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朝起きて―・・・
鏡を見たら・・・
猫耳が生えていました。
change of form!【cat】/前
「今日は、さんが私事情が有って来られません。」 久しぶりの東京選抜の練習で、に会えると思っていたメンバー達は玲の言葉を聞いて物も言えなくなった。
皆の考える事はもちろん、が来られない訳。
―もしかして事故にでも遭ったのかも。 ―風邪か?!?!? ―うわぁ〜不吉な事ばっか考えちまう!!!
それぞれ頭の中で想像する。 しかし想像すれば想像する程、不吉な事ばかりが頭をよぎる。
「だから今日は自分の事は自分でやりましょうね。」 にっこり言うが、正直、玲もの事を心配しているのだ。 只、玲はの私事情を知っての心配なのだが・・・。
―今朝。
はいつもより、かなり早い時間に選抜練習場にやって来た。
カチャリ・・・。 なるべく音を立てないように部屋に入る。
「玲さ〜ん・・・いらっしゃいませんか〜?」 蚊の鳴くような小さな声で玲を探す。幸いそこには玲の姿があった。
「あらさん。今日は早いのね、それに・・・なにか有ったのかしら?」 「あっ玲さん!何で分かったんですか?」 「いえ・・・今日は余り寒くない筈なのにそんな格好だから。」 玲はクスッと微笑して、の姿を見る。
フードの付いたパーカーにロングスカート。オマケにコートまで。 冬の北海道へでも行くのか?と聞きたくなるような格好だ。
「玲さん・・私・・・獣化してしまったみたいなんです・・・。」 突然被っていたフードを取り、がそう言い出す。
「え・・・?」 「朝起きて鏡を見たら・・猫の耳と尻尾が生えてたんです・・・。」
そんな事有るはずが、玲は当然そう思ったが、実際、目の前に猫耳をつけた少女が立っているのだからこれは紛れもなく・・・現実。 真冬の格好も、耳と尻尾を隠す為だったのである。
「それ、本物なの?」 「はい・・・触ってみますか?」 どうぞ。そう付け加えては玲に猫耳(頭)を出す。
・・・。 「ほん・・ものだわ。」 「どうしましょう・・・今日は選抜の練習があるのに・・・。」 「だっ駄目よ!そんな格好でマネージャーなんかしたら!今日はお休みと言う事にしておくから、自宅待機ね。それと、外にも出ちゃ駄目よ。練習が終わったら、様子を見に伺わせてもらうから、それまで絶対よ?」 「はい・・・。では。」 がこんな早くに来たのは、なるべく人と会わないようにする為だろう悟って、玲は早々とを家に返した。
「あんな可愛い格好でマネージャーなんかされたら練習にならないわ。それに外にでも出ようものならまっさきに誘拐される対象に入るわね。」
女の玲からでも「可愛い」と思う程のの姿に、メンバー達がときめかない筈が無い。 ここはを家に返すのが一番なのだ。
そして、今。
「さんが居たら居たらで凄い事になってたと思うけど、居ない場合も凄いわね。」 フゥ。と溜め息をついて、やる気があるようには大抵見えない練習をしているメンバー達を見る。
「このままじゃ練習にならないわ。」 玲監督はそう言うと皆を集めた。
「今日の練習はこれでお終い。30分後にグランド西口に集合の事。分かった?」 魂の向けたような顔つきの面々に言い残して玲はさっさと行ってしまった。
「・・・着替える?」 「あぁ・・・。」
風祭の元気の無い声に水野の軽い返事。 2人が動くと他の人達もようやく動き出した。
30分後。
「皆。今日の練習が何故早く終わったか分かるかしら?」 「「「「「・・・。」」」」」 「さんの家に行く為よ。」 (プラス、に会って皆の元気を取り戻す為)
「「「「「「!!!!!!!!!!!!」」」」」」
「」の名前が出るなんて思ってもいなかった皆は、一気に顔色を良くする。
「じゃあ行きましょうか。」 あまりにも素直な気持ちに微笑しながらも、玲は宅へ足を運んだ。
―宅前―
「いい?これから見る物は絶対人には言ってはだめよ。」 そう言ってインターホンを押す。 その言葉の意味がまったく分からないメンバー達だが、これから現れるであろう自分の愛する人の姿を想像したら、そんな事は気にならなくなっていた。
「はい・・・。」 カチャリ、と扉を開ける。そこには自分の、今最も会いたかった人物が・・・
猫の耳と尻尾をつけて立っていた。
============================================ この話を書いてる時、 何故かひたすらヒロインが着てた服を想像してました。 それと、 やる気(元気)が無い東京選抜メンバー達を書くのも楽しかったです♪ (少しだったけど。) 次は後編です〜(*^^*) メンバー皆の獣化姿にノックアウト(死語)!!!の巻です(笑) ============================================
02/11/9 |