キャッツアイII
玄関先で一戦を交えた俺は、そのままの体制で2ラウンド目に突入しようとした。
「あん、ダーメ」
浅谷は上気した頬のままで、俺を人差し指で制した。
「真人ったら、ダメよ」
「何で〜、俺、光子さんともっとしたいのに〜」
「もう、悪い子ねぇ」
ぐふふふふ、この言い方も俺が教えたんだよな〜
浅谷の外見からして、女教師て感じ。
浅谷の外見はクソマジメだから、もう何をやらせてもハマッちゃうんだよねー
あぁ、俺ってば世界一の幸せ者〜
「先に、夕飯を食べて。貴方の為に腕によりをかけたのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・
現実に引き戻された
め、飯食えだって!
あ、浅谷の作った飯を食えだとっ!
超ド級の味覚音痴の浅谷の飯を食えだとーーーーーーっ!
「り、料理したの?」
「えぇ、普段忙しくてお料理できないでしょ。今日は非番だったから、1日かけて作ったの」
「な、何を?もしかして・・・得意料理?」
「えぇ、子羊のエストラゴン風味よ」
俺は失神しかけた
あの料理!
娘をこよなく愛する父親でさえ逃げ出した恐ろしい料理!
それを再び、この俺が食うのか!
「さ、早く〜」
俺は、浅谷に引っ張られキッチンへ
目の前には毒々しい姿の子羊のドラゴン風味が・・・
「暖めなおすわね」
子羊のエストランク風味は冷めてても暖かくても同じだ・・・
「真人、はいあーん」
裸にエプロンのままの浅谷
色っぽい
色っぽいけど、子羊のエストラトラは最悪の匂いがするぞ
恐る恐る開いた口の中に、子羊のエンストが入る
プッシュー
あまりの味に俺の脳波はエンスト状態
思考が回る、色っぽい姿の浅谷がゆがんで見える
「はい、もう一口あーん」
裸でエプロンの浅谷が色っぽい鬼に見える
俺の全身は麻痺状態だ
胃が、胃が胃が溶ける〜!
「さあ、もっと食べて」
あぁ・・・浅谷が色っぽい鬼、つーか女王様に見える〜
俺の口の中に入ってくるのは子羊のエスエム風味だったんだー
おぉっ!これは食事の姿をしたSMだったんだ
『さあ、さっさとお食べ!(さあ、一杯食べてね)』
浅谷の言葉が脳内変換される。
浅谷が女王様だー
『あぁ、女王様〜』
全身が痺れる〜
いずれ浅谷には女王様をしてもらおうと思ってたけど、
日常生活に、こんなSMがあったんだー
どーしよ、俺、何だか気持ち良くなってきたかも・・・
『おいしいとお言い!(ねぇ、おいしい?)』
『女王様〜おいしゅうございます〜』
『うれしいか、もっとエサを食え(嬉しいわ、もっと食べてね)』
一口食べるごとに全身に痺れにも似た快感が・・・
あはははは・・・痺れるぅ〜
・・・て、全身痺れちゃってるぅ・・・
俺、もうダメー
俺はとうとうイッちゃった・・・
「きゃー真人!しっかりしてー!」
浅谷の叫び声を遠くに聞きながら、
これはこれで凄く幸せかも〜と思っていた