- 671 :八百一陰陽師・攻めの巻 参 1/3:2007/02/27(火) 14:25:45 ID:cbBX2Xap0
- 投下します。
暴力描写がありますので、その辺苦手な方はスルーしてください。
「……っ…………ぃ、…………ぃ…」
大分冷たさを増してきた夜風が、のた打ち回る大きな影と、それを見下ろす男をさぁっと撫でた。
かすかに木の葉が擦れる音が、地べたに伏した影の漏らすうめき声を隠すようにさわさわと鳴る。
影――つまり、浅黒い肌を震わせている鬼は、聞くも哀れな声音で啼いていた。
たとえば、置き去りにされた飼い犬のような。思わず手を差し伸べざるを得ないような、かすれ声で。
だが、傍らに佇む陰陽師はそれを鼻で笑うと、つま先で鬼の尻孔を蹴り上げた。
「ぎゃ、っ!」
人体――と言っていいのか分からないが、それの急所中の急所を無慈悲に蹴られ、
鬼は未だ蛟に縛られたままの体を前へ前へとのたうたせた。
「ひ、……ぃ、いっ……!」
黒い縄のような蛟からむちむちとした筋肉をはみ出させ、精悍な顔つきをした大の鬼が、
毛虫でも見た女子のように情けない細い悲鳴を上げながらあとずさるのを見るのはなかなか面白い。
最初は大貴族の屋敷を夜な夜な荒らしまわり、町の人々を怯えさせていたというのに、
今は墨を含んだ筆一本をちらつかせただけで狼狽する。
力技では到底かないそうもない優男の陰陽師相手に、何もできずに蹴られ、嬲られるしかない鬼のその姿は、
生来の嗜虐者である陰陽師を久方ぶりに勃起させるのに相応しいほど惨めで哀れだった。
だが、陰陽師の肉棒は厚い衣に隠されているので鬼にはどうなっているかなどわからない。
そもそも、その様な余裕などなかった。
腸に――というか、内部に――たっぷりと染み渡った蛟の毒が五臓を焼く。
腹が痛くて仕方ないが、体は強く戒められていてほとんど動かすことができない。
動いたところで逃れられるものでもなかろうが、最早堪える吐息もつけない鬼には何より辛い。
- 672 :八百一陰陽師・攻めの巻 参 2/3:2007/02/27(火) 14:26:35 ID:cbBX2Xap0
- ――このまま、毒に浸されて自分は溶け消え、紙くずとなるのだろうか?
ふと、そのような考えが鬼の脳裏をよぎった。だが、それもいいかもしれない。
自分は主人が誰なのかを言うことなく、秘密を守り通して命を全うする。かりそめの命は消える。紙切れは朽ちる。
が、散々甚振られて熱を持った尻穴に押し当てられる灼熱を感じて、鬼はぎょっとして体をよじった。
視線の先では、何匹もの蛟を辺りに呼び出し、鬼の体を固定して身の安全を確保した陰陽師が、
鬼の棍棒すら適わないほどの逞しく滾った肉棒を鬼の尻に擦り付けていた。
その恐ろしいほどの大きさと熱さに、思わず鬼も全身を硬直させる。
「……ひ…」
「流石の鬼も、尻を犯されるのは怖いと見える。まるでおぼこ娘のようだな」
ずるりと滑った陰陽師自身が、鬼の尻孔を掠める。が、鬼は荒い息の間に告げた。
「お、……お前、…も、毒、……浴び、る事……に……」
鬼の尻孔は確かに解れていはいたが、それは蛟の体積と毒のせいだ。
逆に言えば、その狭い穴は毒の壷と化しており、到底人が生身のそれを入れて無事ですむものではない。
射精するまでに融けてなくなってしまう心配が必要なほどの毒だからこそ、鬼もこれほど苦しんだのだ。
どんなに優れていても、陰陽師は人間に違いはない。
その大事なものが溶けても構わないならばやってみるがよい。そのくらいの心意気で、鬼は陰陽師を睨んだ。
- 673 :八百一陰陽師・攻めの巻 参 3/3:2007/02/27(火) 14:27:32 ID:cbBX2Xap0
- だが不思議なことに、あふれ出す蛟の毒に触れても陰陽師は全く反応しない。
それどころか、いくら肌と肌が触れ合っても液体がまとわりつく音がする気配もない。
「全く、お前の主人はお前を生み出す時に脳みそを作るのを忘れたのではないか?」
不敵に笑みながら、陰陽師は鬼の肌をなでた。その手のひらが汗で汚れる気配はなく、毒に焼ける様子もない。
「お前の体に起きていることは、私がお前の札に筆で描いて起こしたことだ。
札に触れぬ限り、お前に毒が降ろうが燃え盛ろうが私にかかわることではない」
鬼は戦慄した。
その為に――その為に、この男は一番最初に自分の複製を作っていたのだ。
「さて、それではあいつ自慢の式神の具合を試させて頂こうか」
鬼は精一杯もがいたが、体の重要な関節は全て蛇や蛟が押さえつけていて満足に動くこともできない。
それどころか必死に閉じようとする尻孔をこじ開け、陰陽師が入りやすいように広げる物すらいる。どうしようもない。
陰陽師の自身が肉の穴に触れ――狙いを定め――押し当てられ――そして、こじ開けた。
鬼の指先が射抜かれた鹿のように震え、くたりとへたった。
―――ここまでです。
あと一回で終わります。
- 674 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 14:53:38 ID:vCm3aW8Q0
- 陰陽師たん乙!
まさに鬼畜GJ!次も楽しみにまってるよ!
- 675 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 14:56:06 ID:VecwwJD5O
- 存在忘れてたよ…
久々過ぎて読む気しねぇ
取りあえずは陰陽師乙。
- 676 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 15:05:11 ID:TXYr+7+O0
- 鬼畜陰陽師と哀れな鬼の対比が禿モエス
GJです
- 677 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 15:05:35 ID:GP9ZErwW0
- こんな荒れてるときに投下できるなんてよっぽど自信があるんですねぇー。
アテクシの萌えSSで荒れたスレを癒してあげるとか思ってんじゃねーよ。
- 678 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 15:06:12 ID:/b8AAbwg0
- 陰陽師さん乙!
鬼より鬼畜な陰陽師いい
- 679 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 15:18:49 ID:GP9ZErwW0
- 陰陽師だと皆いっせいに乙するわけね。
スレの空気換えたくて必死だなぁ。
- 680 :風と木の名無しさん:2007/02/27(火) 15:43:15 ID:HuWK7JLM0
- 陰陽師は好きじゃないよ?好き嫌い分かれる作風だと思う。
675 も言ってるが「とりあえず」って感じ。
荒れてる時に勇気をもって(単に図々しいだけかもだが)、
続きを投下してくれたら乙ぐらい言うべきかと。
まあ終わりやめでたしには乙しなかったわけだが。
一応陰陽師は隔離ではないって事になってるから乙しやすいんだよ。
乙です。
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