あー、憎らしい!
昨日の夜はあんなけあたしの事抱いておきながら、今日は今日とて知らん顔で教壇に立つ貴方。
お陰でこっちは寝不足だし、身体のあちこちが痛いし散々よ!
なのに先生といったらあたしと違ってそんな素振り一切見せず、いつもと変わらぬご様子。
これじゃ、まるで昨日の夜が嘘だったかの様じゃない!悔しいわ!
・・・それでもやっぱり先生のこと好きなんてホント馬鹿だわ、あたし。笑っちゃう。





「先生、そんなに見つめないで…!みんなに私達の関係がバレちゃうじゃない!」

「いやいやいや、猿飛。俺とお前は先生と生徒ってだけだからね?だから別にバレようが関係ねェし!
 つうかもうみんな知ってるつーの。イヤだから顔赤く染めんな、キモイ!」

「キモイ…!わかってるのよ、そうやって私を虐めて楽しんでいるんでしょう?!さあもっと蔑みなさい!」

「あー、お前もうウゼェーから黙ってくんない?つーか授業進まねェし」


いつものように先生に絡む猿飛さん、彼女が先生に気があるのは一目瞭然で。
そんな彼女のこと、先生は相手にしてないみたいだけど実際のトコどうなんだか。





「ばっかみたい」

「あ?」


何か言ったか?なんてこっちを振り返る土方くん。彼は私のひとつ前の席に座っている。
始めはその少し他の人より開いた瞳孔とかの見た目から怖そうだなぁなんて思って
あまり喋ったことがなかったんだけど、この席になってから話す機会も増えて意外といい人だってことがわかった。
そう考えてみると彼がモテるのも頷ける、うん。
まぁ、あたしは先生以外は興味ないけどね。


「ひょっとして口に出てた?」

「バッチリとな。で、何がバカみてェなんだよ?」

「ううん、何でもないの。」

「んだよ、まァが言いたくねェつーンならいいけどよ。」


あはは!なんて土方くんに笑って誤魔化す。
こういうとこ優しいよね、無理に聞き出したりしないとことか。
だってまさかあたしが猿飛さんに嫉妬してたとか、ありえない!





「つーか猿飛もあんな奴の何処がいいんだか。俺にはわからねェな」

「奇遇でさァ、土方さん。俺もそう思いやすぜ?にしてもアンタと同じ意見なんて気持ちわりィな、オイ」

「総悟ォォオ!!!!!表出ろ、表!!!」

「上等でさァ」


ニヤなんて気味の悪い笑顔で笑う沖田くん。
彼はあたしの隣りの席で、くりっとした瞳とサラッサラな髪の持ち主。
黙ってればそこら辺のアイドル顔負けの美少年なのに。
いまだに土方くんとやいのやいのと言い合っている。



「ハーイ、そこの二人?さっきからちょっと煩いからねー。暴れるなら廊下でやりなさい、廊下で!
 つうか、ちょっ お前ら俺の授業聞く気あんの?!」

「ないんでさァ」

「ちょっ!即答?!…先生泣きそうなんですけど!」

「大の大人が泣きそうとか言ってンじゃねェよ、キモイんだよ!
 大体、テメェーいつもちゃんと授業やってねェだろーが!」

「・・・ちょ、何コレ?!集団イジメですか?!もう本当先生目の前が霞んできた…!」

「「キモイんだよ、天パが!」」



あ、綺麗にハモった!
っていうか、先生いじけてるし…かわいい。
天パだとか糖尿寸前だとか死んだ魚のような目だとかやる気がないとか・・・
皆が先生のこと悪く言うけど、わかってないわ!先生にだってイイとこ沢山あるのよ。
まァ、なんだかんだ言って皆本当は先生に魅了されてるんでしょ?
じゃなきゃこの問題児クラスの担任なんか勤まらないわよ。





「あーもうやめやめ!どうせ残り十分だから、もうコレ終わりでよくね?ハイ昼食ー!」

「ちょ・・・アンタ!!!!それでも教師かァァア?!」


いつもの如くもう体に染み付いてしまってるかの様なツッコミをする新八くんをまるでスルーしながら
そそくさと教材等を片付け、前のドアをガラガラと開け出て行く先生。







チャリン、チャリン
銀色の硬貨を二枚入れ、1と5の数字を押して購入ボタン。
下の受取口からパックを取り出し、また1と5の数字を押して購入ボタン。
朝コンビニで買ったサンドウィッチを持っていつもの準備室へ。



「お、ちゃんおかえり〜」


カップ麺の容器にお湯を入れながらチラリと此方を見る先生。
・・・あたしも明日はカップ麺にしようかな。


「・・・先生元気そうね。あたし先生のせいで身体中あちこち痛いってのに」


嫌味っぽくそういい、ハイとさっき買ったイチゴ牛乳をひとつ先生の方に渡す。
わりィななんて言いながら、受け取るなりストローを容器に挿す。
本当は悪いなんて思ってないでしょ、とちょっと睨んでみる。


「つーか俺だってね、身体中痛いの。、お前と違って銀さんもうそんなに若くねェし。
 ってか、二人きりなんだからその”先生”ってやめね?まァ、ある意味萌えっけど」

「だって!誰か来たらどうすんの?!」

「来ねェよ。ンな勉強熱心な奴うちにいるか?」

「まぁ、そうだけど…」

「ホレ呼んでみ?」

「・・・銀ちゃん」

「何ですかー」

「銀ちゃんが呼べって言ったんでしょ!」

「あーもうお前かわいい」





ガバッと
そう、もう言い表すならガバッと壁に押し付けられ、唇を奪われる。
昨日だっていっぱいしたのに、やっぱりあたしはその接吻に勝てないらしく頭が痺れてくる。
銀ちゃんの舌にあたしの舌も絡みとられてまるでどっちがどっちの舌かわからなくなる。
口の中はお互いの唾液が溢れ、いつもはちょっとほろ苦い煙草の味がするんだけど、
今日はあたしがさっき買ってきたイチゴ牛乳の味でちょっと甘い。
本当言うと、実際あたしは銀ちゃんに溺れててこんなことキスの最中に考えてる余裕はないが。
唇が離れた時に、わずかに残るいつもと違う甘い味を感じながらそんな事を頭の端で思う。



「俺もう飯どころじゃないんですけど。・・・喰っていい?」


「ちょっ・・・銀ちゃ!」



あたしの抗議も虚しく、下唇をペロッと舐められ「我慢出来ねェ」なんて声が上から降ってくる。
っていうかココ学校!昨日あれだけ飽きるほどしたじゃない!
・・・思春期の男子ですか、貴方は。なんて思いながらも結局流されていくあたし。










後に残ったのは、言い難い疲労感と虚脱感。
そして伸びきったカップ麺・・・だったとか。










- so young blues -

      出して どうしても 明日には笑うんだろう?

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