長い長い夜が明けるまでたっぷり2人の愛を受けた栄純は、朝日の差し込む部屋で静かな寝息を立てている





汗と涙で張り付いた前髪をそっとかきあげて額にキスをひとつ





唾液と精液でベタベタな身体をシーツで包んで抱き上げると
御幸がカラリと露天へと続く扉を開けた





「・・・また、いっぱい泣かせちまったな」
「御幸センパイ」






降谷の腕の中で規則的な寝息を立てて寝入っている栄純の、赤くなった目元にキスを落とした御幸は苦い顔で頭を掻いた







3人の関係は、危うく、そしてインモラルなのだという自覚はある
(そもそもが、同性であるというのに)
御幸と降谷、二人の激情をいまだ幼さの残る栄純が受け止めきれなくて、いつもこうして泣かせてしまう事も





だけど、どうしても手放せない・・・






「とにかく綺麗にしてやろうぜ」
「・・・はい」





宝物のように栄純を大事に抱きかかえて降谷は歩き出した




















ふわふわ
ゆらゆら




まるで雲の上にいるみたい・・・





その心地よさに栄純は思わず頬を緩める
それはとても幸せそうな笑みで






「・・・みゆきせんぱい・・・ふるや・・・」





無意識に呼んだ名前はふたつ





瞬間、息を呑む音がしてビクリと体を揺らされ栄純はゆっくりと目を開けた





「・・・あれ?」





湯煙の中、心配そうな顔で自分を見つめていた降谷を瞳に捉えて栄純は笑う





「降谷・・・どうした?」





今にも泣き出しそうなその顔に手を伸ばすとやんわりと手首を掴まれて
指先に恭しく口付けられる





「・・・ンだよ、もー」





照れたように口を尖らせて、後ろにもたれ掛かろうと力を抜くと
栄純を抱きかかえていた御幸に全身を預ける事になる





「わっ!」
「・・・栄」





力強い腕に抱き寄せられ思わず声を上げると、耳元で名前を呼ばれて
くすぐったくて肩を竦めた





「何すか、御幸先輩?」





「2人とも変なの!」くすくすと笑いながら2人の顔を交互に見る栄純に
パチパチと何度か瞬きをした後、御幸と降谷は笑った






「ははっ、お前最高」
「・・・君ってほんと・・・」











栄純は、変わらない







最初から、そうだった




2人が「好きだ」と告白したあの日、「俺も好きだ、2人とも」目をそらさないでそう答えた真っ直ぐな心は今も変わらない




そんな栄純に救われているのだと、
だから手放せないのだと




言葉にはしないけれど、2人とも、同じ思いで繋がっている










「感じわりーな2人とも!」






むぅと口を尖らせて目の前の降谷に掴みかかろうとした栄純は
瞬間ビクリと身体を震わせた





まるで力の入らない下半身に
ズキズキと悲鳴をあげる恥ずかしい部分





俯きそれから顔を真っ赤にして涙目になって呟く






「・・・思い出した・・・」





散々好きにしやがってーーー!!







「だって」
「仕方ないだろ」
「何がだよっ!」








「「愛してるから」」



!!









そして宥めるように後ろから前からキスの嵐






くすぐったそうに身を竦めた栄純は、お湯のせいもあってか全身真っ赤にして
「・・・俺も」と小さく囁き、それから笑った













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