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人の言う言葉にいちいち喜んだり悲しんだり・・・。 でも、そんな所が好きなんだ。
一喜一憂、スル君ガ好キ
「ちょっと。」 「はっはい!翼さん、何でしょう・・・?」
2日目のBグループ休憩中。 いきなり名前を呼ばれたは急いで椎名に駆け寄った。 「ココ、座りなよ。」
自分の隣を指で指してを座らせる。 『私・・・気づかない内に翼さんに何かしてしまったのかもしれません!どうしましょう・・・翼さん、怒ってますよね?』 座りながら、は頭の中で混乱していた。 そして出た言葉がこれ。
「あっあの、スミマセンでした!」 訳も分からないまま椎名に謝る。しかし椎名は驚く事もせず、謝る理由を聞く。 「つっ翼さん。私、気づかない内に翼さんに何かしてしまったんでしょう?だから・・・。」
本当に申し訳なさそうに答える。 「あっははは・・・!」
下を向いて目をぎゅっと閉じたままのに、椎名は怒る事もせず、腹を押さえて笑っている。
「あのね、。僕は別に怒るために君をココに呼んだんじゃないよ。大体すぐ人に謝ったりしたら駄目。っていうかそんなにペコペコしてたらすぐに連れ去られちゃうよ。只でさえ、可愛くて変態に連れ去られる対象なのに・・・しかもそんな性格してたら変態どころか近くの飢えてる男どもにも連れ去られちゃうよ。謝る時はちゃんと自分がいけなかったのか確かめてから。分かった?」
マシンガントーク炸裂。
「あっあの、つまり私は翼さんに怒らせるような事、してないんですか・・・?」 「そゆこと。」 に貰ったドリンクを飲みながらそう答える。
「よかったぁ。」 その椎名の隣では胸に手を押さえて、本当に安心したかのような笑みを浮かべるの姿。
「僕がを呼んだのは、コレ。」 いきなり飲みかけたドリンクをの目の前に突き出す。 「ドリンクがどうかしたんですか?」 全然意味が分からないらしく、首を傾げる自分の愛しい人に椎名は微笑みながら言う。 「コレにハチミツかなんか入れただろ?それで気が利くねって御礼言おうと思っただけ。」 「あっ迷惑でしたか?すみません・・・。」 再びしょんぼりする。
「だからすぐ謝るなって言っただろ?要するに、僕は『ありがとう』って言いたかったの!」 きょとんとする、しかしすぐに嬉しそうに天使の笑みを零すと、 「ありがとうございます。喜んで貰えて嬉しいです。」 と言った。
「その・・・笑顔は反則だよ・・ね。」 真っ赤になった自分の顔を背けながら、ボソッと嘆く。
「どうしました・・・?」 自分の事には鈍感なのに人の事にとっては敏感な性格な。 そう言って自分の顔を覗きこむ姿が又可愛くて・・・椎名はその場を無言で離れた。
「あっあの・・翼さん・・・?」 「今はほっといてあげた方が良いみたいですね。」 にっこりと椎名が居なくなったのを敏感に察して、の隣に座るのは風祭将。 しかしの隣に座るのがあの椎名ではなく、風祭なせいかわらわらと人が集まってくる。 しばらく皆で騒がしく話をして、休憩が終わった。
練習が再開して、は監督と何か話している。 しばらく話をして何か決まったのか、監督は皆を集めた。
「はい、集合ー。」 どことなく、が最初にやってきた時の事を思い出させる雰囲気だ。 しかし、監督が言った言葉は今度は「紹介」ではなく「練習メニュー」だった。
その練習メニューと言うのが曲者で。
「いまからFWの練習をする。他の人達はFWの動きをきちんと見て、自分達がどう動けば良いか研究するように。」 そこまでならいつもと同じでまったく別状は無いのだが・・・。 「あっ今日は特別にお前達の相手をしてくれるコーチを頼んだから、そのつもりでな。」 にっこりと言う。 「あの、監督。誰ですか?そのコーチって?」 新しい相手と戦えるのがそれほどに嬉しいのか、風祭が問う。
「お前らも良く知っている人物だ。」 クスッと言った言葉の直後に表れた人物。
―
そうなのだ、コーチとは東京選抜皆誰もが愛する、あの、だったのだ。
一同硬直。
そうもそうである、メンバー達はがサッカーをしていたのも信じられなかったのに、自分達のコーチをしてくれると言うのだから。 しかも今のの姿。
さっきとは違い、さらさらな髪の毛を上の方で縛り、いつものようなジャージ姿ではなく、明らかにスポーツをやる時の服装。(つまりTシャツにジーンズ) そんな姿に健康な男子中学生が反応しないわけが無い。
「・・・あっあの、私じゃ不服ですか?」 「いっいや!!!望む所だ!!」
誰が見ても動揺を隠し切れない喋り方で小鉄が答える。 そんな応答でもには嬉しかったらしく、 「お手柔らかにお願いしますね。」 と、優しく微笑んだ。
いや、こんな愛くるしい女の子に手加減しないわけが無い。 誰もそう思った。
しかし・・・? 練習が始まるとどうでしょう。
グラウンドの右を見ても左を見ても―・・・。
FW以外のポジションの皆の目に入るのは
『めちゃめちゃ本気で一生懸命からボールを奪おうとするFW陣』
「終了ー!」 好きな子からボールも奪えない、哀れな姿をさらし出す地獄の時間は終わった。 FW陣の誰もがそう思う。
倒れこむ情けないFW達に容赦無くマシンガンントークが飛ぶ。 しかし・・・そこはあえてカットしておこう。
「ふぅー疲れた・・・。」 何処が疲れた?と聞きたくなるような顔をしている。そこに現れたのは黒川。 「その顔の何処が疲れたんだよ?」 クックックッと微笑しながら黒川はに問う。
「黒川さん。酷いですよー。私だって疲れるんですよ、人間ですから。」 「いや、そうじゃなく・・・。」 「でも・・・面白かったです。」 本当に楽しかったのか、今だ誰も見た事が無い満面の笑みを浮かべる。 「お前、サッカー上手いんだな。」 「そういう黒川さんこそ・・・。」
2人で静かな笑いを零す。
簡単に手に入るかどうかは別にして。
幸せな時間は自分で手に入れるものなのです。
============================================= (またしても)なんじゃこりゃ〜〜〜!!!! 今度は柾輝×ヒロインかいっ! とりあえず出さなきゃっ!と思って柾輝出したら、 逆ハーじゃ無くなっちゃいましたYO★ それまでは逆ハ(もどき)だけど・・・。 もうこんな私を思う存分笑ってやってください。 あっ・・・ははははっは・・・はは・・・(苦笑) ============================================
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02/10/14