今日はバレンタインデー。 女の子から告白する日だ。 「あの人、いるかな…」 そう思いながら、この村唯一の喫茶店へと急いだ。 喫茶店へ着くと、呼吸を落ち着かせ、身だしなみをチェックする。 会えるかはわからない、でも、目一杯おしゃれしてきた。 「どうしよ、緊張してきた…」 顔が熱くなってるのがわかる。 クラクラするぐらい緊張してる。 人って字を三回書いて飲み込む…あんなの嘘だ、ちっともドキドキが治まらない。 「…よし!」 小さく呟いて覚悟を決め、喫茶店のドアを開いた。 −キィ− 「こ、こんにちは」 これが今のあたしの、精一杯の声。 「いらっしゃい…」 いつも通り、静かな声でマスターが迎えてくれる。 あたしは、店の中を見渡した。 店の奥に、彼は居た。 あたしは、開き直ったかのように、コーヒーを飲む彼の横に座る。 「マスター、いつもの下さい。」 「コーヒーを飲んで落ち着こう」 出てきたコーヒーを一気に飲み干し、深呼吸して、彼に話し掛けた。 「え…と、あ、あの、こんにちは!」 緊張しすぎ、あたし… 「こんにちは!村っていいとこだよね。」 彼が話し出す。 ここで会った時、彼はいつもいろんな話をしてくれる。 そういう所に惹かれたんだ。 「次は、どこの村に行こっかなぁ」 彼が言ったその言葉で、スイッチが入ってしまったのだろう。 「…行かないで…」 とっさに言ってしまった。 視界がぼやけてくる。 たった一言で、泣いてしまうような、弱いあたし。 これも、恋をしているからなのだろう。 「ど、どうしたの? 話変えよっか! そ、そうそう!ここってほんといいとこだよね! 静かだから、夜もゆっくり眠れそうだし、うん!今日は、キミんちに泊まらせてもらうよ! なんちゃってー」 「来て…下さい。」 だめだ、もう止まらない。 「…来て下さい。 あなたの事が、好きなんです。 ずっと、ずっと、好きだったんです。」 「え…?」 驚いている彼を見て、ハッと我に返った。 とんでもない事言っちゃった… 「ご、ごめんなさい!!今日はもう失礼します!!」 そう言って、急いで店を出た。 勢いよく閉めたドアの音で、彼が言いかけた言葉を聞き取ることが出来なかったが、あたしには、それを聞き直す余裕はなかった。 「なんで、あんな事言っちゃったんだろ? きっと呆れてるよね…」 家までの帰り道、何度も繰り返し呟いてた。 家に着くと、渡せなかったチョコレートを机の上に置いた。 そのまま、ベッドに転がり、さっきの事を思い出した。 「嫌われちゃったかなぁ?チョコ食べてもらいたかったなぁ…」 また涙がこぼれてきた。 そのまま、寝てしまっていたのだろう、ノックの音で目が覚めた。 「ん…誰だろ?まさか…ね」 眠い目をこすりながら、ドアを開けた。 「こんばんは。」 彼だ! 一気に目が覚めた。 混乱して、言葉が出ない。 「さっきの事だけど…」 と彼は続けて言った。 「と、とりあえず入って下さい! 外は寒いですから!」 彼を招き入れ、暖かい紅茶を出した。 沈黙の中、ふと、机の上のチョコレートに目がいった。 「こ、これ、食べてもらえますか? さっき、渡せなかったんです。」 チョコを差し出す手が震えているのが、自分でもわかる。 彼は、 「ありがとう。嬉しいよ。」 と言い、ニコッと微笑んだ。 「さっきはごめんなさい。 でも、本当にあなたが好きなんです。」 今度は落ち着いて、彼に言った。 「ありがとう。 オレもキミの事好きだよ。」 そう言って、彼はあたしを抱き締めた。 そして、続けた。 「だけど、オレは仕事が忙しいから、毎日会うことは出来ないし、この村に住む事もできない。 それでもいいの?」 「それでもいいの。 あなたが好きなの。」 彼の胸に埋めていた顔を上げ、彼の目を見つめて言った。 「…」 そう言って彼はキスしてきた。 「あっ…」 彼は不思議そうな顔をして、 「どうしたの?」 と言った。 「…恥ずかしいよ」 また顔が真っ赤になってるのがわかる。 「かわいいなぁ」 そう言って、彼はまたキスをしてきた。 …さっきのとは違う。 舌が入ってきてる。 「んっ…」 思わず声が出た。 あたしを抱き締めてた手が、胸を揉み出したのだ。 「だ、だめ…っ」 「なんで?もっと可愛いとこ見せてよ」 彼はますます激しく揉み出した。 ベッドに押し倒され、服を脱がされる。 「やだ…恥ずかしいよ…」 「なら、もっと恥ずかしい事しよっか」 そう言って彼は、あたしの乳首をなめ回し始めた。 「あっ…や」 「感じてるの? キミ、見た目と違って結構やらしいんだねぇ。 こっち触ると、どうなるのかなぁ…」 彼は、乳首を舌で執拗になめ回しながら、そっと、あたしの大事な所に触れてきた。 「んっ…!そこ…はだめぇ!」 「うわぁ…ねぇ、もう濡れてるよ? ほら…」 彼は、そう言ってクチュクチュと音を立て、まさぐっていた手を、あたしに見せた。 「ほら、わかる?オレの手、ベトベトだよ」 「いやぁ…っ」 そして、今度は指を入れてきた。 「あぁっ!」 あたしが声を出す度、指の動きが早くなる。 音楽もテレビもつけていないこの部屋で、いらやしい音だけが響く。 「やっ、だ、だめっ! んっ!」 「もっと、かわいい声聞かせてよ」 指が一本から二本に増え、更に早さを増す。 まるで、指じゃない別の生き物がうねうねと、あたしの中で動き回っているみたいだ。 「あっ、そこ…っ!そこはだめぇぇ!」 「ここ?ここがいいの?」 激しく、そこを責められ、あたしはもう限界だった。 「だめっ!なんかおかしくなるっ!あぁー!」 「…イっちゃったの? でも、まだだよ」 そう言うと、彼はあたしの上に覆いかぶさり、勢いよく入ってきた。 「あぁっ!」 「…キミの中、すごく熱いよ」 そして彼は、激しく腰を振り出した。 深く突かれる度に声が出る。 今まで、こんなに乱れた事はない。 もう、何も考えられないぐらい気持ちいい。 「あっ…ん、だめ、またおかしくなっ…ちゃうっ」 「オレもっ…」 そう言って、いっそう激しく腰を振り、あたしのお腹の上に、白くて熱いものを出した。 「…ごめんね、こんな事して。 でも、本当に好きだから。」 「うん…」 「今日はキミんちに泊まろうかなぁ」 あたしを見つめて、彼が優しく言った。 「…うん!」 あたしが答えると、彼はあたしを抱き締めた 今日はバレンタインデー。 「すごく幸せ…。」 心の中で呟いた。 終わり 戻る |