友達だから?友達なのに?

友達でも・・・まき込んで・・ごめんね・・・。

 

   賞味期限/2話

 

 

あれから3ヶ月ぐらい経って私は2年生になった。

「はぁ〜また4組かぁ・・・。」

 

そんな事を言いながら1−4から自分の机を運んできた。

とりあえず辺りを見回してみる。私に嫌な思いをさせた雅紀はどうやら3組らしい・・・。

嫌だなぁ教室が隣だよ。

 

 

それと私に直接迷惑はかけてはいないが、私のことを好き。と言う男の子。

神山圭吾は私と同じように1年の頃と同じ組。5組だった。

 

ちゃ〜ん!」

私はイキナリ肩をポンッと叩かれた。

「あービックリ。水穂どうしたの?」

この子は私の親友、西口水穂。

「ひっど〜〜〜い!!!私もこの2年4組の生徒だよ!」

水穂は嬉しそうにそう言った。

 

え?うそ!嬉しい!小学校から1回も同じクラスにならなかった親友が同じクラスに居る!

「うそ!やったぁ!名古屋分散研修とか一緒に班になろうね♪」

私は思った事をそのまま言葉にした。

 

「もちろん!」

水穂はに明るく返事をしてじゃあと他の教室へ行ってしまった。

私は途中で止めた『同じクラスの誰がいるか見渡す』行動をまた始めた。

大体皆、他のクラスの友達に会いに行っていて居なかったが、居る人だけでも顔を確認した。

小学校が同じでもあまり仲が良くなかった子や初めて見る子、1−4で同じクラスだった子・・・。

 

色々居る。

 

私は廊下側の4番目の席に机を置いた。

っ!」

 

誰かが教室の曇りガラスを通じて私を呼んでいる。

曇りガラス越しなので顔は見えなかったが声は聞き覚えのある私の好きな声だった。

 

 

私は呼ばれたのにも関わらずカバンを後ろのロッカーに置きに行った。

耳だけでまだあいつ―・・・。上原雅紀が居るか確認する。

しかし廊下はクラスの事でじゃべっている女子の声であいつの声すら聞こえない。

 

流石にココからじゃ無理か・・・。

は溜息を1つつくと後ろのドアから顔を出した。

 

やっぱり―・・・。廊下のロッカーに肘をついてにっこり微笑んで居る男が居る。

それは紛れも無くあの。上原雅紀だった。

 

 

「何で1回で返事してくれないの?〜!」

「お前に話すことなんか無いんだけど。さっさと自分の教室に帰ってください。」

きつく、しかも早口でそう言った。

「何?せっかくいい事教えてあげようと思ったのにーいいの?帰るよ?」

「う・・・。」

 

女の子は「いい事」とかそう言うものに目が無いとは良く言ったものだ。

いくらそう言うことを教えてくれる奴が大っ嫌いな奴でも気になる・・・。

「だっ駄目!」

とりあえずその「いい事」という事だけでも聞いておこう。私はそう思った。

「教えて。お願い。帰れなんて嘘です。すみません。」

は早口で言った。すると雅紀はにぃ〜と笑って

「しょうがないなぁ〜」

って言いやがった。くやしい!こんな奴に頭下げるなんて!!!

「でもナ、ここじゃあが困ると思うから手紙書くよ。じゃね。」

そう言って雅紀は3組に帰って行ってしまった。

 

 

『なんなの?私が困る事って・・・。そんなにヤバイ内容なの?』

とっさにそう思ったがそれを口にはぜずに黙って席に戻った。

 

「―・・・以上。これから2−4での学校生活を楽しんで下さい。」

式とか面倒なのは全部終わったと思っていたが大違い。

クラスに戻るとすぐに説教好きの担任が話し出して、ウチのクラスは他のクラスよりも30分近く終わるのが遅かった。

 

「はぁ〜〜やっと終わったよ。水穂、帰ろ?」

水穂は私の席の後ろだった。担任は良い感じがしないけど親友と席が近かったのはうれしい。

「あ〜ごめん!今から部活のミーティングがあるらしいんだ。」

相変らず水穂は良い子だ。

 

私はそんなの覚えてもいないと思う。覚えていたとしても絶対に行かないと思った。

「そっか。部活頑張ってね!」

「うん!まっかせといて!じゃあね♪」

そう言って水穂は部室へ行ってしまった。教室はいつの間にか誰も居なくて、私1人だった。

 

「帰ろ。」

カバンを持ち上げた。―・・・重い。新しい教科書とか色々入っているせいだ・・・。

私は重いカバンを背負って靴箱に歩いていった。

 

1人で帰るのはあの時以来・・・。

あれから水穂が部活で遅くなろうが待っていて一緒に帰ったから・・・。

1人で帰るとあのムカついた思いを思い出しそうで怖かったから―・・・。

でも2年生になってだんだん私も平気になってきた。前より図太くなったって事か・・・。

 

 

 

そういえば雅紀は何を私に教えてくれるつもりだったんだろう。今更になって気になり始めた。

私の家は学校から20分ぐらいの所にある。この重いカバンを持って歩くのはかなりきつかった。

あっ・・・やっとだ。あの角を曲がれば家につく。

「やぁっと帰ってきた!お前遅すぎ。」

 

 

そう言いながら突然私の目の前に雅紀が現れた。しかも眉を寄せて少しご機嫌ナナメのようだ。

「しっ仕方ないでしょ。ウチの担任話が長かったんだから。」

 

雅紀がココに居る理由は何となく分かる。あの私に教えようとしていた「いい事」の事だろう。

しかしわざわざ私の家を探して、私を待って言う事なの?

「まぁいい。はい。約束の手紙。じゃあ用すんだから帰るわ。じゃあな。」

手をひらひら振って雅紀は帰ってしまった。

 

「これだけ?これだけのために私を待ってたの?アホじゃないの?ポストにでも入れとけばよかったのに。私の家そこだし・・・。やぁ〜ぱあいつって面白い!」

改めて自分の初めて彼氏にした男だと確認する。

はその面白い奴から貰った手紙をすぐに開けたかったが、今はそれよりこの重い荷物を降ろしたくて降ろしたくてたまらなく、先に家に帰る事にした。

 

「ただいま。」

「おかえり。ご飯食べる?」

「後からでいいや。」

何となくあの頃を思い出させる会話だ。は自分の部屋に入り、荷物を降ろして手紙を開けた。

「何?これ・・・。」

それには1枚の広告のような物。

「今日の午後7時から学校で楽しい事が始まるよ・・・?なんじゃそりゃ。」

 

その広告らしき手紙はその文と学校の絵しか書いていなかった。

あっそれときっと雅紀が書きなぐっただろう書体で書かれた言葉。

 

『絶対来い!!来なきゃこっちから行く。』

 

 

「・・・?なんで私がいちいち夜の学校に行かなきゃいけないの?あっほらしー行くわけないじゃんこんなの―・・・。」

 

と手紙を投げて嘆く。

「・・・でも行かなきゃ迎えに来るんだよね?」

ポツ・・・と言っては何かひらめいた。

 

 

そうだ!あの雅紀の事だもん。きっと面白い事があるんだよね?

それに行かなきゃ迎えに来るし・・・よしっ行ってやろうじゃんか!

私はまだ諦めていなかった。小学校の頃からの夢。「遊び(冒険)たい。」を―・・・。

それが今叶うかも知れないのに行かないわけにはいかない。

 

しかも『今日の午後7時から学校で楽しい事が始まるよ』なんて謎な文。

 

気にならないわけ無いじゃん!

「よしっ!私の冒険の始まりだーーーーーー!!!!!」

 

 

−午後6時55分−

 

「誰も居ないけど・・・?もしかして私騙された?」

だんだん不安になってくる。まさか本当に騙された?

連絡をしようにも持ち物は何も書いてなかったし、とりあえず携帯は持ってきたけれど雅紀の番号なんか知らないし・・・。

 

その時・・・―

「おい・・・。」

後ろから呼ぶ声。

「うひゃあぁ!」

私は思わず叫んでしまった。

 

「しっ!お前まだ残ってる先生に見つかったらどうするんだ?」

と、イキナリ後ろから声をかけてきた人に口を手でふさがれた。

「〜〜〜・・・・!!!ぷはぁ!あっあんた誰?」

なんとか口をふさぐ手を振りほどいて私は聞いた。

 

「はぁ?よく見ろ。元1−4元成梢。まさか・・・元クラスメイトの俺を覚えてないのか?」

「あっ梢だ。ごめん暗くてよく分からなくてさ。でも何で梢がココに?」

「お前、雅紀からチラシ貰ってココへ来たろ?それを企画した中のメンバーなんだよ。俺は。」

「梢が?なら教えてよ。ココで何が起こるの?」

「秘密。じゃあ行こうか?」

 

 

そう言われては梢に腕を引っ張られ2−4の教室に連れていかれた。

なんで私学校に入れたんだろう?

たしか水穂が「夜は赤外線センサーが起動して学校には入れないんだよ。」って言ってたような気がしたんだけど。

 

私はその事を梢に聞いてみると『ある奴が機械に詳しくてね。先生が帰った後、赤外線センサーが起動するの止めたんだよ。』と教えてくれた。

気が付くと、さっきまで居た先生達はもう皆帰ってしまっている。

 

 

ガラガラガラ・・・。

2−4の教室のドアを開け中に入った。そこには雅紀が居た。

 

それとあと4人―・・・。顔が良く見えないなぁ・・・。体型からしてみんな男子のようだけど・・・?

「約束通りちゃんと来たな。偉い偉い。」

雅紀はそう言って私に微笑んだ。暗い教室の中で雅紀はさらに話し続けた。

「時間通りに来た褒美だ。、携帯持ってきてるか?それで誰でも良い―・・・。友達呼べ。」

何が何だか分からない。しかし今は雅紀の言う通り携帯で友達を呼ぶ事にした。

 

 

プルルルル。

 

暗い教室の中に只一つ、携帯の音が不気味に響き渡る。

「水穂?ちょっと今から学校これないかなぁ?何か始まるんだって!」

「え?なんで?学校?」

 

水穂は電話の向こうからでも分かるくらい混乱している。しかし少し無言になったかと思ったら

「いいけど―・・・暇だしね〜♪持ち物は?」

と答えてきた。

「さっすが私の親友!そうこなくっちゃ!持ち物は特になし。じゃあ待ってる。バイバイ♪」

「え?ちょっ・・・!」

 

ツーツー・・・。

水穂はに聞きたい事が沢山有るようだったが電話は切れてしまった。

「呼んだよ?さぁ!今から何が始まるの?」

すっごく楽しみ!これから何かが始まるのかと思うとワクワクドキドキしてくる!

 

水穂を呼んだのはきっと人数が足りなかったせいだよね?

むこうは6人居るんだし。さすがに女子私1人だけじゃね?

「まぁ落ち着けって。今誰呼んだ?水穂とか言ってたけど?」

「そうだけど?西口水穂。私と同じで2−4。知らない?あっ今雅紀が座ってる机。水穂のだよ?」

よく見ると雅紀が座っている机は水穂のだった。

「あ〜すまん。」

そう言って雅紀は机から飛び降りた。

 

しばらく経ってがさがさと外から物音がした。

「水穂が来た!」

水穂が来るまで皆無言だから何か嫌だったんだよね。

良かった〜これで無言地獄から抜け出せる!私はそう思った。

 

コンコン。

2−4の窓を叩く音がする。やっぱり水穂だ!2−4の教室内に人影が見えて私がここに居ることが分かったみたい。よかったよかった。

 

「開けて開けて。」

私はすぐに窓を開けた。そこから水穂が入ってきた。すると誰か分からないが教室の電気を付けた。

「わっまぶしい・・・。」

ずうーと暗い所にいたので目が暗い所に慣れてしまってとても眩しい。

明るくなって雅紀の近くに居た残りの4人の顔がよく見えた。

けど私の知らない顔ばっか・・・。あっ圭吾が居る!

 

 

「雅紀・・・。あんたの近くにいる男の子達誰?」

「お前知らなかったのか。ゴメンゴメン。じゃあ自己紹介でもするか。まずは弘文から。」

「2−1笠井弘文。」

背高いなぁ〜・・・この笠井とか言う人・・・175センチくらいあるのかな?

は比較的小さい方だったので笠井が175センチくらいでも大きく見えた。

 

「2−8松原鷹。よろしくね♪、水穂!」

なんか馴れ馴れしい人。でも別にいいか。嫌いでもないしそーゆー人。

「2−6伊田貴司。とりあえず合格。2人とも俺の好みだよ☆」

何が合格なんだ・・・?私と水穂があんたの好みでも関係ないでしょ。

「2−3組。上原雅紀。」

「俺らはいいな?」

 

はい。いいです。梢と圭吾の事は良く知ってるから。

「はいはい。皆知り合えた事で始めるとするか・・・?『闇の鬼ごっこ』を・・・。」

雅紀は手をパンパンと叩きながら意味不明な事を言い出した。

 

はぁ?闇の鬼ごっこ?一体何が起こるの?何にも分かんない・・・。

「あっ水穂ちゃん。君合格だから。」

「合格・・・?」

 

水穂は何が何だか分からなくなっている。

さっきの伊田が似たような事言ってたから、きっと顔とかそういうのだろう。

 

『何か聞きたかったけど聞きたい事がありすぎて・・・。

 

何で夜の学校には入れるの?

 

鬼ごっこ?

 

今から何が始まるの?

 

誰この人達・・・。

 

鷹君と伊田は知ってるけど。あっ!この雅紀とか言う人も見た事ある。』

 

水穂はそんなことを思っていた。

 

「じゃあまずはルール説明な。闇の鬼ごっこのルールは簡単。俺たち6人の鬼から逃げればいいだけ、もちろん学校中何処でも逃げてOK。でも窓から出る事は禁止。

それにさっき弘文に頼んで窓開けたらブザー鳴るようにしてもらったから♪逃げたら強制終了。罰ゲームを無理やり受けさせる。

あっ特別にルール変更してやるよ。本当は捕まったらだったけど自分のクラスに入れたらで良いや。

じゃあ何か質問ある?お2人サン?」

 

「ちょっと!鬼ごっこするの?わざわざ学校まで来て?」

「だから言ったでしょ?闇の鬼ごっこだって!と水穂ちゃんは、鬼・・・つまり俺たちに捕まってそれぞれのクラスに入れられたらそのクラスの鬼に食べられちゃうんだよ♪」

 

 

「待って!食べられるってまさか・・・!」

は外れる事を願って雅紀に聞いた。

 

「そ。ヤられちゃう訳ね♪はい。質問タイムしゅ〜りょ〜。」

「えっ!ちょっっ・・・!」

「はい。ゲームスタート。逃げた方が良いよ?2人とも?

最も・・・俺らに襲われたいのなら別だけど・・・?」

 

悪魔だ・・・何?雅紀何考えてるの?私たちに選択権無いじゃん。

逃げ道なくなっちゃったし・・・。私は水穂の手を取って泣くのをこらえながら逃げた。

 

あいつらに・・・。

 

鬼に見つからないように・・・。

 

「水穂!こんなのにまきこんでごめん!とりあえず逃げるよ!あんたは絶対守るから!」

 

走りながら懸命には言う。騙されて1番悔しくて辛いのは自分のはずなのに―・・・。

 

 

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実はこういう話、一回書いてみたかったんですよv

書けて幸せです〜♪

でも文が所々可笑しいです(ーー;

修行せねばなりませんね・・・フゥ。

って事で!まだまだ続きますよ〜!

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02/12/2

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