鬼畜魔王ランス伝
第137話 「潜入への足掛かり」 オーディションが始まってから1週間が過ぎた。 その間に起こった事柄を列挙すると…… 永遠の若さと裕福な暮らしが目当てで今回のオーディションに参加した元ヘルマン第5軍の会計士のカチューシャ・ボッシュが、ランスに縛られて苛められマゾ奴隷の資質を目覚めさせられてしまった事。 女の子モンスターの保護を謳う秘密結社エンジェル組が、元アイス支部のメンバーを中心に募った志願者をこのオーディションに送り込んでいた事が元ウェンリーナー付きメイドの事をランスが何とか覚えていた事で判明した事。 主家が天志教の乱に参加したせいでお取り潰し同然となった為、仕官の伝手を求めて参加したJAPANの女武将2人が、偶然ランスの前で再会してののしり合ったりとか。 メイド姿のオーディション参加者を四つん這いにさせて10人の尻を並べて次々にハイパー兵器を御馳走するのは朝飯前で、下着姿に剥いた乙女達と竹刀でチャンバラ稽古に勤しんでヘトヘトにした後で肉の剛刀を振るって処女の証を次々と撫で斬りにした事。 講師兼護衛として呼んだメナドやアールコートやキサラの首筋から血を吸ってベッドの上でしっぽりと可愛がってあげたりした事。 勇んで出かけたソウルが兄貴を連れてゴーラクの街の役所に出頭、そのままゲリラ戦などを行う特務部隊として軍に組み入れられる事になった事。 などなど、様々な……とても全部は列挙し切れない程の事が起きた。 そして、今日もまたラング・バウ城にて繰り広げられるのは…… 「がはははは、グッドだ!」 魔王が少々下品な高笑いを上げながら狙いを定めたのは、いったい誰なのだろうか? この時点では、魔王たるランスどころか筆者にも分かっていなかった(マテ)。 まあ、そんな楽屋裏の事情はさておき。 魔王主催の人員公募オーディションが開催されているラング・バウ城の一角は、ランスが誰を捕まえて押し倒しても何処からも文句が出ない、一種異様な空間と化していた。 既にランスは服を脱ぎ着するのが面倒だという理由で魔剣シィルが納まった鞘がぶら下がった剣帯しか身に着けておらず、へそまで反り返ったハイパー兵器を外気に晒してヤリたい美女をそこらから適当に物色しては抱く自堕落生活を存分に満喫していた。 過剰なまでに用意された魔王親衛隊や魔王御側役の美女達や女の子モンスター達が外部からの情報や物資の供給を滞らせていない事もあり、オーディション会場に部外者が立ち入るどころか覗く事すらも困難な状況である事がランスの行為を後押しする。 ただでさえ今回の公募に参加したオーディション参加者と会場スタッフのうち、ほぼ9割5分以上がランスに抱かれても構わないと考えているのに、会場全体が大きな密室同然になった事で、その辺で押し倒されてイカされる抵抗感が更に無くなったのだ。 それどころか我先に服をはだけてアピールしたり、ふりふりとお尻を振って誘いをかけたり、あるいはもっと大胆にギュッと抱きついてきて身体の色々な所を擦り付けたりとランスが10m歩くのにも1時間は経過するような…ある意味惨状と言えるだろう日々。 「がはははは、其処のお前、名前は何て言うんだ?」 そんな日々の中では、逆にランスへ余り秋波を送らない連中の方がかえって目を引く事になるのは自然な成り行きだとも言えるかもしれない。 「リ、リタ・シモンズです。」 もっとも、現に目を引いてしまった娘の心境には色々と複雑なものがあるのだが。 「がはははは、良い名前だな。……どうだ、俺様とやらないか?」 彼女が従事している任務を成功させる為にはランスの機嫌を損ねるのは厳禁なのであるが、そうかと言って自分から積極的にアプローチする勇気と言うか最後の踏ん切りをなかなかつけられずにいたのが、却ってランスの耳目を引き付けたのであるから。 「い、いえ……その、あの……」 当然と言えば当然の事ながら、そういう成り行きなだけに未だ初めてを捨てる心の準備ができていよう筈も無い。 とは言え、魔王城に潜り込む絶好のチャンスをフイにしてまで拒絶する事も出来ない。 「ん? 俺様とやるのが嫌だってのか?」 リタという偽名の仮面を被り、赤毛の髪を普段と違うツインテールにまとめている娘があたふた戸惑っているのをランスが怪訝そうに見やる。 「いえ、そうじゃなくて……私で、良いんですか?」 「がはははは、今は君が良い。」 魔王がいささか強引に抱き寄せると、リタの躰が強張ってギュッと目蓋が閉じられる。 覚悟はとっくに決まっていた筈なのだが、他に好きな男がいるリタ……いや、ウィチタの身体の方はそう簡単に理屈だけで納得してくれないのだ。 それはランスにも何とか読み取れた。 『ランス様……』 シィルが音じゃない声でおずおずと意見しようとしたのを遮り、ランスはきっぱりと言い切る。 「ん、なんか気が乗らん。」 ひょいとリタの身体を離して、惚けるに任せて立ち去ろうとするランス。 本気で嫌がって泣き叫ばれたりでもしたら面倒だと思って興醒めしたせいなのだが、その行動はウィチタの危機感をこれ以上は無いほど煽った。 「ま、待って! 待って下さい!」 ここでランスに拒絶されてしまっては、今後の諜報任務に大幅な支障が出かねないと直感したからである。 「ん、なんだ? やっぱり俺様に抱いて欲しいのか?」 「はい。初めてなので御不快を覚えさせてしまって申し訳ありません。お願いします。」 怪訝そうに訊ねるランスにウィチタが必死になって弁明すると、ランスの頭に浮かんでいた疑問符が氷解して納得へと変化した。 「がはははは、初めてなら仕方ないな。心配するな、優しくしてやるから。」 初体験なら硬くなったり怖がったりしても不思議ではない……寧ろ当然の反応だと。 「……はい。」 そして事ここに至り口に出して承諾の意を表した事で、今回の任務の重要性を改めて噛み締めているウィチタの心が漸く決まった。 『ガンジー様……』 それでも心中の堰を切って涙が一筋溢れさせて歯を食い縛って覚悟を決めているウィチタの首筋に、ランスの鋭い犬歯…いや、牙が突き刺さって鮮血を吸い上げる。 「あ、あ……あは………」 血を吸われると同時に襲ってきた脱力感と快感に流されてしまいながらも、ウィチタは必死にガンジーへの思慕に縋り付いて何とか正気を保ち続けようと足掻く。 かつて同僚だったカオルのように『女』であることを利用した諜報技術を磨こうとして来なかった事を思いっ切り後悔しながら……。 地味なデザインだが縫製はしっかりしてる青いスカートをめくり上げ、白い下着を片足だけ抜いて右膝の辺りまで下ろす。 上に着ていた空色のブラウスは敢えて脱がさないでおく。 「がははは。行くぞ、貫通式だっ!」 初めてだって言うから多めに血を吸ったんで朦朧としてるリタって娘の左の太股を右腕で抱え上げ、立たせたまま股座の真ん中を俺様のハイパー兵器で突き上げる。 「かはっ! あ…ガ…んっ………」 余りの刺激に目を白黒させて仰け反るが、俺様の左腕がリタの腰をがっちり押さえているので逃げられない。 逃がさない。 俺様がドパッと気持ち良く注ぎ込むまでは。 「おおっ、なかなか良い持ち物してるな。ご褒美をやろう。」 うむ。締まりが良くて、初めてにしては具合もなかなかナイスだ。 血を吸って発情させても初めての痛さは未だ残るらしいから、催淫魔法もサービスして痛さなんて気にならなくしてやろうじゃないか。 「ぷち淫業波。」 俺様が軽く呪文を唱えると、リタの身体がぶるっと震えて股間から生暖かいものが噴き出し、俺様の身体にもたっぷりとかかる。 「がはははは、イッたついでにお漏らしまでしたか。」 本来の淫業波だと一発で気絶させちまうぐらい感じさせる呪文なんだが、俺様が実地で研究して女が軽くイクぐらいの効果に抑えてある。 「ぁ……や……」 それでも効果は充分だったらしく、どことなく俺様を受け入れ切れていなかったリタの身体から強張りが取れて、うわごとみたいな喘ぎ声を漏らす。 「これでもうお嫁に行けない身体になったな。がははは!」 うむうむ、普通にやっただけではイキそうにない娘をイカせるのは実に良い気分だ。 しかも、中の具合も見た目も中々宜しい娘さんだから俺様の満足度も倍だ。がははは。 「(ガンジー様、ごめんなさい。ウィチタは、もう……でも。)」 お、そろそろリタの方が限界みたいだな。 「次は俺様が出す番だ!」 なら、俺様もそろそろラストスパートだ。 ガシガシ腰を動かして、俺様のハイパー兵器を上下左右の壁に擦りつけるようにリタの割れ目の中を抉る。 「あ、イヤっ! 嫌ぁっ!」 リタがこれから自分が何をされるか気が付いて首を激しく横に振ってるが、何を今更。 男がここまでやって、この先が無い訳なかろうが。 「がははは、もう遅いっ! たっぷり飲ませてやる!!」 無論、中にたっぷりとな! 「あ、ああ……出てる………熱…ぃ……ぁ…………」 ドクドクと柳腰の奥に俺様の皇帝液を流し込むと、たちまち白いモノがたっぷり溢れて足を伝ってポタポタ床に水溜りを作る。 うむうむ。いつやっても中出しは気持ち良い。 「これで、この身体はもう俺様のモンだな。これだけ良い身体を持ってるんだから、お前さえ良ければちゃんと面倒見てやっても良いぞ。」 それに初めてでこんだけ感じさせたら、内心は嫌々だろうと身体の方は俺様を拒めなくなるだろうからな。がはははは。 「は……い(せ、成功したわ。ガンジー様…ガンジー、さ…ま……)。」 それだけ咽喉から何とか絞り出したリタは、ぐったりと気を喪って俺様の胸に身体を預けた。 さて、ちょうど良いから戦闘能力の確認をしといてやろう。 見た目は普通の娘さんでも、実は出鱈目に高い素質があるって事もあるからな。 どれどれ……ん? 才能限界が35なのは良いとしても……今のレベルが27で、技能が魔法レベル2に剣戦闘レベル1だと? しかも能力値もそこそこの高さだ。 部隊長か将軍クラス……冒険者だったとしても一流クラスの技量だぞ、これは。 超一流だった俺様には遠く及ばんが、それでも結構強い事には違いない。 それでいて、魔王親衛隊じゃなくて魔王御側役志願か。 これは何か訳有りか、それともどっかのスパイか何かだな。 ……まあ、可愛いから良いか。 よっぽど妙な事さえしなきゃ置いといてやろう。 アリス教とか、天志教とか、エンジェル組とか……もう色々な所からスパイが潜り込んでるから、今更一人ぐらい増えたところで特に気にする事でもないしな。がははは。 こうしてオーディションの終了を待たず、また一人合格者が誕生したのだった。 紐付きの疑いが濃厚なのを敢えて放置されたままで。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 皆様、大変長らくお待たせ致しました。 全然待ってないとか、待たせてこの程度か、と言われたら一言も返せませんが(汗)。 次話はいつになるか不明ですが、何とか頑張りますです。 ではでは。 |