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『不動&赤屍さん』

「右の手と左の手を合わせたなら、どちらが鳴るのだと思いますか?」

「知るかよ」

「予想以上に、つまらない答えですねぇ」

呆れているといった口調は、テレビの前に座した死神のものだ。

昨夜ふらりとやってきて一晩過ごした後、今は向こうの部屋から引きずってきた椅子に座ってテレビを眺めている。

「その下らねぇ質問の元ネタは何だ?」

「これですよ」

指先が指し示す先には、テレビの画面がある。

何だか古めかしい画像だ。

舞台は戦国時代だろうか、あいにく時代劇なんぞには縁がない。

「この番組を見ていると、何となく貴方を思い出すんですよ」

それは主人公が隻眼だからか。

ちらりと見た限りでは、接点などそれくらいしかないようだ。

「不動明王に向かって、『梵○丸もかくありたい』って言うものですから、余計に繋がりを感じるんです」

「仙台にでも行け」

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