一人、部屋に残されたハヤテとテーブルの上に乗る額当て。

気配を隠す理由が無くなった為か、もうカカシの存在は確認する事はできなかった。



ハヤテは額当てへと向き直って。





「…………」





そしてソレを彼女のようにそうっと持ち上げて胸の中へと抱き締めた。









after glow2








とてつもない後悔が彼を襲っていたが、それでもハヤテは思った。

は心を残す事なく逝けた』のだと。



只、それだけが救いのようで……







優しい、優しい、……


貴方はこんな私の為にでさえ、その心を砕いてくれていたのですね

貴方を愛した事は間違いではなかったけれど


この想いをぶつけた事だけは後悔させて下さい………


貴方は私達が後悔や、己を責めると云う行為を止める為にそう言ってくれたのだと思うのですが







すいません……




私はカカシさんのように強くなれないんです




今だけ

今だけですから…




ハヤテは崩れ落ちるように両膝を付き、胸に持つ額当てをより一層強く握った。





床の上にポタポタと水滴が零れ落ちて。

堪え切れなくなった嗚咽が僅かに漏れた……







帰ったと思われていたカカシだが。
実はハヤテの家の壁に背中を寄り掛からせていて。

忍の耳で、やっと聞き取れる位の嗚咽に耳を傾けていた。



暫くソレを聞いていたが、カカシもとても苦しそうな表情をして、忍犬を一匹残し。



その場を去って行った……





それはカカシの優しい心だったのか。
それとも逝ってしまった彼女の言葉を守る為なのか。


深く、深く、後悔したハヤテが彼女の後を追わないように……と。





それは先にに会いにいくのは許さないと云う嫉妬心か。

当の本人にもその気持ちは複雑過ぎて分からなかった……


只、唯一言える事は。

『ハヤテには死んでほしくない』

その思いだけだった。










そして数日後。

ハヤテはカカシが気にしていた事もせずに、仕事へと出てきていた。



そしてカカシは本当にハヤテの家へと酒を持って、の残した額当てへと会いに行っていた。

最初こそ酷く驚いたように戸惑っていたハヤテだったが。
それも二回、三回と回数をかなしていくと自然と態度も変わっていった。

テーブルの真ん中に額当てを置いて。
その前に酒を注いだグラスを置いて。

男二人は愛した女の思い出を肴に酒を飲みあった。




それはとてもとても奇妙な時間


つかの間の休息のような
昔からの親友のような




それでも非情な時の流れはハヤテをの元へと攫って行って




カカシの手に残されたのは二つの額当て。





一人残されたカカシは、二人分の額当てを前に一人で酒を飲む。






今日も

明日も

明後日も……







そんなカカシを心配そうに見ている複数の目に彼が気付くのは、もう少し後のお話……





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