「……そんなの許さない…」



暗い、暗い……何時もの怒った時のような低い声じゃなくて
闇の底から囁きかけるような、暗い声……




「…か……か、し……?」








愛憎・5







それ迄の弱々しい様子から一変したカカシに、急速に不安を感じる。

そんなアタシを無視してカカシは立ち上がり、棚まで歩いて行くと何かを取り出した。




今、思えば……
ナンでアタシはこの時逃げなかったんだろう…?




戻ってきたカカシの目は妙に据わっていて。

「…、俺は別れる気無いから」

「だからアタシは」

喋っている間にスルリと抱き締められ、キスされる。
嫌がるの抵抗なんてモノともせず。

「…ぅっ…ん、んんっ…!?…」

絡められた舌から何かを流し込まれて無理矢理飲まされる。


なっ……何っ!?

今、何飲ませたの!!?


「……っヤダ!!」

力の弛んだ隙を狙ってカカシを突き飛ばす。

混ざり合った唾液で濡れる唇を手の甲で拭いながら。

「今の……何?」

睨みつけ、聞いてみる。

対するカカシは口の端をぺロリと舌を出して舐めていた。
それも笑いながら、だ。

「ん?……新薬だよ」

ククッと笑ったカカシは今迄見た事も無い程残酷そうに見えて。
きっとこれが暗部時代のカカシだろうと、容易に想像できた。


だってこんなの普通の人間が出来る目じゃない!!


「…どんな薬なのよ…」

それでも何とか尋ねてみる。

「対、くの一用の『媚薬』だよ」


それを聞いてホッとする。

だって自分達くの一には任務上、色を使う事も有る訳で。
その最中に『媚薬』を使われて任務にならなくなったでは話にならないからと、
それなりに免疫を付けていたからだ。

しかしそんな事はカカシも知っている筈で。


それにこのカカシの笑みがヤケに気にかかる……



「『媚薬』って聞いて安心した?」

「…効かないのはカカシも知ってるでしょう?」


クスクス笑うのを止めないカカシ。


「何が可笑しいのよ!!」

言えば更に深くなる笑み。

「だから『新薬』だって言ったでしょ?」


……『新薬』?


「この度、木の葉の研究所は対くの一用に新しい『媚薬』の開発をしました」

カカシは薬についての説明を始める。

「ソレは今迄のどのタイプとも違うモノで、
多少免疫の有るくの一にも多大に効果の有るモノと認められました」

段々と分かってくる状況。

「……だからサ、一緒に楽しもう?」




な…んて……ヤツ…

普通そんなモン、『元』恋人に飲ませるか!!?




「……冗談じゃナイわよ…」

「別に冗談で飲ませた訳じゃナイよ」

あー言えばこー言う。

「何でそんなモン飲ませんのよ!!」

キレて怒鳴っても。

「別れたくないから」

アッサリと返されて。


「…別れたくないって…、だからってこんなモン飲ませたからってどうにかなるのか!?」

瞬間、少し淋しげな顔になって。

「少なくとも…、『今』は傍に居られる……」

「……カカシ…」





……もしかして…

アタシの…所為か…?


アタシが、…カカシにココまでさせたのか…?





とくん……

「あっ…」

少し…、身体が熱くなった気がする。
それは昔『媚薬』の免疫を付けた時に酷く似ていて。




とくん……

また、身体が熱くなる。





「効いてきた?」





アタシが……
ココまで、…追い込んだのか?





「カ…カシ……」

「色っぽいネ、

どんどん熱くなっていく身体。
心拍数が上がり、呼吸が乱れる。

どうやら新開発されたと云うのは本当のようで。

「そんな目で見なくたって平気だよ」

カカシはニッコリと笑って。

「何回でも、一晩中でも可愛がってあげるから」








…そうだったよね……

アンタってば、最初から壊れてたんだよネ…







アタシは微かに震え出した自分の身体を両腕で抱き締めた。
薬に抵抗するように、カカシから身を守るように。

しかし熱くなっていく身体に伴い、肥大していく胸の中の欲求に酷い嫌悪感を感じて。

「イヤっ…よ!……他の女を、抱いたアンタなんかにっ…誰が!!」

すぅっと消えていくカカシの表情。

「ふぅん…頑張るね」

冷めた口調でこちらへと歩いてくる。

「そんなに俺が他の女を抱いたのが悔しいの?」

逃げようとしたが、薬の回り始めた身体では容易くカカシに捕まって。
目の前に来たカカシにおもむろにスカートを捲られる。

「やっ…何すっ…」

触れられた手からゾクゾクするような感覚が身体を襲って。

「聞き分けの無い子のはもう少しお仕置きが必要でしょ?」

言って目の前で小さな小瓶を揺らされた。

中に入っているのは琥珀色をしたねっとりとした液体。
カカシは蓋を開けるとソレを指に絡ませて。

の下着を下げ、中心部分にソレを擦り付けるように塗り込んだ。

「うぁっ!?…あっ!」

僅かに濡れ始めていた入り口、小さな突起、そして………



「いやぁっ!!……あっ、あぅっ…」


カカシの指がスルリと内部に侵入してきて、いたる処に塗りつけられる。

効き始めた『媚薬』の所為で感じる快感は何時もより何倍も、何十倍にもなっていて。
ナカでカカシの指が動く度にあられもない声が何度も漏れて。

「ああっん、あっ…やっ、かか…しぃ……」

自分の身体を抱いていた両腕でカカシの身体を押し戻そうとするが、ちっとも力は入ってくれなくて。

「スゴイね、ってば……俺の指に絡み付いて離れないよ?」

耳元に囁かれた声にすら感じて、指を咥え込んでいる部分が更に収縮する。

「ヤッ……お、ねがイ…ヤメ…て…」

自分の身体が思うように動かなくて。
望んでもいない行為に信じられない程感じてしまって。



悔しいのか、哀しいのか、それともまだ愛しいのか……

訳も分からず涙が零れ落ちた。



それに気付いたカカシが舌で優しく舐め取って。

「泣く程イヤなの?……それとも泣く程イイの?」

「ばっ…か、……に言って…」

自分でもよく分からない涙に戸惑って。

それでもジンワリと沁み込んでくる琥珀色の液体が嫌でもカカシの指を欲しがって。

「ふぁ……ん……」

ピタリと止まってしまった指が恨めしく思える程ソコは締め付けて。
でも残り少ない理性がソレを嫌がって。

「……そろそろ、ツラクなってきた?」

薄っすらと笑うカカシ。

誰もが見惚れるであろう、綺麗な顔をしたカカシの笑み。



そして急速に脳裏に浮かぶ過去の情事。

流石に色事に長けたと云うか、伊達に女遊びが激しかった訳ではなくて。
見事な程に女を快楽に酔わせるモノを、この男は持っていて。


でも思い出されるのは、お互い好きだと言いながら交わす愛の交換ではなくて。

浮気がバレる度にした、誤魔化す為のセックスで。


それを繰り返す度に頭の何処かが冷めていって。

さながら欠けていく月のように……




でも…
それでも今のアタシのこの身体は……









…欲…し、い……

もっと…
カカシの指が……、あの快感が……


薄れゆく理性に歯止めも効かなくなって、とうとう欲する言葉が口をついて出る。




「カ…カ、シ……お…願い…」



今だ涙の溜まる目で目の前の綺麗な男に懇願する。

「なぁに?

しかし意地の悪いこの男がスンナリとその言葉を受け入れてくれる筈がなくて。

「言ってくれなきゃ分かんないよ」

頬に、耳に、耳朶に、口を寄せられ滑らされる。

「んっ…んん、ぅ……」

それだけの行為でも十分に感じてしまう。

突っぱねていた手が恐々とカカシの首に回り、己へと引き寄せる。


「カカ…シ…」

色の違う目がアタシを見詰めていて。
アタシだけを見詰めていて。

「カカシ……カカシ…」

自分の唇をカカシの唇へと押し付けて、夢中で口内を貪る。

絡み合う唾液が、舌が、どうにもキモチ良くて。
入れられた舌が後の行為を想像させて、更に濡れる。



限界迄熱くなった身体に相反して、頭の中の冷めた自分が呟いて。





『ナンテ……バカな女』だと……





「んっ…んんぅ……」

濡れた音に、触れ合う唇の感触に脳内が痺れていく。

「ゆっ…び、んっ……指っ…も……」

動かして、と言う前に僅かに動いたカカシの指。

「ああっ!…う…」

それはキスしやすく為に動いたのだが、浅ましい程に快楽を欲しているこの身体にはたったそれだけの
動きでも感じ取れて。

「指が…ナニ?」

余裕たっぷりにキスした儘カカシが言う。

「う……ごかし、て……」



カカシはニッコリと笑う。

「やっと素直なイイ子になったね」



途端に抜き差しされる指。

「んあっ!あっ!ああっ……」

その指に絡み付いた己のねっとりとした液体が厭らしい音を奏でて。

「やっ!ああっ…もっ…と、もっと掻き回してぇっ!!」

下半身から脳迄突き抜けるような快感が絶え間なく続くが、ソコはもっと欲しがって。

「りょーかい」

親指で蕾の突起を押し潰すように捏ね繰り回され、人差し指、中指で内を掻き回され。

力の入らなくなった身体を壁に押し付けられて片足を持ち上げられる。
露わになった秘部に、入りやすくなったのか、更に奥迄入れられて。
耐えられないとばかりにカカシの逞しい背中に手を回し、しがみ付いて嬌声を上げ続ける。

満足気に笑うカカシの顔を視界のどこかで捉えて。

痛い位に感じる愛撫に身体が悲鳴を上げ始める。

「もっ……ダメッ…カカシ、キスしてっキスして!!」

荒い呼吸でカカシの両頬を掴み唇を重ねる。
すると更に愛撫が深くなり。

「んっんんっ、ん――――っ!!」

最初の絶頂を迎えた。








頭の中が痺れすぎてて白く靄がかかったみたいにナニも分からない。

気が付けば全ての服を脱がされていて、ベッドの上に転がっていた。

指でイかされ、舌でイかされ、何度も何度もイッたのに、
この身体は何時までたっても欲しがる事を止めてくれなくて。

服を脱ぎ捨てているカカシが映って、また押し倒されて。
やっとカカシ自身がナカに押し入ってくる。
その質量に、待ちわびたその快感に、悲鳴のような嬌声を上げて。

ヒクつく内壁がカカシを締め付けているのか、彼は時折色を帯びた息を吐いて。

意識を保っているのがやっとのはそれでも甘い声を上げ続けた。

足を肩に掛けられて何度も何度も猛るカカシの雄を打ち付けられ、
肉同士のぶつかり合う音を嫌でも耳は拾って、感じて。

ソレが出入りする度に信じられない位の快感が背筋を駆け上がり。
どうにもならない程のエクスタシーを感じる。

そして入れられた儘足を横に回され、今度は後ろから突き上げられる。
その度に頬をシーツに押し付けて。
縋る身体が無い為か、両手はシーツをキツク握り締めて。

既に擦れてしまった声でもソソられるのかカカシは突き上げるのを止めず。





顔が見えなかった所為なのか

朦朧とした意識の所為か


それとも使われた『薬』の所為なのか……




もう何度目か分からない絶頂を迎えようとしたその時、カカシは家の外に気配を感じる。

しかしその人物はの声を聞くと、固まったように動かなくなった。


キツクなる締め付けに己も絶頂へと導かれる儘腰を打ち付けて。


「やんっ!やぁっ、いっちゃ…いっちゃうっ…!」


が先にイッて、つられるように己も精をそのナカへと注ぎ込んだ瞬間………









―――ハヤ、テぇっ…!!








の口から漏れたのは



違う男の名前だった……










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