バブバブエンジェル 「お背中流しまーす!」 そう言いながら栄純がバスルームに入ってきて、降谷は思わず持っていたシャワーヘッドを落っことした グルグルとまるでスプリンクラーのようにそれは回り、栄純は『うわっ』と目を瞑る 2人は新婚もうすぐ半年・・・初めて一緒に風呂に入るわけでも、裸を見慣れていないわけでもなかったけれど、相変わらずラブラブでちょっぴり初々しい ドキドキと早鐘を打つ胸と、すぐにも反応してしまそうな自分自身を思わず手で隠しながら降谷は言った 「どうしたの、一体」 「んー?何が?」 濡れて張り付いた前髪をかきあげながら栄純はシャワーヘッドを拾い上げる ポタポタと落ちる水滴が照明でキラキラ輝いて、見惚れてしまうほど綺麗 コクンとツバを飲み込んで、降谷は背中を向けた 「・・・何かあった?」 「へへへ」 背後から香るボディーソープの甘い匂い 泡だらけの手で抱きついてきた栄純は降谷の耳元で囁いた 「あったよ、イイコトv」 (・・・何だろ?) 首を傾げる降谷を上目遣いで見つめながら栄純はゴシゴシと手を動かし始める 大切な右肩から優しく円を描くように 指先には自分の手を絡めて、時々きゅっと握り締めてはイタズラっぽく笑って 息が、背中とか首筋とかにかかってくすぐったい 嬉しいような、困ってしまうような・・・ 気恥ずかしくて俯くと正直な反応を見せる自分自身が目に入って降谷はため息をついた 「イイコトって何?」 気を紛らわすように言うと、栄純は「わかんねぇ?」と笑う 「・・・ごめん、わかんない」 ふーっと気を紛らわすために天井を仰いで息を吐くと 背伸びして、降谷の耳たぶに齧りついた栄純は「やっぱ教えるのやーめたっ」と言った 「・・・可愛くない」 「お前は可愛いv」 拗ねて口を尖らせた降谷に笑う栄純に 何だか今日は立場が逆転したみたいだ、と思う さっきからずっと主導権を握られてて、握・・・ 「え、栄純!?」 降谷は思わず上擦った声を上げた ヌルリ、と泡にまみれた掌で突然自身を掴まれたから 「暁、もうおっきくなってる」 「・・・・・っ」 ぺったりと背中に張り付いた栄純は嬉しそうに笑って降谷の肩甲骨にキスをした 「キモチイイ?」 「・・・イ、イイけど・・・ほんと、どうしたの今日?」 いつもはたどたどしい手の動きが、ボディーソープに助けられながら 降谷を追い詰めていく 自分の手の中で熱く脈打ちながら、大きくなっていく降谷自身を ぎゅっと握りながら上下に動かして これ以上ないぐらいに反り返ったそれの先端を軽く爪で弾くと 先走りが切なげに、涙のように指を濡らした 糸を引いたそれを指の腹で刺激してやると、もう我慢出来ないと 降谷は熱い息を吐き出した 「これ以上・・・煽らないでよ・・・」 されるがままだった降谷はくるりと体を回転させて栄純と向き合う 隙間なくピッタリと抱き合うとお互いの中心がドクドクと熱を持って鼓動を打つのがわかった 「・・・君のも、すごく熱くなってる」 僕のを触って感じた?と聞くと真っ赤な顔で栄純はコクンと頷く 「我慢出来ない・・・ココでしても、いい?」 背中に回した手がスルリと腰に落ちて引き締まった栄純の尻たぶにかかると 降谷を見つめて揺れた瞳が一瞬の逡巡の後、強い意志を持って輝いた 「・・・駄目」 「え・・・っ」 ここまで煽っておいて?と降谷は情けない顔になる 「あっ、ゴメ・・・そうじゃなくて」 栄純は慌てて首を振った 「お、お医者さんがしばらくしないほうがいいって・・・」 「医者!?」 「だから手とか口とかで満足させられたらいいなーって」 「何言ってるの!?」 「・・・だって、しばらくえっちしちゃ駄目って言われたから」 「えっちなんかしなくてもいい!僕は君がいてくれるだけで、それだけでいい!」 降谷の言葉に、栄純は一瞬目を丸くしてそれから嬉しそうに笑った 「・・・愛されてんな、俺」 「当たり前でしょ」 そして どういう事?一体どこが悪いの!?とすぐにでも救急車を呼びかねない降谷の勢いに(つーかパンツ穿け)栄純は真っ赤な顔で照れくさそうに、だけどとても誇らしげに言ったのだった 「俺、赤ちゃん出来た」と それから安定期に入るまで、また入ってからの降谷の禁欲振りは 栄純も呆れるぐらいだったとか・・・ |