限界解除。2







「・・・なぁ、お前キス好きなの?」



御幸が言った



「・・・・・・・?」



耳元をくすぐる吐息と、笑いを含んだ低い声にブルリと身体を一瞬震わせて
ぼーっとする頭で栄純は必死にその言葉の意味を考える





キスが好き・・・?
好き・・・?





好きかどうかなんて、良くわかんない
でも
御幸とのキスは嫌じゃない




それだけはわかる






「好き、っつーか・・・キモチイイ・・・」




そう答えると御幸は目を大きく見開いた











思えば、初めてのキスの時からそうだった






いつもは意地悪しか言わない唇が
合わせてくれない視線が



2人きりの時はまるで違くて



そっと触れてくる指先とか、視線とか、何もかもが優しい





重なる唇の温かさに、甘さに
身体の内からトロトロに溶かされていくような感じがする





今まで知らなかった自分
変えられていく自分がほんの少し怖くて



そして



普段の御幸と、2人きりの時の御幸
どっちが本当なのか時々わからなくなって



戸惑ってしまうのだけど・・・







嫌じゃない、むしろ、好き






(もう駄目だ・・・立ってらんねー・・・)





力の入らない身体を預ければ、腰に回された腕にぐっと力が入って引き寄せられる





「栄純・・・」





耳元で名前を呼ばれると、また、身体が熱くなる
栄純はかっと熱くなった頬を御幸の胸に押し付けた





「・・・・・・」





ああ、そうか
わかった




わかってしまった




キスが、好きなんじゃなくて







「御幸が好きなんだ・・・」













>>まだまだつづきます・・・
































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