時間にしてみれば、高が半年。

余り長くないと思えるその時間の経過。
しかし彼等にとって。
彼女にとってのその半年は。

とても長い長い時間の流れで。





暫く振り、と思えるその時間を越えて。
久し振りに見た『元』仲間の顔は。

自分と比べれば、そうでもないのかもしれないが。
それでも疲れた人間独特の陰りを含むモノで。





正直、胸が痛くなった……

















so long16



















の顔を見ると。
彼女の顔を、姿を確認した途端。
走って来ていたナミはその大きな目から涙を零して。

サンジとの抱擁を解いたへと。
泣きながらぶつかるように抱きついた。






「……っ………!!」






しがみ付くように。
長年、別れてしまった親友を抱き締めるようなその抱擁に。

はとても困ったような、嬉しいような微妙な笑顔を浮かべて。






「…ナミ……」






優しい、頭のイイ。
少し意地悪で小悪魔的な彼女の名を呼んだ。

柔らかい、彼女の身体が縋るように抱きついてきて。
ソレに少々、戸惑いを残すの腕が。

彼女の背中に回されて。






潮の香りのするオレンジの髪が懐かしくて。
は頬を擦り付けるようにしてナミを抱き締めた。

















懐かしいその感触に。
香りに。

溢れかえってくる苦しい思い出と。
嬉しい思い出。






込み上げてくる胸の痛くなるような思いに。
思いもよらない涙が。

枯れてしまった筈の涙が溢れそうになった、その瞬間。





























は思いっきりナミの身体を突き飛ばし。

傍に居たサンジの身体も突き飛ばした。





























驚くクルー達の顔。






その顔色が。

怒りに染まるその前に。

泣き顔に変わるその前に。

言葉を発するその前に。






























海軍が発砲した大量の銃声が響いて。
















の身体を貫いていって。































「きゃぁぁああああぁっ……っ!!!」





























絹の裂けるようなナミの悲鳴。





っ!!」

っ!!?」

「あっ……っ!!…」





仲間達の怒声に近いような声。
































しかしそれも杞憂に終わる。

































だって、彼女の身体は。
血の一滴すら、流れる気配が無く。
















静かに佇む。
ナミとサンジを突き飛ばした格好の儘。

立ち続けるの身体から。
彼女を貫いた筈の弾が全て貫通して。

僅かな水と共に後方へと抜けていった。















呆然と立ち竦むルフィ達。
苦しそうな顔をしたサンジ。

彼等を出迎えた時とは打って変わったかのような。
最初サンジと再会した時のような無表情になってしまった















その彼女は。

ゆっくりと姿勢を直し。

傾いた顔を。

弾の飛んできた方向に向けた。















そこには。

彼等が見た事も無いような。

見る者、全てを震え上がらせるような。

怒りを露わにした。

燃えるような怒りを露わにしたの目があって。















抜け落ちた表情に。

怒りの眼が。

これでもか、と云う位にギャップを生み出して。














発砲した海軍の下っ端達が。
その目をマトモに見た所為か。

中には悲鳴を上げて。
腰を抜かす輩も居て。
















静かな時が。

静か過ぎる時が、微妙な緊張感を強いて。

誰も動けないその空気の中。

不気味な地響きがする。


















揺れる地面に足を取られ。
情けない悲鳴を上げる海兵達。

ソレを怒りを灯した目で睨み続ける





次第に大きくなる地響きの音にフリーズを解かれ。
やっと逃げ始める彼等を。

割れ始めた地面から。
大量の水が噴出してきて。

ソレを見た海軍の下っ端は目を剥いて慌てて逃げ出すが。
間に合う筈もなく。

襲い掛かってくる水に為す術も無く。

水の重みに潰される者。
大量の水に身体中を包み込まれて溺れる者。
身体に流れる血を逆流させられ、苦しみ、死にゆく者。





蜘蛛の子を散らすように逃げる海兵達を。
まるで赤子を相手にするかのように簡単に。

余りにもの力の差を見せ付けるかのような。
怒りに任せたやり方で殺めていく
















別れてから半年。
たったそれだけの時間だったが。

このの変わりように。
手配書で見た彼女の現実に。

ルフィ達は動けなくて。






代わりに動いたのはサンジで。

ソレを知っていた所為か。
それともソレを体験したからか。
原因を知ったからかは分からないが。

それでも彼はに歩み寄って。















「……もういいっ…もう、イイからっ…!」

















怒りに任せて海兵達を虐殺していくを止めようと。

彼女の身体を抱き締めた。















「頼むよ!頼むから、もう止めてくれっ!!」
















後から。

羽交い絞めをするように。

それでも彼女を気遣うその抱擁に。

の目から。

次第に怒りが沈んでいき。






それに伴うように。
水の動きが鈍くなって。

生き残った海兵達が。
命からがら逃げ出すのを。

彼等はその儘の格好で。






黙って、見送っていた。











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