手
手を繋ぐのが好きだ。
英士の手が好きだ。(否、英士の全部が好きだけど)
英士の手は冷たい。
なんかひんやりしてる・・・っていうの?
手が冷たい人は心が温かいっていうけど、強ちそれも嘘じゃないような・・・。
「どうしたの?」
「ん?」
「さっきから黙っちゃって。」
「英士の手好きだなぁーと思って。」
「手だけ?」
「・・・全部好きだけど。」
「あたりまえでしょ。」
なんて言って英士の大きな手で頭を撫でられた。
・・・あぁ、これも好きだ。
「ねぇ英士、手出して。」
「手?」
「うん。どっちの手でもいいから。」
また何か始まったって顔で仕方なく手を出す英士。
ぴたっ
あっ、やっぱり冷たくてきもちいや・・・。
「で、今度は何なの?」
「んー?英士の手とどれくらい違うのかなぁーと思って。」
やっぱり英士のが大きいなぁ。(あたりまえでしょって、また言われた。)
意外と指長いんだ。
そんな小さな発見で、まだまだ知らないことがいっぱいあるんだなぁーと思い知らされる。
・・・英士との距離を感じてちょっと寂しくなってみたり。
さっきまで手を合わせていたのに、いきなり英士の指が私の手に深く絡んでくる。
「何びっくりしてるの。」
「ちょっとボーっとしてたから。」
何て、苦笑いしながら誤魔化してみる。
それでもやっぱり英士には分かっちゃったみたいで、
手を繋いだまま空いてる方の手で抱きしめられる。
・・・あったかい。
「、あったかい。」
「私も同じこと思った(笑)」
「・・・やっと笑った。」
「え?」
「今日、笑ってなかったから。」
「・・・」
そういわれてみれば、今日笑ってなかったかも。
最近忙しくて、やっと英士と会えたのに。
心が疲れて、作り笑顔じゃなくて本当に笑うことを忘れてたみたい。
「やっぱり笑顔のの方が好きだから。」
「・・・ありがとうっ///」
そんなこと真顔でサラっと言われたら照れちゃうっつーの。
・・・英士はそういう人だけど。
私も英士を空いてる方の手で抱きしめて。
これから先もこうやって英士と手を繋いでいけたらいいなぁと思った。
・・・そして、繋いだ手に力を込めた。
**あとがき**
いや〜、久々に書きました。
ってか、今回はいつもに増して何が言いたかったのか分からない!(本当にな)
最初はこんな話になる予定じゃなかったのに・・・。
英士「いつも言ってるでしょ。」
え・英士さん!!!
英士「学習能力がないね。」
そ・そんなはっきり言わなくても・・・。(ショック受け中)
英士「今度はちゃんとしたの書いてよね。」
・・・が・頑張ります。。。
英士「じゃ、また読んでよね?」
櫻
up:2003.04.20