正直、スモーカーの申し出はとても有難かった
例えソレがどんなに彼を苦しめる事になったとしても
この儘では心も身体も
魂すらもをあの男に捧げてしまいそうで……
そんな事は絶対にしたくなかった
あんな思いを繰り返す事がどうしても耐えられなかったんだ……
headache 6
「あっ……んん、ぅ…」
艶を帯びた甘い声。
それがこんなに似合わない部屋も珍しいだろう。
だってココは海軍大佐の個人部屋だ。
そんなトコにこれ以上似合わない女が一人ソファの上で。
その部屋の主に押し倒されていた。
甘い甘い極上なキスと共に、頭の中を痺れさせるような愛撫を施され。
はその甘美な感覚に酔っていた。
この一時だけでもイイ…
一瞬でもイイから自分の全てを彼に預けてみたかった
それは期間の付いたソレなれど。
イヤ、期間が付いたのだからこそ自分に素直になれたのか。
そんな壊れている自分がとてもイヤになるが。
それでも…
ナンて安心できるんだろう……
優しい腕に絡めとられ。
意識を深い深いトコロに沈めて。
身体の力を全て抜いて。
「……スモーカー…」
全てを任せた男の名を呼んだ。
名を呼ばれた男は組み敷いた女に、普段絶対に浮かべない優しい顔を向け。
「……」
短い期間だけれども、手に入れた最愛の女に口付けを贈った。
今だけ。
今だけでイイから……
言ってもイイだろうか…?
脳裏に焼きついた男とは、別の意味でそう思えた言葉を……
何か言いたげなに気付いたスモーカーはさり気なく促して。
「………ね…、あいしてるって……言ってイイ…?」
絶句した。
まさか。
まさか、まさか、まさか。
この女から、そんな言葉が聞けるだなんて。
胸の中が、ひたすら温かい感情に包まれる。
くすぐったいような、恥かしいような。
照れも幾らかはあっただろう。
でもスモーカーはその言葉を受け止めて。
「……ああ、好きなだけ言え」
部下達が一度も見た事の無いくすぐったそうな微笑を浮かべて、そう言った。
それに対して、は酷く嬉しそうな笑顔をむけて。
アレ以来、決して言えなかった言葉を口にした。
「スモーカー……愛してる…」
「ああ…、俺も愛してる…」
自己満足の為だけに発した言葉に、返事を返され。
正直、は驚いた。
そして嬉しそうな、それでも苦しそうな表情をして。
彼の首筋に絡めた腕を引き寄せた。
『相思相愛』
この言葉程、彼女の嫌いなモノは無かったのだけれど。
それでも今、その言葉が嬉しくて。
悲しくて
愛しくて
寂しくて
空しくて……
バラバラな感情を細い身体に押し込めて。
はスモーカーの耳に囁きかける。
「……しよう…」
細い首筋に浮かんだ紅い鬱血の痕。
その痕に自分の痕跡を残すようにしてスモーカーはソコに唇を寄せる。
キツク、キツク吸い上げて。
の口から、痛みの為か、感じた為か、どちらかとも取れない吐息のような声が漏れるまでソレは続けられ。
重ねられたバスローブの重ね目を引き千切るような勢いで肌蹴させて。
すると当然柔らかい女特有の乳房が現れる。
細い、折れそうな肩、浮かび上がる鎖骨。
どれも昔の儘の肢体。
スモーカーは貪るようにの柔肌に唇を寄せた。
既に起ち始めた胸の先端を指でかすめるよにして。
手の中にすっぽりと納まる、それでも決して小振りでは無い乳房を確かめるように揉みしだく。
「あっ……はあっ…」
甘えるような艶のある声をスモーカーの耳元で発して。
その儘、は彼の耳に歯を立てた。
瞬間、ゾクリとした感覚がスモーカーの脊髄を駆け抜けて。
柔らかく食むの歯の感触。
昔っから彼女はソコに噛み付くクセがあって。
ソコが彼の性感帯なのだと知ると、それは何度も繰り返され。
今更ながらに付き合いの長さを感じさせてくれる行為だった。
しかしそんな感傷のような思いに囚われたのも一瞬で。
尚もソコを食むに溜まっている男の欲望を煽り立てられる。
自分が彼女に触れる度に吐息が漏れ。
それが自分の耳元に全て跳ね返り。
どんどんと限界が近くなってくるのを、下半身が物語る。
「……そんなに煽ってどうすんだ…?」
「んっ……あ、なにぃ…?」
「…っ……知らねえぞ、壊れても…」
「え…?…あっ、スモーカーっ!?」
散々煽られ続けたスモーカーの理性は脆くも崩れていき。
それは行動となってに襲い掛かっていった。
ソファに沈められたの身体。
その下半身に纏わり付くバスローブを剥ぐような勢いで捲り上げ。
細い足首を両手で掴んで大きく足を開かせた。
「あっ、ちょっと待ってよスモーカーっ」
「待たねえ」
下着を付けていないの秘部は大きく広げられた足によってスモーカーの目の前に惜し気もなく曝される。
テラテラと夕日の光が反射して。
ソコが濡れている事をスモーカーへと知らせてくれる。
流石のでも秘部を全開で男に曝すのには抵抗があったのか。
力を込めて足を動かすが。
相手は海軍大佐のスモーカー。
そんな抵抗は抵抗の内に入る筈もなく。
の顔が羞恥の為か、灯された欲求の熱の為か、紅くなっていく。
それをふっ、口の端に浮かべた笑みでやり過ごし。
その笑みを浮かべた唇を秘部へと近付ける。
「えっ!? ちょっ…、スモーカーっ!!?」
「お前が俺を煽るからだ」
抗議を訴えるを軽くいなし。
濡れたソコへキスを送る。
途端にピクリとの身体は反応を返して。
それが面白いのかスモーカーは舌を差し出して秘部の外側を舐め始める。
大きく開かれた足は高く高く持ち上げられている。
それは下手をすれば、腰すら浮かんでしまいそうな位になっていて。
スモーカーは楽しむように何度も何度も外側ばかりを舐め回す。
「あぅ……あ、んっ…ん」
決定的な部分へは決して触れずに、回りばかりを刺激して。
先程から触れられていた身体は熱を上げる一方で。
焦れたがソコを突き出すようにスモーカーへと導くが。
ソレをも避けるように愛撫を続けられて。
「やっ…も、……ねぇっ…スモー…カー……」
「夜は長ぇんだ、楽しめよ」
喋る吐息ですら感じるようになってきた己の身体。
定期的に繰り返されていたセックスの為か、身体に熱が籠もり始めるのが早い。
そんな彼女の事を知ってか知らずか、スモーカーは変わらず回りばかりを愛撫し続けて。
もっと触れて欲しい
ソコじゃない処を舐めて欲しい
もっと、もっとスモーカーを感じたい
感じさせて欲しい……
そんな欲望ばかりが脳内を駆け巡り。
淫らな声が切ない音となって室内に木霊する。
そして耐えられなくなったが恥かしいオネガイをする迄それは続けられて。
「はぁっ…あ、…も、…おねが…い……」
艶を帯びたうっとりとした眼差し。
乱れさせられたバスローブから覗く、先端の尖った乳房。
その胸や内股。
その何処もスモーカーを求めていて。
「しょうがねえ奴だな、夜はマダ長ぇっつただろ」
「や……ん、幾らでも…付き合うから、だから…」
そのの言葉を待っていました、とばかりにスモーカーはニヤリと笑う。
「じゃあ一晩、夜が明ける迄付き合ってもらおうか」
一瞬、彼がナニを言ったのか理解するのが遅れてしまう。
相当な無理を強いられるその行為を一晩ミッチリと付き合わせられる。
そう脳内の到達する頃には、既にスモーカーの愛撫は始まってしまっていた。
「きゃあっ……あっ、ああっ…ん」
それなりに焦らされたの秘部、それも小さな突起部分。
紅く充血しきったソコへ、スモーカーは何の前触れも無く突然唇を触れさせキツク吸い上げた。
途端に腰から脊髄を通って脳内へと痺れるような快感が突き抜けた。
卑猥な水音をたててソコばかりを刺激し続けるスモーカー。
掴んでいた足を片方だけ離してやって、空いた手で蜜をたっぷりと含んだ秘部へと伸ばす。
その指は溢れていた愛液を擦り付けるように動き、静かにの内へと忍び込んでいく。
「んんっ…ぅ、あっ…ああっ…」
指を入れられた所為で感じた圧迫感にくぐもった喘ぎ声が漏れて。
それをもっと聞かせろ、とばかりにスモーカーはの内を掻き回す。
片足を高く持ち上げられた儘、敏感な部分を吸われ続けて。
あまつさえ内には指を突っ込まれ。
そして…
「……ココ…、だったよな」
ふと、唇を離したスモーカー。
襲い掛かる快感に、呆けたような脳では反応が遅れてしまって。
彼は確かめるようにソコを引っ掻いた。
「ああっ…!! あっ…ぁ……」
昔、散々啼かされたその場所。
スモーカーは人の悪い笑みを浮かべると、指を増やし、ソコを中心に指を動かし始めた。
「ひっ…やっ、やあっ、だめぇ…ソコはっ……」
「イイんだろ?…」
ココが海軍の大佐部屋だなんて事、すっかり頭の中から消え去っていた。
声を抑えるなんてとてもじゃないけどできない。
再び充血した突起部分に吸い付かれ。
内の指には最も敏感な部分を刺激され続けて。
自分の喘ぐ声と掻き回される水音が鼓膜を震わせて。
身体中の熱が一気に上がるように燃え上がり。
「ああっ、も…イくっ、いっちゃうよぉっ……」
柔らかいソファに爪を立てて身体を強張らせて。
掴まれた足の先まで突っ張って。
「あっ…あああぁっ……!!」
スモーカーの指を締め付けながら。
呆気ない程にイってしまった。
忙しなく動くの胸。
荒い呼吸をしながら、うっとりとした眼差しで何処か遠くを見詰めていた。
そんな彼女の足を下ろしてやり、内に残された二本の指をズルリと引き抜く。
「んっ…ん……」
絡み付いているの愛液。
それを見せ付けるかのように口元へ運んで舌を出して美味そうに舐め取って。
そんなスモーカーを焦点の合わない目で見詰めていると。
粗方舐め取ったスモーカーはジャケットを脱ぐ。
そしてベルトを外してジッパーを下げ。
天を向いている雄を取り出した。
はソレを見て、一瞬身体を震わせた。
これからソレが自分の中に挿入されるのを想像しただけでも再びイッてしまいそうだ。
年若いゾロとは違ったセックスの仕方。
兎に角突っ込んで凶暴なまでに乱暴に出し入れするのではなく。
逃げようとするの身体を力技で押し付けるのではなく。
互いに感じあえるように、時には啼かせるように。
相手を優先的にさせたセックスの仕方。
それがスモーカーの抱き方だ。
「………」
優しい響きで名前を呼ばれ。
それに応えるようにはスモーカーへと手を伸ばす。
再度、足を大きく開かされ。
彼の肩へ手を回し。
お互いに引き寄せられる儘に
求め合う儘に
スモーカーは猛る己を花へと押し込んだ。
「んんっ…あっ、ああぁっ…」
狭いソコへと優しく押し入る彼の杭。
敏感な壁を擦りながらもソレは確実に最奥を目指して。
有無を言わさず受け入れさせられるスモーカーのソレは、信じられない位の熱と存在感をもたらしてくれる。
無意識の内に締め付ける内壁はその形までもをハッキリと教えてくれて。
逃げるようにずり上がるの腰を柔らかく、それでも絶対的に留めておいて。
ゆっくりと、確実に埋め込んでいく。
「あっ…んっ…ん……」
はあっ…、と一息ついて。
お互い見詰め合えば、スモーカーが全て自分の内へと入りきったのを感じた。
どんな時のセックスでも、これだけは意識的に繰り返される行為。
何時もスモーカーは乱暴には挿入しない。
優しく、優しく。
それでも己の雄を確実に感じさせて。
一旦、挿入させて一息付いてっから始まる彼の出し入れ。
それは、今、抱いているのが誰だかを知らしめる行為のようで……
昔、初めて肌を交わした時から既にそんな抱き方だった。
でもそんな彼が、そんな抱き方をするスモーカーが好きだった。
だってそうでもしなければ、自分を抱いている男の名を間違って呼びそうだったから……
今ならそんな事は無いのだけれど。
それでも染み付いてしまったその行為が愛しかった……
ふっ…、と彼は溜息のような熱の籠もったソレを吐き出して。
「…動くぞ」
低い声で宣言した。
ゆるり、ゆるりと猛るソレを引き出して。
抜かれる感触にが身を震わせると、今度はソレを挿入する。
それは濡れる秘部から分泌された愛液を彼の雄に馴染ませるように思えて。
焦れったいかのようなその動きは、今のには到底物足りる筈がなくて。
知らず知らずの内には腰を使い始める。
最奥まで目指すかのようにゆっくりと入れられた雄に、もっと奥迄来て欲しいと云わんばかりに腰を擦り付けて。
少しでも快感を求めようとソレを繰り返す。
「あ、ん……ふっ…あ……」
そんな彼女に向けられたスモーカーの視線。
コチラも充分に熱を持っていたモノだが、それでもよりかは幾分余裕を残していて。
しかしそれも貪欲な迄に快感を求める彼女の姿態にその自制心も焼き切れる寸前だ。
「スモ…カー、…もっ……と…んぅっ…もっと、して……」
「………」
「ねぇ…はっ……おねが…い……」
「俺自身、女とスルのが久しぶりなんだ……」
「…え……?」
「加減できんかもしれん、先に謝っておくぞ」
言った途端に激しく動き出すスモーカー。
対するは悲鳴のような嬌声を上げて、自分を突き上げてくる男に縋り付いていた。
打ち付ける度に肉同士のぶつかり合う音がして。
快感に身体中を支配されているは、スモーカーの動きに翻弄されて。
只、彼に身を任せる事しか出来なくて。
粘着質で淫猥な水音が忙しなく室内に響き渡る。
その音とシンクロしたように、追いかけるようにの嬌声が充満して。
久しぶりに感じる女の内壁。
それも恋焦がれた女の中。
じわり、じわりと締め付ける感覚は心地よくて。
その感覚に溺れそうな自分を何とか保ちながら。
それでも組み敷いた、貫いた女を更に追い詰め続ける。
二人分の重さを受け止めるソファは、それだけでも悲鳴を上げそうなのに。
スモーカーの激しい動きに耐えられない、とばかりに軋む音を上げ続ける。
突き上げる度に擦り上がるの身体。
彼女も必死でしがみ付こうとするが、噴出してくる汗によって滑る肌。
スモーカーは逃げるようなの腰を両手で掴んで、全てを受け止めさせるかのように打ち込んだ。
「あっ、ああっ、やあっ…おか、しくなるぅっ」
「…ああ、…なっちまえっ……」
二回目の絶頂が近いのか、の締め付けがキツクなり。
スモーカーは快感に眉を寄せる。
壁を擦るような動きから、最奥、馴染んだポイントを抉るようなソレに変えて。
何度か打ち込んでやれば。
感極まったかのような喘ぎ声を上げて、は首を振った。
スモーカーの胸の内を表すかのような、凄まじい快感が身体中を満たし。
最奥を突かれる度に過ぎる快感が脳を刺激する。
もうにはスモーカーにしがみ付くしかできなくて。
お腹の辺りから身体中に熱が広がるように伝染していって。
「ああっ、あっ、また、またイきそうっ」
「はっ…何度でも、イケ……」
スモーカーも終わりが近いのか、息が上がり始め。
改めての足を抱え直し、肩に両足を乗せるかのようにして。
目一杯、己の雄を打ち付けた。
「きゃああっ、いっ、やぁっ、やああっ!!」
「……っく…」
深く深く打ち込まれたスモーカーに、耐え切れないの方が先にイッて。
引き千切るかのように締め付ける彼女の花にスモーカーも溜まっていた欲望を吐き出した。
ヒク付くソコへ、全てを吐き出すかのように何度かソレを打ち付けて。
自我を手放しそうな位に快感に翻弄されたの上に身体を乗せた。