- 611 名前:隣家の兄弟 1/7:2006/11/24(金) 12:15:45 ID:9Itol8o/0
- 「そう………後、一年も。うん、分かった元気でね」
「ヨーロッパ滞在、一年延長。うちにも、昨日、速達メールで、届いた」
冬彦は聞こえないふりをして、黙って受話器を置いた。
フックがかかる音と共に、遠い海外との両親の絆はとぎれた。
応接間にいるのは、衣服を纏う事を許されずに佇む冬彦と、そして隣家の志水暁だけだった。
ソファに体育座りし、背をだらしなく丸めて、暁は小さな機器をいじっている。
派手で卑猥な色をしたそれが何かは、冬彦がよく分かっている。
今現在、冬彦の中に咥えられている………バイブレーターのリモコンだった。
幼少時は昆虫や小魚類などを「解剖」しては、目に危険な光を灯らせていた暁。
もっぱら今の興味は、コイルやプラスチックの部品。
機械油にまみれた手で、朝も昼も分厚いメガネの奥から、ボサボサ髪をかきかき、研究に励むのだ。
冬彦を苦しめるために。
「また、よろしく。お隣さん。山咲、冬彦君。一年間、といわず、今後とも………」
飄々と挨拶する暁に、冬彦は憎憎しげな瞳を向けた。
誰が、お前なんかにっ! そう怒鳴ってやりたい気持ちを堪える。
冬彦の内では淫靡な振動を伴って、性具は動きつづけていた。
電話の間リモコンをもてあそばれはしなかったが、これからたっぷりと暁はいたぶるだろう。
口答えでもすれば、それこそ嬉々とした様子を隠さずに。
- 612 名前:隣家の兄弟 2/7:2006/11/24(金) 12:16:24 ID:9Itol8o/0
- 唇を結ぶ冬彦の耳に、パチンと止める音が届いた。
スイッチの一つを指で押しこみながら、暁は小さく「できた」と紡ぐ。
言葉が空気を渡るか、渡らないかの内に、バイブレーターの動きは変化した。
単調な振動だったものに、先端の首がくねくねとうごめく刺激が加わる。
微弱さに耐えつづけてきた冬彦は、唐突にかき回され、たまらず背を反らした。
「ぅ、うぁっ………」
顔を歪め、棒立ちになる冬彦を、にやにやと眺めながら暁はリモコンを離れた机上に置いた。
「冬彦君が、かわいそう、だから、小声で、説明、します」
「………なに? 聞こえないっ………ぁああっ」
怒鳴り返した冬彦を叱るかのように、内をいたぶる動きは、強く、早まった。
ビクン、ビクンと大きく身体が震え、最奥から広がる熱の存在を、嫌でも自覚しなければならなかった。
「音声に、反応する装置、取り付け、完了。声紋パターン、つまり、声の主は、こだわらず、人の声なら、勝手に、高めます。刺激」
一単語ごとに区切る暁の声が、徐々に冬彦をなぶる動きを強めていった。
体内の熱が伝わり、人肌にぬくまった性具は、まるで白く濁った暁の舌が、直接そこを責めているようで………冬彦は嫌悪感に身震いした。
だが、その憎しみも、冬彦の身体を小刻みに揺らして止まない道具によって。
背をかけのぼる微弱な電気によって。
目を閉じても迫ってくる、意識を染める白いもやによって。薄れさせられる。
身体が意思のままにならない。空いた口の端から、だらしなく流れ出す唾液。
膝を床につき、刺激から逃れようとする、尻をつきあげたみだらな体勢。
「あ、そうだ」
思い出した暁が、手を打つ音の方が、よっぽど大きかった。
それでもどんな小さな声にも反応し、バイブレーターはうなりを増した。
- 613 名前:隣家の兄弟 3/7:2006/11/24(金) 12:17:19 ID:9Itol8o/0
- 「ッ、ァアアア!」
耐え切れず、胸を突き上げた冬彦は、喘ぎ、そして、ぐったりと上半身を床に倒した。
自分の喘ぎ声が、最も刺激を高めてしまった事は、言うまでもなく冬彦自身が知っていた。
「進夜兄が、今日で引退、柔道部。明日、ささやかながら、三人で、夕食会、開こうかと。山咲家の会場。一年、延長の、お付き合い、親睦も兼ねて。材料、台所、見て来ます」
説明的な暁の内容を、冬彦はほとんど聞いていなかった。いや、聞けなかった。
振動の上に回転も加わり、くねる先端は、冬彦の内壁を縦横無尽に蹂躙した。
全身の動きは………おそらく改造によって、基準値以上に手を加えられているのだろう。
冬彦は責めたてる性具から逃れようと身をよじるが、採寸の上に特注されたそれは、喘ぎに震えながら行なう筋肉の収縮程度では、外れなかった。
もちろん周到な暁は、すでに冬彦の両手首をコードで縛っていた。
口元によだれの白い跡を残し、目に涙を浮べながら冬彦は懇願する。
「………っ、抜いて………外して行って………」
「聞こえ、ません」
意地悪く言う暁の、メガネが白く光った。
「これ………お願い、外して………もう、だめ………ッ、アア、ッ、ク、アッ」
身をよじり、次々背を渡って訪れる波に耐えながら、冬彦は必死で言葉を紡いだ。
「十分間、沈黙。それで、動きは、ストップします。とは言え、電源は、点いたまま。音声認識は、健在。意味は、理解………? してますね。
じゃ、見てきます。野菜室に、レタスは、あった、でしょうか」
「―――ッ!」
涙と殺した喘ぎで言葉にならない声。
白くにじんでぼやけた視界の中、暁の姿は廊下に消えた。
残ったのは音も立てずに、うごめきつづける性具と、それに責め立てられる冬彦だけだった。
- 614 名前:隣家の兄弟 4/7:2006/11/24(金) 12:18:10 ID:9Itol8o/0
- 冬彦の両親と、隣人の志水家の両親の転勤先は、ヨーロッパの同じ地方だった。
これ幸いと、隣家協力の心得を教え込み、冬彦と、志水家の兄弟は、日本に残された。
半年前の事だ。
冬彦はせいぜい、夕食のおかずを交換したり、台風が来た時協力体制を取ったり、その程度だと思っていた。
幼少時は竹馬の友と言わんばかりにベッタリだったが、今はそれぞれ学校生活に忙しい。
柔道部の主将である進夜は、夜遅く帰宅する、玄関の引き戸の音で、存在が確認できるほどだった。
手先の器用な暁は、たびたび手作りの菓子やら、作りすぎた鍋料理を持って来た。
幼い頃は、「解剖」済みの昆虫を無理やり渡され、嫌な記憶ばかりだった。
それでも、料理の出来は、舌鼓を打つほど素晴らしいものであった。
いつしか、鍋を手に訪れる暁の姿は天使にも見えていた。野菜炒めも満足に作れない冬彦にとっては。
だから、テレビの調子がおかしい時、気安く頼んでしまった。
玄関先で済ましていた暁への態度を、家へあげるまでに許してしまった。
それが、間違えだった。
背を向けテレビの説明をしている間に、冬彦は意識を失った。
改造スタンガンによるものだと、後で分かった。
- 615 名前:隣家の兄弟 5/7:2006/11/24(金) 12:19:05 ID:9Itol8o/0
- 気がつけば衣服を全て剥がれ、屈辱的な体位で縛られていた。
「記念、撮影」と暁は写真を撮っていた。そして脅されるままに、陵辱された。
二度目は、写真と引き換えに、身体をあけ渡した。
しかし終わりではなかった。
腸内と口内に白濁液の粘りを残した冬彦が見たのは、応接間の時計の裏、机の下、ソファの合間から隠しカメラを回収する、暁の姿だったのだ。
新しいスナップを満足そうに眺め、暁は永久的な脅迫を突きつけた。
冬彦は悪しき連鎖を断ち切ろうとしたが、無駄だった。
カメラは毎回位置を変え、応接間以外に場所を移すと、暁の腕時計に仕込まれたものや、制服のボタンに隠されたカメラが、シャッターをきった。
総計の写真が何枚になるかなど、冬彦は考えたくもなかった。
ただもう言いなりになる日々の中で、唯一の希望は両親が戻ってくる事だった。
だがそれも、今日奪われた。一年、後、一年も耐えつづけなくてはならないのだ。
その前に自分は壊れてしまうだろう、と自虐的に考える冬彦は、弱い自身を良く知っていた。
- 616 名前:隣家の兄弟 6/7:2006/11/24(金) 12:24:42 ID:9Itol8o/0
- 「明日、午前中に、買物。午後から、調理。進夜兄は、昼過ぎまで、部の追い出し会。………レタスを、もう、一つ」
メモをとりながら、暁が戻って来る。うつろな表情のまま、冬彦は身を起こした。
苦悶の汗でじっとりしている身体は、毛の深い絨毯では吸い取られず、未だ冬彦の全身を扇情的にぬらしていた。
応接間の扉を閉めた暁は、口を閉ざし、黙ってリモコンの電源を切り、拘束を解いた。
それは別に、冬彦の救いでも何でもなかった。
いや、苦しみの時間の開幕を告げるも同義であった。
暁は冬彦の背後に歩み寄り、無造作に後孔をふさぐバイブレーターを抜き去った。
「………っ………ふ、ぁぁ」
腹部を違和感でふさぐ硬い異物が抜き去られ、安堵に冬彦は声をあげた。
「大分、慣れたというもの。尻穴の形で、分かる。快楽、覚えてきた。後孔ひくつき方で、見える。冬彦君、君、淫乱」
「………な、なっ!」
薄い笑いを浮かべながら、恥辱的な言葉を投げかける暁。
責め具から解き放たれた冬彦は、今こそ反抗しようと振り返る。
だが、勢いのよさは、制服の下衣のファスナーを下げ、暁がたぎるペニスを出した所で、失われた。
「手の平と、膝と、床に、突いて」
命令は下され、四つんばいになりながら、冬彦は歯を噛みしめた。
逆らえば、写真をばらまく。
もう何十枚、いや何百枚にものぼっている。二者の暗黙の了解だった。
- 617 名前:隣家の兄弟 7/7:2006/11/24(金) 12:25:40 ID:9Itol8o/0
- 「ぐ、っっ………ん」
すぼまりを割り、入ってくる熱いペニスの感覚は、何度犯されても慣れない。
筋肉が限界まで伸ばされる苦痛に、冬彦はうめいた。額には脂汗が浮いている。
苦悶を意に介す様子はなく、暁は腰を動かし、深く押し入れる。
油ぎった手で、冬彦の尻を触り、裏腿をさする。
嫌悪感に、冬彦の首筋に、ぞわぞわと鳥肌が立った。
けれど、決して苦しむ顔は見せない。顔の表皮直前で止める。それが冬彦に残された最後の矜持であった。
そして、快楽と恍惚の演技を見せれば、暁の責めはすぐに終るのだと、半年に渡る経験で、冬彦は得ていた。
くぐもった音を聞き、熱を持った生き物に内壁を蹂躙される感覚を、作った喘ぎで流しながら………冬彦は一つの決意をしていた。
もう、耐えられない。こんな日々がつづくのは。
相談しよう。暁の兄、進夜に。
冬彦の言う事に、真剣に耳を傾けてくれそうな、唯一の人物でもあった。
進夜なら、きっと何とかしてくれる。
幼い頃、暁に虫の死骸を突きつけられ、泣いていた冬彦を助けてくれた。
暁を叱りとばし、冬彦の頭をなでて、泣くなよと言ってくれた進夜。
今でも、暁の事を考え憂鬱な顔をしている朝など、ジョギング中の姿で、声をかけてくれる。
頼もしい、隣家の逞しい兄貴。
明日、彼に話して―――全て終わりにしてやる………っ!
冬彦が唇を強く結ぶのと同時に、内に熱いほとばしりが起こった。
- 618 名前:風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 13:50:05 ID:5dLyNGz50
- >冬彦の両親と、隣人の志水家の両親の転勤先は、ヨーロッパの同じ地方だった。
>これ幸いと、隣家協力の心得を教え込み、冬彦と、志水家の兄弟は、日本に残された
ヘヴォンテンプレ設定キターッ!!!!
携帯サイトでやったほうがいいって。
- 619 名前:風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 14:31:25 ID:4NFxEld60
- うわー、更に墓穴掘りそうな楽しい予感が。
兄弟攻めですかねー、わくわく。
- 620 名前:風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 15:20:11 ID:4NFxEld60
- 柔道部だから押さえ込み上手そうだなぁ。
二輪希望。
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