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WINNER





































































































WINNER









計画を聞いた次元は、帽子の鍔の下で、思い切り眉間に皺を寄せた。
「で、この計画だとどう考えたって不二子がメンバーに入るわけだよな」
「あら次元ちゃん、鋭いねえ」
夜の帳の落ちた二人きりのアジトのリビング。
フロアスタンドの暖色の明かりがほんのりと室内を照らす。
ルパンはゆったりとソファに腰を落ち着け、窓辺に止まる次元に笑いかけた。
ルパンの手の中でブランデーのグラスが揺れる。
グラスの中の氷が、微かな音を立てた。
「そ。不二子ちゃんにはね、せいぜい派手に陽動をやってもらうから。次元、ちゃんとフォローしてやれよ」
ルパンの計画はこうだ。
パーカーという男がいる。以前ルパンと組んで時価数億円もの財宝を手に入れたが、ルパンの隙を突いてその金庫を横取りした男。そいつを、現在収監中のメキシコの刑務所から脱獄させ、お宝の隠し場所を吐かせ奪い返す。
まずパーカーを脱獄させるために、ルパンが刑務所に潜入する。そしてその間、囚人や看守の注意をそらすべく不二子を囮に使おうというわけだ。
作戦としてはシンプルだが、それは無駄がないということでもある。ただ問題はそこじゃない。
「あーのーな、ルパン。不二子が裏切らねえわけねえだろ」
何せ数億円は下らないお宝だ。不二子が妙な色気を出さない方と思う方がおかしい。
自ら進んで災厄の種を引き込もうなど、次元にはまったく理解しがたかった。
「じゃ、賭けるか」
ルパンの目が、チカリと悪戯気に瞬いた。
「不二子が裏切ったら、お前の勝ち。ただしお宝が手に入ったら、俺の勝ち。な、乗るか?」
次元は唇を噛んだ。
ルパンは、そんなふうに言えば次元が折れるだろうと踏んでいるんだろう。何もかも見透かされているようで、それが無性に腹立たしかった。
「ああ、いいぜ」
次元は無理やり口の端を引き上げて笑った。
「賭けようじゃねえか。あの女は絶対に裏切る」
「よし、決まりだ」
ルパンは、嬉しそうに笑った。
(何か・・・・・・間違えたか?)
妙に楽しげなルパンの様子に、次元の胸に一抹の不安がよぎる。
それは、物事がルパンの思い通りに運んでいるときの笑顔。
だが、どこにそんな運びがある?
そんなはずはない。こんな賭け、成立するはずもない。
どうせ不二子はルパンを裏切るし、そうなれば抜け目なく欲しい物を手に入れる────そしてルパンはそれを赦す。
それはいつも定まったこと。
狡猾な女と、寛大な男。そしてそれを、ただ見ているだけの自分。
いつもそれは同じ、まるで変わらないシチュエーション。





「さあて、前祝いだ」
ルパンは手の中のグラスを干すと、ゆっくりと立ち上がる。
窓辺に腰掛けていた次元の腰に手を掛ける。滑らせるように床に立たせると、そのまま抱き寄せられた。
「おい」
「まあまあ」
次元は大げさに溜息をついてみせると、誘われるままにルパンの寝室へと向かった。
ルパンに身体を開かれるのは、そう珍しいことではない。
指を折って数えていたら、両手がふさがってしまった。それから、数えるのは止めた。
いずれも大きなヤマを計画したときや、それが成功したときだ。
興奮をそのままぶつける相手だから、頑丈なのを選んでいるということなんだろう。次元はそう分析していた。
実際、肌は合う。
次元は最初に身体を重ねたときから、快楽を得ることができた。他に男との関係もなかったから比較の仕様もないが、相性はいいのだろうと思う。
「おい。集中しろよ、次元」
次元は我に返った。目の前の裸の男が口を尖らせている。
「悪ィ────あっ・・・・・・!」
口を開いた瞬間、胸の突起をきつく噛まれ、次元はのけぞった。
思わぬ高い声が恥ずかしく、次元は乱れた前髪の隙間から、ルパンを睨みつけた。
ルパンは悪戯が成功した子供のように笑う。
「男、喘がせて喜んでんじゃねーよ」
「男じゃねえ、次元さ」
お前は特別だと言われ、瞬間、鼓動が跳ね上がる。
まったく────自分がどう言われればどういう反応を示すかということくらい、ルパンは先刻承知なのだろう。
「・・・イヤな野郎だ、てめーは」
ルパンはくすりと笑うと、次元の脚を抱え上げた。
「入れるぞ」
「ん・・・・・・」
次元は小さく頷いた。熱い塊が体の中に押し入ってくる。
次元の理性は、そこで弾け飛んだ。





刑務所に設けられた特設ステージ。
その中央へヘリコプターを着陸させるなり飛び出した次元は高らかに謳い上げた。
「ハーイ、真面目に服役している皆さん、プレイガールが慰問にやってまいりましたァ! さて、今夜は皆さんに今年のミス・プレイガールを紹介しましょう────フジコ・ミネ!」
不二子がヘリからステージへと現れる。
赤のビキニトップとミニスカート姿で軽やかに舞い踊る不二子に、囚人たちの目は釘付けだ。
歓声が上がり、そして一人がステージめがけて駆け出すと、全員が争って不二子のもとへと群がった。
慌てて駆け寄る看守すら張り飛ばし、囚人たちは不二子に襲い掛かる。
「次元!」
叫ぶ不二子をよそに、次元はエンジンを掛けっぱなしのヘリに身を預け、暢気にタバコを吹かした。
「まだだ。まだ始まったばかりじゃねえか。もう少し頑張りな」
実際、ルパンがパーカーを連れ出すにはもう少し時間稼ぎが必要だ。
「もう、人のことだと思って!」
不二子は言うざま、寄って来る男たちを二人まとめて蹴り上げる。
手刀が男の首に決まり、大男がどうと倒れ伏す。
次元はニヤリと口元を歪めた。
「ちぇっ、だらしがねえ。大の男が手玉に取られやがって」
そもそも、こんな連中に後れを取る不二子ではないのだ。
不二子は最初のダンスよりもよほど華麗な動きで、次々と男たちを薙ぎ倒していく。
あの美貌に抜群のプロポーション。
そして男顔負けの腕っ節と度胸。
ルパンが惚れるのも無理はないというもの。次元の嫌う裏切り癖だって、スリルを愛するルパンにしてみれば、むしろ望むところなのだろう。
こうしてみれば、二人は確かに似合いの一対だ。不二子を毛嫌いする次元であっても、それは認めざるを得ない。
次元はため息をついた。
・・・・・・こういう時、ルパンとセックスなどしなければよかったといつも思う。
身体だけのことと頭では納得しているのに、胸の奥が微かに疼く。
だが、こんな感情は無用なのだ。
(俺は、ルパンの相棒だ────)
それは、次元にとっての誇りでもあるのだから。
次元は目を閉じると、ボルサリーノを目深にかぶりなおした。
そしてさすがに疲れの見える不二子の様子を見て取ると、彼女に群がる男どもを蹴散らすべく、グレネードランチャーに催涙弾を込めた。





好きなだけ引っ掻き回した刑務所を後にすると、二人はルパンと合流して計画通りパーカーに隠し場所を吐かせた。
告げられた山のふもとに車をつける。パーカーと不二子を車内に残し、ルパンと次元は隠し場所である鬼押岩へと向かった。
「まったく、不二子なんか仲間に入れちゃ、いつ背中に銃を突きつけられるかわかったもんじゃねえや」
ツルハシを担いだ次元がぼやく。
「なあに。その裏切り癖もたまには役に立つことがあるもんさ」
「ん?」
振り返ったルパンの目は、剣呑な光を湛えていた。
「おかしいと思わないか、次元。あのパーカーみたいな狡猾な男が、一度の脅し程度であっさりお宝の隠し場所を吐くなんてよ」
次元は息を呑んだ。
「命の危険があるとはいえ、それを天秤にかけたって最後の最後までお宝への執念を取るような男だ。まして、俺たちにむざむざ奪われるくらいなら、死んだほうがマシってなもんだろう」
「じゃあ、ルパン」
「そ、いまから俺たちの向かうのは鬼押岩じゃない」
にんまりとルパンが笑う。
「どうせ今ごろ不二子のヤツが、パーカーから本当の隠し場所を聞きだそうと誘惑している真っ最中だろうよ。その後を付けていきゃあ、見事お宝の隠し場所に辿り着くって寸法だ」
ルパンは次元の肩を抱き寄せる。耳元に落とされる低い囁き。
「な、要するに不二子の裏切りも計画の内ってワケ」
「なるほどな」
ぎこちなく笑いながら、次元は自分の胸に広がる苦味を認めざるを得なかった。
(心配なんざ無用、か──────)
不二子がルパンに為す仇など、けっきょくルパンにとってはどれほどの意味もないということなのだ。
そして、それとわかった上でルパンが不二子を傍に置いているのだから、これ以上自分が何を騒いだところで、それはただの野暮というものだ。
「どったの、次元ちゃん?」
黙り込む次元の顔を、ルパンが覗き込んでくる。
「・・・・・・何でもねえよ」
次元は帽子の鍔を引き下げて、目元を隠す。
そう、どうということもない。すべてはわかっていたことだ。
ルパンと不二子の関係に割って入ることなどできない。
いつだってそうだった。
ルパンが不二子を許すなら、それに次元は従うだけのこと。今更のことだ。
次元は低く笑った。
結局のところ、ルパンがこちらを向くのを待っていたのか俺は。
女と争って勝てる気でいたのか俺は。
とんだ自惚れに軋む胸。もはや次元には自分を嘲笑うほかなすすべはなかった。





無事に金庫を奪い、追ってくるパーカーと、これまた追ってきた銭形をやり過ごし、三人はアジトへと舞い戻った。
「せっかくだから乾杯しましょ」
不二子は浮かれた足取りで、地下のワインセラーへと降りてゆく。
「お疲れモードだな、次元」
顔色の悪い次元を気遣ったのか、相向かいにソファに座っていたルパンが、次元の隣にやってくる。
「・・・・・・別に」
「しっかりしろよ。本番はこれからなんだぜ」
「本番って────おい」
顎を捉えられ、強引に顔を持ち上げられる。荒々しく唇が重ねられる。
「ん・・・・・・っ」
痺れるほど強く舌を吸われ、抵抗する意識さえ奪われる。
不意にルパンの舌先が、硬い何かを押し込んできた。
錠剤らしき感触が、喉をするりと通過した。
流し込まれる唾液とともにそれを嚥下しても、ルパンの舌は貪欲に次元をむさぼった。
「んん・・・・・・んぅ・・・」
最後にもう一度舌を強く吸われ、ルパンの唇は離れた。
二人の唇の間に唾液の糸が引く。
「・・・・・・何だこれは」
荒い息の狭間で次元は問うた。
「中和剤さ────対痺れ薬用」
ルパンはにやりと笑った。
「おい」
疑問を口にし掛けた次元の唇を、今度は触れるだけの口づけが塞いだ。
音を立てて唇が離れる。ルパンはニヤリと笑った。
「役者魂の見せ所だぜ、次元ちゃんよ」
(どういう意味だ────?)
呆然としたままの次元を余所に、ルパンは向かいのソファへとまた戻る。
不二子がシャンパンを片手に戻ってきたのはそれからすぐのことだった。
注がれた酒を飲み干しながら、次元は必死に頭の中を整理した。
だが、それよりも先に口火を切ったのは不二子だった。
「それより、早く金庫を開けて財宝を拝みましょうよ」
ルパンの器用な指先が、テーブルに置かれた金庫────クラシカルな宝箱を手早く開錠する。
金庫の中の大きな石(沢庵漬けに使うような代物だ)を取り上げ、不二子が不思議そうにつぶやいた。
「これが数億円の財宝?」
不二子の言葉に次元は思わず目を見張った。
何を言ってるんだ、こいつは。
お宝は中身じゃない、この金庫の方じゃないか!
そう、古代文明の粋を集めた宝箱────これこそが数億円とも言われる今回のお宝。
ルパンから今回の計画を告げられたとき、最初に言われたのがそれだった。問題は中身じゃないのだと。
思わず横目でルパンを窺う。ルパンはそっと片目を閉じた。
混乱しながらも次元は話を合わせた。
「だろうな」
「間違いねえ。数億円ともなるとちょっと見ただけじゃ値打ちがわかんないもんさァ」
空っとぼけて、ルパンが続ける。次元はごくりと唾を飲んだ。
不二子は、高い笑い声を上げた。
「よかった、安心したわ。じゃ、これは私のものね」
この瞬間、次元はようやく合点した。
(なるほど、これが“本番”か────!)
不二子のこれまでの行状のおかげで、痺れ薬をかまされた経験など数え切れない。
二人は細心のリアリティを以って倒れ伏す。
「大丈夫よ、ただの痺れ薬だから。ごめんなさいね。バーイ」
ただの石ころを抱えた不二子が足取りも軽く部屋を出て行く。走り去る車の音。それが掻き消えたころ、二人はむくりと起き上がった。
次元は目の前の金庫を見つめた。
・・・そうか、そういうことだったのか。
不二子の裏切りさえも計画のうち。それはこういうことだったのか。
次元は弾かれたように笑い出した。
「ざまァみやがれ、不二子め!」
「可ァ愛いじゃないの、ただの沢庵石抱いて行っちまうなんてさ」
ルパンも声を上げて笑う。そして笑いながら次元に言った。
「賭けはお前の勝ちだな」
「え────?」
次元はぽかんと口を開けて、ルパンを見つめた。
「お前の勝ちだろ。だからこいつはお前のもんだ」
「でもよ」
ルパンは笑う。
「まー不二子のヤツ、徹頭徹尾裏切ってくれちゃって。なあ」
確かに不二子は二人を裏切った。それもすべての局面において。
だが、そのすべてをルパンは見切っていた。実際、お宝は二人の手の中だ。
不二子が裏切ったら、自分の勝ち。ただしお宝が手に入ったら、ルパンの勝ち。
そのルパンの言葉に従うのなら、そもそも勝者などいないではないか。
困惑する次元に、ルパンは笑った。
「俺のお宝はコレじゃない」
ルパンの人差し指が、次元の左胸を軽く突いた。
「お前の、ココさ」
「な・・・・・・何、馬鹿なこと言って」
「馬鹿とはひでえなあ、次元ちゃんよ」
ルパンはテーブルを乗り越えると、次元の隣に滑り込む。
そのまま、シャツの上から掌でゆっくりと胸を撫で回される。
肩に回る腕を振りほどくことも出来ずに、次元は顔だけを必死に背けた。
「俺はお前を選んだぜ。で、お前は?」
覗き込むルパンの黒い双眸。その真剣な眼差し。
次元は、笑おうとして失敗した。
くしゃりと歪んだ顔を隠すように、そのままルパンに抱きついた。





せわしない指にあっという間に衣服を解かれ、前戯もそこそこに穿たれる。
「・・・あああぁぁ────ッ!」
次元の身体が弓なりに反った。ルパンはかまうことなく腰を進める。
激しい動きに抗議するように、ソファが軋んだ。
「ル、ルパン、もっとゆっくり──────ああっ・・・・・・!」
「駄目だ、止まらねえ」
速い抽送に息を整える暇もない。
次元は声を殺すことさえ出来なかった。
「あ・・・あっ、あっ────ああァ・・・・・・ッ!」
より深い快楽を得ようと腰が揺れる。
中を抉るルパン自身を逃すまいと、受け入れた其処が彼を締め付けてしまう。
「いやらしいな、そんなに気持ちいいのかよ・・・」
息を弾ませながらルパンが笑う。
「ぎちぎちに締め上げやがって。これじゃ奥まで可愛がってやれねえじゃねえか」
「ああ・・・・・・うぅ・・・っ」
何を言われても、身体の制御が効かない。
そこをこじ開けるように、硬い雄が抜き差しされる。
追い立てられた身体は、やがてすぐに高みへと上り詰めた。
「ああ・・・・・・ああぁ──────」
ビクビクと震えながら、次元は腹を白濁で汚す。体内が熱い迸りに満たされる。
荒い息を殺すように、唇を重ね合わせた。
舌を絡め、逃しきれない熱を押し付けあう。
「──────!」
再び中で立ち上がる男の気配に、次元の身体が震えた。
次元は慌てて口づけを解くと、目の前の男を見据えた。
ルパンは低く喉を鳴らすと、首に、喉にねっとりと舌を這わせる。
「今度はじっくりと可愛がってやるよ」
怯えと快感に身体が慄く。見透かしたようにルパンが笑う。
「そうされたかったんだろ、ええ?」
ゆったりと腰を回す動きに、意識があまく乱れる。
与えられる快楽を少しも逃すまいと、次元は我知らずルパンの身体に腕も脚も必死に絡みつかせた。
「焦るなって」
「ああっ・・・・・・んん・・・っ」
軽く腰を揺すられ、悩ましげな喘ぎがこぼれる。
ルパンの指が、戯れのように次元の下肢を探った。
「あう────ッ」
「もう、こんなに熱くしやがって」
自分の淫らさを知らせる男の言葉。
煽られて暴走し始める自分の身体。
それを止めるすべも知らず、次元はただルパンによって起こされた快楽の奔流へと呑まれていった。





ようやく身体を離したころには、辺りはすっかり夜の気配に満ちていた。
ルパンはぐったりとソファに沈む次元の髪をそっと撫でると立ち上がり、部屋の片隅のフロアスタンドを灯した。
部屋を満たす、穏やかな暖色の明かり。
ほのかな光に照らされて、闇の中、互いの輪郭が浮かび上がる。
ルパンの笑顔が、ことのほかやさしく見える。
それに誘われるように、次元はかすれた声でポツリとつぶやいた。
「・・・・・・お宝なんて言ったってよ」
「ん?」
ルパンが振り返る。
「俺なんて、もうとっくにお前のものじゃねえか」
知ってんだろ、そんなこと、お前は。
恨むような濡れた目で男を見上げる。ルパンは次元の傍らに腰を下ろすと、息だけで笑った。
「お前は、すーぐ自分が誰のモンか忘れっちまうからなあ」
次元の逡巡もルパンの知るところだと暗に言われ、耳まで熱くなった。
けっきょくすべてを見切られている。
だがそれは、次元にとって不快なものではなかった。
ルパンが身をかがめ、口づけが落とされる。
やさしいだけの舌の動きに、次元は素直に応えた。
口づけたまま、ルパンの身体が再び重なる。互いの身体に緩く腕を回す。
穏やかな口づけ。穏やかな抱擁。
次元がうっとりと目を閉じた、その時だった。
ルパンの手が、あらためて意図を持って次元の肌をまさぐり始めた。
「・・・・・・・・・!」
慌てて胸を押し返す。口づけが解けた。だが、ルパンは一向に頓着しない。
「いいだろ。おたがいお宝がこうして無事手に入ったんだしよ」
お祝いお祝い。
そんな風に笑いながら、ルパンの手は止まらない。
次元を知り尽くした淫靡な指の動きに、息が再び熱くなる。
だがそれも仕方ないことなのだ。
すべてがルパンの手の内であったとしても────自分のすべては確かにルパンのためにあるのだから。
次元はそっと目を閉じると、抱き寄せるルパンの腕に身を委ねた。










end










パースリ第19話「裏切りの荒野を走れ」ネタ。




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