愛しい愛しいマネージャーの寮室に、

 

今、

 

侵入です!

 

   Help me!!!/3/前

 

「ふぁ〜〜まだ眠たーい・・・。」

力の抜けるような声を発し、カーテンを開ける。眩しくて暖かい光が差し込んできたここは武蔵森サッカー部マネージャーの寮室。

そして今は冬休み。

 

冬休みなのに何故未だに学校の寮に居るのかというと、

 

サッカー部の練習が有る為だった。

 

―数日前―

 

「桐原先生!」

「・・・なんだ。」

「冬休みって、サッカー部の練習有りますか?」

「来られないのなら別に良いが。」

「いえ!私、冬休みここに残る事にしたんです。」

 

ここ武蔵森中学は成績が特別良くなかった生徒などを、冬休み、家に帰す事を禁止し、みっちりと成績を上げる為の授業が有る。

その他、家に帰りたくない者や私事情が有る者も寮に残る事ができる。

 

 

はもちろん授業の為では無い。

 

サッカー部の為に残る事にしたのだ。

 

「しっしかし部活の為に冬休みを御家族と過ごせなくなるのは・・・。」

さすがの桐原も動揺と焦りを隠せない。

「それです、私が残る事を決めたきっかけは!聞いてくださいよ〜ウチの両親ったら大晦日まで旅行行って来る、って手紙よこして今シンガポールに居るんです。私を置いてですよー!だから大晦日に帰ってきた時に、私が居ないとびっくりするかな〜と思ったんです。」

 

「だから残ると言うのか、しかし残る為には親御さんの了解が必要だ。」

「はい!分かってます。なのでコレ、持ってきたんです。」

はそう言うと、1枚の紙を渡す。

 

 

「・・・寮に戻る事を許可しよう。」

しばらくその紙を見つめて桐原が言った言葉はそれだった。

「はい!冬休みもよろしくお願いしますね♪」

 

ニッコリ。

 

 

「(これ、きっと親御さんが酔ってる時に書かせたな。まぁ、ウチのサッカー部連中もが居た方がやる気が出てくるようだし、には悪いが冬休み、頑張ってもらうか・・・。)」

もう一度手にした紙を見つめて思う。

ちなみに、紙には『冬休み、よろしくお願いします。』と、ミミズの這ったような書体で書かれた文字が一言だけ。

 

―そして現在に至る―

 

「それにしても知らなかったな〜冬休み中は男女関係なく寮に出入りできる事なんて。まっ先生も残る事がはっきり分かってる人にしか、教えないって言ってたし、知らなくて当然か。」

 

「なぁに独り言、言ってんの?」

「え?あっ藤代ー。」

「お前・・・少しは驚くとか何とかしろよ。」

「だって、出入り自由なんでしょ?普段は絶対入れない女子寮にも。」

「誰も居なくなった寮室には入れないけど。」

「当たり前でしょ?勝手に入られて漁られでもしたら、それこそとんでもないよ!」

は漁られて困るものでもあんのか?」

「三上先輩!おはようございます。」

「あぁ・・・でも俺まだ眠いんだよ。」

「練習は・・・10時からですね。今は8時、寝てて良いですよ。」

 

 

パラパラと予定表を見て優しく微笑む。

「どうぞ。」

「え?えっえーーーーー!!!」

「?藤代どうかしたの?」

「なっえっっ!三上先輩そこで寝かせて良いの??!!」

「そこって、私のベットの事?だって男子寮まで遠いし・・・あっそうだ!三上先輩が寝てる間に宿題しよっか?たしか分厚いテキスト配られたよね?」

「え〜勉強ヤダー!」

「文句言わない。さっ早くテキスト持ってきて。私は食堂借りて朝食作ってくるから。」

「人参入れんなよ・・・?」

「あはは。さ〜てどうしましょ〜?ホラッ行った行った。」

 

「じゃあ三上先輩。御留守番頼みますね。行ってきます♪」

 

 

・・・・・。

「あいつは自分の部屋に男残してよく出て行けるな。」

 

コンコン。

?少し良いか?」

「!!!(あいつ・・・来やがったな。)」

「入るぞ?あっ寝ていたのか。それは悪かった。」

「バーーカ。」

「え?なっ三上!なんでお前のベットで寝てるんだ?」

「言ってやっても良いけど、お前がショック受けるだけだぜ?」

 

「たっだいま〜〜〜!!!」

「藤代・・・お前まで・・。」

「あれ?キャプテン。何でココに居るんスか?」

 

「あれー?」

!」

「キャプテンが居る、何か御用ですか?」

 

相変わらず自分の部屋に男が勝手に入って居る事は気にも留めずに、ニッコリと天使の笑顔を見せる。

「あっああ。今日の練習の事なんだが。」

「あっハイ。メニューの事ですね。藤代、はいコレ。」

 

そう言って手渡したのは御手製のホットサンド。

「・・・。」

「あはは、人参は入れてません、どうぞお食べになって下さいマセ。」

おどけながら敬語で言うと、藤代は急に険悪な顔つきが明るくなって、ホットサンドを食べ始めた。

 

「三上せんぱ〜い早く起きて食べないと、藤代に全部食べられちゃいますよ?あっキャプテンもどうぞ。朝食まだですよね?」

 

「あっああ・・・頂く。」

「どうぞ、御気に召されないかもしれませんが。で、今日のメニューどうしますか?私、良い事思いついたんですけど。」

 

小さい子が悪戯をする時のような笑いを見せる。

 

「・・・と言うか、もう監督にも許可もらってるんです。」

「どう言うメニューなんだ?」

「あの堅物な桐原監督も苦笑いしたんですよ〜♪」

「苦笑い・・・?そんなメニューなのか?」

「ハイ!私と試合して、皆さんが負けたら女装をして下さい。」

 

 

 

 

・・・・・・。

 

「「「は?」」」

 

 

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書いてる内に初め書きたかった物が、

だんだん違う物になっていってしまいました(ーー;

これはこれで楽しかったんですケド♪

実は続きます〜☆

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02/11/26

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