バスルームから、愛を込めて。








洗い場でイスに座って動かない降谷と、桶を抱えたまま真っ赤になって固まる栄純。
何も身に着けていないその背中を前に、栄純は口から心臓が飛び出しそうなほどドキドキしていた。



事の始まりは今から5分ほど前。
降谷に抱きかかえられてたどり着いたのは、愛の巣の『浴室』。
家族向きの設備を備えたマンションのそれはユニットタイプではなく、ちゃんと洗い場もある。
懐かしい寮の浴場のように広くはないが、二人暮らしには十分だ。

初々しい新婚の二人は、まだ『一緒にお風呂v』に入った事がなかった。
無論寮生活で何度となく鉢合わせしていたが、いつも他の誰かがその場に居たし、出来るだけ離れて入るよう気を付けていた。
集団生活を営んでいると、恋人同士もいろいろ大変なのだ。

栄純には幼い頃から密かな夢があった。
大切な人ができて、その人と結婚したらいつか・・・と。
だから浴室に着いた時、その夢を叶えるために、恥ずかしかったけれど勇気を振り絞って切り出した。

「お前の背中・・・流していい?」



降谷は一瞬目を丸くしたが、迷う事なく頷いた。
はっきり言って下半身はとっくに臨戦態勢であったが、この申し出を受けられないようでは男が廃る。
すぐにでも愛しい妻を抱き締めたいという衝動を理性総動員で押さえつけ、降谷は栄純に背を向けた。



明るい光の下で降谷の背中をまじまじと見つめるのは、栄純にとって初めての経験であった。
普段はユニフォームの下に隠された肌が、小窓から差し込む光で滑らかに輝く。

(・・・キレイ・・・だな・・・)

思ったよりも広く逞しい骨格や筋肉を見ていると、栄純の頭は熱に浮かされたようにボーッとしてくる。

「いつでもいいよ?・・・そんなに長くは待てないかも」

浴室に降谷の声が響き、栄純はハッと我に返る。

(見惚れている場合じゃねー!)

「ごめん・・・お湯かけるな」

栄純がゆっくりと降谷の肩を湯で流す。

「熱くない?」
「・・・温度はダイジョウブ」

むしろ下半身のアツさが大問題である。

(まだガマン・・・バッター集中)

己の下半身を叱咤激励する降谷の内面の葛藤を知らず、栄純は石鹸を泡立てる。

「じゃ、洗うから・・・」

言葉と共に、栄純の手の平の感触を皮膚の上にダイレクトに感じ、降谷の全身がビクリと大きく揺れる。

「・・・タオルとかスポンジとか使わないの?」
「え!?そういうのは肌に良くないから、素手で洗えってテレビで・・・イヤだった?」

嫌な訳がない、むしろ嫌でないから困るのだ・・・。
グッと言葉を飲み込んでブンブンと首を横に振ると、背中越しに栄純がホッと息を付いたのが伝わってくる。

可愛い。今すぐ押し倒したい。でももう少し我慢。

栄純の手が再び降谷の素肌に触れる。

(9回裏・・・2アウト満塁・・・ここを抑えれば・・・)

肌の上を撫で回る手の誘惑に、降谷の精神は瀬戸際の攻防を繰り広げる。
マウンド上でも、これほどの局面を迎えた事があっただろうか?
ピッチャーとして、否オットとして、降谷の真価が問われているのだ。

(・・・もう限界かも・・・)

何とかして湧き上がる衝動に耐えようと、全力で意識を集中する。



一方の栄純も、一生懸命手を滑らせながら、暴れる心臓の音と戦っていた。
降谷の綺麗な肩甲骨の輪郭に沿って泡が滴り、濡れた背中を流れ落ちる。

ドクン・・・。脈を打って栄純の血液が下半身に流れ込む。

(ア、アレ?俺・・・どうしたんだろ・・・?)

益々鼓動が早くなり、全身が熱を帯びる。

(この気持ち・・・あの時と同じだ・・・)

少し前、俗に言う『結婚初夜』に二人はようやく結ばれた。
恥ずかしかったけれど、すごく嬉しくて、幸せで。
目の前に居る人の事だけで、心も体もいっぱいになって。
他には何も考えられない。

愛しい想いが溢れて、栄純はたまらず降谷の背中に縋り付く。

「すげぇ好き・・・」

降谷の首に腕を回し、耳元で吐息混じりに囁く。
裸の胸が背中に密着した瞬間、降谷の頭の中に白球が高々と打ち返される音が鳴り響く。

―――試合終了―――

勢い良く振り向いた降谷は、本能の命ずるままに強く栄純を抱き締めた。



その後、お湯と泡と体液とでトロトロに溶け合った二人が、食べそびれているカニ玉の存在を思い出したのは、日が暮れかかった頃だった・・・。










                                  < ENDLESS LOVE >
                                          2000.2.14






               





試合終了ーーーーっっ(悶絶)

9回裏・2アウト満塁・サヨナラホームラン!
ご懐妊というおまけがついてきますvvv(勝手に妄想)


素晴らしい新婚さんのお風呂風景を瀬名さんが描いて下さいました!
「ダーリン、背中流してあげるvv」は基本ですね><
裸の栄純もいいけど、服を着て背中を流す栄純もいいですよっ(鼻息)
「君も一緒に入ろう」「バカッ、服が濡れ・・・っ」
濡れるのは服だけじゃないですが(オヤジ)
透けたシャツからはピンクのティクビ様が・・・!!
ああ、もう!最高です!!バッシャンバッシャン!!


素敵な新婚降沢をありがとうございました><



ご感想は『グロリアスパレード/瀬名さま』までvvv


























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