あげた。目覚めのお手伝いってわけだ。
「M7かよ…。」
 文句を垂れながらも煙草を口に咥え、火を待っている。
「俺のポケットだ、出るものはしれてる。どこにも通じてねぇしな。」
「……………。」
「笑うとこだろ。」
 レヴィ相手に日本のカルチャーをジョークに使っても分かるわけないか。
俺はレヴィの咥えた煙草に火をつけてやった。
煙草の先が、火で赤く光る。
「憂鬱そうだな、レヴィ。」
「まだ、……だりぃ………。」
「夜更かしでもしてたか?」
「今、何時だ…………。」
「午後二時。」
「ハァ……。」

91 :大神竜一朗:2009/11/24(火) 16:09:53 ID:qIl/+dKn

 俺は女の寝起きのその表情が好きだ。色気を感じる。
鬱陶しそうに髪をかき上げたりしたりなんかすると最高だ。
美少女より美女を好む男ならみんな気持ちが解るはずだろう。
 目の前の女に対し、少しだけ欲情してきた。
「レヴィ!」
「あん!?」
 レヴィの身体を抱きしめ、
「レヴィ、レヴィ!」
 レヴィの身体を求めた。今までで一番大胆な求め方だと思う。
欲求を溜め込んでいるせいか、レヴィのその鬱陶し気な眼差しのせいか。
「やめろ………だりィって言ったろ。」
 やりすぎるとキレる。今のはヤリすぎだ。
「ゴメン…………。」
 色々と自分をフォローする言葉を考えたがいいのが思いつかなかった。
下手に回りくどく誤ったり、バレバレの褒め言葉を遣っても
かえってこいつをイライラさせるだけだ。

 沈黙というほどではないが、俺が黙ると
「昨日他の奴とヤッてんだ……だから今はいい…。」
「え、…………誰と?」
 今の言葉には反省を演じていた俺も口を開いてしまった。
今、ヤッたって言った?
「誰と…?」
 二度言ってしまう。
「先週でかい報酬金が入ったろ……それでな。」
「…?」
「最近ロックとしかヤッてなかったろ、だから久しぶりに違う男と思ってな。」
「男娼……?」
「グラサンはイケてなかったが顔はいい方だろうな。
  値段のわりにはセックスが下手だったけどな。」
「………………。」
「あん?どうしたんだ?」
「いや、別に……。」
 なんだろうな、胸が重い。
レヴィが他の男を買ったからか?いや、違うよ。
「おい?」
 方眉をあげて俺の顔を覗き込んできた。
「ハァ……世話焼けるぜ、まったく。」



92 :大神竜一朗:2009/11/24(火) 16:16:40 ID:qIl/+dKn




 どれぐらいが経つ。そんなには過ぎていないだろう。
部屋に流れるつけっぱなしのCMNがまだ同じニュースを報じている。
 今朝ワシントンDCで行われた会見では・・・
そんなアナウンスをバックミュージックに。
「ああ、………レヴィ。」
 俺はベットの上で開脚した姿勢で座っている。ズボンのチャックだけを下ろして。
レヴィはというと……そんな俺の股の間にうずくまりチャックからでた俺のペニスを咥えていた。
「レヴィ……。」
 寝起きのままの格好で。グレイのパンツに包まれたその大き目のヒップを上げ、頭は俺の股間。
こいつはいつもフェラの時はナマでしてくれるから舌のヌメッて感触が直に感じる。
二回目の時に聞いたが、こいつはアナル舐めは嫌だって言うが
男のペニスを直接舐めるのには、さほど抵抗が無いようだ。
すると自然とわいてくる疑問がある。
「レヴィ…。」
「ん?」
 ペニスを咥えながら下から俺の方を見上げた。
「昨日の………その男にも……口でしたの?」
「ん。」
 語尾が下がった`ん`がひとつの返事。YESって意味か?
「ナマで……フェラチオしたの?」
 二度目の俺の問いかけにレヴィがフェラを止め
「フェラぐらいでスキンなんか着けるか?」
「…………………。」
 レヴィが再び口でしようと顔を近づけたとき
「レヴィ…。」
「ん?」
「アナル……舐めてくれない?」
「お前尻の穴好きだな。よっぽど女に舐めさせたいんだな。」
 呆れたような笑みを見せながら再びペニスを握る。
「駄目?」
「そんな汚ねぇ所あたしに舐めさすな。」
「お願い、レヴィ。」
 レヴィの眉間にシワがよりこころなしペニスを握る手に力が入るのを感じた。
これ以上言わないほうがいい。
「じゃあレヴィ…またチンチン……舐めて。」
「オーケィ。」
 レヴィが俺のペニスを口に頬張った。
正直こんな事すると思ってなかったから、ここに来る前にトイレに行った。
いつもなら抱き合う前にお互いシャワー浴びるんだが、今日は汚いままだ。
それを言えば……カトラスが火をふき俺の体に十番目の穴ができるだろう。

 そろそろイキそうだ。
普段フェラは前戯の合間にやってる。
そろそろって時になるとコンドームを着けてからこいつの性器に挿入するってパターンだ。
今日はこのまま…こいつの口に…!
「アッ!」

どくっ



93 :大神竜一朗:2009/11/24(火) 16:18:12 ID:qIl/+dKn
予告なしに射精してやった。
「ごめん、レヴィ…。おもわず口の中に…。」
 当然わざとだ。
俺の精子を口に咥えたまま舌で受け止め……ペニスから口を抜いた。
口内射精した事には特に機嫌悪くしている様子はない。
レヴィは口に俺の精子を溜めたまま枕元らへんに置いてあるティッシュを取ろうとした時
こいつの腕を掴み
「レヴィ、お願い………飲んで。」
「……。」
 俺の目をじっと見つめてきて、仕方ねぇなって目で見てきた。
俺にわざと見せるようにアゴをあげ嚥下した。
レヴィの喉が動く事で自分の精子が飲み込まれていくことを実感できた。
 こいつ、男が喜ぶ仕草を心得てるな。
「すまない……。」
「別に構わないさ。」
 イカした女に自分の精液を飲ませると征服した気分になれる。
支配欲ってやつか。これがあるからレヴィとの衝突にも我慢が出来るのだと思う。
「……どんな味なんだ?」
「味?…みんな変わらねぇよ。」

「……………。」
 他の男たちのも飲んだ事ある…って意味なのか。
「昨日の男とも?」
「一発もイキやがらなかったよ。トゥーハンドのあたしが怖いんだと。」
「でも昨日ヤッたって言ったろ……セックスが下手だったって。」
「ヤッたのは前戯だけだよ、何かするごとに恐怖でビクッて震えやがる。
  おかげでフェラの途中でこっちが冷めちまったよ。」
「そうだったのか…。」

どうした、俺。今の聞いて安心してるのか?
 


94 :大神竜一朗:2009/11/24(火) 16:19:17 ID:qIl/+dKn
 
 レヴィがベットから降り、床に落ちてたホットパンツを履き
ホルダーに腕を通し二丁のカトラスを装備する。トゥーハンドのレヴィの姿になった。
「いや、気持ちよかった……ありがと。」

「いつまでも浮かれたツラしてんじゃねぇよ。」
 背中を向けたままのレヴィ
「レヴィ……。」
「部屋から向こうはパートナーだ、そういうツラしな。」
 そう言い残しレヴィが先に部屋を出て行った。

 レヴィの部屋に一人残った俺。
なんだろうか、すっきりしないこの感じは。
レヴィに口でしてもらったのに……

 レヴィが男娼にフェラしたからか?
別に恋人ってわけじゃないから、浮気でもない。
だけど挿入…最後までしなかったと聞いてホッとしたりした。

なんなんだよ、この鬱陶しい気持ちは……。

 征服した領土を侵されそうになったからだ

 きっと
 

 どれだけ自分を納得させる理由が浮かんでも
レヴィが他の男のペニスを舐めたことは消えない。


 

事務所では
「さっきからずーっと待っているんだが、
  コーヒーの一杯も出ないのか、この店は。」
         
              END




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