11 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:25:26 ID:7Wqy11zy0
綺麗に磨き上げられた廊下で、組織の若者達は世間話をしていた。
世間話といっても、天気だの経済だのの話等ではもちろん無く――どこの売春宿の女がかわいかっただの、
具合が良かっただの、口での奉仕が上手かっただのと低俗極まりない会話だ。
時折行きかう、若者達より更に下位の者や清掃員などがこっそりと眉をしかめる中、
飽きもせずに性の話題を続ける彼らの神経の図太さたるや、流石最下層街の出身と言ったところか、或いは単に年齢の所為か。
ときおり意味もなく湧き上がる爆笑や手を叩く音が、まっすぐ伸びる廊下を木霊して遠くまで届く。

遠く、遠く響き渡ってようやく音が命を終える辺りの扉が開いた。
踏み出す足音は二つ。高く澄んだ優雅な足音と、少し床を引き摺るような柔らかい足音。
その足音の二重奏が、今度は若者達の方へと木霊していく。

その足音に最初に気づいたのは、誰だっただろうか。
バカ騒ぎに紛れ込んだその微かな音は、確実に若者達が姿勢を正すのを遅れさせた。
ふと、一人の青年が怯えたように向かいにいた若者の後ろを見透かした――と思った瞬間、
豚肉の塊を床に落としたような音を立てて、その若者が壁に叩きつけられた。
「ぁ、っ……!」
「通行の邪魔ですよぉ」

若者達が衝撃に引き攣る中、ひょこんと顔を出してたしなめたのは――拘束男だった。その後にはカギロイもいる。
「もっ……申し訳ありませんッ!」
正に近年稀に見る失態を犯した若者達は漣のように道の脇へと退き、道を譲った。

通り過ぎた2人は、幸いにも顔色はそう悪くない。
機嫌が良かった時で、本当に良かった――と若者達は安堵して、既に様態も危うい友人へ駆け寄った。

12 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:26:07 ID:7Wqy11zy0
ばたん、と大きな音を立ててその扉が開いた時――部屋は完全な無音だった。
それで全ての様子が把握できたというのは大げさだが、
少なくともそこに幽閉されていた人物がどうなっているかはおおむね分かった。
「…………意識、薄いですね。惜しい」
何が惜しいのかと言えば、その人物が発狂せんばかりによがる様が見れないことが惜しいのだろう。
文脈からしても当たり前と言えば当たり前のことを思い浮かべながら、カギロイは鉄の枠を見下ろした。
ハダレ、といったか。齢は18と聞いている。
ぐったりと伸びた手足は汗ばみ、無機質なライトに照らされて白とオレンジと影の三色が目に眩しい。
白い器具に性感の中枢を捏ねられて肢体をくねらせる時の艶かしさが容易に想像できる。
一方で顔は涙や涎、果ては鉄の枠に擦れたのか、擦り傷から滲む血が乾いて肌を覆っていた。
そして腹を中心に、胸元まで精液で汚した姿は実に惨めで、扇情的だ。
――本当に、扇情的だ。

「……好みですかぁ?」
拘束男の声で、カギロイは顔を上げた。声音に、ありありと拗ねた様な色が滲んでいる。
ふん、と小さく笑ってカギロイが応えた。
「そうだな…発注が無ければ欲しいところだ。お前と似ているからかな」
奴隷は、何も答えなかった。小さく肩をすくめ、その代わりに次の指示を仰いだ。
「気付け代わりに、それを引き抜いてやれ。その後……そうだな、傷つけずに拡張して舞台に備える」
「舞台」
拘束男が繰り返した。聞きなれない異国の言葉を、聞こえたままに口にしたような調子で。
「彼を、舞台に上げるんですかぁ?相手は誰です?」
「お前と、私のどちらかに勝てば解放してやるという条件でやる。
 どう考えても分の悪い勝負だろうが、乗ってこないわけに行かない。
 実質の利益を考えても、没落したとはいえ――鉄壁の王者の威信に懸けても、な」
穏やかな――それを越えて優雅な微笑が、カギロイの口元の片端を吊り上げてにやりとした笑いに変わる。
つられたように、拘束男の隠された口元もきゅっと上がる。――想像するだけで、欲が熱く滾る。


13 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:27:01 ID:7Wqy11zy0
地図。金。食料。壊れかけのペン。汎用性の高い布きれ。少量の医療道具。その他、諸々。
昔は破れ目一つ無く今はずだ袋にも近い鞄にそれらを詰め込み、動きやすさ重視の服を着込み、あとは
夢と希望でもあれば高層街の若者に流行の『自分探し』の旅にでもなるのだろうが、生憎そんなものは無い。
痛む身体を目的のためだけに追い遣らねばならない。例え、現実と失望が背骨を砕きそうなほど重くても。
ウスライは廃墟の街を進んでいた。
本当は早足でいきたいが、足場が悪く脇腹に響くのでゆっくりも行きたい。結局、中間を取って普通の早さに落ち着く。
固定帯で抑えられた胸部が少し苦しく、肩も動かし辛い。相変わらず、左腕が自由にならない。
出来ることなら歩きたくない。
兄の追討の命を受け、故郷を離れ都市の各層を放浪すること暫く。
その間、厳しく厭らしいと思っていた家が霞むほどの様々な目に逢い、図太くなっていたつもりだった。
しかし例の医者は『その程度の傷、歩けるんだから擦り傷と違わない。軟弱者めが』と言う。

(……あいつは、そうなんだろう。耐えられる)
ふと青年のことを思い返すが、痛みは無い。痛覚が麻痺するほどの哀しみを感じているからなのか、
――それとももう彼に関しての記憶が過去の痛みとして処理されているからなのか。
(無理矢理歩き回ることを美徳だと思わせる環境だしな。実際傷を負った所で誰が心配するわけでもない。
 だから……)

だから、自分の半ば偽りの事務的な介護になびいたのだろう。一種の策に嵌った、といったところか。
頭を撫でられると非常な安堵を得ると言うことを発見してから、その傾向は特に強まった。
最後にはなんとも初々しい口付けを仕掛けてきた。鉄壁の王者が微笑ましくみえるほどの拙さが、新鮮だった。
その唇の感触すら思い出せないのは、思い出したくないのか、忘れてしまったのか。微妙なところだ。
なんにせよ、ウスライは歩いていた。目的の為に。

14 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:27:31 ID:7Wqy11zy0
「せーのっ、」
にちゃっ、という粘液質な音を立てて、エネマグラが引き抜かれた。
ローションの糸を切るために抜き出したばかりの孔の周囲に擦り付けると、意識の朦朧とした体がぴくんと動いた。
「……………………」
そのまま少し強く押し付けてぐいぐいと皺を伸ばしてやると、同じリズムでぴくんぴくんと膝がはねた。
面白くて何度もやっていると、
「ッげふっ」
「遊ぶな」
首輪を引っ張られた。

「口枷を外して起こしてくれ」
一頻り咳き込んでからなお首の辺りを擦っている拘束男に、カギロイが優しく命じる。
「ふぁい……分かりましたぁっげふ」
それに対してやや元気の無い返事を返してから、拘束男はハダレの頭の方へと向かった。
鉄の枠は、手足など拘束しなければならない場所ほど複雑に絡み合い、手も差し入れにくい。
その点、頭はそこまで厳重に固定しなければならないわけでもないので楽だ。
拘束男はハダレの顔を頭頂の方から覗き込み、横から差し入れた両手で操作し、涎まみれの枷を持ち上げる。
べとべとのそれを傍らに置いて、改めて伸ばした掌で頬を包み込み、瞼を押さえる。
「ハダレさーん、起きてくださいなー」
軽薄な声をかけながら、空ろな瞳と自分の瞳を見つめあわせ、そして――考えうるだけの邪な思いをぶつける。

「ぅ、ぁあッ!」
かなり苦しそうな声――悲鳴といってもいいそれをあげて、ハダレが起きた。
特に今日はちょっとばかりの嫉妬を覚えている。少しきついくらいの気付けなのは想像に難くない。
「ぁ……、……?」
すぐ自分の真上で微笑みかける拘束男が誰なのか――また、この場がどういう場なのか
咄嗟に思い出せないと言うように曖昧な声で呻くハダレ。
その寝起きのような様が、素直に可愛いと感じられて――拘束男は軽く口付けた。


15 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:28:02 ID:7Wqy11zy0
上下逆さまで、しかも鉄の枠に無理矢理首を突っ込んでいる状態なので、やりにくいことこの上ない。
少しかさつく唇を食むように舐め、ちょびっと舌を突っ込んで、それだけで顔を上げる。
「……ん…!」
その時ハダレが異変に気付いて、目を見開いた。今度こそ覚醒したようだ。
もう暴れるほどの体力も気力も無いはずだが、先ほど主人の唇を噛み切った事を思い返せば、
ベストなタイミングで唇を離したと言えるだろう。
「おはよ。って言っても何時間もたってないけど」
「……っ…」
「声が枯れちゃってますよぉ」
拘束男は左側から回りこんで、ハダレの耳に唇を寄せた。囁く。
「そんなにヨかった?」

刹那、ハダレの左眼が睨むような微妙な様相を見せ――そして、翳された白い器具を見て、
怯えたような、ぎょっとしたような光がよぎる。幾分、素直になったようだ。
拘束男はゆっくりと身体を引いた。そして主人に語りかける。
「どうしましょー、なんか怯えられちゃいました」
「そうか……それは悪いことをしたね」
カギロイは心底申し訳なさそうな声でハダレに言った。泰然とした態度は変わらないが。
こつ、こつと高い靴音を響かせ、ゆっくりとハダレの胴へと歩み寄りながら言葉を振り掛ける。
「確かに前立腺の開発にはエネマグラは有効だが、今さっきのやり方は君には合わなかったのかもしれないな。
 入荷したばかりの素材である君は、この場所に少なからず不安を覚えているだろうしな。
 そんな場所では思う存分よがることもできなかっただろう。
 さぞ――」
と、カギロイはそこで言葉を切って立ち止まる。ちょうど、ハダレの腰の辺りの位置から身体を見下ろすように。
そして優雅で伸びやかな仕草で、長く骨張り、重労働の経験のなさそうな美しい指を伸ばす。

16 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:28:57 ID:7Wqy11zy0

ゆっくりと差し伸べられた指先がハダレの腹を撫でたかと思うと、すぐに顔に差し向けられた。
口元に差し出されたそれを見て、青年が口を引き結んだ。顔を背ける。
「――さぞ、中途半端で苦しかっただろう?」
そう気遣うカギロイの表情は、完全に獲物を責め苛むことに快楽を得ている表情になっている。
差し出す指先にはハダレの放った白濁が絡みつき、独特のあの臭いを放っていた。

ハダレはその差し出された指の意図するところ――舐めろ、と言う意図は読み取れたが、従う気は無かった。
何が悲しくてせっかく出したものを再吸収しなければならないのだ。
従わなければ、また何か耐え難いことをされるのは分かっていた。だが、どうしても受け入れるのは憚られた。
じりじりと近付いてくるカギロイの人差し指と中指に絡みついた粘液を、目線だけ下げて見つめる。
出来ることなら睨みたかったが、そこまでの気力は無かった。

カギロイは全く臆することなくその指を擦り合わせながら、ハダレの唇へと近付ける。無言の催促が続く。
だが、無視する。
いよいよ強くなる青臭さに自分の物ながら眉が歪むが、唇を引き結んで狭い檻の中、精一杯顔を逆方向へ捻る。

「君のものだ。君が今さっきつけた汚れだ。君が今さっきまで玩具に弄ばれてイった時の精液だ。
 幼い頃習っただろう?後始末は自分ですること、と」
にち、と音を立てて、ついにそれが唇に擦り付けられた。
緊張した薄い肉に二本の指を滑らせ、まるで陰裂を愛撫するようになぞり上げる。
ハダレはなおも黙っていた。
軽口を叩く事も、噛み付くことも、睨むこともままならない現状で最も有効だと思われる反抗を続ける。

が、
「舐めろ」
「おごッ……!」
無理矢理唇を割られて舌の奥の奥まで指を突きこまれても黙っていられるほど、ハダレは自制を伴っていなかった。

17 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:29:42 ID:7Wqy11zy0
「ぅおっ…フ…かっ、ハァッ!」
喉の奥に指を突っ込まれ、えづく感覚を何度も味あわされる。
舌の根元を越え、滑らかな粘膜に指が到達した瞬間に反射的に締まる気管と、
押し上げるように竦む胃や肺が強く痛み、涙が滲む。それでも指は出て行かない。何度も繰り返し粘膜を嬲る。
「ふぁ…は、かはッ!は、ぅ」
カギロイはハダレの舌や頬の内側の粘膜をあえて避け、あえてその場所で指を拭った。
乾きかけた粘液の残骸のかけらまで、執拗に、粘っこくなすって落とす。
つるんと滑る、弾力の強いゼリーにも似た粘膜を突付くと、青年の体が面白いように仰け反った。
「…ッ……う!…」
しかし、エネマグラに弄ばれた身体に仰け反った姿勢を維持する体力など到底残ってはいなかった。
背中が跳ね上がった次の瞬間には力尽き、ばたんと派手な音を立てて落ちる。
その衝撃で、拘束男が用意して傍に置いておいたビン入りのローションの水面がたぷんと揺れた。

「……ッ!……!…、……」
文字通り息もつかせぬ責めに、ハダレの青灰色の瞳がぐるりとして見えなくなった。
それを見て、流石にカギロイが指を抜き出す。精液に代わってさらさらとした唾液にまみれた指を、
ハダレの肌で拭き、更に拘束男の差し出したお絞りで拭き、朦朧としたハダレを見下ろす。
だが、その視線にはゆらめく何かが映っている。
冷えた地面――獲物を、自らの熱で焦がすように暖めては悶えさせ、空気を震わせる――陽炎のような、欲が。
「起きろ」
パン、と乾いた音を立てて、ハダレの頬が張られた。一度ではない。
十度でもない。その間の、何度か程。
「…………ぁ……うっ!」
その途中でハダレは目覚めたが、カギロイは容赦なく振りかぶっていた分までハダレを引っ叩いた。
特に最後の一発は容赦なく、景気のいい音が部屋中に響き渡った。
その勢いたるや、カギロイの手が僅かに火照り、痺れた程だ。

18 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:30:13 ID:7Wqy11zy0
その腕を隠しながら、カギロイはハダレの頬に手を添え、視線を合わせさせた。
「分かったかい?君には抵抗する権利はあるが行使はさせない。
 抵抗した分だけ責め苦となって、君の調教に役立つだけだ」
「…………………」
「返事は?」
ハダレはぐったりと首を動かした。ぱさついた茶髪が散る。
――横の方向に。

「頭の切れる素材だと思っていたが、少し思い違いだったのかもしれないな」
一部始終をぼうっと眺めていた拘束男の耳に、ふと低い声が届いた。その調子に、はっと顔を上げる。
この(表面上は)穏やかな男がこういった低い声を出す時は、兎に角何か良くないことの前触れだ。
特に表面上は取り繕っている割に、内面は冷静ではなく、むしろ感情優先で動くこの主人は、
些細なことにもぷつんと堪忍袋の緒を切ってしまう。多分、強度は紙縒りとタメを張れる。
例えば部下の不始末に苛立っている時。
例えば拘束男に当たっている時。
そして、例えば他には――奴隷材料が、反抗した時。

「材料を檻から外してやれ」
「い……いいん、ですか?暴れるかもしれないですよぉ」
「暴れても私達の前ではどうということも無いだろう。やってやれ」

拘束男はなおも少し戸惑いつつも、素直に主人に従って動いた。
鉄枠から直接張り出した各所の枷を、拘束衣に似た衣装のポケットから取り出した鍵で一つ一つ外していく。
指錠や手枷、腿や足首や首まで巻かれたベルトの類まで全て外し終えると、
やっと檻自体の接合部を動かすことが出来る。
先ほど枷を外したいくつかの鍵よりもっと丈夫そうな鍵で檻の錠前を外すと、強固な檻がぐらりと揺れた。
ハダレの体が引っかからないように注意しながら持ち上げると、
先ほどまでハダレが暴れに暴れても解けなかった拘束が、部屋着でも脱ぐようにするんと抜けた。

19 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:31:13 ID:7Wqy11zy0

拘束男はふうふう言いながらその檻を脇にどけ、綺麗に折りたたんだ。
そして主人を振り仰ぐ。
「……あの、次……」
何となく恐れおののきながら伺いを立てると、カギロイは冷たく告げた。
「……お前は、ホトケの顔も三度までと言うことわざを知っているか」
「は?はぁ……」
唐突な問いに、拘束男は一瞬惑ったように高い声を上げた。が、すぐに思い返して応えた。
「ホトケ、ってあれですよねぇ。東方発祥の古宗教の聖者で、よくわかんないけど心広いんですよね。
 その人だって失礼な事を繰り返されるといい加減ぶち切れますよっていう諺だと記憶してますけど」
小首を傾げながら告げる拘束男に、カギロイは低く、冷然とした口調で言い放った。

「私は仏ではないのでね。二度目でもう限界が来た」
へ、と間の抜けた声を上げた拘束男をよそに、カギロイはハダレのぐったりした身体を
檻をのけた台に引き上げ、後頭部を鷲掴んで叩きつけるように押し付けた。ゴン、と硬い音が響いた。
「ッ、が……」
潰れた様な声を出すハダレの上半身には構わず、カギロイはハダレの脚を押し開き、
未だ乾きかけのローションでてらてらと光る尻を自分の方へ向かせる。
カギロイが何を考えているのか考える余裕も無いハダレは、この期に及んでももがいているだけだ。
――しかも、無意識にか自分から逃れようと前方に。

それがまた腹立たしい。
カギロイはとうに痺れの切れた右手を振りかぶり――目の前の尻たぶに振り下ろした!
「ッ!」
背が跳ね上がり、肩甲骨や背骨の陰影が一瞬濃くなる。
頬を張ったときよりも数段いい音を立てて、ハダレの尻に薄赤い手形が付いた。

20 名前:代理戦争:2006/10/29(日) 17:31:55 ID:7Wqy11zy0
「逃げるな」
カギロイはもう一発尻に平手を落とすと、自分の前を寛げた。
先ほどから支配欲を強く感じていた影響か、それともハダレが奴隷に似ているからか――恐ろしいほど昂っている。
それを赤く染まった両尻のたぶの間に埋め、割れ目を擦り上げた。
ハダレの会陰から割れ目の終わりまでをぬるりと撫でると、そこで初めて正気に返ったように青年が振り返った。

――もう、何をしようとしているかは明白だった。
「……ッあ……!?」
愕然とした声を上げると、ハダレは何とか逃れようと暴れた。
意思とは逆に垂れ下がる手足で台を掴み、腰をくねらせて掴む腕を振り払おうとする。

何故流されてはいけないのか、説明しろといわれてもできないほどハダレは疲弊していた。
とにかくその行為は取り返しの付かないことなのだ、とぼんやり認識しているだけだった。
だが、行動するにはその程度の動機付けで十分だった。
ハダレは恥も外聞も無く暴れて、触れるもの全てを拒み続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
が、すぐに体力が尽きて抵抗は終わりを次げた。
前よりもぐったりとした肢体をカギロイは抱き、罰だといわんばかりに囁く。
「ウスライの方がいいか」

「……ッス……ラィ…」
ハダレはぼんやりとした口調で、聞こえたとおりに繰り返し――はっとしたように、小さな声を上げた。
それを遮って、カギロイが哀れみを加えた声で告げた。
「そうだ。ウスライだ。君と行動していた、俺の弟だ。君は奴に入れ込んでるようだが、
 護られている途中に抱かれでもしたのかね?」


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