海坊主-香

それは一瞬の出来事だった。
人通りの多い道で香は突然、男に手をつかまれ車に引きずり込まれた。

「リョウに知らせるより追いかけた方が早いか」
買い出し中、たまたまそれを目撃した海坊主はすぐに後を追った。

敵は人数こそいたものの大したことはなく、香を連れ去った理由も『リョウをおびき出すため』
香はケガもしておらず元気なようだった・・・だがリーダー格の男が最後に言った言葉が気にかかる。

「くくく、その女にはある薬を与えた・・・悪魔の薬をもとに作ったものだ。どんな効果があるか
 楽しみにすることだな・・・」
「なにっ!!香に何をした?答えろっ!」
しかし男はすでに事切れており答えを聞くことはできなかった。

「香 体は何ともないか?」
「うん、大丈夫。海坊主さん、助けに来てくれてありがとう。こんな奴らに連れ去られるなんて
 あたしってなさけないなぁ」
すまなそうな顔をする香、海坊主はいつもの調子で答える。
「フンッ。たまたま通りかかっただけだ」
(今の所、薬は効いていないようだが、早く教授に診てもらったほうがよさそうだな)

男達のアジトである高層ビルの最上階から下へ降りるためエレベーターに乗り込んだ2人。
エレベーターが動き出した・・・・その時!

ガタンッ!!
突然明かりが消え、エレベーターが止まった。
「きゃあっ 停電?」
「くそっ」
(罠か?早く戻るためにエレベーターに乗ったのがアダとなったか)

「香、落ち着け、脱出するぞ」
「・・・・・・・・・・・」
香の返事はなく、代わりにパサリと布が床へ落ちる音が響く。

「香?どうした?!」
「・・・・・・・・・・・」
またもやパサリと響く音。

「まさか!あいつが言っていた薬が効いてきたのか?」
あわてて香のもとへ駆け寄ると、そこには焦点があわず潤んだ瞳をした香が
一糸まとわぬ姿で立っていた。
「か・・・かおりっ!!おまえ」
みるみるうちに頭まで真っ赤になって倒れこむ海坊主。

普段からは考えられないような悩ましい表情をした香が、倒れこんだ海坊主の
腹の上にまたがったかと思うと硬直状態の海坊主の口に唇を落とした。
「んっ・・・・はぁっ」
くちゅりと舌を差し込み、口の中をなぞるように舌を動かす。

硬直したまま呆然としていた海坊主であったが、我に帰り考える。
(香がこんな事をするはずがない。まさか・・・薬とは催淫剤か??)
考え事をしている間にもうごめく香の舌。流れて込んでくる唾液と、ふるふると揺れ自分の体に当たる
たわわな乳房に今度は理性が飛びそうになる。
(ううっ いかん!!)
香を跳ね除けようと腕に力を込めた海坊主。だが、香の体を押しのけることができない。
それどころか鉄の塊に押さえつけられているかのようなすごい力で香に押さえ込まれる。
(この尋常ではない力は・・・一体?!)

このまま香のなすがままになるわけにはいかない。
抵抗を試みる海坊主だが、香はおかまいなしにスルスルと海坊主の服を脱がしてゆく。
「くそっ これ以上力を入れたら香の骨が折れちまう・・・」

そうこうしているうちにあらわになった胸板に手を這わせ、唇を這わせる香。
官能的な動きで海坊主の耳の中へ舌を侵入させる。
ピチャピチャと直接耳に響く、水音がいららしい。
香が動くたびに白い乳房が、腕に、わき腹に、そして顔に当たる。
乳房がぷるるっと顔面をかすめたとき・・・海坊主の中で何かがはじけた。

白桃のような乳房の先をくわえ、吸い上げる。
「あっ・・・・・ん」
と切なそうな声を上げる香。もう片方の乳房を揉みしだき、先端をつまみ上げる。
「はぁんっ」
負けじとばかりに、海坊主の下半身に手を伸ばす香。
すでに大きく立ち上がった海坊主のモノにゆるゆると触れ、太ももの内側を舌ですーっとなぞる。
「うっ、いかん、香。どこでそんな事覚えたんだっ」
理性が飛んでいた海坊主であったが、あまりに驚き、香を問いただす。

しかし薬で意識が朦朧とした状態の香は、答える代わりに、パクっと海坊主のモノを咥えた。
そして先端を口に含んだまま、海坊主の顔の上にまたがり69の体勢になった。

香のそこは触れられてもいないのに、すでに潤んでおり女の香りを放っていた。
潤んだ割れ目にすーっと舌を這わせると女の体がビクンとはねた。
花弁をかきわけ、舌を中へ差し込むと吸い込まれるような感覚がおそう。
「んんっ・・・・はぁん」
香が口に海坊主のモノをくわえたまま、声を上げる。

海坊主はさらに香の敏感な部分を舌でなぞり、吸い上げた。
「あっ ああん・・・んんっ」
激しい愛撫に香は足に力が入らないのか、膝がガクガクと揺れ、ついには崩れ落ちた。
海坊主の顔面に下半身が密着した状態となり、さらに刺激が強くなる。
「はぁ ああん、んんっ」
香がたまらず声を上げる。蜜があふれ、花芯は赤く膨張し、香の体もピンクに染まる。

誘惑に負けて、こともあろうに『もっこり男』のパートナーに手を出した形になってしまった海坊主であったが
(このまま香がイケば、薬の効果が切れてくれるだろうか?)
快楽の波に流されつつも、最後までするわけにはいかん!と思考をめぐらせる。

このまま果てるかに思われた香であったが、突然起き上がると騎乗位の体勢になり
熱くそそり立ったモノを、蜜壷に招き入れようとする。
「いかんっ!それだけはダメだ」
最後の理性を振り絞り叫ぶ海坊主。
「ふふっ入れなければいいのね・・・」
「香?」

すると、香は股に海坊主のモノを挟みこみ、前後に動き出した。
(かおりっ本当にどこでこんな事を覚えてきたんだ!)
ぬるぬると熱い香の割れ目は、海坊主のモノを包み込み吸い付くようだ。
「うっ・・・」
思わず声がもれる海坊主。大きく膨張したものが、よりいっそう硬く大きくなる。
一心不乱に動く香だが、動くたびに海坊主の硬いくびれの部分が敏感な部分を刺激する。
「あああああぁっ」
クチュクチュと卑猥な水音が響き、香のソコからは体液が次から次へとあふれ
海坊主の下腹部を濡らしてゆく。

海坊主は香の腰を押さえつけ激しく前後にゆすった。
「はぁあっああ・・・も、ダメ」
お互いに激しく熱い局部をこすり付け、汗が混じり合い、水音がより大きくなった瞬間。
「んっ、んっ・・・ああああんっ」
香が果て声を上げると同時に、海坊主は白い欲望を香の腹部に吐き出した。


気を失った香に服を着せ、エレベーターから脱出すると、香を教授の所へ連れて行った。
香の体に異常が見られない事と、エレベーターの中で起こった事を香が全く
覚えていない事を確認すると海坊主は逃げるように帰って行った。

その後、美樹や香やリョウとまともに顔を合わせられず、しばらく山にこもった海坊主。
・・・・・このことは海坊主だけの秘密である。


数ヵ月後、海坊主も戻ってきて、いつも通りの日常。
しかし、香は誰にも言えない悩みをかかえていた。
(なーんか、海坊主さんといるとHな気分になってきちゃうんだよね・・・・
 一緒にエレベーターに乗っただけなのに濡れてきちゃうなんて、どうしちゃったんだろう)

うんうんと唸る、香ちゃんなのでした。

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