アタシがこの船に乗って一週間。

船長に気に入られて。
半ば、連れ去られるようにして乗船させられた。

しかし、どのクルーもイイ奴等ばっかりで。
クセのあるのは自分も同じなので、この際細かい事は言わないが。

それでも、あの視線には正直困っていた……












初夜












街を歩けば同じような視線は結構な確率で向けられた。
それでもこんなにも遠慮しない視線は初めてかもしれない。

確か名前はロロノア・ゾロ。
世界一の剣豪を目指している男だ。

緑色の髪をした目付きの悪い奴。
それがアタシの第一印象。

ま、決してイイ類のモノでは無かったんだけれど。
それでも随分整った顔をした男だと思った。
そんな男にその類の視線を貰って、ちょっとイイ気分だったのは確かなんだけれど。





でもそんなにもアカラサマなのは、ね……。




アタシを女として見てくれているのは嬉しい事なのだろうけど。
でもそこまで舐めるような視線を貰うと、正直気持ちが落ち着かない。





だからアタシは待った。





隙を作ったと云ってもイイだろう。

女馴れしてないのか、話掛ける事すらナカナカしない彼へのちょっとした心遣い。
でもそれがこんな風になるとは思いもよらなかった。

だって本当はただの退屈凌ぎにする筈だったんだから……












事の起こりは予想通り。

隙を作って待っていたのだから、当たり前なのだけれども。
当然のように彼はソレに乗ってきて。





夜の甲板。
脇には酒とグラスを置いて。

確か今日の見張りはゾロの筈。
アタシに気付くか気付かないのかはゾロ次第。





こんな風に海へ出て。
限られた人間とばかり顔を突き合わせて。

それも女はたったの一人(今は二人だけどネ)。
ま、普通は女が乗っている事自体が珍しいのだろうけど。
彼女は船長の女だし?
それに好みが合わなかったのだろうか。
彼女はそういう対象にならなかったようだ。





でもそんなのはアタシの知ったこっちゃない。

問題はアタシとゾロとで。

身体のラインを舐めるかのように見る。
欲情の炎を灯しているその眼差し。

確かに船に乗れば相手に困るのは必至。
そして彼は目線でアタシに訴えかけた。

だから、と云うワケでもないのだけれど。
幸い好みの男だったから。

お相手になってアゲルわよ。




ねぇ、背後に立つ、ロロノア・ゾロさん?












アタシは後ろに感じた人の気配に頭を真後ろへと下げてグラスを持ち上げて見せる。




「夜の見張り、ゴクローサマ」

「……ああ」




気付かれていないとでも思ったのか。
ゾロの声は少し驚いていた。
内心でクスクス笑って頭を戻し、後ろを向く。




「冷えるでしょう、飲む?」

「…ああ」




言葉少なく返し、彼はその場にどっかりと座る。

でもその声を聞けただけでもマシかな。
だってアタシこの声好きかも、と思えたから。

一瞬の内に、その声が快感に歪んでいくのを想像して身体が熱くなるのを感じる。







あぁ……


はやく

早く言って?







酒をナミナミと注いでやってから渡す。

その時に一瞬だけ触れたゾロの手が。
ゴツゴツした男らしい手が。
アタシの身体をどうやって……







早く言ってよ

ねぇ…







ゾロは渡された酒を殆ど一気に飲み干して。
口から僅かに零れたソレが月明かりに反射され、とても煽情的に見えた。

その流れた場所を舌で舐め上げたい衝動をナンとか抑えて。







アタシが欲しいって…

その口で言ってよ







月明かりに照らし出されたアタシの顔。
そんなの想像しなくても分かる。

物欲しいような顔を、目をしているだろう、と。

この男が欲求を溜めているのと同じで。
アタシだってシタイ時があるの。




ふ、と合わさった視線。

アタシの目は一瞬で外され、彼の口元へと移動する。
ゾロは零れた口元の酒に気付いたのか、手を上げて擦ろうとする。

それよりも早く、アタシは彼の顎へと手を伸ばせば。

硬直したかのように止まるゾロ。
自分の口元が無意識に僅かに上がるのが分かった。





寝る前に着た寝間着代わりの服は、今の彼にとってとても目の毒になるのは重々承知。
肩から胸にかけて大きく開いたゆったりとしたTシャツ。
上から見れば、下着の付けていない胸元が良く見えるだろう。

それを計算の内に入れ、殊更ゆっくりと酒を拭ってやる。
そうすれば……





彼がソレに気が付いたのを知る。





だって痛い位に視線を感じる……





ナンて簡単。
若い男の欲情を駆り立てるのなんて造作もない。





は少し声を出して笑う。





「子供みたいよ?剣豪さん」





そう言って、今度は湧いた衝動を抑えずに。
少しずつ顔を近づけて。

ゾロの零した酒を。
彼の唇附近を、舌を出して舐め上げた。




ざらりとした感触と、僅かに飲んでいた酒の味。
チロチロと舌先で誘えば。





途端に視界が空へと変わり。
唇を塞がれた。





両腕を冷たい甲板へ押し付けられて。
熱い唇の感触がキスをしている事を教えてくれる。

でもこんな……





ピッタリと塞がれた唇からは、ゾロの舌が当然と云うように侵入してきて。
アタシの口内を暴れまわる。





ちょっと待った。

ナニ……?
この感覚…





歯列を舐められ、舌を絡ませて、吸われて。

それは何度もした事のある行為だけれども。
どうしてこんなに……





気持ちイイの…?

頭の中が真っ白になるような。
痺れるような感覚。





行き交う唾液に、上がる呼吸。
苦しさを伴うそのキスはとても十代の男の子がするようなモノじゃないと思うんだけど。
それでも確かにキスの相手はロロノア・ゾロで。

ちょっぴり失敗したかな、なんて思った時は後の祭りだった。





初めて交わしたキスは、とてもとても長いソレで。
名残惜し気に離された唇からは、細い唾液の糸が引く。

うっとりとしたアタシの目に、欲情しきった鋭い眼差しが飛び込んでくる。





あはは…
女にそんな目ぇ、向けるもんじゃないよー。

初心な女なら一発で引いちゃうよ?


こんなにキスは上手いのに、その目をするって事は。
相手は大抵商売をしているお姉様だね、きっと。





そんな事を考えていると、不意にゾロが言葉を紡いだ。
























「ヤリてえ、やらせろ」

「…………」























…………ナンてムードの無い(泣)










はははは〜…
予想通りお姉様が相手だったならこのセリフも頷けるんだけどさ〜。
盛り上がっていた気分も一気に盛り下がるっつーの。

でもココ迄ムードが作れないと、いっそ笑えてしまうのはナンでだろ……

ま、アタシだってソノ気だったんですから?
別にイイんだけどさ。





返事をナカナカ寄越さない為にゾロの眉間に皺が寄せられて。
それに気付いたは取り敢えずでも返事を返す。





「イイよ」





こんなにも煽られたのだから当然だ、とでも言いた気な雰囲気を纏っていたが。
それでも了解を取れたのを良しとしたのか、別段文句は返ってこなかった。





そして繰り返されるキス。

苦しいような。
ニガイような。
それでもビターチョコのようにほんのりと甘みを帯びたソレは。
とってもアタシを酔わせてくれて。





キスの上手い男はセックスも上手って云うけれど。
この男はどうなんだろう……





当たり前のように服の上から胸を触られ、先端辺りを摘ままれる。
その感覚にアタシの身体は当然反応を返してしまい。

重なった儘の唇から相手が笑う感触がした。





………なぁんか悔しいような……





こんな年下の男の愛撫で感じたのは女のサガであって、決してコイツが上手とかそんなんじゃないでしょう。

等と往生際の悪い事を考えてれば。
ソレに気付いたのか、ロロノア・ゾロは更にキスを深いモノにして。
這い回る手の感触はどんどん大胆になり。

ゆったりとしたTシャツを捲くり上げ、彼の手は素肌を辿っていく。

下着を付けていなかった所為で、胸の膨らみは彼の手の思うが儘。
大きさを確かめるかのような動きから、先端をカスルかのような動きに。

その僅かに掠る感触に知らずの内に身体が反応する。

吐息のような息を吐けば、重なった唇がようやく離されて。
悪戯のように、ナニかを確かめるかのように胸の先端を直に摘ままれば。





「あっ…ん……」





直後に漏れたアタシの声に彼は人の悪い笑みを浮かべる。

「感度良好」

短く言われた言葉に羞恥を煽られるが。
そんな事位で慌てるような可愛い性格の持ち主でもなければ。
経験が浅いワケでもない。

「お気に召して頂けた?」

そう切り替えしてやれば。
彼は一瞬キョトンとした顔をして。

「上等だ」

と、短く返された。





そっと摘ままれていた先端を僅かに力を込めて擦られて。
もう片方は唇に含まれて。

温かい舌の感触と固い歯に挟まれながら。
舌先が歯へと当たるように動かされれば。
甘噛みされたようなムズ痒いような感覚がして。




「ああっ、ん…はっ……」




アタシの口から甘ったるい声が漏れ。
絡みつくようなその声にゾロはまた動きを止める。




「……なんつー声出すんだよ…」

「ん……ナニ?イヤ?」

「……別に、…只もっと鳴かせたくなった」

「ははっ、望むトコだよ。未来の大剣豪様」

「可愛くねえ口だな」




イヤそうに歪められた口と眉がとてもとても可愛く感じられて。
だからなのかもしれない。




「だったらアンタが可愛くさせてよ」




このアタシがこんな事をホザクだなんて。





アタシのそのセリフに答えは無く。
代わりに再び胸の先端にキスをされた。

さっきしたキスのように。
ねっとりとした、舌を使った巧妙な動きに。
身体に溜まっていた欲望と云う名の本能に火を点けられる。

時間をかけて。
ゆっくりと味わうように。
ソコを食(は)まれて。

感じる快感は背筋から腰の辺りに溜まってゆき。
もどかしいかのようなソレにアタシは彼の頭を掻き抱く。





毟り取るかのようにホットパンツを剥ぎ取られ。
心許ない下着もとっとと脱がされて。

先を急かすかのように性器へと指を伸ばされ。
ソコへ触れられる。

僅かに濡れた感触が分かったのだろう。
彼の指は当然のようにアタシの内へと進入した。





「んぅっ…ぅあ……」





引き攣ったような感触がソコから感じられ。
同時にくぐもった声が漏れる。

ごつごつした指が柔な内壁を擦り始め。
アタシは仰け反る自分の身体に『欲しい』と云う欲望を感じる。

未だ早いとか、準備が出来ていないとか。
そんな事は頭から飛んでいたのか。
性急に欲しがる身体を持て余し始める。

上がった呼吸。
蒸気した頬。
途切れない喘ぎ声。

彼を煽る環境は整っているのに。
既に彼の一部は自分の中へと侵入しているのに。





ナンでコイツは入れようとしないの…?





アタシに欲しいとでも言わせたいの?






溜まる欲望に焦れてきた頃。
ゾロは不意に指を抜き、花の突起へと唇を寄せる。

依り良く愛撫出来る為であろう。
彼はその部分を左右へと開かせ。

剥き出しになった敏感なソコをベロリと舐め上げる。





「うぅっん、…あっ…」





先程迄の愛撫とは決定的に違う快感が背筋を駆け抜けて行く。
舐められた場所から脳天まで一気に走ったそれに抑えられない嬌声が漏れ。
その反応にゾロは笑みを深くする。

そして……





「口、塞いでろ」





短く、そう言い放ち。
音を立てる程にきつくきつくソコを吸い上げた。





夜中だと云う事が、頭の片隅で確認されるも。
それでもその身体ごと支配されてしまうかのような快感に全てを投げ出してしまいそうだ。




「んんっ、んぅうっ…!!」





どうにか、口を塞ぎ。
悲鳴のような嬌声を抑えても。
その快感は身体中を駆け巡って。

声を出せない事も手伝ってか。
急速に限界が近くなる。

ともすれば暴れ出してしまいそうな快楽に。
ゾロは手を緩める事はせずに、更にソコへの愛撫をきつくする。




吸い上げて。
露出された突起を舌先が嬲るように。
押し潰すかのように動き回り。

軽く歯を立てられて、軽く噛まれた所で。





「んーーーっ!!んんっ、んうっ、う…」





は身体中が溶けてしまうかのようなエクスタシーを感じて、イってしまった。





熱いとも取れる感覚がまだ支配している、イった直後の彼女の身体。
ヒクつく花芯からドロリと愛液が溢れ出し。
朦朧としたアタシはその感覚に全てを浸らせていた。

だってこんなにも気持ちのイイ、セックスって凄く久しぶりなワケで。

もう年下とか、退屈凌ぎとかなんて事は頭から消え失せていた。





余韻に浸っているを未だ熱いモノを持った儘の目が眺めている。
その事に気付かない彼女は、次に行なったゾロの行為に思いっきり反応を返してしまう。




「やっ、あ、ああっ」




絶頂を迎えたばかりの敏感な身体。
それも今、散々嬲った突起をゾロは更に指で嬲り始めたのだ。

耐えられないとばかりに逃げようとするの身体を空いた手で押さえつけ。
体格差のある自分の身体を重しのように乗せ。
再び、がイくまでゾロは愛撫の手を緩める事はしなかった。





立て続けに二度もイかされ。
それも息付く暇もない程に身体を弄られ。
ぐったりとした彼女。

肌寒いような夜の空気の筈なのに。
の身体は汗に塗れ、一部はとろとろに濡れていた。

そして大分、体力を消耗したに。
ようやく準備が整った、とばかりにゾロは自分の服を脱ぎ始める。
と、云っても彼が手を付けたのは腹巻の下。
ベルトとズボンだけで。

必要な部分以外は脱ごうとせず。
ただ彼は猛る自分の雄を取り出した。

の痴態に興奮したのか。
それは天を向いて先端を濡らしていた。





あぁ…、やっと入れるのね、と。
ソレを何の気無しに見たは一瞬、固まってしまう。





………って、ちょっと待って!

そのデカさはナイんじゃない!?





力の入らない自分の身体に激を飛ばし、捲くり上げられたTシャツ一枚と云う情けない格好では後退る。
それに気付いたゾロは彼女の足首を引っ掴み。




「どうした?」




とノンキにのたもうた。





イヤ、どうしたって。
それは一体ナンなんでしょうか!?

って、その大きさのモノをアタシの中に突っ込む気!!?

無理、はっきり言わなくても無理。
頼むから勘弁して下さい。
そんなの入れられて動かれたら壊れちゃうじゃん!!





「あ……あの、さ…」

「あ?」

「お口でスルのは、ダメ…?」

「はあ?」

「ほら、アタシもシテ貰ったからさ。それでイかせてあげるから…」





ソレを入れるのは止めよう、と云うセリフは彼の目線一つで喉の奥に引っ込んだ。





………ナニよ〜……(泣)
そんなに怖い目で睨まなくてもイイじゃない。

だってそんなの入らないよ、無理だって〜…





はっ!!

もしかして、こんなに立て続けにイかせたのってソレを受け入れさせる為!!?





どうにもならない事を覚ったのか。
は自分の迂闊さを心底呪った。

だって目の前に迫るこの男ってば怖すぎるよ〜(大泣)





葛藤しているを尻目に。
ゾロは関係無いと言わんばかりにの足を高く持ち上げる。





「きゃっ…ちょっ、と待って?ね、落ち着いてって」

「うるせえ」

「聞いてって、ねぇ。○股でも何でもしてあげるからソレを入れるのだけは勘弁してっ」

「ああ?そんなんイイから入れさせろって」

「無理だって、入んないってば!」

「知るか」





何ともご無体な事を言葉を仰り。
イヤがるアタシを押さえつけ。
彼は自分の雄を手に持って。
入り口に当てて少し擦り付け、愛液を馴染ませて。




「入れんぞ」




短く言い放ち、挿入した。





「あっ!、いやあぁっん……んぁあっ」








熱い塊が。
狭い内壁を掻き分けて。
粘膜を擦り上げる感触が。
信じられない位の快感が。





身体を裂かれるような圧迫感と力任せに押し入ってくるソレの感触にどうにかなってしまいそう……





そして入れた途端に短い声を発して。
凶悪な迄に出し入れさせ始めたゾロ。




「あうっ、あっ、いやあっ、やめっ…てぇ!…」




嵐のように襲い掛かってくる快感の波に身体中が悲鳴を上げて。
先程イかされた比じゃない。
その動きにも翻弄されて。
アタシの口からは引っ切り無しに嬌声が漏れて。

煩かったのか、ゾロはそれを塞ぐように口付けをして。
くぐもった悲鳴のようなソレにも怯む事なく彼は動き続ける。




甲板と背中が擦れて痛いとか。
満足にさせてもらえない呼吸が苦しいとか。
高く高く上げられた足が攣りそうとか。

とにかくこんなセックスは初めてで。
こんなに激しいのも初めてで。

自分本位スレスレのソレは付いていくのがやっとで。




でもソレは急に動きを止める。
重なっていた唇も離されて。

生理的に浮かんだ涙の為、少々見にくい視界で相手を伺うと。
思いの他、真剣な顔をしたゾロの顔と直面した。

その時、どんな顔をしてたなんてアタシには分からない。
やっと解放された口は荒い呼吸を繰り返して。
内に残る、イっていない彼の雄が存在を主張する中。
彼は耳元へ口を寄せ。

信じられない位に優しい声で、アタシの名前を呼んだ。





「………」





瞬間、背筋にゾクゾクっ、と快感が駆け抜け。
細い喘ぎ声上げ、彼の雄を締め付けた。




「…っふ」




その感触にゾロは吐息を洩らし。
切なそうな表情をしたをマジマジと眺めた。

何時ものスマシタ顔じゃない。
一辺の余裕すら残さない、快感に翻弄されたその表情。





「……たまんねぇ…」




ポツリと洩らされたそのセリフに。




「…たまん、ないのは……コッチの方よ」




ナンて返された。

可愛げが無いとばっかり思っていた相手は。
組み敷いた途端に可愛い女へと変身して。
そればかりか、喘ぐ声は今までの女とはまったくと云ってイイ程違う。
聞いた事の無いような甘えたソレだった。

こんなに甘い声を聞かされて。
入れれば熱い内壁が絡みつくように締めてきて。
縋るように腕を回され。

だからなのか。
らしくも無く、最中に女の名を呼ぶだなんて行為をしたのは。

過去を振り返れば。
相手をしてきたのは商売の女達で。

素人の女ってのはこんなにも違うもんなのか、と。
ゾロは心底思った。




対するは。
このヒタスラ自己中な抱き方をするゾロが信じられなかった。
でもソレにこんなに感じる自分もどうかしてる、と思っていた。

……ただ名前を呼ばれただけで感じるだなんて。





そこまで考えた時。
またゾロは動き出し、の頭の中は再び霧がかかったかのように霞んだモノへと変わる。





何度も何度も突き上げられ。
散々、鳴かされて。
身体中が悲鳴を上げて。

もうダメだ、と心底思って。
もう何度目か分からなくなった絶頂を迎えたその時に。
ようやくゾロも己の欲を吐き出した。





最後の最後まで白液を出しきり。
満足したのか、ゾロはを抱き締める。

力の抜けきった身体を大事そうに、労わるように抱くと。
は朦朧とした意識の儘、キスを強請る。

それに気付いたゾロは優しく触れるだけの口付けを落とし。
最後に額へと音をたててキスすると身体を起こした。
そして内に残る自分の雄を引き抜くと、ソコから吐き出した白液がトロリと流れて出てくるのを見る。





何て卑猥な光景。

でもその光景を作り出したのは自分。
自分がソコ迄追い詰めて。
ソレは自分の吐き出したモノ。

奇妙な愛しさを感じて。
ゾロは二・三度、頭を振った。
その考えを振り払うかのように……





指一本、動かす力も残されていないは。
その光景を黙って見ていた。

呆ける頭はモノを考えるのも億劫で。
だってこんなエクスタシーを感じたのは初めてで。
今すぐ寝てしまいたい、と心底思ったが、それでもこの格好の儘寝るワケにもいかないし。

仕方が無いので、擦れる声でココまで体力を消耗させた相手に言った。




「……ねぇ…服……」

「あ?」

「服……取って…」

「あ、ああ」




動けるモノは何でも使え、とばかりに。

アタシをこんなにしたんだから。
少しは使ったってバチは当たんないでしょう。

は服を取ってもらうと、そっと身体を起こそうとした。
しかし思うように手足は動いてくれなくて。
寝っ転がったまま下着を付けるだなんて、情けない事は極力したくなくて。




「……身体が動かない…」

「……悪かった…」

「…パンツはかせてよ」

「はあ!?」

「だってこんな格好、何時までもしてたくない」




女を脱がす事はあっても、着せるなんてした事の無いゾロは至極焦った。
しかし彼女をここまでにしたのは、間違い無く自分であって。
女には分からない、とても複雑なモノを何とか抑えてゾロは下着を掴む。




……小せえモンなんだな…




余りシゲシゲと見た事の無いソレが手の中で存在を主張する。




……って、どっちが前なんだよ




「…ね、ナニしてんの?ヒトのパンツ握って……」

「ああ、コレってどっちが前なんだ?」

「………コッチ」




教えてもらって、ゾロはようやく足を通すトコまでいく。
そして身体を抱きかかえてはかせてやって。

「それも」

と、有り難くない指示を受けてしまう。
仕方が無いので惰性でそのホットパンツもはかせてやる。





暫くその儘に横になるを尻目に。
ゾロは近くにあった酒瓶を手に取り、ラッパ飲みを始める。

そして枯れた声を出していた彼女の事を思い出し。
酒を口に含んで口付ける。

寝入る寸前だったはソレに素直に従って。
ゾロから流れてくる酒をコクリコクリと飲み込んだ。

はふ、と息を付いてうっとりとした目をゾロに向け。
は耐えられない睡魔に襲われていく。





「おい、寝るんじゃねえよ」

「…………ん?…」

「ココで寝る気なのか?」

「……………」

「寝るなって、おい!」

「……………」

「……ちっ、しょうがねえなぁ…」





寝入ってしまったをそのままにしておける筈もなく。
ゾロは寝入った彼女の身体を軽々と担ぎ上げた。
そして担ぎ上げている手で器用にも酒瓶を持ってメインマストを昇り始める。

見張り台に着いたゾロは毛布を手に取り。
を横抱きにして、包み込むようにして自分ごと毛布を被った。





彼等が起きるのはもう少し後の事。

そして彼女と船の上だけでの関係を結ぶのもそれからの話だった。









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