リップヴァーン中尉のお楽しみ


大西洋上ポーリントン洋上300km地点にて静止している、ドイツ第三帝国海軍大西洋艦隊旗艦「アドラー」。
乗員達の任務はただ待機すること。

「リップヴァーン中尉殿はどうした?」
「船倉部におられます。緊急事態をのぞいてしばらく誰も入れるなとのご命令です」
「お楽しみ中か」
人でない士官はそういってニヤッと笑った。
船倉にはグールのほかに、空母を乗っ取るときに生かしておいた若い兵士たちが閉じこめられている。

「ああ、退屈ですわ。待ち遠しいですわ」
粗末な木の椅子に腰掛けた細身の女性は、
非条理に長いマスケット銃を肩で水平にかつぎながら歌うように言った。
彼女の前には服を脱がされ猿ぐつわをかけられ、
ブリーフ一枚の姿で後ろ手にしばられた三人の若者たちが転がされている。
経験の浅い若い新兵と同じく経験の浅い若い士官。共通するのはみな金髪長身であること。
彼らだけは吸血鬼化させずグール化もさせず、殺しもせずに捕らえておいたのだ。
48時間は長いから。その間の暇つぶしのために。

若者達の目は中尉の腰に集中していた。
というのもリップバーン中尉は、上半身はいつも通り彼女の体型にぴったりあつらえた
美しい黒いスーツをまとっていながら、下半身にはなにも着けていなかったからだ。もちろん下着も。
「本当に、時間は無情で遅いものですわ。ねえみなさん?」
木の椅子に腰掛け細い足を組む。その隙間からわずかに見える繁み。
若い兵士たちにはたまらない眺めだった。
「そこでわたくし、ゲームを考えましたのよ」
マスケット銃を椅子にもたせかけ、中尉はパンと手を合わせ微笑む。
「ねえみなさん、これが欲しい?」
そういって両足をほどき、広げた。
はああ、兵士達は轡の下で溜息をもらす。相手が人外の化け物であると分かっていても、
いや分かっているからこそ目の前の眺めはあまりに蠱惑的だった。
「でもみんなはダメですわ。わたくしはこんなに細身でかよわいんですもの」
握った拳を頬に当てにこやかに微笑む。
「ですからゲームをいたしますの。勝ち残ったお一人だけに、差し上げますわ」
すっと立ち上がってその場でくるっと一回り。
「他の方は残念ですけど」
マスケット銃をそっとさわる。それだけで意味は伝わった。
「さあ、では楽しいゲームの始まりですわ。ワクワクですわ、ドキドキですわ、ねえみなさん?」

中尉はまず一人の若者の前にたち、ブリーフを足で引きずりおろした。
当然のことながらこのアングルでは若者の目には彼女の局部がよく見える。彼は勃起していた。
「まあまあ、なんて正直ではしたない子なんでしょう」
中尉は笑いながら素足で彼のものをなぶる。一方で懐から小振りの砂時計を取り出した。
「今回の任務のキーワードは時間。ですからこのゲームも時間をテーマにいたしますわ。
 3分間、我慢できたら勝ち抜け。出来なかったらお終いですの、悲劇ですわ」
砂時計を木の椅子の上にかたんと置いた。それからいきなり彼のものを踏みつけた。
ぐうっと若者はうめく。今度は逆にゆっくりとやさしく足の甲で男根をなぜた。親指で玉袋をくすぐる。
若者の男根は怒張して、すでに先端には透明な液が浮かんでいる。
「まあまだ時間は少ししか経っていませんのよ。ダメな子ね」
そういって足をはなして少し間をおく。若者はふるふる震えながらまっかな顔で必死に耐えていた。
「ダメな子はどんなに頑張ってもダメですのよ」
くすくす笑いながら今度は足の親指と人差し指で男根をはさんだ。
「さあ耐えなさい、頑張りなさい。時間は非情で無情で残酷ですわ。
 わたくしの苦しみを分かち合ってくださいな」
ぐいぐいと足でしごかれる。もうだめだと若者が思った瞬間、ぴたりと足が止まった。
いつの間にかマスケット銃が額に当てられている。砂時計はまだ半分落ちただけだ。
あふぅと轡の下で悲鳴を上げるが、中尉は牙をむき出しにして笑った。
微笑んだまま足を動かす、親指をかけ、残りの指でも握りしめてしごきあげる。
彼女の小さな足で男根が包み込めるはずはなく、男根は折り曲げられた状態ではさまれているのだが
苦痛と快楽はたまらなく押し寄せてきた。
くぅと若者は小さく鳴いて白い液を中尉の足に飛ばした。それは彼女の膝にまで飛んだ。
「ゲームオーバーですわ。悲劇ですわ、喜劇ですわ」
パァンッと魔の弾丸が彼を打ち抜いた。

「さあ次の方はどちらかしら」
彼女はにこやかに見回すが、残りの二人の若者は必死に後ずさりした。
「まあわたくしのものが欲しくありませんの? 屈辱ですわ、悲しいですわ」
中尉は目を伏せる。その顔だけを見ていると無垢な田舎の少女に見える。
「でも、残念ながら時間はまだまだありますの。わたくし、それに耐えられませんの」
手に砂時計を持ち、右側の若者に向かって歩み寄った。
「次は手でして差し上げますわ」
砂時計をマスケット銃とともに置いて、手で若者のブリーフをはぐ。今度のそれは萎えていた。
「まあいけない子。こんなことで萎えるなんて、それでは兵士は務まりませんわよ」
中尉は手袋を外して素手で彼の男根を握りしめた。
「でも悲しいことに殿方は痛みでも勃起しますのよ?」
そういうと中尉はもう片方の手でヴェアヴォルフの怪力をもって若者の首を締め上げた。
顔をゆがませもがきくるしむ若者の下半身で、確かにそれは力を取り戻しはじめていた。
「本当にあなたはお馬鹿な子。首を絞められて勃起するなんて、わたくしなら屈辱ですわ」
そういいながら手で優しくこすりあげる。次にちょっと力を入れてしごく。
「もっともわたくしにはこういったものはついていませんけれども。安心ですわ、残念ですわ」
手の角度を男根と平行になるように変えて、細い中指を裏筋にはわせ残りの四本の指で棒をもてあそぶ。
「お馬鹿な子、ほうらどんどん大きくなっていますわよ」
片方の手で指し示された砂時計はまだ落ちきっていない。
「頑張りなさいなお馬鹿さん」
歌うようにささやきながら中尉はマスケット銃を手に取った。
若者はぽろぽろ涙をこぼしながら懸命に首を振っている。しかしその下半身は止まらない。
中尉は再び手の位置を変え、普通に男根を握るようにしてしごきはじめた。激しく、激しく。
飛沫は今度は彼女の眼鏡にかかった。眉をひそめて中尉は、パァン。

「本当に最期までお馬鹿な子でしたわ。わたくしの顔を汚すなんて」
ポケットから出したハンカチーフで優雅に顔を拭きながら、中尉は最期の一人に向き合った。
彼は失神寸前で震えている。
「あら、お喜びになってよろしいのよ。他のお二人は敗退。あなたが自動的に勝ち抜けなのですから」
もう用済みの砂時計は放り出してつかつかと歩み寄りブリーフを脱がす。
「まあ、ちゃんと役に立つ状態でいらっしゃいますのね。素敵ですわ、偉いですわ」
単純に生命の危機に対して生物的本能で勃起しているだけなのだが、もちろん気にするはずもない。
「ねえ、わたくしが欲しくありませんの?」
若者の上のまたがり、局部と男根がふれあふほどに近づけて中尉は尋ねた。そっと若者の轡をはずす。
「この、化け物っ! 化け物っっ!!」
士官章を着けた若者は恐怖の余りまわらない舌で唾をとばしながら叫んだ。
中尉の目がつりあがる。対照的に口調は朗らかだった。
「そうですわ、わたくしたちは化け物。人間をやめたものですの。わたくし、それを後悔はしていませんわ」
若者の肩をおさえつけ、ゆっくりと腰をしずめる。若者の男根は中尉の秘所に飲み込まれていった。
「だって、くふん、素晴らしい方に出会えましたのよ、本当に素晴らしい方に」
中尉の秘所は若者の男根を完全に飲み込んでいた。躍るように腰を上下に振る。
「あの方はとても冷たくて、なにもおっしゃってくださらなくて、いつも少佐殿の後ろに控えておられるだけ」
合間にハァハァという嬌声が混じる。
「あの方が人間であったなら、きっとあなたに似ていましたわ、ですからわたくし最初から」
「やめろおっ!!」
若者は絶望的に叫んだ。
「俺はそいつじゃない! 俺は絶対吸血鬼になんてならない、なりたくない!」
中尉は眉をひそめ不機嫌な顔でそれでも腰を横にまわす。若者は官能に震えながらなお叫んだ。
「我が大英帝国はけっしてお前達になど屈しない!」
「それはどうかしら。今頃吸血鬼の一個大隊がイギリスに向かっていますのよ」
絶望をうかべた彼の口に再び布をつっこんだ。もう雑音はいらない。
「ああ少佐殿、急いて急いていらっしゃいな。あの方と共に。ああん、ああっ、いいわ、いいわぁ」
中尉はマスケット銃を杖にしてびくびく震え、やがて達した。

「状況はどうかしら?」
後ろから声をかけられて士官は振り向いた。
「状況変化ありません。本日は晴天にして波低し」
「そう」
中尉は満足そうにうなずいた。
「じゃあお昼寝でもしようかしら。少し運動したんですもの」


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