673 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:32:51.21 ID:jK2OsGm7
生者のために施しを 死者の墓には花束を 
                 「ラブレス家 家訓一部抜粋」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここは?もう朝!?いけない、当主様と若様を起こさないと…
寝過したと感じたロベルタは急いでメイド服に着替え、私室を後にする。
普段ならみんなより早い時間・遅くともファビオラや他のメイドたちが婦長である自分を起こしに来るはずなのに…

当主であるディエゴ・ラブレスの寝室を開けると、ベッドサイドの椅子に息子である次期当主ガルシアが座っていた。
しかし、ロベルタが部屋に入っても気づいていないのか振り向かなかった…
「若様!?申し訳ございません!!ご当主様を起こさなければならないはずなのに、遅れてしまいました!!」
しかし、ガルシアは振り向かなかった。
それがかえってロべルタの罪悪感をあおってしまう。
「大丈夫だよ、たまに遅れても、父さんは怒ったりしないよ。」
(ああ、やはり若様はお優しい。)
ロベルタは居たたまれなく感じつつもガルシアの純真さに感謝した。
「ほら。おいで、ロべルタ…。見てみなよ、気持ち良さそうに寝てるから。」
ロべルタは安堵しながら一歩ずつ進んでいく…


674 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:34:23.84 ID:jK2OsGm7
しかしベッドサイドに近づいた途端、戦慄が走る。
ディエゴの顔が無い!!まるで、のっぺらぼうの様に顔が消えているのだ!!!
そして直後、嗅ぎ慣れた臭いがした。そう…血・・・臓物・・・硝煙の臭いを…
そして、ここでようやくガルシアが自分に目を向けた。
「どうしたの、ロべルタ?一緒に父さんを起こそうよ…」
それは普段の優しい目を持つ彼ではなかった。
まるで、フローレンシアの猟犬と呼ばれたかつての自分と同じ目・・・
あの魔都ロアナプラの住人たちと同じ目・・・
死んだ魚の様な目・・・
若様、見ないで!!そんな目で私を見ないでくださいませ!!!!!
いや………いや……………いや~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!

「はっ!!!」
ガバッとロベルタは起きあがり目の前の光景を見た。
目覚めた場所は見慣れた自分の私室のベッドだった。
(まただ・・・・。)
当主ディエゴを失い復讐の狼と化したあの街での出来事から、もう半年が経とうとしていた。


675 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:38:20.38 ID:jK2OsGm7
今でも、薬物の後遺症で幻覚に悩まされ悪夢として出てしまうロべルタだが、時折ラブレス邸に訪れるカウンセラーの治療も甲斐あって少しずつだが回復してきている。
「失礼いたします。っ!!!婦長様、大丈夫ですか?また、発作ですか?」
ドアの向こうからファビオラが入ってきた。
自分がいない間、懸命にガルシアを支えてくれた。ロベルタにとっては感謝してもしきれない妹のような存在だ。
目の前の壁掛け時計を見てみると朝の7時。
普段より遅いがちょうどいい時間だ。
「大丈夫よ、ファビオラ…。若様は?」
「もう・・・ご自分の心配をなさってください。………若様なら、そこにおられます。」
「え?」
振り向くとベッドサイドの椅子に腰かけて寝ている現当主ガルシア・フェルナンド・ラブレスがそこにいた。

676 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:40:11.78 ID:jK2OsGm7
「申し訳ありません。この季節、お風邪をひかれるのでとお止めしたのですが・・・」
ロベルタは内心驚いていた。
ガルシアがそこにいたのもそうだが、昔の自分なら例えネズミの走った音でさえ目を覚ますというのに、ガルシアが自分のそばに来ていたにもかかわらず
そのまま寝ていたことに対しての方が大きかった。
「婦長様を想ってのことだと思います。朝食は準備いたしましたので、時間までゆっくりお休みくださいませ。」
「そんなことは・・・!!」
「いいんです。若様が起きますよ?」
大きく声が出てしまったので途端に静かになった。
そのことを言われたら、いくらロべルタでも黙るしかなくなる。


677 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:42:34.72 ID:jK2OsGm7
「では、私はこれで。ああ、それと若様から使いをいくつか申されておりました。夕方ごろまでは戻りませんので。それでは・・・」
「ちょっ、ちょっと。ファビオラ!!」
バタン
これではどちらが婦長かわからないものだ。
静かになってから少し経つと、恐る恐る眠っている少年をロベルタはベッドから身を乗り出し眺めた。
少年から青年へと変わる途中の顔立ち。
絹の様なブロンドの髪。
規則正しい彼の寝息。
そして、彼の唇。
あの悪魔の街でのキスの後この屋敷に戻ってからは、前にもましてガルシアはロべルタに愛情を向けた。
カウンセリングに対しても食事の時も。
それはまるでつがいの鳥のように、ロべルタのそばには常に彼がいた。
そして、ロべルタの心の中には靄(もや)のようなものもかかっていた。
ガルシアを見るたびにそれを一層強く感じる。
その理由もロベルタは薄々勘付いてもいる。
しかし、その感情はいわば人であることの証。
血塗られた猟犬が人と同じ感情を持つことなどあってはならないと、この少年に気づかれることのないようにときつく自分に言い聞かせていた・・・
「若様…」
また悪夢ではないかと不安になったロベルタは思わず頬に手を触れ、ようやく安堵した。
「大丈夫だよ。ここにいるから。」
「!!!!??」
ぎゅっとガルシアがロべルタを抱きしめる。

681 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:55:54.88 ID:jK2OsGm7
* * * * * *

「おはよう♪」
「おっ、起きてらしたんですか!?」
「ファビオラが来たあたりかな、その後は振りだけどね。」
「は、放してもらえませんでしょうか?」
「いやだ…暖かいし…」
「若様………………」
「頼む。もう少し、このまま………………」
「…………」
「それにさ、ようやく話してくれたから………」
「………」
確かに戻ってから、ひと月位はまるで人形のような状態で他人と話すことさえ億劫な状態だった。こうして話せるのだって、つい最近のことなのだ。


682 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:56:57.98 ID:jK2OsGm7
沈黙を破ったのはロべルタだった。
「……………申し訳ございません。」
「謝らないでよ、むしろ嬉しいんだ。ロべルタの声、もう何年も聞いてないような気がする………。ねえ、ロべルタ。何か言ってよ。」
「………少し、逞しくなりましたね。」
「うん。実は…ファビオラにカポエイラを教わっててね。ロべルタ、僕に護身術教えてくれなかったから。」
「そうですか…」
教えなかったのには2つ理由がある。
1つはもちろん、ガルシアを自分の関係する出来事に巻き込みたくなかったから。
もう1つはそのような出来事が起こっても、常に自分がガルシアを守っていくという自負があったからだ。しかし今回の一件で、そうも言えないと感じたのも事実だ。
彼だって男なのだ。
強くなろうという気持ちを持つのは至極当然のことなのだろう。


683 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:58:25.60 ID:jK2OsGm7
「それに家をまとめるためには、もっと勉強しなければならないしね。そうしないと、大切なものを守れないということを嫌と言うほど味合わされたから……」
「…………」
「アメリカ軍の少佐に銃を向けた時……いや、ロベルタがいなくなった時から気づいていた。自分はなんて無力なんだって…」
「…………」
「だから………失いたくないんだ。もう、二度と。」
「若様……」
その言葉を聞いた時、ロベルタは居たたまれない気持ちになった。
復讐が終わってもディエゴは戻ってこない。
これからガルシアはラブレス家を若干14歳という若さで支えていかなければならない。その道は長く険しい茨の道。
そして、未だにFARC(コロンビア革命軍)からはDEAD OR ALIVE (生死問わず)、FBIからは国際指名手配されている身である自分は、いつか必ず彼の重荷になることが目に見えている。
その事実が、暗雲となってロべルタを包み込んでしまう。


684 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 16:00:10.12 ID:jK2OsGm7
(それだけは絶対に嫌だ!!そうなったら先代様にどう、お申し開きをすればいい…。だから、もう言うしかない。いい頃合いだ。「この屋敷を出ていきます。誰も知らない場所でひっそりと、静かに身を隠します」と。)
「若様。…………聞いてくださいまし。」
「?」
(さあ、言うんだ。ロべルタ!!言うのよ。)
「わ……わたくし……は…」
その時、ロべルタの唇に違和感……
そして、優しく顔を抑えられながら口内に舌を入れられた。

689 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:51:12.23 ID:6ggrwdQV
* * * * * *

キスされたと理解するまで何秒か経ち
「すぐ顔に出る…。言わせないよ……そこから先の言葉。」
「わ、若様!?」
「確かに…………僕に待っているこれからの人生は良いものではないのかもしれない。だからこそ、ロべルタ。君が不可欠なんだ。君がいなければ意味がないんだよ。」
「そんなことは…………ふっ……うむっ……」
最初は唇、次に頬・まぶた、さらには夜の闇の様な黒髪……拙いながらもガルシアはロべルタを愛し始めた。


690 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:52:55.02 ID:6ggrwdQV
「わ、若様!?いけません…んふっ!!け、汚れます…」
「どこもないよ、全然。」
プチっ……
プチっ……
プチっ……
首筋にキスし、寝間着のボタンを外す度に彫刻のような肌・2つの丸みがあらわになっていく。
「ここも・・・」
チュっ……
チュっ……
チュっ……
「ここも・・・」
ちゅく・・・くちゅっ、ぺちゅ
「ん、あ・・・あふぅ、ん」
今までは、兵士として諜報・暗殺の目的のために身体を許してきたロべルタ。
だが、ガルシアの愛撫は覚束ない(おぼつか)が新鮮でそれでいて愛情が伝わってくる。


691 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:54:43.59 ID:6ggrwdQV
「ああ……お止め…ください……あうぅ…」
「いやだ。やめると出て行こうとするだろ。。。」
寝巻の上からでも乳房の弾力が伝わってくる。ブラを外し、2個の白桃を口に含む。
ちゅぱ  れろ  チュッ
「そ…っく…そん・・・な・・・こと・・・ふっうん!!」
ジュン……
経験がないはずなのに、必死に自分をつなぎとめようとするガルシア…
その姿を見ていると、今まで律してきた理性が揺らいでしまう。
「んっ…………はぁ…………くぅん……………」
自分が守ってきた男の子が、今や自分の乳房を赤ん坊のように吸っている。
一目見ただけで軽いエクスタシーを感じてしまった。
乳房から口を離し、ロべルタの下半身へと顔を移す。


692 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:56:26.85 ID:6ggrwdQV
「本当に嫌だったら抵抗しなよ。ロべルタには勝てないし、嫌がることはしたくないから。」
「っく・・・・」
確かに単純に力だったらロべルタにとっては目をつぶってもできることだ。
しかし、嫌ではないと感じる自分がいる。
いや、むしろ愛されたい。愛したい。そして…………1つになりたいと感じている……
「・・・・・・・ずるい…です・・・・・・・・」
小声ながらも、思わず言ってしまった。
しかし、ロべルタにはもうこれ以上自分を抑える気力はもう持ち合わせていなかった。
「うん…………。でも、これくらいは許してほしいな。」

パサッ………………

最後の布をとったガルシアはここで初めて手を止めてしまう。


693 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:57:53.12 ID:6ggrwdQV
ごくっ……………………

「ふ…………はぁ…………はぁ…………?」
その表情を見逃さなかった。はじめて「女」を見た表情を……
(やはり、まだ男の子なのね………)
「わ………若様?こ……ここは無理をなさらなくとも……よろしいのですよ……」
「えっ?いや、違うんだ!!!!!その………見とれてしまって………ごめん…」
「~~~~~~~~~~~~い、いえ……。あ、あまり見ないでくださいまし。恥ずかしいのです。お見せするようなものではありませんので…………」


694 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 01:01:18.71 ID:6ggrwdQV
あの、メイド禁句宣言INロアナプラの元である『未来から来た殺人マシーン』(ロック曰く)が10以上も歳下の男に、まるで生娘の様に恥じらいを見せている。
もし、この話をロアナプラでしたら、イエス様がブッダとヘビー級タイトルマッチでタコ殴りKOした後にケツをほったという与太話の方を信じることだろう。

「ふ〜ん。そうか・・・♪」
その顔は見慣れている…。いたずらを思いついた時だ!!

702 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:43:27.98 ID:6ggrwdQV
* * * * * *
ペロッ………

「ひゃう………あっ……はうんん…………はぁ…」
「もっと見せて。ロべルタの恥ずかしいところ……」

ペロッ ピチャッ スッ スー ペロッ ズ〜〜〜〜
「す、吸わないでください!!!ふうっっ~~……ハアッ」
嫌がれば嫌がるほどにガルシアの嗜虐心を逆撫でしてしまう。
そして、学習能力の高さ(?)が功を奏したのか、舌のスピードが少しずつ増していき絶頂へと導いていく。
「わ、若様!!!!ダメ……ダメです、もう。……ん〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

部屋の中は荒い吐息と情事の甘い臭いで満たされていく・・・・


703 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:45:09.69 ID:6ggrwdQV
「気持ちよかった?」
(ここで、無邪気な子供の顔を作るのは・・・反則です、若様。)
内心、ロべルタはそう思った。
「は………はい……。では、お返しを、させてくださいませ……」
「えっ?いっ……いいよ!!そんなことしなくても。。。」
「いいえ。若様は、こんな私めに施しを下さいました。ですから………私にもさせて下さいませ。」
ロベルタは、ガルシアのズボンに手をかけ、スルスルと脱がしていく。
「ロ…ロべルタ……」

しかし、ロべルタも手が止まってしまう。


704 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:50:34.44 ID:6ggrwdQV
「?」
どうしたのか気になったガルシアは考えたのち、すぐ察しがついた。
そこには、たった1つの銃創の痕。思い出してしまったのだ。
自分が……不可抗力とはいえ、ガルシアを撃ったことを……。
あの時は、幻覚と現実のはざまの中でのたった1つの救い……。
それを自らぶち壊すところだった。
悔やんでも悔やみきれないロべルタの罪の一つ・・・。
当初はその部分を見ただけで過呼吸になってしまったが、だいぶ回復してきたのがうかがえる。
「大丈夫だから……」
「で……ですが……私は」
「大丈夫……これもわかったことの一つ。銃で撃たれれば痛いってこと。良い教訓にできたからそれでいいんだ。それで、取り戻すことができたんだから安いものさ。」
(それに、ロべルタの痛みを少しでも知ることができれば……それで満足だ。)
その部分まで空で言えるほど、ガルシアはできていない。
もし、言えてしまったらそれこそ現代のカサノヴァ(18世紀に実在した人物で当代一の色事師。甘い言葉で誘惑し、その女性遍歴は100人を超える。唯一違うとすれば、この人物はスペイン人やベネズエラ人ではなくイタリア人。)になる可能性が濃厚だ。。


705 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:54:26.15 ID:6ggrwdQV
加えて、ガルシアは一瞬だけ思い出した……。
もう一人の、漆黒の闇に隠れた、立役者(フィクサー)に徹したある日本人を。
後から聞いた話だが、その日本人は故郷に帰った時に、人を一人救えなかったと聞いた。無論あの悪魔の街、ロアナプラに関係することだということは明白だった。
その繰り返しをしたくないが故に、周りをゲームの駒のように進行していき、結果は彼にとって良いものになった。
彼のおかげでロべルタが戻ってきたことには感謝はする。
だが、やり方というものも考えようだ。
ファビオラの言うとおりだというのも解る。
「自分そのものを天秤にかけてない。」
少なくとも、自分が見てる中では見えなかった。
そして、あの時の港での笑い顔。未だに忘れない・・・・・・
『やあ・・・よかったね』と。


706 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:57:36.27 ID:6ggrwdQV
「若様………ありがとう……ございます。」
「いいって。」
気を取り直して情事を再開する。
ベッドに仰向けにされて、パンツまで脱がされてようやく露わ(あら)になった。
皮はむけているが、まだ毛もまばらにしか生えていないペニスがこれでもかと云うくらいに自己主張している。
「ふふっ、……可愛いです、若様。」
ガルシアは一瞬、背筋がゾクゾクと感じた。
ロングの黒髪を直している自分の愛しき女性が、さながらサキュバスの様に見えたから・・・


707 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:59:39.39 ID:6ggrwdQV
「可愛いって………っくっ……」
「あむっ……んむっ……」

チュパっ チュッ グポッ ジュポ ズズーーーー

「ああ、ロべルタ………」

少し、経ってから、ロべルタの口内に欲望を流し込もうと無意識に腰を振ってしまう。
「ぷはっ……若様、ふ……膨らんできましたね?んむっ………チュパっ……チュ……我慢なさらないでください。この汚れた口に、むぅぅウぅうぅ……若様の熱い精液……飲ませて…下さいませ!!」
「ロべルタ!!!!!っくぅぅぅぅぅぅ……」
「んんんん〜〜〜〜」

容赦なく喉に絡みつくガルシアの体液を愛おしげに、少しずつ嚥下(えんか)していく…
恍惚の表情を浮かべながら………

ごくっ…ごくぅ…ごくっ

「んっ……ぅふぅ…あむン・…………くぅぅぅんん!!!」
目をトロンと潤ませながら、絶頂に達してしまう……
その姿を見たガルシアはまたも、背筋にゾクゾクと興奮がわいてきた。
「ハアッ………ハアッ……はあっ。」

スッ・・・・・・

ガルシアがベッドから起き上がり、目もうつろなロべルタの口許に……


708 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 22:00:56.76 ID:6ggrwdQV
「ふわっ?……わ、若様!?ダメです!!今、キスをすると!!!!」

んチュッ…チュウっ…チュパ…れろ…

「……う…んっ…ふぅ……」
「ぷはっ…大丈夫だよ。それに、顔見たら、したくてたまらなくなってさ。」
「あっ・・・・・。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜で、ですが・・・・・・・・」
照れた顔を隠すように、うつむいてしまうロべルタ。
その姿を見たガルシアはある決心をしてしまう。
「顔、あげて。ロべルタ?」
おずおずと潤みを含んだ瞳がガルシアを捕らえる……

710 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:12:33.88 ID:EYcY5IWB
* * * * * *
(ロべルタだからできるんだよ。それだけは言える。もう…かまうものか。まだ僕には約不足かもしれない。それでも……)
息を吸いなおし、覚悟を決めて宣言した。
「愛してる……ロべルタ!!」
「!?」
「家族の一員としてもそうだし、それを超えて一人の女性として……俺は……君を愛している。」
「若様!?ダ、ダメです!!お考え直しくださいませ!!私と一緒にいたら、若様に不幸をもたらしてしまうのですよ!!」
「さっきも言ったろ。君が不可欠なんだって……。これまでだって乗り越えてきたじゃないか。」
「それは、運が良かっただけです!若様は、解ってないんです・・・・んむっ〜〜・・・」
黙らせるようにキスを施すガルシア……
「そうさ。確かに解ってないさ!!ロべルタのような境遇ではないし、綺麗事だってのも解ってる・・・。それでも、俺は君のそばにいたい!!それが、いけないことなのかい?」

ピシっ

ぽっ…ポた…ポタッ……ポタッ……ポタッ……

「ロべルタ・・・・・・?」

(泣いている?今まで誰にも涙を見せなかった……父さんの葬儀の時でも泣かなかったあのロベルタが・・・・)

「っん……ひっく…お……お願いです。こ……これ以上…ぐすっ……困らせないで…ぅぐっ…下さい……ませ……」
これ以上は耐えられない。一度出てしまったらもう止まらなかった。
だが、ガルシアに向けての涙が油となって、少しずつ満たしていく。
悲しく錆びついた鉄の心臓に……。
「も……ぐ……もし……ひっく…若様まで・・失ってしまったら……わ…わたしは…先代様に……ふっ……なんと申せば……よろしいの……ですか?」
ガルシアは何も言わず、ロべルタの訴えを聞き続けている…
「わ…若様?答えて……ください……うっく……ませ?」

ぎゅっ………!!!

優しく、そして力強くロべルタを抱きしめ、耳元で囁きかける。


711 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:14:03.02 ID:EYcY5IWB
優しく、そして力強くロべルタを抱きしめ、耳元で囁きかける。
「絶対に…絶対にロべルタより先に、死んだりしない!」
「………………」
「人は、いつか死ぬんだ。父さんみたいな善人があんな形で死ぬこともあるし、あの街の住人の上の奴らだって、老人まで生きながらえるかもしれない………とても理不尽な話だけど、遅いか早いかそれだけなんだ……。でもね、わかったこともあるんだ。」
「……な、何でしょうか?」
「俺たちは、あの街の連中よりも、未来を作れる可能性があるっていうこと・・・」
「未来……」
「いわばあの街は歩く死人の街だ。死者は歴史や過去の教訓を作るけど、未来を作る能力なんてない。未来を作るのは、常に生きている人間だ。そうだろう?」

彼だってそうだ。
今思えば、桟橋に立っていた彼のその時の思いを少しだけガルシアは理解できた。
あれは、まるでおもちゃのパズルを完成させた子供そのものだ。
その瞬間分かった。一度あの船の中で出会った、善人だと感じた彼はもう死んだ。彼も未来を創る可能性を捨てた歩く死人の一人になってしまったんだと。


712 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:17:17.89 ID:EYcY5IWB
「…………………」
ガルシアの言葉を聞くうちに、少しずつ涙が引いて行く…………
「ロベルタは今過去の過ちを悔いて、償いをしている。
それが義務ではあるけれど、生きている人間しかできないじゃないか。
例え、殺してしまった人たちの家族から石を投げられ、銃を向けられ罵られても、俺はロべルタを信じる!!
そしてロべルタと、未来を創っていきたい。だから、絶対に先に死んだりしない!」
「………………………」
「だから、せめて俺に、君と未来を創る可能性を下さい。まだまだ頼りないけれどロべルタを支えていきたい。それだけは誰にも負けないから。」
言ってしまった……。
この言葉は遠まわしに言えばプロポーズ。
失敗は許されない。
ガルシアの今のこの気持ちは、有罪・無罪を待つ被告人のようだった。

714 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:31:38.95 ID:kdOyRXF0
再びうつむいてしまい、数分たった後ようやくロベルタが口を開く。
「冗談じゃありません。」
「えっ!?」
「頼りないのは……私の方でございます。……でも、若様のお気持ちはしかと受け取りました。…………私も……同じ気持ちです……から。」
「……じゃあ!?」
「……は、はい。不束者ですが、謹んでお受けいたします。」
その言葉を聞いた時、ガルシアは天にも昇る気持ちだった。神様は、最後まで自分を見捨てていなかった……
「で……ですが……まだまだ若様にはこのお屋敷を守るためにすべきことは山積みです。だから、それにお仕えする秘書が必要です。その……こ、婚約者というのはその後でと云うことで……今は…。」

ぎゅ~~~~~~~~~

「若様!?聞いておいでですか?」
「充分だ、それでも!何年かかっても、絶対にやってみせる!!!」


715 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:32:39.39 ID:kdOyRXF0
「もう……」
「よし。じゃあやるべきことを1つ実践してみよう。」
「じっ、実践とは?」
「名前で呼ぶこと!」
「?呼んでいますが……?」
「違うって。若様ではなくて、ガルシアって呼ぶこと♪」
「〜〜〜!?でっ、出来るわけないではありませんか!!」
「さっきの言葉、ウソだったんだ…………」
「ち、違います!あくまでも形式上では主人とメイドなのですから、いくらなんでもダメです!」
「じゃあさ…2人きりの時だけ。これは譲れない。はい、主人の命令。。。」

「んくっ…ですから……もう。解りました、ガ…………ガ…ルシ…ア……様。」
どもりながら呼んでくれるその恥じらい顔は可愛らしく、ますます愛しさがこみ上げてくる。
「まあ、譲歩して許してあげるよ。」

チュッ


716 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:33:42.45 ID:kdOyRXF0
ひゃっ?い…いちいち驚かさないでください!そ、それと…若様?」
「ガルシア」
今まで「若様」と癖として呼んだ分、名前で呼んだことが無いのか、所々ぎくしゃくしてしまう。
「ガ…ガルシア様……。あの、その……」
「何?」
「あ、あたっております……」
一瞬何のことかわからなかったが、言いたいことが分かった。
自分でも、少し恥ずかしくなってきた。
「ん、これ?あ〜、その。」
「もう、回復してしまったのですか?」
「ははっ……気が抜けちゃったもんだから、つい…」
「し、鎮めなければ……なりませんね……。」


717 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:36:22.45 ID:kdOyRXF0
ギシッ・・・

体勢を変え、ガルシアに向けて股を開くロべルタ。
「ど、どうぞ。ガ………ルシ…ア様。」
「うん。じゃあ、入れるよ……」

ップっ グニュ ギュっ キュウぅぅぅ

「あっ………き……きつい!!ロべルタの膣内(なか)、あったかいよ…」
「はぅぅぅん……はあっ……あっ……どっ、どうなさいましたか?」
見ると、ロべルタの顔をじっと見るガルシア。
(まさか、気持ち良くなかったのかしら!?)
「くっ……いや、顔見たらさ。普段も綺麗だけど、今のロべルタ、すごく可愛い。」

ボッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「か!?可愛いなんて……!!ち……違います!!!」
今までは、そんな言葉など犬に食わせる程度の価値しかないものなのに。
途端に、体中が火のように熱く燃え上がっていく。


718 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:38:21.74 ID:kdOyRXF0
くっ…う、動くよ……ロべルタ。ちょっと……締め付けすぎ」
「す、すみません。ですが……ガルシア様が……そんな事を言うから」

クチュ クチュ ズッ ズッ ズッ

「だって……くっ……本心を言っただけだろ。」
「ふぅん…あっ……いや…むぅん……お、臆面もなく……言えるのが問題なのです!……アン」


719 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:39:16.54 ID:kdOyRXF0
「ロべルタだけだから。」
「えっ?」
「他の女性なんかいらない!君さえいてくれれば……。他ならないロべルタだから、こんなこと言えるんだよ。」
「!!!!」
アイスブルーの瞳が再び、涙を浮かべそうになる…
ギュっ パンッ パンッ パンっ ジュ チュプ ジュプ
「ああ、ロべルタ……きつすぎだよ。」
「ひぐぅぅ~~…んん〜。そんなに……激しくしないで……ガルシア様。……。」

クチュ クチュ ズッ ズゥ ズッ

「ふ〜ん、……うくっ……ココ弱いんだ♪?」

「ふぅん!!…あん…いや…だめ…ガ…ガルシア様!!お許しを!お許し…下さいませ~~!」
少し自信を持ったのか、的確にロべルタの弱点を見つけて突くガルシア。
徐々にロべルタに絶頂が迫ってくる。


720 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:40:28.01 ID:kdOyRXF0
ビクッ ビクッ ビクッ

「はあっ!!!ふんぐ!!」
ガルシアはすぐにでも果てそうだったが、その前にまず聞きたいことがあった。
それを聞かない限り先には進めない、そう感じた。
獣のように愛する女性をむさぼりたいという欲求に駆られたが、ぐっとこらえ腰を動かす。

722 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:37:47.47 ID:kdOyRXF0
クチュ グチュ ズッ ズッ ズッ

「あああ!?…ダ、ダメです。敏感になってて!!!ひぅん!」
緩急をつけて動かしながら、ロべルタの耳元でささやく。
「まだ、肝心なこと聞いてないよ。…ロべルタの気持ちをさ?」
「えっ?そ………それは……。」


723 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:38:38.51 ID:kdOyRXF0
すぐに声に出すことをためらってしまう。
(この言葉を言えば、もう戻れない……。でも……)
「言ってくれないと、もっと激しくするけど?」
「ひぐぅぅぅ。」
ロベルタは赤くなりながら、ガルシアの瞳を見つめる。
「い…言わなくとも…よろしい……でしょう?」

(もしこの方に、この言葉を言える資格があるのなら……)

「直接聞きたいんだ、君の口から!さあ、言って!!」

(もう……………何もいらない!)
ガルシアの首に自らの腕をからみつける。


724 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:39:31.54 ID:kdOyRXF0
「わ………わか……りました。ガ……ル…シアさま。はあっ・・・あ、愛しております。心の…ふぅう……底から、神に誓って…あなた様を…愛しております。」
言い終わった後、真っ赤になった顔を見せたくないのかきつくガルシアを抱きしめる。
「ああ…申し訳ございません……。こんな…こんなはしたない処を…うぅん…お見せして。ひっ!?」

チュ チュ チュ
ガルシアは肩にあった傷痕を見て、愛おしげにキスをした。
よく見れば、ロべルタの身体はいたる所、傷だらけだ。
銃で撃たれた傷…
ナイフによる傷…
拷問による傷…
他にもあるのだろうか?
それらが今までのロべルタの罪の刻印として残っていた。


725 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:40:49.36 ID:kdOyRXF0
(どんな傷があろうとロべルタだ!!昔の僕なら彼女を解るどころか、見ることすらできなかった。でも、すべて受け入れる!!そして、必ず君を守るから!)
「はしたなくなんかない。もっと見せて、俺だけに…。」

パン  パン  パン  パン  パン

タガが外れたのか、お互いの絶頂の秒読みは近かった。

「んむぅぅぅ………。はっ、はぁぁッ……また……また〜〜!!」
「俺も。そろそろ限界……。」
次第にスピードが速くなる……。

「ガルシア様!……え、遠慮なく出して下さいませ。
どうか、思いっきり……私の中に……下さいませ!~~」
「ロべルタ!!!うぐぅぅぅぅぅ!!」
「はぁああアアあぁあああ!!!!!ぁぁぁ」

熱い迸り(ほとばしり)を子宮の中に感じたロベルタはその瞬間、頭が真っ白になっていく。

これも、幻覚なのか・・・・・・・・・・・・?
だったら、覚めないで…ほ……し………い…………
ロベルタは切に願った。


726 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:42:10.14 ID:kdOyRXF0
{>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>}
うぅぅ!

目覚めた自分がいるのはディエゴの部屋の前だった。
まるでさっきの夢の再現。デジャブだ……。
不安のせいなのか気分が悪い。
それに身体がやけに重く感じた。

恐る恐るドアを開けると、同じように背を向けている格好でガルシアがベッドサイドの側に座っていた。
(また悪夢なのか?でも、なぜだろう?心が満ち足りている。安らいでいる)

「ん?ああ、ロベルタ!大丈夫かい、身体の方は?気を付けなよ。予定はもうすぐだけどただでさえ、今危ないんだからさ……」
(若様が…振り向いた?何か、前より逞しくなってる?)

「ふふっ、大丈夫です。心配症ですね。そっちはどうですか?」
(何?口が勝手に…)

「うん。ようやく寝付いたところだよ。さっきまで泣きっぱなしだったんだけどね。」
苦笑いしながら、ベッドを離れ自分にキスをする。
その後ろで一瞬見えた。鳶色の瞳の彼と同じ小さな天使の揺りかごを……
{>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>}


727 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:43:07.17 ID:kdOyRXF0
すぅぅ……………………

今の夢は何?おぼろげだけど、悪夢ではない。それに、とても暖かい。。。。

「あっ、起きた!!大丈夫、ロベルタ?」
心配そうに見つめてきた彼に少し困惑するロべルタ。
「若様?」
「よかった。気を失っちゃったから、さすがに焦っちゃってさ。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
先ほどの情事を思い出したのか、ロベルタの顔が急速に火照っていく。
「ど、どのくらい気を失ってましたか?」
「う〜ん。30分くらいかな?」
(そんなに!?しかも、いつの間にか寝巻に戻っている?)
「ああ、朝食なら持ってきたから。はい…今日のは自信作らしいよ。」
「え?朝食を?それに、若様もしかして……」
頭の回転がニトロを積んだスピードカーよろしく、ガルシアの視線と挙動含め状況が分かった。


728 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:43:54.76 ID:kdOyRXF0
情事の後、自分は30分もガルシアに失神顔を見せてる間、服を着せてもらいなおかつ自分のために朝食まで持ってこさせてしまった……………!!!!!
「まあ、お察しの通りだね。」
はにかむような笑顔でガルシアは答える。
「もっ……申し訳ございません!!!!私は婦長失格です!!!!!!」
穴があったら入りたいとはこのことだ。
これでは、ハリウッドの3流ラブストーリーに出てるような状況じゃないか。


729 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:45:09.83 ID:kdOyRXF0
こんなところを見られたら、婦長として他のメイド達に示しがつかない。
ガルシアからの用事で留守にしているファビオラならともかく、もし知られでもしたら…
「いいって。あれはあれで楽しかったしね。ああ、そうだ。ファビオラから置き手紙あったんだけど?」
今、周りのメイド達から陰口を叩かれているイメージを想像していたロべルタだが、その言葉で一時停止する。
「何か買い物のために何人か連れて行くってものだったんだけど。」
「えっ?で、ですがファビオラは若様に用事を申されたと?」
「いや、用事なんか言ってないけど……?」
ふとロベルタはある予感に気づく。
できれば当たることが無いように祈りながら…。
「その手紙、よろしいですか?」
言われてガルシアは手紙を渡す。
その顔は笑いを堪えているように見えた。

文面の内容はこうだった。

730 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:48:28.73 ID:kdOyRXF0
若様へ…
 街に買い物のため、屋敷のメイドを何人か連れて行きます。
申し訳ございませんが朝食はご準備いたしましたので、そちらをお召し上がりくださいませ。
 あと婦長様の朝食は特別、栄養価の高いものですのでそちらをお出しくださいませ。
 それと、本日のご予定・執務は全てオフです。
ごゆっくりお休みくださいませ。
 夕方には戻りますから、ご心配なさらないでくださいね。

P,S…婦長様がこの手紙を読んだら、多分私は怒られますので、その時はよろしくお願いいたします。

                           ファビオラ・イグレシアス                

731 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:50:00.61 ID:kdOyRXF0
「だってさ♪だから今はイメルダとサリー(*これは後で説明します。)だけだから屋敷にはほとんど人がいないし、心配するほどではないよ。」

(ファビオラ~~~~~~~~!!!!!!)
恥ずかしさのダブルパンチが決まった。
これで立ち上がれるのなら奇跡的だ。
タオルは投げ込まれた…試合終了…エイドリア―ンだ。

(もし、聞き耳を立てられたらどうするつもりだったの!!!!)


732 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:47:15.53 ID:kdOyRXF0
恥ずかしさを通り越して脱力感が少し出てきたロベルタに対して、ガルシアは
「それにさ、ファビオラなりに気を使ってくれたんだと思うから許してあげたら?」
「若様……………そんな……。」
「ね?」
先ほどとは打って変わって、声に出せないが子犬の様な目でロべルタに言う。
(そんな顔をされたら怒るに怒れないではないですか…)
「まあ…若様がそうおっしゃるのでしたら………」
渋々、主人の言葉を受け入れるロベルタ。
「ありがとう、ロベルタ。」
「いいえ。ふふっ。」
自然と笑みがこぼれる。
こうして、心から笑えるのはいつ以来なのだろう……
いいえ、初めてだ。愛する人と話すのが、こんなにも心から嬉しいと思うのは。
「さあ、食べよう。早くしないと、覚めてしまうから……。」

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


733 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:48:04.47 ID:kdOyRXF0
その後ガルシアがベッドに入り、ロベルタの隣に身を寄せた。

「こういうの、憧れてた。」
「何がですか?」
「恋人に朝食を持ってってあげたこと。こういう経験、ないものだからさ……」
「こ、恋人………」
 
ぷしゅ〜〜

こういう言葉が慣れてないせいか、すぐに頭がオーバーヒートしてしまう。
そして、ガルシアはロベルタの強く、華奢な肩に頭を乗せた。
「もう少しで、解放者の命日(*2)だね。その後はクリスマスだ。」
「そうですね。」
「末席でも十三家族の会合の手配もしないと……。これから、忙しくなる。」
「ええ……。」
「後で、ラザロの散歩に出かけよう。あいつ、寂しがって怒ってないかな?」
「大丈夫ですよ。」

…………………静かに、鳥の鳴き声が聞こえていく。


734 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:48:55.18 ID:kdOyRXF0
ねえ、ロベルタ?」
「はい?」
「さっき、気を失ってた時。どんな夢を見たの?」
少しどきっとした表情でガルシアを見る。
「……なぜ、お聞きになるんです?」
「いや、いつもうなされている感じだったけど、とても……幸せそうな顔だったから。言いたくないならいいけど。」
「いえ。そ、そうですね。実はあまり覚えていないんです。すみません。」
半分を、嘘をついた。少しながら、ロベルタは覚えていた。
しかし、そのことを言ってしまったらガルシアのこれからの成長を妨げになってしまう気がしたのだ。
それに、これからの未来を暗示するものだろうと何となくわかった。


735 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:50:20.63 ID:kdOyRXF0
(焦ることはないわ。一歩ずつ歩けばいい。
今はまだするべきことがある。
例え地獄の業火に焼かれようと、この身も、心も。
ガルシア様、あなた様だけのものです……。
共にいれば未来を創れると信じ、私はあなたをお守りします。この命が尽きるまで………。)

「そうだ!プレゼントがあったんだ。ちょっと待ってて。」
「えっ?」
ガルシアはサイドテーブルから小さなケースを取り出した。
形は長方形でロベルタの黒髪と同じ黒色。


736 :De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:51:20.21 ID:kdOyRXF0
「まだそんな大それたものを渡せるほどではないけど、気に入ってくれたらうれしい。受け取ってくれないか?」
「あ、開けても…よろしいですか?」
「ああ。」
てっきりロザリオの類いだとロベルタは思った。
そんなものでなくとも、ガルシアからの贈り物というだけで心底嬉しかった。
緊張しながら開けると、それはメガネだった。
度が入ってないただの伊達メガネ……。
しかし、二人のきずなを深めるのにはもってこいのモノだった。
「若様のロベルタ」であることの証…………
「側に、いてくれるね?」

「はい…………はい……………」

そこには、フローレンシアの猟犬と呼ばれたロザリタ・チスネロスはもういない。
ここにいる涙を浮かべながら慈愛の表情をしている聖母の様な女性は、愛する男と共に未来を歩もうとするメイド、ロベルタ。


彼女が、いずれロベルタ・ラブレスとなるかどうかはまた別の話。


                                  El Fin… 



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