荒い呼吸を繰り返しながら
久しぶりに感じたエクスタシー
それはこの上ない上等な快感で
海軍大佐と呼ばれたこのストイックな男も例外ではなく
組み敷いた女を胸の中に閉じ込めるようにして、その酔いしれるかのような感覚を身体中で感じていた
headache 7
下半身を駆け巡った排泄感に絶頂感。
その感覚がやっと収まってくると、ふとスモーカーは気が付いた。
抱いている女が意識を遠くに飛ばしていた事に。
それはそうだろう、とスモーカーは一人苦笑いを浮かべ。
彼女の額に纏わり付いた前髪を優しく梳いた。
汗に塗れた身体。
たった今終えた情事の跡を色濃く残すその様は。
吐き出したばかりの筈のスモーカーの欲望を更に煽り立てる。
何故……
こんなにも求めるのか
求めてしまうのか…
自分ですら、その感情の流れが理解できない。
理屈などではない。
頭で考えたって分からない。
それは本能と呼ぶのが一番近いような気がして。
そしてそんな事を考えていても何も変わらない。
そう思って。
スモーカーは意識を手放した愛しい女に口付けを送る。
例え意識は無くとも、情事の後のキスは特別な意味を持っていて。
一番最初の時から繰り返してきたこの行為。
それが彼のクセなのか。
ソレを彼は行為をする度にへと施した。
そうするとは次第にソレを強請るようになって。
情事の後のキスはスモーカーのクセ。
彼は未だ知らない
彼女にそのクセが移ってしまっている事を……
優しいキスを繰り返し。
やっと落ち着きを取り戻したスモーカーの身体。
それでも彼女の内に残された儘の雄。
やっと手の中に帰ってきた愛しい女の中に少しでも留まっていたいと云う願望なのか。
それともまだ足りないのか。
でもどちらとも正論な感じがして。
そして彼女の言葉を思い出し。
未だ情事の跡を色濃く残す肌へと口付ける。
紅い跡の残る性感帯へと何度も唇を寄せ。
柔らかい乳房へと手を伸ばし、先端を玩び、開かされた太股の内側を撫で上げる。
何度かソレを繰り返すと、意識を失っているの内が彼の雄を弱弱しく、それでもハッキリと分かる位に締め付けてきて。
心地良いその感覚をもっと求めるように、スモーカーは愛撫の手を休める事なく動かし続ける。
するとの眉間に僅かに皺が寄せられ。
くぐもった声が漏れる。
ゆっくりと意識が浮上してくるのを間近で感じながらも彼は胸を撫で、キスを繰り返す。
何度か瞼が痙攣を起こすかのように震えると。
薄っすらとの黒い目が現れた。
「…ス、モーカー……?」
呆けたように目の前にある男の名を呼ぶ。
「お目覚めか?」
言いながらもスモーカーはキスを繰り返す。
滑る唇の感触にが僅かに身動ぎすると、彼女は短い嬌声を上げる。
未だ残る、彼の雄に気が付いたからだ。
それに僅かに顔を赤らめる。
きっと恥かしがっているのだろうとは考えすぎなのだろうか。
「……ア…タシ、……気絶してたの…?」
照れ隠しなのか、それとも行為の激しさに対してなのかは判別は難しい所だが。
は少し怒ったように喋った。
「だから言っただろう、そんなに煽るなって」
そう言ってやればはむぅ、と顔を顰めた。
「…ノリノリでヤッたのは誰よ……」
よっぽど恥かしかったのか、彼女の声のトーンは変わらず僅かな怒りを帯びていて。
「そういう可愛げの無いセリフを吐いてる余裕なんてあるのか?」
人の悪い笑みを浮かべて言ってやれば、途端にの表情は強張って。
「…はい?」
「自分が言った言葉には責任を持ってもらわねえとな」
そう言ったスモーカーに、全てを覚った。
何故自分が起こされたのか。
何故自分の内に彼の雄が残された儘なのか。
最中に強請った言葉。
それを思い出し、は引き攣ったかのような笑みを浮かべる。
「ス……スモーカー…さん?」
「何だ?」
引き攣った笑みを浮かべた儘のに続きを促してやれば。
「……ま…さか……」
言いたくないのだろう、この歯切れの悪さ。
スモーカーはとてもとても楽しそうに笑う。
「きっちり付き合ってもらおうか」
「………ちょっと待って…っ!!」
突っ張るように両腕をスモーカーの胸板に当てて押し返し。
は必死になって許しを乞うた。
しかしそんなので彼が納得する筈もなく。
スモーカーは熱い秘部に残る自分の雄を押し込んだ。
「うあっ…ん、あ、…待っ……てったら、んんっ」
怒張した儘のソレを何度か抜き差ししてやれば。
快感の引ききらないの身体は正直に反応を返すしかなくて。
彼女は甘ったるい声を上げる。
突っ張る両手が邪魔だ、と言わんばかりにスモーカーは自分の首へと両腕を回して。
「しっかり掴まってろよ?」
そう言っての身体を抱き上げた。
途端に深く入り込む彼の雄。
はパニくった悲鳴に近いような嬌声を上げ。
それでも落とされないように、しっかりとスモーカーの首にしがみ付いた。
「やあっ…あっ、ナニっ!?」
スモーカーはを落とさないようにしっかりと腰を掴み。
は落とされまい、としっかりとスモーカーの首に腕を回す。
そして彼は自身を入れたまま、隣の部屋へと歩き出した。
「あっ、あんっ、ああっ…」
歩く度に、その震動が直に接合部分から感じられて。
擦れる感触が。
その意志は無いのに入れられてしまう感覚が。
堪らなく甘美で、如何し様も無くて。
これから過ぎるであろう過酷で、甘くて、愛しくて、溺れるであろうその一時を過ごす為に。
彼等は奥のベッドルームへと移動して行った……