まさかとは思った。

来ないと思っていた。


あんな手酷い裏切り方をしたアタシをアイツが許すなんて事は絶対に有り得ないハズだし。

ヘタすりゃ他の忍にも教えもしないで、ノタレ死にさせるかとも考えた。




なのにアンタってヤツは……





こんな心配そうな顔して来やがって……!!









愛憎・12








アタシの姿を見て。
隣に居る他国の忍を認識した途端に凄まじい程の殺気が放たれた。

アタシの傍に居た子供はピクリとも動けない。


そりゃ、そうだろう。
『写輪眼のカカシ』の本気の殺気をクラって動けるヤツなんてそうは居ない。

ましてや、相手はこんな子供。


「……カカシ…その殺気、堪えるからヤメテ……」

顔を歪ませて笑うに僅かに殺気は弛んだものの。

……そのガキにヤラレタのか?」

ビクッ…、と子供が身を竦ませる。

「ダメよ、殺しちゃ……って、アタシの方が死んじゃいそう…」

冗談のようにホントの事を言えば、カカシは慌てて走りよりアタシの身体を抱き上げた。




そして傷の深さを見て驚愕する。

「……どう…してっ…!!」

泣きそうに見えるカカシの顔が妙に愛しくて。

「お前だったらこんなガキの一人や二人、余裕でヤれるだろう!?なのにナンで!!」

「……ウルサイぞ…浮気モノ……」

脂汗をびっしりとかきながらも笑って言ってやる。

「ったく…ヒトがせっかく墓の下まで持っていこうと思ったのに……」

最後の最後に会うのがアンタだなんて……

黙ってナニも言わずに、傷付けた儘逝きたかったのに……ネ…




もう助からないのなんて分かってる。

だったら今更謝りたくないじゃない……



本当は…

アンタをまだ愛してるだなんて言いたく無いじゃない……



でも気付いてしまったんだ。
胸の引っ掛かりに……



そして言いたい相手は目の前に居る。






もう手の施しようの無い傷にカカシは悔しそうに顔を歪めて。

その顔にそっと手を添えて。

「ごめ……んね、カカシ……いっぱい、傷付けちゃったネ……」

「っ!………」

「ね……最後の我儘…きいてよ…」

「お前の我儘くらい幾つだってきいてやるからっ!!」



まるく……なったねぇ…、カカシ……



「近くの木にサ……寄り掛からせて…」

その望みに、ナンでそんな事を?と疑問に思ったようだが素直に運んでくれて。

それはそれは優しく抱き上げ、そうっと下ろしてくれる。


は木に身体を寄り掛からせて、一つ溜息を付きながら額当てを取る。

「カカシ……額当てはハヤテにあげて?」

一瞬、目元がピクリと動くがカカシはあえて文句も言わずにコクリと肯いた。



「アンタには……身体と、心をあげるから……」



だから、ね?



……あー、…身体が怠い、重い、動かない……





でも

マダ死ねない……





「おいで……カカシ、アンタが欲しかったモノ……あげるから…」

戸惑うカカシに、残り少ない自分の時間を悟り、急かしてやる。

「ほら……早く…」

力の入らない腕を必死で上げて。
カカシの頭をムネの中に引き寄せる。




霞み始めた目の前には夜の闇にも決して染まらない銀の髪。




たったの二週間。

長期に任務に出ればその位の時間、離れている事等ザラにあったハズなのに……




なんでこんなに懐かしいんだろうね……

……カカシ…




サラサラの銀髪に、そうっと指を絡めてすいてやる。

それを何度も何度も繰り返し。





「……イイ子だね…カカシ……」

ムネの中に居るカカシの身体がビクリと反応する。

身を起こそうと、逃れようとするカカシを力の無い腕で抱きとめて。



「…だーいじょうぶだよ……ナニがあったって…アンタが何をしたって」








アタシはアンタの味方だよ……







「………?」







「アンタが何人殺してこようが、…何回裏切ろうが平気だよ?
 アタシは……ずぅっとアンタを愛してるから……」







カカシが本当に求めていたのは








アタシに求めていたのは















母親のような無償の慈愛……
















カカシの震えが直に感じられる。

「大丈夫だって……アタシが守ってあげる………これ以上、誰にもアンタを傷付けさせないよ……」

怯えるようなカカシの目には薄っすらと涙が浮かんでいて。

「ほら……目ぇ、閉じてごらん…?」

震える指先を叱咤しながら、カカシの色を違う両目を覆い隠す。




そして額当てのないおでこの髪を少し掻き分けて。









そうっとキスをした









閉じた儘のカカシの目から涙が零れ落ちる……








しょーがない子

仕方の無い子

どうしようもない程荒んで、歪んでしまった子……



だから誰もアンタの心の中の本当の言葉が聞こえない

それを望んでいるクセに望んでいないと云う矛盾したその心



ココでその言葉を言うのは卑怯だと思った



身体の大半を死の淵に突っ込んで言うセリフではない事なんて百も承知だ





だけど……


だけど、誰かが言ってやらなきゃ…

言ってやらなきゃ、この子は壊れてしまう……




これ以上壊れるなんて許さない







アタシは……










アン…タに









生……き、て………






















黒い黒い暗闇がの意識を完全に飲み込んでしまう。

ふわりふわりとした浮遊感に全てを預けて。


彼女は意識を保とうと云う意志を手放した……























止まってしまった髪をすくの手。

嫌な予感に慌てて身を起こせば。



目の前には……



目を閉じて、微かに微笑みの表情を浮かべた彼女の顔。



「………?」



彼女の血に濡れた手で頬を触る。

しかし当然彼女からの反応は何一つ無く。










「……………逝っちゃったんだ……」







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