三日前に島に寄った。

ゾロとはココ一週間いたしてない。


アイツとは約束はシテないが。


三日に一回位の割合でヤッていた。





もう、ヤツがアタシに触れなくなって




一週間以上経っていた……








headache(頭痛:悩みの種)









最近、ぼうっ、と海を眺める事が多くなった。

アタシがゾロの彼女と烙印を押されてから、一ヶ月の時が流れていた。




ナンでアタシがあんな男の女になんなきゃイケナイの、と至極不満に思ったが。
事実、身体の関係があるのだから、とゾロは別段否定するワケでもなくて。

ナンとなくソレに流されて。

気が付いたらアタシとゾロが一緒に居る事を誰も不思議と思わなくなっていた。




そう。
夜、一緒に消えても、だ。




ソレに関しては特に言い訳も無いし、好都合だったのは確かだ。

でも根本的なトコで、アタシはイヤだと思っていた。




それにゾロはココのトコ、アタシに触れていない。

三日前、島に寄っていた時も一人で何処かに出掛けていた。
別に四六時中一緒に居たいワケでもなから、気にも留めていなかったけれども。

ボケていたアタシの処に現れたナミのオカゲで、そうもいかなくなってしまった。









、何そんなトコでボケてんのよ」

「……ん〜、ナンか用?」

「別に用は無いんだけどさ、どうしたの?ココんトコ変よ?」

「……あ〜、…うん」




アタシは長くなり始めた黒い髪をグシャグシャと掻いた。




「ゾロがナンかしたの?」

「いんや、別に?」




っつーか、ソコでゾロの名が出てくる事事態が頭にくるだなんて言える筈がなくて。




「そうよね〜、だってってばあんなトコにハッキリ所有印、残す位だもんネ」

「所有印?」

「そ、さっきゾロが鍛錬してるトコ見たんだけどハッキリ付いてたわよ〜、キ・ス・マー・ク♪」

「はあ?」




ああ?

何が付いてたってえ?




「はあっ、て…。首筋って云うか鎖骨のトコに付いてたわよ?」

言っててナミの顔が訳が分からないと云う風になって。

「……ふ〜ん、そうなんだ」

気の無い返事にナミはマサカ……と顔色を悪くする。




「それアタシが付けたんじゃナイわよ?」




決定的な言葉を口にするとナミの顔は般若の如く変わっていく。

アタシはソレに気が付いて。




ああ……

言わなければ良かったかな…?




なんて人事のように思って。

「別にイイんじゃない?ゾロが誰と寝たって」

そんな事を口にしていた。




「はあ!? ……アンタ自分が何言ってんのか分かってんの!!?」

「……ん〜、分かってるツモリだよ?」

「だったら!! ナンでそんな平気な顔してんのよ!!!」



激昂するナミを視界の端の捉えて。

「だって前から言ってたでしょう?アタシとゾロは身体だけだって」

「……そ、…そんな!! だってこないだ皆でお祝いしたでしょう!!?」

「そうね、でもアタシは認めてないわ」

「認めてないって……、アンタそれでホントにいい訳!!?」

「イイも悪いも初めっからゾロとはそういう約束なの」




二の句が告げないのか、ナミは黙ってしまった。




「だからイイのよ。別にゾロが誰を抱こうが、アタシには関係ないの」




そうキッパリと言われてしまえば、当事者でないナミには返す言葉が見つからないのか。

悲しそうな顔をして、去って行った。




そんな顔を見せたナミに
そんな顔をさせた自分に

とっても腹が立って

ナンか余計に気分が滅入ってきて。








久しぶりに別行動でもしようか。









そんな風に思っていた。












でも本日の鍛錬を終えたゾロがシャワーを浴びて出てきて。

アタシの傍にやってきて。


それは今直ぐに、とはいかなくなってしまった……。











昼下がりの情事。

そんな洒落た言葉を使う気にもなれないが。

やっぱりアタシとゾロは船内でシケ込んでて。




丁度、その所有印とやらを見てみたいと思っていたから。

アタシは別段、拒否する事無くゾロに付いて行った。




いざ、事を始めて数十分。




アタシの喘ぐ声と、ゾロの繰り出す動きによって醸し出される水音で、その空間は満たされていた。




ナミが言ってた通りのトコから見え隠れする、その所有印。




熱くなる身体とは裏腹に、ドコか冷めた自分がこの行為を眺めている感じがした。







別に気にする必要も無いのだけれど。

でも、この関係を始めてから、初めてゾロは他の女を抱いた。






たったソレだけの事なのに……

なんでこんなに燃えないんだろう?




否、確かに身体は反応している。

何時もと同じ感じでゾロの愛撫に応えている。

なのに……




ナンで…?

なんでこんなに心が凍り付いたように……





冷たくなっているんだろう…









一際高い声を上げて。

何時も通りのフィニッシュを終えて。
避妊具を始末したら、とっととゾロは寝る体勢に入っている。




何時もの通りにアタシの身体を抱いて……




ナンか……

抱かれていたくないような…




頭の中に浮かぶ正直な気持ちに逆らう事なく、は巻きつくゾロの腕を退かした。




「どうした?」

不思議そうに聞くゾロに。

「ん、お腹すいたから…」

そう言って脱ぎ散らかした服を拾った。

キッチンに行く事を好ましく思わなかったのか。
それとも色気が無いと思ったのか。

「……ふん…」

そう言って、絡ませていた腕をアッサリと離した。




それを有り難いなんて思いながらは服を身に付けて。

元々、こう云った行為を好まないのを知っているからこそ、ゾロはアッサリと離した訳だが。




後々にコレを後悔する事になる。










パタン、と部屋の扉を閉めて。

足音を立てないようにソコを去って行く。




ゾロはその猫のような仕草を好ましく思いながらうとうとし始める。




やっぱり町で拾った女より、の身体の方がしっくりくるな……




なんてナミが知ったらそれこそトンでもない勢いで怒りそうな事を考えながら。




眠りに落ちた。










事を終えて。

が向かった先はキッチン等では無く。

自分専用の船が繋がっている船尾だった。

ロープ一本で繋がっている小型の一人用のその船。




対、悪魔の実用のそれには身体をふんわりと浮かせて飛び乗ろうとした。




しかし、乗ろうとしたトコで不意に声を掛けられる。




「……ちゃん?」

声の主はナミのみかん畑に隠れて、二人っきりの時間を堪能していたサンジだった。
当然、その隣には沙羅の姿があって。

ハッキリ云って、今一番見たくない二人だったかもしれない……




言い忘れたが、は悪魔の実『ヒラヒラの実』を食った能力者で。

風を思いの儘に操る事の出来る人物だった。



声を掛けられ、身体を浮かせたままで。

さん?…ドコか行くんですか?」

可愛い沙羅の言葉に。

「……ん、ちょっと先に行ってるね」




そう言い残しては船へと下りて行く。

駆け寄って行く二人が船の淵に辿り着く頃には、の乗った船は走り始めていて。

さん!!?」

「ちょっ…ちゃん!!」

呼ばれる自分の名を、聞きたく無い、とばかりに船のスピードを上げて波音で消した。




残された二人は小さくなっていくの姿を見送るしかなかった……





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