犬の食う間もない喧嘩









「ゾロなんかだいっっきらいだ!!」


穏やかな昼さがり、ゴーイングメリー号の船上でいきなりそんな大声が響き渡った。
その主はわれらが船長のもので、
その『嫌われた』お相手は、彼の『一番』であるはずの剣豪殿で。
「・・・・やれやれ」
どうせ、また勝手にルフィが怒っているだけなんだろうけど。
そして、結局ゾロがおれて、あっさり仲直りするんだろう。

たいして心配などいらないので、
・・・・逆に余計に首を突っ込もうものなら、二人の『お邪魔虫』になるだけなので、
ほっておくのが一番だと、私は書きかけの航海日誌の続きを再開した。




「ナミさん、どうしましょう!ルフィさんとMr.ブシドーがケンカしてるみたいなんです・・・」
夕食の時間を教えに来てくれたビビが、困ったようにそう言ってきた。
「あんなのほっとけば、すぐに仲直りするわよ」
「ええ・・・お二人の仲がよろしいのはわかってますけど、なんだか今回はMr.ブシドーのほうもおれる気はないみたいで・・・」
「そうなの?あー・・・そう見せてるだけなんじゃないの?なんだかんだいってあいつはルフィに激甘なんだから」
気楽なあたしの言葉に、ビビは少し笑顔を見せた。
「・・・そうですね。きっと大丈夫ですよね?」
「大丈夫よ」
「だといいですね」
そんなやりとりをしながら私たちはキッチンに向かった。



その光景を見て、私は少し驚く。
サンジくん以外のクルーがきちんと席につき、料理を口に運ぶ。
皿とフォークの触れ合う控えめな音がなっている。
一見普通の食事風景。
しかし、それはこの船においては『異常』なのだ。
いつもなら、もっとやかましく、食器の音など、なにかが割れる音くらいしか耳に入らない。
そしてなにより、わりといつもどうり食事をしているゾロの隣にはなぜかチョッパーがいて、
彼の席にはおかしいくらいにおとなしく食事をするルフィがいた。

ふーん。
確かにいつもとはちょっと事情が違うみたいねぇ。



・・・・・とそのときは感心したものだけど




「・・・ほらね」
「ええ。ナミさんの言うとおりでしたね」
と苦笑するビビ。

翌日、私達の視線の先には、相変わらずの様子で一人は船首で海を眺めて、もう一人はその背中を守るがごとくデッキで昼寝をしていた。









『夫婦喧嘩は犬も食わない』とはよく言ったものだけど、




こいつらの喧嘩は、食いたくても食う間もなく終わります。


お後がよろしいようで



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