サモンナイト3“剣製の魔術師”第十四話
で、次にマルルゥちゃんに連れてこられたのは・・・・
「日本の田舎みたいだ・・・。」
そう、正しく田舎!!
田んぼ!昔ながらの家!あぜ道!
うーん、田舎だ<しつこいって
「此処が、シルターンの皆さんが暮らしてる、鬼妖界の集落なのです。
「風雷の郷」って名前の村なのですよ。」
やっぱり、シルターンって、中国とか日本とかと通じるものがあるな・・・。
「学生時代に、一度シルターン自治区には、遊びに行きましたけど、感じが違いますね、ずっと落ち着いていて素朴な感じ・・・。」
目を細めて眺めているアティさん。
「そうですね、何か俺の国にある、田舎に近いですね。」
と、言い返す。
「この集落には、お姫さまさん、ってエライ人がいまして、その人を中心にして皆さん、仲良く暮らしてるです。」
・・・言い方が変だよ、マルルゥちゃん・・・。
さま“さん”は変・・・。
・・・良いです、はい・・・・。
「畑でお野菜を育てたり、森で狩をしたりしてるです。」
なるほど、昔の日本みたいな生活なんだな。
「そうみたいですね、あそこに見えるのは水田ですか?」
!?アティさん「水田」知ってるの!?
本当に博識だ・・・。
「お米のゴハン、とっても美味しいです。
たまにマルルゥもご馳走になるですよ。」
ぐ・・・・お米えええええ、醤油ううううう。
マルルゥちゃんの「お米」に反応して、思わず暴走。
・・・ここんとこ、米食ってないもんなあ・・・(泣)
「此処の護人さんは、ニンニンさんですね。
ニンニンさんは、お屋敷にいるです。
お姫さまさんと、ヤンチャさんを守るのがお仕事ですから。」
ヤンチャさんって、スバル君か。
「じゃあ、お屋敷にいくですー♪」
中に入っていく俺達。
此処の人達の視線も、かなり痛い・・・。
やはり、警戒されてるなあ・・・。
そう思いつつ、到着。
大きな瓦葺の屋敷に来た。
正面の玄関で履物を脱ぐ。
俺はなれた物だが(俺の家も、こんな感じの家だからなあ)
アティさんは戸惑っている。
「靴を脱ぐんですか?」
そうですよ。
「解りました。」
で、中の付き人らしい人に奥の部屋に案内される。
肌リ手には大きな庭があり、白い砂利が敷き詰められていて、竹林も見える。
畳の部屋に通されると
「え?草の床ですか?」
おお、戸惑っている>アティさん
部屋で座布団に座り、しばし待つ。
俺は正座になれているが、アティさんは・・・・
「・・・・く(汗)」
足を崩しても、良いと思いますよ?
そうこうしていると、入ってくるキュウマさんと、上品な感じの和服を着た女の人、、額には角が生えているので、この人も鬼族なんだろう。
「ようこそ、護人として、貴方方の訪問を歓迎します。
そして、此方にお見えになるお方が、郷をまとめられる姫君、ミスミ様です。」
「ミスミじゃ、そなた等、名前は?」
「アティです。」
「俺は衛宮士郎と言います。」
「うむ、良い名前じゃな、面構えに似合うておる。」
俺達の返事に、満足げに微笑みながら答えるミスミ様。
「所で、そち達は、兄弟か?」
「え?」
「は?」
いや・・・確かに、俺とアティさんの髪の色は、同じ赤だけど。
アティさんは白人系の顔立ちに比べ、俺はどちらかと言うと、ミスミ様と同じ東洋系の顔立ちだと思うぞ。
「違います。」
アティさんも、きっぱりと言ってくれる。
「澄まぬな、そち達の漂う感じが似ておったのでな。」
俺とアティさんが“似てる”?
「顔立ちは確かに、似てはおらぬが・・・、何と言うか、奥底に秘める物が似ておるというか・・・、いや、気にするな。」
・・・アティさんは、俺と同じように何かを“誓っている”のか?
「おほん、宜しいでしょうか、ミスミ様?」
「話の腰を折って、澄まぬな。」
伺いを立てるキュウマさんに、答えるミスミ様。
「すでにお聞きになっている通り、我らは貴方方を受け入れる事に決めました。
ですが、それは開くまで護人同士の約定がもたらした物。
島の民の人間に対する不審は根深いものです、それを解消していくためにも・・・。」
「もう良い、キュウマ。」
キュウマさんの話を遮る、ミスミ様。
「どうにも、おぬしは言葉が固すぎるぞ。
仲良くやっていこう、その一言で澄むではないか。
おぬし達も、そう思うであろ?」
いや、俺はなれてるので、構わないですが・・・。
「ええ、仲良くするのは、私も大賛成です。」
えーっと、そう言う事ではなくて、アティさん?
・・・天然体質でしたね。
「うむ、ならばそれで充分じゃ。」
え?ミスミ様は、そう言うつもりで、言ったのか?
ミスミ様も天然か・・・?
「困った事があれば、何時でも尋ねて来い、わらわにできることならば、力を貸すぞ。」
「ありがとうございます、ミスミ様。」
あっけに取られる男二人(俺とキュウマさん)とは裏腹に、親睦を深め合う女性二人(アティさんとミスミ様)
「うむ、と言うわけで、そろそろお昼時だな。
腹も減ったであろう?食っていくが良い。」
そう言えば、そろそろ御仲が空いたな・・・。
「解りました。」
そう言う俺達。
「準備に少々時間がかかるのでな、その間、そち達の話を聞きたいのだが。」
別にいいですよ、ミスミ様。
という訳で、アティさんの事、俺の事を話す。
「なんと?士郎、お主この世界の人間ではないのか?」
はい。
「まさか、「喚起の門」の仕業では・・・。」
「喚起の門」?
俺が質問する前に、首を振るキュウマさん。
「その件については、私の一存では喋れません。
申し訳ありませんが・・・。」
・・・なにか、喋るのに問題があるんだな。
しかたない。
で、昼食タイム。
米の飯って久しぶりだなあ(泣笑)
ついついお代わりしてしまった・・・。
これじゃ、藤ねぇやアルトリアを笑えないなあ・・・(苦笑)
満腹ついでに、キュウマさんに剣術の訓練を頼む事にする。
「こちらに来て、私が暇な時なら良いですよ。」
と色よい返事を貰った。
そして、二人の見送りを受けて、最後の里「ラトリクス」に向かう俺達。
(続く)
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