死神、とやらの記憶を見ながらソイツの名前を考える事暫し

基本的な事が大体分かってきた



















【殺】





















本来、死神とは人間を狩るモノだ、と云う事。
人が食物を食べるように、死神は人の魂を食う。

それは基本的に誰でも良くて。

目に付いた人間で、やってしまおうと思えば誰でも狩れるのだ。
オマケにその人間の寿命も見えるお得なオプション付き。

だから人口が減らないように残り少ない寿命の人間からどんどん狩っていく。

しかしながらこの死神はその作業に飽いてしまって、それを怠ったのだ。

死神が人を狩らなくなったらどうなるのか。
純粋にそれに対する興味もあったのだろうが、結局結果は散々で。

気が付けば、どんどんと己の力が失せていき。
焦った時には既に時遅く、力の大半が失われていたようだった。

そして消え行く自分に恐怖を覚え、そしてまだ存在していたい、と云う想いがアタシを引き寄せたようだ。








………そんなにアタシって生き汚なかったっけ…?








まぁ、こうなってしまってはもうどうしょうもない。

自分が消えない為にも、悪いけど……食べさせてもらう。

他の人間にその代償を求めて。
その命でアタシをこの世に繋ぎ留める為にアタシは鬼にでも悪魔にでもなろう。

だってアタシは今、一人じゃないんだ。

己で望んで引き入れたこの【死神】と云う存在が居るのだ。
そう簡単に手に入れたこの命、誰にもくれてやる気はない。

自分がもうイイって云うまで生きて、もう飽きたと思えたらこの身体事【死神】へとくれてやればイイ。

それまでアタシは生き抜いてやる……























さて、一つ目の問題は【死神】の名前か。
何て名付けてやろう……

あァ…、アレがイイかもしれない。

唐突に頭に浮かんできた西洋の酷く有名なあの人物の名を。








流血の伯爵夫人、エルジェベット・バートリ。

自分の容姿が衰えるのが我慢ならず、それを恐れた彼女は年若い召使いを殺し。
血を絞り取り、浴槽に貯め、それに身体を浸したと云う。

あ……でも彼女は女性だし…
流石に女の名前は拙いかなぁ。

そしたらもう一人、彼女のような有名人。

ヴラド串刺し公の方から取るか。

ヴラドのヴ、を貰ってヴィーにしよう。
これなら彼にぴったりかもしれない。

「ふふ……、気に入ってくれるかな…」

胸に手を当てて、語り掛けるかのようにして呟けば。
それに応えるかのように、ぽう、と身体の中心が温かくなって。

酷く嬉しい気分になった。









さて、彼の名前も決まったし、自分がしなければいけない事も大方は理解した。

ならばいつまでもこんな処で呆けていても仕方がないだろう。
ヴィーのおかげで見えるようになった幾つかの出口へと向かってアタシは足を踏み出した。






















此処から何処の世界へ行くかは自分次第。
元の世界で人を狩るのも、違う世界へ行ってそこで狩るのも気分次第。

今は力不足で元の世界でなんて狩りをしたら直ぐにでも警察に捕まってしまうだろう。

ならば狩りのし易い場所を選ぶだけ。

そう、此処なら人を殺しても大丈夫。
だって此処は力ある者が全て正しい世界なのだから……








…ふふ………

楽しくなりそうだね、ヴィー









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