こんばんは であります! 夜は 足もとに 気をつけてください であります! ところで、わたくしに 何か ご用でありますか? え、えっちな話を知らないか でありますか? ほ、ほんかんは そういったことについて お話しできないのであります! けど 少しだけでしたら お話してもいい… であります あれは 相方が お昼を食べていたころのこと であります 落とし物をしてしまった と フーコさん が尋ねてきたのであります けれども その日は まだ落とし物は一つも見つかっていない のであります フーコさん は足をパタパタとさせて とても慌てていた であります そこで 「何を落としたましたか?」 とわたくしが尋ねると フーコさんは顔を赤らめながら 去っていったのであります 夕ぐれごろ 犬のベンさんが訪れ 「ぼく、変なもの拾ったよ」 とほんかんに落とし物を手渡してくれたであります 同じ犬仲間として 誇らしく思える行い であります 変なもの をよくみてみると どうやら オス同士が愛し合う本 のようでありました わたくしには そういうシュミは少しだけしかないので あんまり長くおいておくと何かと困る であります ふと きれいな字で「フーコ」と名前が書いてあることに わたくしは気付いたのであります なーるほど であります わたくしは フーコさんの名誉のため 誰にも見つからないように 忍び装束 を着て ご自宅に向かったであります オス同士が愛し合う本 は乙女にとって大切なものだから 無くしたら寂しいだろうな と思ったのであります 博物館のかべを登り せっしゃは いえ、わたくしは フーコさん の部屋に無事 忍び込んだであります 望遠鏡で星空を眺めることに夢中な フーコさん に気付かれないようにして わたくし はそっと窓辺の机に オス同士が愛し合う本 を置こうとしたのであります ところが 夜風で窓が閉じてしまい わたくし は閉じ込められて フーコさん にも気付かれてしまったのであります どうすればいいのか お互いに なにも考えつかないまま 時間が過ぎていったであります とつぜん フーコさん に体当たりされるようにして抱きつかれて ラブリーベッド の上に倒されてしまった のであります 頭が真っ白になって わたくし 不覚にも 淫らな意味で 胸がドキドキ してしまいました このまま めくるめく官能の世界 に 二人は旅立つ のでありましょうか? わたくしの狼というべきところ が遠吠えを上げてしまうのであります けれども フーコさん のわずかな震えが伝わってくると わたくしの劣情など どうでもよくなったのであります 何も言わなくても わたくしにはその気持ち、痛いほど分かるであります 「あの本のこと ワタシ…」 なみだ を浮かべた 今にも砕け散ってしまいそうな表情をしている であります 「フーコさん にも見つからないように 心掛けていたつもりが 不覚にもこうして見つかってしまったであります 申し訳ない であります ともかく わたくしは乙女のたしなみを フーコさんに返しに来ただけなので 安心してほしい であります」 「もんばんさん…」 首をかしげる フーコさん 「わたくし の仕事は 村の平和を守ること であります だから フーコさん を悲しませるようなことなど 絶対にしない と約束するであります」 わたくしは フーコさん をしっかりと抱きしめて 言い聞かせたであります フーコさん が落ち着いたのを見計らい わたくし はベッドから抜け出して 窓辺に立つのでありました 「もんばんさん、ワタシ まだお礼も…」 「ご用のさいは また 声をかけてくださいであります! 」 わたくし は 星空の闇 に消えていったのでありました え、何一つ エロくないじゃないか! でありますか? わたくし 少しだけ と言ったはず であります その後の あーんなこと や こーんなこと については 話すつもりはないであります! 夜おそくまで ごろくろうさまであります! 戻る |