探しに探し続けたあの二人の行き先。

こんなになってしまった責任を
こんなに捻じ曲がってしまった責任を





その時は取らせるつもりだった。





もしかして、と思い。
情報屋を使って調べさせたら。

思った通り既に二人はGM号から下りていた。








……マリ…

アンタってヒトは。





アタシの帰る場所まで奪っていたんだね……



















so long9


















この力を手に入れて。
自分の命等、とうに捨てたアタシにとって。

他人の命なんて何の意味も持ってはいなかった。





だから殺しまくった。





だってこんな奴等。
生きていたって何の役にも立たないでしょう?

下手に居るだけ目障りってモンで。
数が勝負の海賊、海兵なんて。
この力を手に入れたアタシにとって蟻を殺すよりも簡単な事になっていて。





でもね。
最近この事が無意味に思えてきたの。





きっとあの海軍大佐の所為でしょうね。
確か『白猟のスモーカー』って云ったっけ。

感情を無くす以前の。
アタシを見ていた仲間達のような視線。





その視線に懐かしさと空しさを感じてしまって。

一つの強い疑問を抱いてしまう。
















アタシは
何で生きているんだろう……















そう思ったら、アタシを裏切ったあの二人に。




どうしても仕返しをしてやりたい。




そんな風に思った……















考えが決まったなら。
目的が決まったのなら。

後は動くのが定石で。

金なら海賊、海軍から奪ったモノがあったので。
町に居る情報屋を捕まえて。

もしかしたらと思いながら。
少々脅して払うモノを払って情報を買った。













そうしたらサ。
もう、あの船の上に居ないんじゃない。





サンジもマリも。
居ないんじゃない……














懐かしいヒト達。

勝手に絶望して。
勝手に決めて。
勝手に海に飛び込んで。

普通なら命を落としてもおかしくないあの海へ。
彼等は追いかけてきてくれて。





でも、さ。
考えてもいなかったよ。





ま、少し位考えれば分かる事だったのかもしれないが。
それでもその事を考えたくなかったアタシには結構な衝撃で。













あはは……

マリ、アンタってば
本当にアタシから何もかもを




奪っていったんだね……















一時はあんなに仲が良かったけれども。
仲が良かっただけに。
それだけに。

その可愛い容姿が。
可愛い性格が。
彼の後ろに隠れていたその様が。

全てが全て。
憎しみの対象となる。






考えても仕方の無い事だとは分かっていても。
つい、思ってしまう。










アタシは何であの子に声を掛けたりしたんだろう
アタシは何であの子を助けたりしたんだろう
アタシは何でサンジとあの子を結びつけるような行動をとったのだろう

どうしてアタシは二人の事に気が付かなかったんだろう……

それこそ止めど無く自分を責めてしまう考えが脳内を一杯にしてしまう。





が、それももう関係ない。





間違ってしまったのなら。
無に返せばイイ。

只、それだけの事。





何もかも。

知る前に。


戻せばイイ。






アタシの存在ごと消えて無くなってしまえばイイ……











だって、今現在も。
アタシが愛した男と一緒に居るだなんて許せないじゃない。
アタシ自身がそんな考えに憑り付かれてるなんて許せないじゃない。

何時までも呪縛のように。
彼等に雁字搦めにされてるだなんて耐えられないじゃない。














もう、止めよう。
もう、疲れたよ。

そろそろ決着を付けようよ。














だからアタシはもっと事件を起こすようになる。

情報屋から仕入れたネタを元にして。
彼等がその島に居たのは以外だったが。

でもアタシが一番寄り付かない事を考えれば。
何もかもを悪い方向に考えれば。

ソコに居るのが一番『安全』なのかもしれない。












皮肉ね。

何て皮肉。



アタシを裏切った二人が。
アタシが海に落ちた直ぐ傍の島に居座ってるんですもの。

これ以上の皮肉なんて有り得ないじゃない。






胸の奥に仕舞い込んだ筈の暗い、黒い感情が瞬く間に身体中を支配して。
アタシは事件を起こすのを。
ヒトを殺すのを楽しんでいた。






そうしたら当然のように悪名は駆け上がって。
賞金額も跳ね上がり。

その島に行き着く頃には。
アタシは昔のルフィよりも懸賞金の上がった、第一級犯罪者になっていた。

でもね、そんな事は関係ないの。
だってアタシに重要なのはあの二人だけなんだもん。






あの二人をこの世から消し去る事にしか。
その事だけしか。

アタシがこの世に存在する意味が無くなってしまったのだから……













どう?
そろそろ恐怖を味わい尽くしたかな。

少しずつその島への距離を縮めていって。
アタシの悪名は既に出回っている筈だから。

だから知っている筈でしょう?






変わりきってしまったアタシの事を……






少しは苦しんでくれたかな。
少しは怖がってもらえたかな。

アタシが感じた。
彼を盗られる、という恐怖を。
ソレを命迄、奪ってしまうと云う恐怖もオマケに付けて。

楽しんでもらえたかな。







マリ……

サンジ…







アナタ達が居る島まで。

後少しなんだ……












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