4/28のアニメより。
燃えました。ええもうゾロルスピリッツ全開です。
日記を見ていただければわかる恐ろしいほどの暴走ぶり(苦笑)
思わずこんな文まで書いてしまいましたあはは。
原作で読んだときも十分燃えたのですが、ここまでアニメでもりあげていただくとええもう書かずにはいられませんでした。
ほほほ。『船長命令!!』最高です!
これがサンジとかじゃ駄目なんですよ。
敵をたすけるなんてとんでもない命令でも、ゾロなら聞いてくれるっていうことをちゃんとルフィはわかってるんでしょうね(オイオイ)
そしてきいちゃうゾロもゾロだ(笑)
「ロロノアっ!!」
烈火のごとく繰り出された十手の突きを、ゾロは瞬間的に抜き放った和道一文字の腹で受け止めた。
突然張り詰めた空気の中で、互いの頬からしずくがぽたりと落ちた。
「何故おれを助けた」
底冷えするような、そして内心で渦巻く苛立ちを抑えきれずに密やかに憤りを燃やしているような、そんな声音でスモーカーは言葉を搾り出した。
ゾロはそれを沈黙で受け止める。
理由のない行為
「うらぁーー!もういねェのかぁーーー?!ちくしょー水につかってちゃー本気でねェーー!」
ルフィがぶっ飛ばしたワニの山にむかって吠える。
その隣で、檻の中にいたときの鬱憤をはらすかのように同様に暴れたゾロが、それとはまた逆の静けさで刀を収めている。
なにはともあれ、これでアルバーナへの障害はなくなった。
一行が、水の中の通路を進もうとしたとき、それがおきた。
ぴし・・・
「ん?」
ゾロと背中あわせに陣取ったルフィが上を見上げる。
その小さな音は断続的に続き、そしてついには水音にも負けない轟音となった。
水圧に耐え切れなくなった壁が崩れ出したのだ!
「うわぁ!!壁が壊れた!!」
「アホォ!!やり過ぎだ!!」
「脱出だ!!脱出するぞ!!」
膝上だった水が、一気にその三倍もの高さと速度で彼らに押し寄せる!
「ルフィ!!」
ゾロは水に飲まれながらも傍らいるルフィに手を伸ばした。
助けねば、死んでしまうのだ!
だが、ルフィは溺れながらこういった。
「おいゾロ!あいつを助けろよ!!」
麦わら帽子をかぶった頭と、懸命にもがく両腕だけが水面から出ている。
「あァ?!敵だぞ、放っとけ!」
それよりもなによりもお前が、お前が!!
「放っといたらお前!あいつ死んじまうだろ!!カナヅチなんだぞ!!」
真剣な目で叫ぶ。
「いや、そりゃわかってるがよ・・・あいつは・・・!・・・っ・・・!!」
見る間にルフィは水に埋もれる。
片手だけが、ルフィはそこにいると示している。
そして程なく、それすらも・・・・
・・・・・・・・ったく・・・・・・・!!
「・・・っサンジィーーーーーー!!」
ゾロはそう叫ぶと、肺に空気をすばやく溜め込み、水の中に潜った。
ほんの少しだけ、沈んでゆく赤い服を視界の隅におさめると、ゾロはそれに背を向けて水の中を進んだのだ。
ゾロはスモーカーに視線を合わせたまま、無造作に十手を振り払った。
鋼が硬質な音をたてる。
「”船長命令”をおれはきいただけだ・・・。
別に感謝しなくていいと思うぜ?コイツのきまぐれさ。気にすんな」
勘違いするなと、その目が言っている。
助けたくて助けたわけじゃない。不本意だ、と。
スモーカーは歯噛みした。
その物言いにではなくて、何故か助けられたという事実に対して。
「じゃあ、おれがここで職務を全うしようと・・・文句はねェわけだな?」
「・・・・・・・・・」
「みろ!!言わんこっちゃねェ。海兵なんか助けるからだ!!」
ルフィをひっぱりあげたサンジが、ぼやいた。
ぴりりとした空気を破ったのは、気絶していたウソップとルフィだった。
「・・・ッアーーーシ!!野郎ども『アルバーナ』へ一目散だっ!!」
「クロコダイルは何処だーーーーーーーっ!!」
飛び起きた二人は、スモーカーに視点を合わせた。
「うおっ!けむりっ!やんのかお前っ!!」
「ぐあぁ!!スモーカー!!おいルフィやめとけ、逃げるぞ!!」
ファイティングポーズをとるルフィに、それを抑えるウソップ。
スモーカーはルフィをじっと睨みつけた。
・・・コイツ・・・どこまで本気なんだ・・・・
スモーカーの目に映るルフィはどこまでもまっすぐで、そして真剣で、いっぺんの曇りなどなく・・・・・・・・・
海兵たちが集まってくる無粋な足音が遠くに近くに響き渡っている。
「・・・・・・・・行け」
「ん?」
ため息とともに小さく吐き出された言葉だった。
ルフィ達はスモーカーを凝視する。
「だが、今回だけだぜ・・・おれがてめェらを見逃すのはな・・・」
「!」
「・・・次に会ったら・・・命はないと思え。”麦わらのルフィ”」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルフィはきょとんとして、サンジはマジかよと目をみはり、ナミは少し驚き、ビビは唖然として、ウソップはせまり来る海兵たちに焦っていて、そしてゾロは・・・笑っていた。
そう、ゾロは単純に笑った。
まったく、さすがはアイツだと。
まったく誰も敵わねェよなと。
あっけにとられていたサンジたちが走り出す。
「さァっ!行こうぜ海軍がくる。『アルバーナ』はどっちだ?!」
「向こう!!東へ真っすぐよ」
そのなかルフィだけ、動かなかった。
「おい、ルフィ。急げ、何してる!」
後ろを振り返り、一人立ち止まったゾロがルフィに声をかけた。
「ああ」
ルフィは『今行く』という意味をこめて応じる。
そして、スモーカーをもう一度見て、心の底から全開に笑った。
「おれ、お前きらいじゃねーなァ〜〜!!しししし!!」
「!」
間。
そしてスモーカーの顔が紅潮する。
「さっさと行けェ!!!」
「うわっち!!」
怒りに任せて振り回された十手を、慌ててかわし、ルフィはそのまま待っているゾロの横をすばやく走り抜けていった。
ゾロは止まったまま、その後姿を眺め、そして小さく笑みをこぼすとルフィを追いかけて走り出した。
残されたスモーカーは、息を整えると濡れた葉巻に火をつけなおした。
しばし、彼らが消えた方角を睨みつけながら。
「この、バカ・・・」
ゾロはルフィの横に並ぶと、まずがっつりと頭を殴りつけた。
「うおっ!ゾロ!!イテェなこのやろーー!」
そして走る速度を保ったまま、次はルフィの頭を覆う布を引っ掴む。
ルフィは持ち上げられ、そのままゾロはルフィに口付けた。
すとんとルフィの足が地につく。
みんなの背中が小さな米粒サイズで見えてきた。
おいてかれたルフィはすぐにゾロに追いつくと、背中に飛びついた。
そして首に回した腕で嬉しそうにぎゅっと抱きしめて、
「ゾロ、好きだーー」
「・・・わかったよ」
「うし、行くぞ!『アルバーナ』!」
「おお」
ルフィは跳び箱の要領で、ゾロの背中を飛び越えると、前を走るみんなを追い抜いて、一番前で走り始める。
目指すはアルバーナ。