兄は語る。

できの悪い弟を持つと兄ちゃんは心配なんだ。




        与えるもの




5月6日。
大宴会の翌日。
補給のために立ち寄った島は温泉が有名な島だった。
小休憩もかねて、今日はここで一泊することとなる。


その大浴場にて。
「おーすっげェーー!!」
「広いしいろんな風呂があるなー!!」
「あ、ルフィ、ウソップ、待ってくれよ!」
「おい、チョッパー。走ると転ぶぞ・・・って・・・あ」
「おーおー、派手にすっ転んだな」


全部の風呂に入るぞー!と意気込んであっちこっちで湯船に出たり入ったりしているルフィとウソップ。
チョッパーと背中を流しあっているゾロ。
風呂もそこそこに女湯を覗こうとしているサンジ。
一様に温泉を満喫しているようだ。



皆があがったあと、一番長風呂のゾロは、一人で露天風呂でゆっくりくつろいでいた。

ふと扉が開き、ルフィがやってきた。
「ん?どうしたルフィ」
カラスの行水並みのルフィが、また風呂に来るとはめずらしい。
「おれも入るんだ」
にぃっと笑うと、ルフィはゾロめがけて飛びかかってきた。
「どわっ!」
派手に水しぶきをあげて、二人はお湯の中に倒れこむ。

「・・・ぷはっ!アホかテメェ!いきなりなにしやがる!」
「にししししー」
ルフィを抱きかかえて身をおこしたそのままでゾロが叱りつける。
もちろんルフィは聞く耳などもたないが。

他に客が居なくて良かった
まったくお前ときたら・・・・・とぼやいてみせるのは、おそらく照れ隠しも混じっているはずだ。

「いーじゃん。昨日はゆっくりゾロとくっついてられなかったんだからよ」
「・・・・アホ。主役をおれが独り占めしてられるかよ」
「ん、そうか」
「ああ。昨日はな」
「おう。じゃあ今日は?」
「・・・・・・・・・んなこと聞くな」
「しししし」

健康な青少年なので、これ以上は諸事情にていろいろと危険だと判断したゾロは、話を変えることにした。
それにしても無防備に抱きついてこないでもらいたいものだ。しかも裸で。

「あー・・・そういや、悪かったな。昨日なんもやるもんなくて」
「んーん。いいよ。祝ってくれるだけで十分だ」
どこか上の空でそう言うゾロに、その胸の傷をなぞりながらルフィは答えた。
「それに、もうゾロ全部もらってるようなもんだし」

だからさらりとそういうことを言うなよ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、実際、これ以上お前にやれるもんはねェよな」
どこか観念したようにゾロが天を仰いだ。

・・・少しのぼせたらしい
湯船につかりすぎたか・・・

「だろ?あ、でもゾロの夢までは貰わねェぞ!ちゃんとゾロのだからな。安心しろ」
「当然だ。お前の夢はお前のもんだしな」
「おう、そうだ!おれのだ!」
自信たっぷりなルフィの濡れた前髪をかきあげて、あらわになった額に自分の額を合わせる。

「でも、・・・お前は全部おれのもんってことでいいだろ」

疑問符すらつけない言葉は、返答がわかっている証拠。
ゾロの反撃開始の合図。




ほんとに、他に客が居なくて良かった。








兄は語る。

できの悪い弟を持つと兄ちゃんは心配なんだ。

でも、アイツの側にはもうちゃんと頼れる相棒がいるみてェだから、もうそんなに心配する必要はねェのかもな、と。




























・・・いや、心配したほうがいいよ兄。(酷)
ゾロののろけ話にしようかと思ってたんですが、いや、いかんですね。
どうにも本人相手にストレートにのろけることはできないようです。
ルフィに押され気味。でも反撃しますよ、奴は。
変化球でならいくらでものろけられるらしいです。現金な奴め。
ためしに兄にゾロのことを認めさせてみました。
よろしくたのまれちゃってますからねぇ(黙れ)

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