警告!!
 
 
この物語はフィクションであり、現実に存在する全ての人物・団体・事件・民族・理念・思想・学問等とは一切関係ありません。
現実と虚構の区別がつかない人は、以下の文を読まずに直ちに撤退して下さい。
 
この物語は 十八歳未満の読者には不適切な表現が含まれています。何かの間違いでこの文を読んでいる十八歳未満の方は、直ちに撤退してください。
 
なお、エロス描写に関して峯田はど素人です。未熟拙劣をお許しください。
ジャンル的には 現代・ファンタジー・アイテム・鬼畜・近親・ロリ・洗脳・孕ませ・ハーレム ものではないかと思われます
 
作品中に 読者に不快感を与える要素が含まれておりますが、峯田作品の仕様であります。ご注意ください。
 
この物語は T.C様 【ラグナロック】様 難でも家様  きのとはじめ氏 のご支援ご協力を受けて完成いたしました。感謝いたします。
 
 
 
 
 
 
                  『ソウルブリーダー 〜無免許版〜 その5』
 
 
 
 
 
俺の名は与渡大輔。17歳。
ごく普通 ‥とはいい難くなってきたかな、と最近考え始めるようになった高校二年生だ。
 
 
まだまだ日の高い土曜日の午後。照りつける太陽の下、住宅街を歩く高校生。
これはごく普通だろう。
 
で、家のすぐ近くで先に帰宅しているだろう妹に電話を掛ける兄。
これはちょっと普通ではないかもしれん。
 
電話の内容は更に普通じゃない。
妹に、家に帰ってきた兄を玄関まで迎えて欲しい と頼む電話だからだ。
しかも迎えて欲しいその理由が、玄関で「おかえりなさい」のキスをして欲しい ‥とゆうものだからな。
 
俺と俺の妹、由香はそうゆう関係なのだ。
妹は恥ずかしがっていたが、俺が説得とゆうかおねだりを続けるうちに乗り気になってくれた。
 
家のドアを開けて玄関に入った俺の耳に、由香が階段を下りる楽しげな足音が届く。
やれやれ‥ 階段でスキップなんぞしてたら転げ落ちるぞ妹よって、本当に落ちましたよ!
 
俺は土足のまま、廊下のどん詰まりまで突っ走る。
‥い、いまなんか、ぐきっ とかゆう嫌な音がしなかったか?
 
しっ しっかりしろ由香!
 
 
だが、由香の‥俺の妹の首は明らかにおかしな角度で曲がっていた。
 
正確に言おう。
由香の首の骨は、折れている。
 
階段の下で、廊下の壁に頭から激突した俺の妹の頚骨はへし折れて、口からは血が細い筋となって流れ出していた。
 
 
 
 
 
 
そのときは何時間にも感じたが、倒れている由香の傍に跪いた俺が、なんとかしなければ と気を取り直すまで、多分十秒ぐらい掛かったと思う。
時計は見てないが多分正しい。
 
なぜなら、由香が後でそう言ったからだ。
 
 
ええ。結論から言いますと、由香は生きてます。
俺の妹は俺の目の前で、自分で自分の首を嵌め直して蘇生いたしました。
どうやら由香の頚骨は折れていたのではなく、壁に激突した瞬間に首関節が外れてダメージを最小限に抑えたようだ。
 
 
 
俺と妹が、相思相愛の恋人関係になったきっかけの一つが、魔界アイテム『妹コントローラー』だ。
これは妹の能力や行動指針などの要素を、妹が許容あるいは賛同する範囲でのみ変更できるとゆうアイテムなのだが‥
 
俺は『妹コントローラー』を使って、由香の健康や運など防御力や回復力に関係するパラメータを上げれる限界まで上げているのだ。
人間誰だって健康になりたいものだから、由香の無意識はコントローラーの‥つまり俺の魔力を受け入れ、自分の魔力と合わせて各パラメータを実際に押し上げたんだな、これが。
 
その結果、妹はとんでもなく頑丈な中学二年生になりました。
サタえもん‥俺にコントローラーを渡した悪魔‥の話だと、今の由香は乗用車ぐらいなら撥ねられても轢かれてもかすり傷で済むそうです。
とゆうか、もしこの瞬間に俺の家がガス爆発か何かで吹き飛んでも、由香だけは軽い火傷ぐらいで助かるんじゃないかと思う。
 
なんだか妹を化物にしてしまったような気もするが、丈夫で健康なのは良いことだ。
多分良いことなんだ。うん。
 
 
由香の無意識は 自分が異様に頑丈になってしまったことについて、不自然だと思わないように記憶を調整しているらしい。
まあ、由香の健康はMAXのままだし、当然その数値は精神的な健康も含んだものなのだろうから、理屈は解る。
 
 
口から出ていた血は、頭をぶつけたときに歯で舌を切った傷から出たものらしい。
その傷は、俺が見ているうちにふさがってしまったがな。
いまはもう、舌にピンクの傷跡が残っているだけだ。あと数分もすれば痕跡すら残らないだろう。
凄まじい回復力だ。
 
今思ったんだが‥ これなら由香を縛ろうが吊るそうが、誰にもばれないんじゃなかろうか。
日単位の時間を掛けて治る傷が分とか秒の単位で治るなら、縄の痕を気にする必要はないからな。
まぁ 俺は縛りにはそれほど興味ないからどうでもいいけど。
 
 
 
 
「ひどいよ〜 優しく助け起こしてくれたっていいじゃない〜」
 
すまんすまん。あまりにも凄い倒れっぷりだったもんでな。
 
俺は正気に返った妹の頭を撫でてやる。そーれ、痛いの痛いの飛んでけ〜。
廊下の血は既に薬局で貰ったティッシュで拭きとっているし、妹の顔や口の中の血は「ただいま」のキスにかこつけて舐めたり吸ったりして取っている。
由香の記憶に、混乱は殆ど残らないだろう。
 
 
気を取り直した妹に、改めて「おかえりなさい」のキスをしてもらう。
あー やっぱりキスはええのう‥ 
俺はキス魔とゆうか、口付けに拘りがあるのだ。
両親が玄関先で「いってらっしゃい」やら「おかえりなさい」やらの口付けを交わしているのを見て育ったのだから無理ないけどな。
 
 
 
妹の唇や舌や唾液を心ゆくまで味わってから、俺は妹を抱っこして階段を上がる。
と、その前に 靴を脱いでおかねば。‥玄関まで持っていくのも面倒くさいので薬局の袋に入れて俺の部屋まで持っていくことにする。
 
察してくれ。今の俺は玄関まで往復する十数秒の時間さえ惜しいんだ。
由香を抱っこしたまま俺のベッドまで一直線。それしか選択肢はないんじゃよ。
 
 
 
由香は 俺に抱っこされるのが大好きだ。
四年前のごっこ遊びのときも、由香は抱っこして運ばれるのが好きだった。
由香の部屋から俺の部屋(ごっこ遊びの中では魔王の城)まででは短すぎるとゆうので、抱っこしたまま家の中を何回も廻ってから俺の部屋にたどり着くこともあった。
秘密の遊びでなければ、抱っこしたまんま町内一周を要求されていたかもしれん。
 
勿論、俺も由香を抱っこするのは大好きじゃよ?
妹はこの四年で随分と成長してその分重くなりはしたが、俺の筋力は更に成長している。
むははは 『怪力腕輪』を使うまでもない。羽根布団より軽いわい。
 
 
 
そんなわけで、俺は妹を抱っこしたまま鼻息も荒く自分の部屋に入ったのですが‥ 案の定、俺の部屋ではホームメイドのエロ映画が上映されておりました。
 
 
 
 
 
実を言うと、俺のマシンのハードディスク内部には未だに両親のハメ撮り画像が入ったままなんじゃよ。
まあ、父さんの動画は殆ど残っていないわけじゃしのう‥ 消すには忍びない。俺はともかく、妹はまだ見ていないものが殆どだしな。
 
とはいえ 親の絡みを見て興奮する趣味のない俺にとっては幸いなことなんじゃが、いま再生されている動画は両親が映っているものではない。
 
字幕の文字と数字が正しいなら、10年前のパリ近郊で撮影したものだな。長たらしいフランス語のタイトルが付いている。
辞書片手に訳してみたら、どうやら「ご主人様と四人のメイドでペットな奴隷娘シリーズ/妊娠レース編」とかなんとか、そんな感じの意味らしい。
 
いや、ひょっとしたら誤訳かもしれんがの。
英語すら怪しい俺の語学力では、フランス語の正確な翻訳は無理だ。
 
同じシリーズの三本目らしいんじゃが、内容はとゆうと‥ タイトルの通り、まずは四人の娘さんが出てくる。
舞台はどこかのお屋敷‥貴族の別荘と言っても通りそうな豪邸の寝室だ。
 
黒髪のスリムでちょっとお澄まし顔なメイドさん(字幕によれば17歳)と、亜麻色の髪で童顔でちょっとふくよかなメイドさん(こちらは16歳)の二人組と
銀髪のちょっとボーイッシュな娘さん(14歳)と、金髪のちょっと幼すぎはせんかと思ってしまう娘さん(13歳)の二人組が、それぞれ下着姿に猫耳と猫尻尾を付けた姿で『ご主人様』に挨拶するシーンから始まるんじゃよ。
 
黒髪と亜麻色の髪の二人は、猫耳の他にメイドさんの飾りを付けている。
よく見ると金髪の娘は猫耳じゃなくて、熊耳と熊さん尻尾を付けておるな。
銀髪の娘は、フランス語と日本語しか喋ってないが、名前からするとドイツ系らしい。
 
喋っている言葉は、日本語とフランス語が3:7ぐらいの割合じゃな。
『ご主人様』ははっきりとした姿は映らないのだが、どうも日本人らしい。
とゆうか、このおっさん‥ ひょっとして豊三郎伯父さんなんじゃあるまいか?
 
声が若い頃の伯父さんに似ているし、確か伯父さんの秘書兼通訳に銀髪のドイツ美人がいたような気がする。
2〜3年前に大学を卒業したとかゆう話じゃから、年齢的にもぴったりじゃよ。
 
だとしたら、豊三郎伯父さんは少なくとも四人の娘さんを奴隷にしていたことになるな。
爺さんがサタえもんから巻き上げた魔界アイテムを、ほんの一部でも伯父さんが受け継いでいるとしたら、充分に有りえる話じゃのう。
 
 
この奴隷四人娘のシリーズは七本ほど有るのだが‥
後の方の作品では、四人が妊娠してお腹が大きくなっていく様子を写したものもある。
出産シーンはないが、産後半年程度の時期に撮ったと思われる絡みもある。
四人が産んだ‥『ご主人様』への奉仕の合間に、あるいは同時に母乳を与えている赤ん坊たちは、どうみても東洋系とのハーフだ。
 
 
 
さて、動画の中で 四人の娘さんたちは『ご主人様』の命じるままに、嬉々として奉仕している。
 
『ご主人様』が部屋の隅に手毬を投げると、奴隷娘たちは犬のように四つんばいで争って取りに行く。
手毬を咥えて帰ってきたのは亜麻色の髪の娘だ。彼女は、ご褒美として一番に『ご主人様』のものを咥えさせて貰うことになる。
残りの三人はベッドに三人で輪になって座り、両手で隣に座る奴隷仲間二人をそれぞれ愛撫している。
金髪、銀髪、黒髪の三人のうち、他の二人を逝かせることができた奴隷娘は、勝利の証として『ご主人様』に貫いて貰える。
口で奉仕を続ける亜麻色の髪の奴隷娘は、主人の精が欲しければ三人の逝かせあいが終わる前に出して貰えるように頑張らなくてはならない とゆうわけだ。
 
この日の勝負は 銀髪の娘が逝かせあいに勝ち残るんじゃが、僅かな差で亜麻色の髪の奴隷娘が逃げ切って、口に出してもらうんじゃよ。
亜麻色の髪の娘さんは欲張りではないらしく‥あるいはただ単にレズの気があるのかもしれないが、他の三人に口移しで精液を分けてやっている。
 
そして 第二ラウンドは四人仲良く『ご主人様』に奉仕を始めるのだ。
 
 
 
 
俺に抱っこされたまま、俺のベッドの上で動画を見ている由香は
 
「お兄ちゃんも、あんな風にしてみたい?」
 
と訊いてきた。
 
うーむ、確かに四人掛かりで奉仕されるとゆうのは、なかなかに気持ち良さそうではあるが‥
い、いや待て、俺は由香一筋だぞ。 
うん、浮気なんかしないからな。本当だぞ。
 
「無理しなくてもいいよ、お兄ちゃん。 ハーレム欲しいんでしょ?」 
 
 
欲しくないと言えば嘘になる‥ と、ちょっと待て。まさかこれは誘導尋問ですか妹よ。
 
「いっぱい子供欲しいんでしょ? 由香一人じゃ、70人も産めないもんね。他の人にも手伝って貰わなきゃ」
 
いやその、お前にギネス記録の69人を破らせたいとゆうのは、あくまでも冗談であってだな‥  聞いてるか?
 
「でもね、お兄ちゃん。お嫁さんは由香と沙希ちゃんだけだからね。由香と沙希ちゃんで相談して、お兄ちゃんのハーレムに入れる人を決めるから、お兄ちゃん一人で勝手に決めちゃダメだよ?」
 
おいおい、俺じゃなくてお前が俺用のハーレム造るのかよ。
それと、正妻公認とかはまだ良いとしても、沙希ねぇがお前の造るハーレムに入るのは決定済みなのか? デフォ設定なのか? 自動的に付いてくるのか?
 
「だって約束してるもん。由香と沙希ちゃんは、一緒にお兄ちゃんのお嫁さんになるって」
 
そりゃー お前が幼稚園児の頃のおままごとだろうが。
 
「由香は本当にお兄ちゃんのお嫁さんになったもん。沙希ちゃんもきっとお嫁さんになってくれるよ」
 
 
 
‥えーと 確かに幼い頃の約束どおり妹と結ばれてしまった俺としては、とてつもなく反論しにくい論理展開だな、これは。
何を言っても自爆しそうだ。
それに沙希ねぇと結婚したくないのかと言われれば、そりゃ勿論したい。しかしそうなると‥
 
「お兄ちゃんの造る国では、兄妹姉弟婚だけじゃなくて重婚もできるようにしないといけないね」
 
やっぱりそうなりますか。
 
 
 
いや、ちょっと待ってくれないか妹よ。俺らはあくまでも婚約中なのであって、実際には結ばれていないじゃないか。
 
「‥え? だってお兄ちゃんは由香のことが一番好きなんでしょ? 沙希ちゃんよりも他の誰よりも好きなんでしょ?」
 
ああ、そうだとも。
 
「由香もお兄ちゃんの事大好きだよ。ずっとずっと前から、由香はお兄ちゃんのお嫁さんなんだよ」
 
ああ、俺がそのことに気付いてなかっただけで、由香はずっと前から‥えっちな遊びを始めるよりずっと前から、俺のものだったんだよな。
 
「うん」
 
 
でもな、由香。心や運命だけじゃなくて、身体も結ばれてこそ真の夫婦だと俺は思うんだ。
 
「そ、それって‥」
 
うん。今日、いまから俺はお前を抱くよ。
お前の純潔を奪って、本当の意味で妻にしてしまうよ。由香、お前が残しているもの全部、俺にくれるかい?
 
 
「いいよ‥由香の全部あげちゃう。そのかわりに、由香にお兄ちゃんを頂戴ね」
 
ああ。由香の中に、幾らでも俺を注いでやるからな。
 
 
 
 
 
さて、と。予定を何日か繰り上げての初夜とゆうかまだ昼間なんだが、それだけに勢い任せな行動は慎まねば。
なにせ、俺も由香も未だに童貞とゆうか‥ 若葉マークじゃからのう。
あせって手痛い失敗はしたくない。ここは遠慮なく魔界アイテムの力に頼ろうと思う。
 
とゆうわけで 俺はコタツ台の上に手持ちの魔界アイテムを並べて、どれを使うべきか思案中なのだ。
ちなみに妹は一階へ下りて、風呂に入っている。あとで乱入してやろう。
 
 
 
しかし、改めて並べてみると使えないアイテムばかりだなあ‥性能そのものは決して悪くないんじゃが、今の状況には合わんのじゃよ。
 
例えば『敏感軟膏』。
クリーム状の塗り薬なんじゃが、皮膚や粘膜に塗りこむと塗りこんだ部分の感度を数倍に上げてくれるとゆう代物じゃよ。
しかし‥ 痛覚も数倍に上がるとゆう欠点があるんじゃよ。
まぁ、快感と痛みは紙一重とゆうか元々同じものじゃしのー。
 
こんなものを使った初体験は拷問と変わらん。由香に快楽だけを与えられるようになるまで封印しておこう。
 
 
他のアイテムもこれといったものがない。唯一使えるとゆうか、役に立ちそうなものは『避妊指輪』ぐらいだな。呪われているけど。
 
 
『避妊指輪』は、スータス異常『妊娠』を防いでくれるアイテムだ。
 
とゆうのも、妊娠とゆうのは詰まるところ「体内で自分の細胞と自分以外の細胞の遺伝子が融合して新しい生物が発生すること」だろ?
この避妊リングは、装備した者の体内で遺伝子の融合が起きないようにしてくれるアイテムであり、妊娠だけでなくある種の寄生または融合・同化系の攻撃を防ぐことができるのだ。
 
サタえもんの話によると、魔界には患者に触ると伝染して人面創(じんめんそう)が生えてくる病気とか、近くを通るだけで妊娠させられてしまう樹木とか、色々と物騒なものが在るんじゃと。
だからこの『避妊指輪』のようにステータス異常を防いでくれるアイテムは、旅の必需品なのだそうな。
 
 
 
呪われている とゆうのは、文字通り呪いがかかっているのだ。
 
この指輪は呪われている。といってもたいした呪いではない。一度付けたら外せない‥とゆうか外しても『装備中』扱いになってしまうアイテムなのだ。
付け外しは出来なくなるが、アイテムの効果はちゃんと働いている。
 
たいした呪いではないが、考えようによっては厄介な呪いだ。
 
サタえもんのアイテム‥とゆうか魔界アイテムは、頭・首・胴・腰・足・右腕・左腕・そして左右の手に持てる物と 合計9箇所に一つずつしか装備できない。
 
俺はいま左手首に『怪力腕輪』を装備しているのだが、左腕にもう1個『怪力腕輪』を付けても効果は重複しない。
違う種類の腕輪を付けたり、左手の指に何か魔界アイテムの指輪を装備しても、効果はない。
既に装備している箇所に同じ部位用のアイテムを身につけても、効果はどれか一つ分しか発揮されないのだ。
つまり、俺の左腕に装備できるアイテムは一つだけなんだ。
 
『外せなくなる呪い』がついたアイテムを装備してしまうと、装備の変更に融通が利かなくなる。
装備変更の融通が利かなくなるとゆうことは、一瞬の油断が命取りになるような現場ではとても厄介だ。
魔界の軍隊ではこの手の呪われたアイテムに引っ掛かってしまい、なまじ致命的な呪いではない分「基地に帰ってから外せばいいや」とか甘く見て、結果として命を落とす新兵が年に何人も出るのだそうな。
 
と、まあ魔界の兵隊や捜査官が誤って装備すると早めに外さなくてはならないアイテムなのだが、サタえもんのように只の魔界の住人なら、一個や二個の呪われたアイテムを装備していても特に問題はないのだそうだ。
 
 
なんといっても、呪われたアイテムは安い。
安物買いの銭失い とは言うが、あまりの安さとゆうものは時にそれだけで商品価値を持つことがあるんじゃよ。
‥いやまあ、これは死んだ爺さんの受け売りじゃがな。
 
 
この『避妊指輪』は何年か前に六個一組1ソウルで買って、サタえもんの旅行セットに入れっぱなしになっていた物なのだそうな。
1ソウルってのは魔界の通貨単位で、地上の物価だと菓子パン一個分ぐらいだとか。
 
 
 
他のアイテムは使えないっぽいが、案外とその方が良いのかもしれん。
 
例えばこれだ。『内臓成熟薬』。
この薬は、人間の内側を約15年分成熟させることができる。早い話が若返り薬の反対だ。
『内臓成熟薬』を飲ませれば、幼稚園児どころか幼稚園に入る前のよちよち歩きの幼児ですら、子作りできるようになる。
妊娠も出産も、年齢ゆえの危険はなくなるのだ。
 
欠点は、外見も中身の半分程度だが成熟してしまうことだ。
早い話、由香にこの薬を飲ませたら‥ 我が妹は中身は20代の終わり、外見は20代の初めな中学生になってしまうのだ。
流石にそれは拙い。当然使う気はない。
 
だが、もしも『内臓成熟薬』の効果がお手頃なものだったら?
 
もしもこの薬の効果が 内臓を六年、外見を三年程度成熟させるものだったら‥
俺はこの薬を、手に入れたその日のうちに、由香に飲ませていたかもしれない。
 
そのことを考えれば『避妊指輪』が呪われていて、一度装備すると外すのが大変な事は、かえって良いことなのだろう。
一時の気の迷いで、妹を妊娠させてしまわずに済む。
 
 
正直に言おう。俺は由香を妊娠させてしまいたい。
だが、ただ孕ませれば良いわけじゃない。
由香が孕み、産み、育ててくれるだろう俺との子供は、親子ともに安全でなければならない。
 
俺は ありとあらゆる意味で、由香とその子供が安心して暮らせるようにしなくてはいけないのだ。
肉体的にも精神的にも道徳的にも社会的にも経済的にも、何一つ不自由させない。
させてはいけない。俺は俺の妹と子供に、何一つ後ろ指さされることなき人生を与えてやりたいのだ。
 
由香が二十歳になるまでの六年間は、その為の準備期間だ。悪魔の力を借りても、それぐらいの時間がかかると踏んでいる。
ハーレムなんぞ、その後で充分だ。
 
俺はまず由香を‥妹を守らなくてはならない。兄として、そして男としてな。
 
 
何? 最初から手を出さないことが、妹を守る最低条件ではないのか とな?
 
俺らが普通の兄妹なら、そうかもしれん。
10年前ならなんとでもなった。5年前でもなんとかなったかもしれん。
だが、今の俺らは もうどうにもならん所まで来てしまったのだ。
 
俺と由香は、もう別れることも諦めることも出来ないのだ。
だって、もう結ばれてしもうたからのー。少なくとも精神的には。
 
最早俺ら二人には、死をもって愛を貫くバッドエンドかあるいは幸せな家庭を得るグッドエンドしかないんじゃよ。
そしてグッドエンドに持ち込むには、無理を通して道理が引っ込む新たな世界を創るしかないんじゃよ。
たとえば南の島を買い取って独立国でっちあげて、その国では兄妹婚を認めさせるとか そうゆうことをしなくてはならんのじゃよ。
 
 
今日、いまから妹を抱くことが、心だけでなく身体でも結ばれることが、妹の心身を喜びで満たしてやることが‥
結局は俺の妹を、由香を守ることになるんだ。
俺たちの絆をより一層深めるために、抱くんだからな。
 
 
 
良し、自己洗脳完了。
これで躊躇うことなく、由香を抱ける。
 
初めては痛がるそうじゃからのー。ここまで覚悟を決めんと、ヘタレの俺は絶対に萎える。
由香が痛がって泣きでもしたら、その場で挫けてしまう自信がある。
情けないが、断言できる。
 
 
 
 
 
さて、自分なりの覚悟も済ませたところで、風呂に入るか。
考えてみれば、由香と一緒に風呂に入るのも久しぶりだな。
 
と、嬉しさ満タン気分で着替えを持って風呂場に行くと‥妹はもう風呂から上がっておりました。
いかんな、五分遅かったか。
 
誘ってみたが「そんなに入ってたらふやけちゃうよ〜」と、一緒にお風呂は断られてしまった。
うむむむむ。
まぁ前菜(オードブル)で満腹になってしまっては主菜(メイン)が入らなくなるからな。
風呂は又の機会にしておこう。
 
どうせあと三十分もすれば、由香の剥きたてゆで卵のよーな裸身を拝めるのだ。焦ることはない。
 
 
 
俺の家の風呂は、家の規模と比べてもかなり大き目だ。
大人でも7〜8人は一度に入れると思う。
こんな風呂を一々沸かすのも面倒くさい ‥と考えたのか、我が家の風呂は温泉を引いてある。
 
日本は火山国じゃからのー。理論上、どこでも掘れば必ず温泉が出るんじゃよ。
その証拠に全国で一番温泉が多い地域は、火山もなければ面積もさほど広くはない東京都なのだ。
人口即ち需要。掘れば必ず湧くから、日本一の需要に応じようと堀りまくって供給も日本一になったわけだな。
 
爺さん‥与渡一族本家は、この家を建てるのとほぼ同時に銭湯を開店している。
その銭湯も同じ泉源を使っているんじゃよ。
水質は単純泉なので、熱燗状態のミネラルウォーターとたいして変わらないけどな。
 
温泉を引いてるのに、何故か我が家にはソーラーパネルもあれば石油ボイラーもある。
シャワーとかは水道水を夏場はソーラー、冬場は温泉かボイラーで温めて使うんだ。
 
どうも父さん‥この家の設計者‥は、完璧主義とゆうよりは心配性だったのかもしれんな。
我が家は 電気・ガス・水道‥と全てのライフライン(生活線)が二重または三重に用意されているのだ。
 
具体的には 電気は電線と発電機、ガスは都市ガスとプロバン、水に至っては水道と井戸水と温泉と雨水の4系統だ。
我が家の屋根に降る雨は、雨樋で集められてタンクに溜められるようになっていて、打ち水とかに使う水は溜めた雨水を使っておるんじゃよ。
 
加えて我が家の倉庫には、かなりの量の非常用物資が蓄えられている。
まぁこれは、災害時に備えてのことじゃがの。
万が一本家が災害で崩壊炎上したとしても、我が家が無事なら焼け出された人たちを受け入れることができる。
少なくとも三日や四日で食料が尽きてしまう なんてことはない。
 
 
 
そー言えば、豊三郎伯父さんが太陽電池パネル(家の外壁に貼り付けるやつな)と風力発電機(小さな風車型のやつだ)を家に付けないかと言ってきたことがあったな。
母さんは断ってしまったが。
 
母さんは この家をあまり変えたくないんだ。
父さんとの思い出が詰まった家だからな。
 
なにせ、今でも父さんの服を手入れしているぐらいだ。
父さんが不意に帰ってきて「母さん、直ぐに商談で出るから背広用意してくれないか。ネクタイは任せる」とかなんとか言い出しても良いように、毎日手入れを欠かさないんだ。
もう二度と、父さんは帰ってこないのに。
 
 
このままでは拙い ‥とは思うんだが、どうすれば良いのか分からない。
母さんに父さんのことを忘れろと言っても無駄だし、俺も由香も『新しい父親』が欲しいわけじゃないから再婚を勧めることもできない。
 
やれやれ、どうしたもんかいのう‥
 
 
などと考え事していたら、結構な時間が経ってしまった。ふやける前に風呂から上がるとしよう。
 
 
 
 
 

 

読んだ後は是非感想を!! 貴方の一言が作者を育て、また奮起させます



    

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