- 721 名前:金色3:2007/01/29(月) 23:16:21 ID:9chKKLd20
まともなら、の も のあたりで奴はボロボロ泣き出した。
先が読めたってことはあれだ、自覚があったんだ自覚が。
ざまあみろって思った反面、やっちまったなとも思った。
なにが罰は当たらないだ20秒前の俺。この面倒ごとが罰以外のなんだって言うんだろう。
奴はボロボロなきながらシャワー室に引っ込み、部員は俺に非難の視線を浴びせる。
泣ーかしたー泣ーかしたー。なーがせーがー泣ーかしたー。
小学校か此処は。先生に言ってやろうにも先生が泣いてるんじゃしょうがない。
「わかったよ、慰めてくればいいんだろ」
「長瀬が行ったらもっと泣くんじゃない?」
「心の傷に塩塗りそう」
「ある意味自殺幇助」
「言ってろよ」
俺は仕方なく外見年齢精神年齢十代の、実年齢だけ二十後半のアホの世話をしに行ったのです。
「だ・・・・っ、だからですね、なばせく、な、長瀬くんが」
「はい」
「皆がね、いわ、言わなにでくれていゆ事をですね」
「センセ、鼻水」
「いって、ひぐ、言ってしまうのは、それわ、長瀬くんの心が」
ボロボロ泣きながら阿呆は説教を垂れだした。ウザいの通り越して哀れだ。
「ささくれて、いるからだとおもうんです」
「センセ、発音全部ひらがな」
「ナニかなやみが在るのなら、ぼく、ぼくききますから」
「部活の顧問が泣き止みません」
「なん・・・ひぃっく、な、何でも言ってくれてですねぇ・・・っ」
何処からの電波を受信してるんだろう。確かに俺は捻くれているけどこれは素だ。
悩みなんかありはしない。
- 722 名前:金色4:2007/01/29(月) 23:17:23 ID:9chKKLd20
- でもコレは何か言わないと泣き止まないって思ったから適当に話した。
彼女のこと。
まだ手も繋いでいないんです
キスもしたこと無いんです
俺、童貞なんです。
悩んではいなかったんだけど、これしか思いつかないときた
なんで本当のことなんか話したんだろう。馬鹿か俺は。
馬鹿で阿呆で泣き虫のダメガネはぼくで試してくれて結構ですと言った。
ぼくを抱いて、それで自信を付けてくださいと言った。
何を馬鹿なと思ったけどフェラされたら勃った。
俺はどうしようもなく若かったんだな。
ここまでで回想はおしまい。
カランコロンと鈴の音を立てて喫茶店の扉が閉まる。
なのに阿呆の泣き声は俺の耳について離れない。
何時だって悪いのは俺なんだろう?俺が悪いんだろう?
外はすっかり暗くなっていた。冬の夜は早い。
俺はタバコをふかしながら家路を急ぐ。
- 723 名前:金色4:2007/01/29(月) 23:18:10 ID:9chKKLd20
ずるずると10年たった今でも、あいつは俺の言葉ですぐに泣く。
泣きたいのはこっちだ。
マネージャーだった彼女は小さなブランドの支店長になって、相変わらずマネージャーだ。
そして相変わらず俺の彼女で、来月俺の妻になる。
メガネと彼女だと彼女のほうがうんと大切で、俺が別れたいと言う度にメガネは泣いた。
泣かれたらセックスして有耶無耶にするしか術を知らないんだ俺は。
だってお前はそれしか教えてくれなかっただろう。
まっさらな童貞処女カップルに恋愛のなんたるかを吹き込んだのはお前だろう
記念日には何を贈ればいいとか期限が悪いときはこうあやせばいいとか
でもタチの悪い愛人を切るやり方なんて教えちゃくれなかった。
それどころかメガネはたまに、やけに自信たっぷりに言った。
「いつか女の子よりぼくの方がいいって言うんです、長瀬くんは」
外見が10年間ちっとも老けないエイリアンは思考回路もエイリアン。
まるでついていけない。
セックスの途中に好きかと聞かれて一貫して美香(彼女)のほうが好きと答え続けたのに
俺の努力は実を結ばなかった。
あいつの耳には都合のいいフィルターがかかってる。きっと凄く高性の
がつん
- 724 名前:金色6:2007/01/29(月) 23:19:55 ID:9chKKLd20
- と、衝撃に続けて鈍い音がして何かと思ったら俺の頭が地面に叩きつけられた音だった。
頭蓋骨がびりびりする。後ろから殴られた。誰だ。簡単だ。
メガネは泣きはらして目の周りを真っ赤にして、同じく先端が真っ赤になった金属バットを持って佇んでる。
笑えねぇ笑えねぇよ好きだからってバットがか。どんなフェティシズムだふざけるんじゃねぇぞ。
頭の周りがどくどくと暖かくなる。死にたくない。
「長瀬くんは死にません」
あたりまえだ。
男と痴話喧嘩で死にたくない。俺は結婚するんだ。
カランと音をたててバットが転がる。
人通りが少ないのをいいことに阿呆は血まみれの俺にキスをする。
「捨てないで」
「死ね」
「好きだって言って」
「消えろ」
ばっくり裂けたこめかみに歯を立てられて俺の体は震えた。
泣きながらいじらしい言葉を繰り返すのにやってることは悪魔だ。傷口を抉る。血が止まらない。
ひっくひっくとしゃくり上げながら俺のTシャツを捲り上げる。
勿論俺は抵抗する。奴に対する罪悪感とかそんなモンはとうに四散。
今はただ只管殺される殺される殺された後に犯されるか犯された後に殺されるかどっちも冗談じゃねえ笑えもしねえと
そればっかりが血の足りない頭の中かけめぐって正しく必死だ。
後頭部の毛を鷲掴んで引き離そうとしたら顔面に拳が降ってきた。
やけに重い。石かなんか握ってやがる。二、三発殴られただけで抵抗する気さえ削げた。
もういいや。肩から上ばっかり異常に痛い。もう殺せ。知るか。
- 725 名前:金色7:2007/01/29(月) 23:20:40 ID:9chKKLd20
「好きだって言って下さいよぉ」
俺の体にのしかかってくる糞野郎。
血の泡を噴きそうな唇にキス。情欲を煽る様な深いものに変わって、俺を置いてきぼりに手前ばっか興奮していきやがる。
「長瀬くん、ながせくん」
捲り上げられたシャツ、鎖骨にぬらりと舌が這って気持ち悪い。前までは気持ちよかったけど気持ち悪い。
へその下にはぁはぁと吐息があたって、気に入りのリーバイスのジッパーが下がる音が聞えて。
「やめろ、糞、さわんな」
もう少し動くだけでも眩暈がする。頭が痛い。奴の肩口をぐいと押したつもりの腕は
反作用でぐいと押し戻されて、背中からべしゃりと赤い湖にただいました。
「だいすきです」
ぴちゃぴちゃと舐める音。気持ちがいい。糞。こんなに出血してんのに律儀に勃ち上がる俺の息子。
やめろ、と切れ切れに非難すると歯を立てられた。死ぬほど痛い。
もう嫌だ。放せ。舐めんな。畜生痛い笑えもしない
歯がカリの下に食い込んで喰われるかと思った、痛いなんてモンじゃない。
飛んでくれるかと期待したのに下半身と上半身の状態が違いすぎて鮮明になる俺の意識。
痛い。死ね。痛い。気持ちいい。痛い。嫌だ、イタイ。でる。いやだ。いやだ。いたいいたいいいたい
いつの間にか野郎は俺のものをケツの奥まで銜え込んで腰をぐいんぐいん振っていた。
「ね、愛してるって、いって、あいしてる あいしてる。
ね、ながせくん あいしてます ながせく」
「・・っひ、・・・・んあ、愛してる、から、放して、愛し、あ」
「ながせくん、ながせくん、あぁ、だいすき、大好きぃ・・・っ」
- 726 名前:金色・了:2007/01/29(月) 23:21:17 ID:9chKKLd20
やりたいほうだい俺にぶっ掛けてほうと一息つくと、
「ぼくも愛してます長瀬くん。」とうっとりした顔で言って
俺の唇についた精液を舐めた。
にこにこと笑いながら俺の体を清める。
痛いですね可哀相に、なんて言いながら自前のハンドタオルで血痕をふき取る。
「明日はお暇ですか。ぼく、観たい映画があるんです。」
じゃあメールしますね、なんていって奴は俺に背を向けた。
ふざけんな。頑張れ俺。全身全霊で体を起こして俺は
側に転がってる金属バットのグリップを握った。
- 727 名前:風と木の名無しさん:2007/01/30(火) 00:44:15 ID:InZrMO1rO
- 金色たんGJ!
てか むしろ主人公GJw
電波な鬼畜受けも怖いなー。
- 728 名前:風と木の名無しさん:2007/01/30(火) 01:05:01 ID:n4sg5Rkv0
- 妙な勢いと凄みがあるな、金色さん乙。
メガネがやけに怖い。
- 729 名前:風と木の名無しさん:2007/01/30(火) 01:36:49 ID:nsJ3pUNh0
- 怖いけど確かに鬼畜だ。GJ!
この勢いは好きだ。
- 730 名前:風と木の名無しさん:2007/01/30(火) 07:23:07 ID:4RuSi6AxO
- 電波は叩きが発生して荒らし呼ばわりされるから、続きは棚に投下した方がいいよ。
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