< 作家BBS >
1.  電撃hpのホームページをご覧になっておられる皆さん、はじめまして。   高畑京一郎


 電撃hpのホームページをご覧になっておられる皆さん、はじめまして。
 高畑京一郎と申します。

 では、早速ですが、本日をもって開設される事となった、この『専用掲示板』について、
若干の説明をさせていただきます。

 『電撃hp』が創刊された時、その「雑誌とインターネットの融合」というコンセプト
に、僕は興味を持ちました。その二つを連動させる事で、なにか面白い事ができるのでは。
そう思ったのです。

 そこで、中里さんや川上くんをはじめとする電撃仲間に相談を持ち掛けてみたところ、
「いいですね、やりましょう」
 と、快く引き受けて下さったのです。

 しかしながら、実際に「なに」をやるか、それが問題でした。
 幾つか案は出ましたが、「やりたい事」と「できる事」とは違います。それぞれの作家性
の違いもありますし、インターネットという開かれた場であるがゆえの問題点も指摘されま
した。

 僕も含め、皆さん議論好きな方々ばかりですから、時に意見が衝突する事があっても、愉
しんでメールのやりとりをしていたのですが、一対一ならばともかく、多数間での意見交換
をメールで行うのは、なにかと大変です。

 すると、その話を耳にされた『電撃hp』の担当の方が、
「じゃあ、うちのホームページに新しく掲示板を設けましょうか。その方が議論もしやすい
でしょう」
 と、おっしゃって下さったのです。
「いいんですか?」
「構いませんよ。それで実際に企画が立ち上がれば、うちとしてもありがたいですし」
「でも、まとまるかどうか、保証はできませんよ?」
「……まあ、その時はその時という事で」

 ……以上のような経緯があり、こうして『専用掲示板』が開設される運びとなったわけで
す。

 現在のところ、ここに書き込めるのは、
 中里融司(電撃ゲーム小説大賞、第一回受賞者)
 古橋秀之(同、第二回)
 川上 稔(同、第三回)
 橋本 紡(同、第四回)
 番外として、土門弘幸(同、第一回)(早くパソコン買えよ、土門くん)
 そして私、高畑京一郎(同、第一回)
 ……の、六人となっております。
 最初の第一歩という事で、極めてコンパクトな構成になっておりますが、順次拡大してい
ければ、と、考えています。


 それでは、次に、ここに書き込んで下さる五人の方へ。

 「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」というのが、この『専用掲示
板』の一応の主旨ですが、一朝一夕に結論の出るような事ではありませんし、また、必ずし
も結論を出さねばならないわけでもありません。
 僕としても、皆さんに負担を掛けるような事になっては申し訳ないですし、本業に差し支
えるような事になっては、それこそ本末転倒です。
 気楽に、雑談でもするかのように参加していただければ、ありがたいと思います。

 それでは、以前にもお話しましたが、ここに書き込む上での注意事項を、改めて確認させ
て戴きます。

一、自分の本の宣伝はしない。
  (みっともないから。ただし、議論する上で「自分はこうした」というように
   例示するのは構わない)

二、他人の誹謗中傷はしない。
  (みっともない上に、発展性がない。
   批評ならば構わないが、その際は、根拠、論旨を明確にする)

三、茶々を入れたり、揚げ足取りのためだけの発言はしない。
  (理由は、前項と同じ)

四、自分の意見を否定されたとしても、感情的にならない。
  (違う考えは、違う考えとして認める)

五、書き込みノルマは週に一回。
  (ただし、締め切り間際等、修羅場にある場合は免除する)

 ……以上、よろしいでしょうか。

 それでは皆さん、よろしくお願いいたします。

               高畑京一郎


2.  タイトルはどうしましょう   中里融司


 皆さま、冬のさなかにどうもです。
 始まりましたね、電撃作家BBS。どういうことやるか、いろいろ考えて参りましょう。
 で、考えたのですけれど、古くから名は言霊を秘めるといい、真実の名を知ることは、そ
のも
のの未来をも左右すると申します。
 作家BBSでもいいんですけれど、何かいいタイトル付けたらどうでしょうか。
 どうでしょう、皆の衆?


3.  たいとる   川上稔


このように実験的な試みが実際に始まった、という、まずそのことについて
御慶び申し上げます。
その発展については自分達次第とのことで、微笑ながらも尽力させていただ
きたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

と、まー堅いことを言ってみたりしてたりしますが(笑。
「タイトル」
とのことで。
ネタやら何やらを挙げる前にお聞きしたいのは以下の点です。

1・真面目か気楽か。
2・電撃、と冠すべきか(サブタイ的に電撃hpの名を入れるか?)
3・「hpという雑誌とインターネットの融合」
  を建前としてでもベースにするのか、
  「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」
  というのがベースなのか。またはその中道か。

何か方針などありますでしょうか、と。

1については、気楽で良いなら、
「全日本高畑連合(略:日高連)掲示板」
とかそういうのも出てくるワケで、なかなか難しいと思います(多数決だとそーいうのが
選ばれ安くなりますし)

2については、上のロゴなど見ますと、
「電撃hp・SAKKA?BBS(仮)」
が現状のようです。このセオリーをどうすべきかなー、と。

3においては果たしてここの議論が最終的に電撃HPを盛り上げることに
集約するのか、それともグローバルにネットのことを言うのか、はたまた
その中道か、という感覚。

どーいう風に思われます?
何やらいきなり質問責めになってるような気もしますスマンす。
いやはやではでは。


4.  師走の微笑ましい光景についての一考。   橋本紡


こんにちは。
電撃hpのホームページをご覧になっているみなさん、はじめまして。
書き手のみなさん、いつもお世話になってます。

いきなり雑談ですけど、なんだか師走ですねー、世の中。
電車乗ってたら、酔っぱらいのお姉さんが車両の中を全力疾走していきました。
おいおい、危ないつーの……。
タイトスカートをまくり上げてるのも、手にハイヒールを持っているのも
全力疾走のためなんでしょーか?
ああ、あの勇姿をビデオに撮って、素面の時に見せて上げたい……。
みなさんも、飲み過ぎには注意しましょうねー。

でもって。

タイトルの件。
適当でもいいんじゃないかって気もしますけど、せっかく作家が
集まってるんだから、なんか捻り出したいですね。
軽いの重いの、どっちがいいんだろ。
それぞれがいくつかアイディアを出して、人気投票でもしてみるって
手もありますけど?



橋本紡(しまった、十二時間寝ちまったぜ)


5.  タイトルの件について、私見   中里融司


 どうも、おはようございます。
 タイトルの件ですが、結構ライトでもいいかな、と思います。あまり重いのだと、名前負
けし
たりするかも知れませんし。
 たとえば、「光龍飛翔圏」とか。いえ、単に私の、趣味に走りまくった名前ですけど。な

か、ファンタジー系小説のサブタイトルみたいですが。
 名前に凝りすぎて、肝心の中身が希薄でも困りますし。
 この掲示板の目的としては、「hpを盛り上げる」「電撃小説全体を盛り上げる」「作家同
士会
話し、論議して、何か具体的な成果を目指す」「で、参加者それぞれが、自分をアップする
よす
がとする」とか考えています。
 全体が連鎖しているんじゃないかな、とか考えているのですが、どんなものでしょう。高
畑さ
んも書いておられるように、各参加者の作家性の違いもありますし、同じテーマを選んで
も、結
論はまったく違うものになる可能性が高いと思うんです。
 で、「あ、こういうアプローチもあるか。でも……」と、考えを深めるきっかけになれば
良い
な、とか、そこからまったく新しいものが生まれる可能性だってありますし。
 電撃大賞の、「臥龍覚醒」を、さらに押し進めることができるんじゃないかな、と思って
います。ちょっと上段に構えてみましたが、いかがでしょう。 


6.  インターネットを使って   中里融司


 ええと、つまり……作家同士が、酒も入れずに話し合う機会って、インターネットならで
はのものではないかな。で、まずは、作家同士が素面で話し合う、という場を活かして、い
ろいろ話していったらどんなものかな、と。そこから、可能性が見えてくるのではないか
な、と考えてます。
 いえ、酒を飲みながらでもいいんですけど。それはそれで面白いし。


7.  おじゃまします。   古橋秀之


ハイどうも、こんにちは、古橋です。
おまねきいただきまして、ありがとうございます。

タイトル(およびこの掲示板の立つべきスタンス)の件ですが、
川上さんの提示された

> 1・真面目か気楽か。
> 2・電撃、と冠すべきか(サブタイ的に電撃hpの名を入れるか?)
> 3・「hpという雑誌とインターネットの融合」
>   を建前としてでもベースにするのか、
>   「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」
>   というのがベースなのか。またはその中道か。

これに関しては、私個人としては、

# 1.『気楽』
#   気楽にやった方が長続きするかと思います。
# 2.『電撃とつけた方がよいのでは』
#   まあ、この場を貸していただいたりしてるわけで、これは「メディアワークス社の企
画」
#   としての側面も持っているのだ、ということを肝に銘じる意味で。
# 3.『一応、「雑誌とネットの融合」をにらんで――』
#   基本は「適当」に「取りあえずやってみよう」でいいと思うのですが、最終的になん

#   かの読み物が、印刷できる形で成立するといいなあ、とか思います。
#   「インターネット」に本気で取り組むにはソフト・ハードの知識が必要になるので、

#   状では慣れ親しんだ印刷媒体に持ち込むのが無難かな、と……すいません、いきなり

#   が引けてますが。

――このように考えています。もちろん、多数決や偉い人(高畑さん?)のジャッジに従い

すが。
で、上記3をわやわやとやっているうちに、中里さんのおっしゃる、

> 「hpを盛り上げる」
> 「電撃小説全体を盛り上げる」
> 「作家同士会話し、論議して、何か具体的な成果を目指す」
> 「で、参加者それぞれが、自分をアップするよすがとする」

といった目的が達成されるとよいなー、と。

タイトルの話に戻りますが――
以前にもオフで出た話題ですが、正式なものとしては、「作家BBS」といった系統のタイトル
はさけたいですね。
現状「電撃系作家の一部」、特に「高畑関連」でしかないこの面子が「電撃」や「作家」を

表して語っているかのような印象を読む人に与えるのは好ましくないと思いますので……。

固有名詞をつけてしまうというのはいいですね。
「光龍飛翔圏」私的にもOKです。

あとまあ、「作家BBS」はヤだ、と言いつつ、「作家さんのBBS」であることが売りであるこ

も確かなので、ここは一発個人の名前を前面に押し出して、
「電撃高畑BBS」(「全高連」でもいいですよ)
イヤですか?

まあ、そんなこんなで。
それではみなさん、今後もよろしくお願いします。


8.  掲示板の名称について   高畑京一郎


 どうも。高畑です。
 みなさん、早速書き込み下さったようで、ありがとうございます。

 さて、この掲示板の名称についてですが……。

 川上くんの質問は、多分、
「この掲示板の名称に、この掲示板の性格ないしスタンスを反映させたい。
 従って、名称を考える前に、掲示板の性格ないしスタンスをはっきりさせておきたい」
 ……と、いうような意味合いですね?

 違った場合はご指摘いただくとして、とりあえず、前記のように仮定して、
 私見を述べさせていただきます。

 いきなりですが、特に「スタンス」を反映させる必要はないのではないかな、と思いま
す。
 語呂が良くて、口に出しても恥ずかしくないような名称なら、僕としては、それで充分で
す。
(従って、「全日本高畑連合(略:日高連)掲示板」は却下。恥ずかしいから)

 「電撃」という語句についても、特にこだわる必要はないと思います。
 付けるなら付けても良いし、かと言って、無理に付ける必要はない、という事で。

 ただ、「作家BBS」云々に関しては、僕も古橋くんと同意見です。

 「光龍飛翔圏」に関しては……僕としては、少し恥ずかしいかな。


 ところで、橋本くん。

>電車乗ってたら、酔っぱらいのお姉さんが車両の中を全力疾走していきました。

 「車両の中を」?
 そのお姉さん、なにをしたかったんでしょう。
 ああ、なんか気になる。


9.  なるほどー   川上稔


どもども。
個人的にはよーやく”いつもらしく”なってきたな、という感覚ですなー(笑。
皆さんどんなもんでしょ?

>高畑さん
スタンス無しとのことで了解しました。
それの決定も含めて議論ながらの今後展開ということで宜しいのでしょうか?
つまりはフォーマットとなるマシンを決めずにゲームの企画だけを先に立てる
のと同じ感覚、かな? うーむ。
この解釈で誤解ないでしょうか?
あ、あと、ご指摘行きます。
>この掲示板の名称に、この掲示板の性格ないしスタンスを反映させたい。
いくら俺でも他者が用意された場所に”させたい”とまで主義の押しつけする
よーなことは考えてないですよ、と。そーいうキャラだと思われてますが(笑。
「させたいのか否か」
それを問うために、
「どーいう風に思われます?」
なわけですが、誤解が生じていたらそういう文意を与えた自分側のミスです、 その場合には申し訳ございません。いや、ホントに。

>名称
と上記のことを言いつつも結局、ここの名称はこのhp上のタイトルページ
に並ぶわけで、そのときに、
「どういうものか」
がある程度は読者の方に解らないといけないんじゃないでしょうか。
これが大前提だと思うのは間違い、かな? と。
本誌の方でも名前が載ると思います。そーなるとある程度商品的な意味や
わかりやすさが含まれるような気もしますが、それも無視で行きますか?
(実際、そーいうの無視したタイトリングの本もありますし)
行くならば準じて思考し……って、そこまで真剣な議論でもないよーな気も
してきたな、コレ(笑。
でもやはり、自分の本のタイトルを決めるように、色々と考えてみたいもの
ではあります。
個人的には作家BBSってのは読者と隔絶した雲上な感覚でアレですが、
「何だか解る」
という意味では非常に強い。
スタンス(=方針)無しというのであれば、尚更難しい気もします。
(”電撃””掲示板””BBS”などの記号的キーワードを入れれば意味が
解りやすいかな、とか思いますが)
どーしたもんかな、と。

んじゃまたではでは。


10.  川上くんへ   高畑 京一郎



>スタンス無しとのことで了解しました。

 あ、いやいや、これは単に「僕の意見(というか嗜好)」に過ぎないので、
 了解されても……と、思っていたら、

>と上記のことを言いつつも結局、ここの名称はこのhp上のタイトルページ
>に並ぶわけで、そのときに、
>「どういうものか」
>がある程度は読者の方に解らないといけないんじゃないでしょうか。
>これが大前提だと思うのは間違い、かな? と。

 ……と、ちゃんと、こう続いてますね。良かった。

 確かに、僕が発起人のような形になってはいますが、別に全権を握っているわけでは
 ないので、異論反論は、どんどんして下さい。

(と言いますか、「権利と責任は、みんなで仲良く分担しようよ」というのが本音です。)


 では、改めて、掲示板の名称に関して。

>フォーマットとなるマシンを決めずにゲームの企画だけを先に立てる
>のと同じ感覚、かな?

 「どう転んでも良いように、汎用性の高い形を取る」という意味なら、
 その通りです。

>「どういうものか」
>がある程度は読者の方に解らないといけないんじゃないでしょうか。

 基本的には同感です。
 しかしながら、必ずしもそうでなければならないとまでは思いません。
 その要素が入っているに越した事はない、程度の気持ちですね。
 従って、中里さんのおっしゃっていた、「固有名詞を付けてしまう」と
 いう方法も、ありだと思います。

>本誌の方でも名前が載ると思います。そーなるとある程度商品的な意味や
>わかりやすさが含まれるような気もしますが、それも無視で行きますか?

 どちらでも……などというと、投げやりみたいですが、本当に、どちらでも
 構わないと思っているんですよ。
 「わかりやすさ」の利点は認めますが、反対に「疑問を持たせて興味を惹く」と
 いうやり方も存在すると思うので。

>個人的には作家BBSってのは読者と隔絶した雲上な感覚でアレですが、
>「何だか解る」
>という意味では非常に強い。
>スタンス(=方針)無しというのであれば、尚更難しい気もします。
>(”電撃””掲示板””BBS”などの記号的キーワードを入れれば意味が
>解りやすいかな、とか思いますが)

・「作家」は避けたい。
・「電撃」「掲示板」「BBS」は、どちらでも良い。

 ……というのが、僕の考えですね。

 結局のところ、僕の判断基準は、前の発言でも示しましたように、
 「語呂の善し悪し」と「口に出しても恥ずかしくない事」になると
 思います。

 そこに「川上くんの判断基準」を照らし合わせて、両者の合致点が
 見いだせればベストでしょうね。
(無論、他のメンバーの判断基準との兼ね合いもありますけれど)
 こう話を進めて来た以上、僕もなんらかの具体例を挙げるべきなのでしょうが……
 ふむ、即座に、これというものは思い付きませんね。
 でも、そうだなぁ……。

 『hp掲示板』とか『電撃BBS』とかのあとに『01』『02』とか数字を
 付けるだけ、というのも、シンプルでいいかもしれません。
 口に出して言う時には『ゼロワン』『ゼロツー』と言った感じで。
(シンプル過ぎという話もありますが)

 もしくは『電撃ネットワーク』……は、無理だな、きっと。

 まあ、もうしばらく、考えてみます。


 ところで、最後に念のため。

>「させたいのか否か」
>それを問うために、
>「どーいう風に思われます?」
>なわけですが、誤解が生じていたらそういう文意を与えた自分側のミスです、

 との事ですが、無論、その事は承知していました。ただ、「それを承知した事」を、
 わざわざ書くのはまわりくどいですし、書くまでもないかなと思ったので、
 省略してしまったのです。
 そういう意味では、「誤解させたかもしれない」と思わせてしまった僕の文章の方に
 問題があったのでしょう。
 失礼いたしました。


11.  風邪にはやはり桃の缶詰か?   橋本紡


 うー、風邪引いちゃいました。
 熱も咳もくしゃみもみなさんオンパレードでやってきて、ちょっと
 大変です。

 ところで、数日前の橋本家の風景。
 橋本「風邪引いたみたいで気持ち悪い。もう寝る」
 家人「あ、その前にゴミ捨ててきて」
 橋本「……オレ……熱あるんだけど……」
 家人「平気平気、死なないって」
 ちえーっ、病人なんだからいたわってくれよーっ!
 ……以上、魂の叫びでした(涙)。

 では、レスなど。

>タイトル
 んー、僕もゴロさえよければなんでもいいとは思うんですけど、
 初めてやってきた人にどういう趣向のBBSなのかわかる程度の
 なにかは必要かなって気もします。
 まあ、サブタイトルでもつけるって手もあるし。
 ページのどこかになんとなくの説明を書いておくって手もあるし。


>高畑さん
 彼女がなんで走ってたのか、僕にもよくわからないんです。
 逃げてたのか?
 それとも、追いかけてたのか?
 ただね、高畑さん。
 彼女、美人でしたよ!
 しかも、かなりの!
 ああ、オレ、なんでこんなこと力説してんだろ……。



 橋本紡(風邪引き中)


12.  タイトルの件、ほか   古橋秀之


どうもです、古橋です。


タイトルの件は、みなさん「それなりに思うところはあるが、人に押しつけるほどでもな
い」
って感じで落ち着いちゃってますか?
一人2、3個出し合って決を取るなりしたらいいんじゃないでしょうか。どうでしょう?

『hp』の読者さんから案を募るというのもちょっと考えましたが、何も決まっていない現

からすると、ちょっと大仰ですかね。


今後の活動案(の一つ)ですが、以前オフで出ていた「ときどき集まってイベントっぽいこ
とを
やって、複数視点からのレポートをアップする」っていうのは、どんなもんでしょうね?
あと「お題を出し合って競作エッセイ」とか。


なんかこう、きっかけがないと動きだせないもんスね。
とりあえず、おなかがすいたのでコンビニに。


13.  はい先生、提案です   中里融司


 どうもどうも。なんだか例年、仕事が詰まってるときに年の瀬が来て、片づけもしないう
ちに新年が来てるような。私ん仕事部屋兼寝室は、ここ数年床が見えてません。
 橋本さん、今年の風邪はなかなか抜け切れませんね。私なんざ、先月の末から引きっぱな
し。って、治りかけるとわざわざ出かけるからいかんのか。
 タイトル、なかなか決まりませんね。本当に幾つか案を出し合って、決を取るとかしても
いいかも。私が出した案は、単に趣味なのでどっちでもいいんですけど。
 藤子先生の「まんが道」では、決を取るシーンがありましたっけ。
 それとも、しばらくは仮タイトルのままで、先に活動に入ってしまうって手もあります
ね。
 で、活動についてですが……ときどき集まって、酒飲んだりもの食べたり馬鹿話したり、
そこから急にシリアスな話になったりの状況を、後からライブでやるとか。けど、思い出し
て起こすのは大変そう。
 一つのテーマに沿ってエッセイを書くとか、あるいは三つのお題を組み合わせて、それぞ
れ思いついたプロットを語るとか。そう、三題話という奴。たとえば、「剣、もしくは刀」
「自動販売機」「宴会」とか。どれたせけ関連なさそうなものを組み合わせるかがポイント
でしょうか。
 年が改まる頃には、何か始めたいな、と思ってますが、どんなもんでしょう。


14.  ふと思ったんですけど   川上稔


名称の件、一時棚上げってことですが、
「もー絶対決まらない気がする」
のは自分だけだろーか……。

ログを読み直していて思ったんですが、
「俺達、かなり無責任なスタンスで通そうとしてない?」
どう思います? 全員。


15.  スタンスほか   古橋秀之


どうもです、古橋です。

■スタンス■
>「俺達、かなり無責任なスタンスで通そうとしてない?」

はいはい、いきなり核心ですね。
現状、私はかなり無責任です。ほかの皆さんもまあちょっと腰が引け気味かなという印象を

は持っていますが、そちらの正確なところは皆さんの自己申告におまかせするとして。

しかし、私見としては、ある日、私であるとかだれかほかの人であるとかがピピーンと頓智

いて「これはやるしか!」という企画を思いつくとか、ここの面子の一人もしくはそれに近

い人が「何らかの事件に巻き込まれる」とかしたら盛り上がるかなーとか思いますんで、そ

ときを期し現状はこの場が「存在すればよし」として、だらだら回しておいてもいいんじゃ

いかなーとか思います。ぬるま湯OKっスよ。


■三題噺■
三題噺って頭が疲れそうだけど、時々なら面白いかもですね。
三つのお題を別々の人が出して、メールで集めたりして。
お題一セットに対して、全員であたりますか? 回り持ちにしますか?
私としては、全員だとネタかぶりが発生したりしてキツそうなので、
「ハイ次、古橋君。お題は『剣、もしくは刀』『自動販売機』『宴会』」
とかいうような形式にしたらどうかなーと思います。
週に一人ずつ当てていくようなペースで。
指名の順番をどうするかとか、まだ考えどころはたくさんありますが、とりあえず
「剣、もしくは刀」
「自動販売機」
「宴会」
で一本。

********************
年の瀬の繁華街の外れの小さな路地に、一人のサラリーマン風の男が迷い込んでまいりまし
た。
どこぞの忘年会の帰りでしょうか、マンガみたいにネクタイをハチマキにして、もうすっか

ごきげんです。
と、そこに、小さな明かりが。
「宴会自動販売機」。
なんじゃこれは、と顔を寄せてみると、ライトアップされたボタンの一つ一つに、
「くつろぎコース2000円」とか「にぎわいコース3000円」などと書いてあります。
酒の勢いも手伝って、面白半分に2000円を投入し、「くつろぎコース」のボタンをを押して

ますと、
「ハイッ、くつろぎコースのお客様っ!」
という威勢のいい声とともに、自販機の取り出し口から居酒屋の兄ちゃんがぞろぞろぞろ。
兄ちゃんたちはハチマキ男の前にビールのジョッキ、枝豆、唐揚げ、つくね、焼き鳥、酢の
物、
アイスクリームを並べ、
「それではっ! 乾杯の音頭を取らせていただきます! かんぱーい!!」
つられてジョッキをかかげると、
「くつろぎコース、以上になります! ありがとうございましたあっ!」
と言って、兄ちゃんたちはぞろぞろと自販機の中に帰っていきます。
あとに残されたハチマキ男は、ひとり唐揚げなどをつつきつつ、うーむ、これは面白い。し

し料理がちとしょぼいなあ。まあ2000円のコースだしな、などと考えながら自販機を見上げ

すと、ボタンの列のいちばん端に、妖しく光を放つピンク色の「アダルトコース8000円」。
これでしょう、これ。
いそいそと札を入れてボタンを押すと――はたして、ボトルをささげ持った、妙齢の美女が

ろぞろぞろ。
いやはやいやはや。しばしの間、飲んでさわって極楽気分でございます。
されそれから、ぞろぞろと自販機に帰っていく美女を見送ったハチマキ男、いやー、楽しか

た、あれで8000円は安い安い、と路地をあとにしようとすると、
「お客さん、ちょおっと待ってください」
取り出し口からぬっと出てきた黒服、パンチ頭の怖い兄さんが、
「オプション料金をまだいただいておりませんが……」
その懐からドスがチラリ。
********************

こんな感じでいいんでしょうか。
……それにしても、なんでオレぼったくりの話とか好きなんですかね。オヤジですね。


■エッセイとか■ それはそれとして、無難な時事ネタで攻めていくというのも考えましたが、どうでしょね。
「我が家の2000年対策」とか。うわー無難。スゴイ無難。


■タイトル■
あとタイトルの件、集計とか採決はさておき、取りあえずもう一案。
これ、中里さんが言ってたんでしたっけ?
『電撃倶楽部』。愛称は「デンクラ」。


では、そんなとこで。


16.  あ、いいねそれ   中里融司


 どっも。うう、無責任かな。もっとも、世の中には無責任だけに突き抜けてて、あらゆる
問題を解決しちゃう御仁がいましたが。
 その名も、平均という……好きだったな、あのシリーズ。
 それはさておき、自分の発言には責任取るつもりだったんですが。古橋さん、最初に書い
てくださいまして、ありがとうございます。
 三題話って、「ストーリーを組み立てる勉強に役立つ」ということで、昔よくやったんで
すよ大学のサークルで。古橋さんの作例、良いです。で、創った人が、次の人を指名して、
お題を出すというのはいいかも知れませんね。
 古橋さん、如何でしょう。

 あ、掲示板の名前。
「電撃倶楽部」に賛同します。気負ってなくて、のほんと集まってくるという雰囲気でよい
のではないかな。電撃以外の作家さんが参加できない、というご意見があるかも知れません
が、そこはそれ、常連が集まっている倶楽部に、からんとドアを開けて新しいお客が来ると
いう辺りはなんの問題もないわけで。
 倶楽部という漢字の名称には、秘密のアジトっぽさも漂っていて、レトロな感覚も買いで
す。


17.  一つ思いついた   中里融司


 う?、忙しい。
 現在、一件SFを書いています。で、なんとなく思いついたアイデア。
 みんなで、一つの世界を創作していくというのはどうでしょう。
 とりあえず思いついたのは、こんなのをベースとして。

 最後の空間跳躍を終えた証の電鈴が、船内に響き渡った。
「減速開始。後方重力場形成開始、総員、床面逆転に備えよ」
 運用長の言葉につれて、注意を促す警報が三度、一回に一秒、二秒の合間をおいて鳴り渡
る。
 船の前方に形成されていた重力場が消失し、後方に形成される。それに伴って、各個に独
立した球体として構成されている各ブロックが、緩やかに回転する。
 中央制御室に駆けつけた二級分析技師、アダム・フューリーは、中央モニターに映し出さ
れた惑星を眼にして押さえた歓声をあげた。
「これが……そうかぁ。凄い……」
 彼らが目的地としていた、外宇宙の恒星系に属する未知の惑星だ。この惑星が発信源と思
われる電磁波を受信してから、およそ三〇〇年。当初は電磁波の受信のみで、ある程度技術
が発展してからは、観測機器は幾つも送り込まれているものの、そのすべてがまったく別の
データを送ってくるという予測不能の事態が続発して、仮に『バルト・アン・デルス』と名
付けられた惑星は、科学者たちの興味の的となってきた。
 そして、さらに一〇〇年。ようやく自らの体を、光速以上で運ぶ術を得た人類は、自信の
眼で、謎の星を見る力を獲得した。
 船は減速しつつ、『バルト・アン・デルス』を従える恒星系に接近する。前もって放たれ
た観測装置から、刻々と送られる観測データを解析していた科学観測班のマキムラ主任が、
驚愕の声をあげた。
「面白いな。あの星は主星の軌道を、我々の尺度で一二年かけて公転している。それも、極
端な楕円形だ。質量も我が母星の、およそ六倍で、かなりの高速で公転している。赤道付近
の重力は、我々には低すぎるくらいだ。こういう星に発生する文明があるとすれば、どうい
うものだと思うかね?」
「文明? マキムラさん、文明は確認されていないはずですが。何かも手がかりでも?」
 問いかけられた生物部門研究員の、チル・ビュキアが不審そうに言う。マキムラは楽しそ
うに、データファイルを指し示した。
「軌道上に、金属反応だ。人工衛星を打ち上げるほどの文明が存在するとしても、不思議は
ないと思うがね!」

 という感じで、この惑星バルト・アン・デルスの自然や生態系、文明があるとすれば、と
いう世界を創っていくという案。
 結構面白いかも、と思うのですが、どうでしょう。 


18.  寒くなりましたね。   高畑京一郎



 おや、しばらくさぼっていたら、こんなに書き込みが。
 というわけで、とりあえず、思った事を幾つか。

 まず、活動内容について、ですが、
「好きに使って下さい」
 というのが、僕の意見ですね。こういう場で、なにができるのか、
 それをいろいろと試していきたいな、と思っていますので。

 三題噺もいいでしょうし、一緒に映画でも観に行って、その感想を語り合うのも、
 各自の作家性の差違が明らかになって面白いかもしれません。
 僕としては、橋本くんあたりと、「倍角表記の擬音の使用」について、
 一度話し合ってみたいな、なんぞと思っています。

 次に、川上くんへ。
>「俺達、かなり無責任なスタンスで通そうとしてない?」

 確かに。
 ただ、その『スタンス』は、
「他の参加者への押しつけをしたくないため、『提案』という形でしか、
 意見を明らかにしていないから」
 という、皆さんの遠慮によるものだと思います。

(僕としては、その種の遠慮は、少なくともこの掲示板では、無用としても良いのでは
 ないかなと思うのですが、いかがでしょう、皆さん?)

「折角だから、俺は、こういう事をやりたい。だからやる」
「それは僕の趣味じゃないな。だから、それには参加できないけど、こっちのネタには
 参加するよ」
 そんな感じで、各自、思い思いの方向へ、とんがってくれれば、ありがたいと思います。

 普通でしたら、この方法では統一性を欠く事になり、空中分解を起こすおそれが多々あり
ますが(そしておそらく川上くんはその点を心配しているのだと思いますが)、この面子な
ら大丈夫じゃないかな、と、僕は楽観しています。

(なお、これは僕の意見ですので、「それは甘いよ」とか「俺が言いたかったのは、
 そんな事じゃないよ」という反論があれば、よろしく。ただし、「俺はそう思わないけ
ど、
 高畑さんがそう言うんなら従いますよ」というのだけは無しにして下さいね。
 多人数でなにかを始める以上、『意見調整』はどうしても必要になりますが、
 きっちりやり合った上での事にしたいので。)

 次に、タイトルについて。
>「電撃倶楽部」

 ふむ……いいかもしれませんね。
 ただ、実質五人の中で三人が賛同すると、そのまま決まってしまいそうなので、
 とりあえずは保留です。

(「なんとかかんとか(仮称)」にして、「なんとかかんとか」の部分だけ、
 ころころ変えてくというのも面白そうですが、管理者の人が大変かな?)


>三題噺。「剣、もしくは刀」「自動販売機」「宴会」

********************

 なんか難しそうですが、やってみます。

 年も押し迫った忘年会シーズン。五人の酔っぱらいに喧嘩を売られて困った土門くん。
 得物になりそうな物を探すが、路上の事とてなにもない。
「仕方がない。あれを使おう」
 道端にあった自動販売機を抱え上げ、ぶんぶん音を立てて振り回す土門くん。
 酔っぱらいどもを薙ぎ倒して、ひと言。
「ふ……勝ったな」

 こんな感じで、ええんかい?

********************


19.  「三題話」ほか   古橋秀之


どうもです、古橋です。

■タイトル(状況確認)■
「デンクラ」に決まってしまいそうな風向きですが、川上さん橋本さんの反応待ちですね。
別案、反対意見もアリかと思います。


■スタンス(状況確認)■
全体のリーダーシップを取ろうと申し出る人は今のところ(川上さん橋本さんの意見が未確
認)
なし、ですね。

高畑さんの意見は、
「企画ごとに、言い出しっぺを中心としてゆるく回していけばよい」
という感じでしょうか。少なくとも「企画立案・仮ルールの設定」と「参加者の募集・確
認」
までは言い出しっぺ(もしくはそれに代わる人)がするということで。
また、「自由参加」を基本とするなら、今後、もうちょっと母集団に人数が欲しいですね。

とえば「三題話」をやるのが私と中里さんだけだったりすると、ちとさびしい。

ここは「提案・試験」の場として色々回してみて、活発にやっていけそうなものはメディア

ークスさんにお願いして別掲示板を立ち上げてもらったりするといいかもしれませんね。
NIFT
Yの特設会議室みたいな感じで。

無論これらの意見は、「ここでただの世間話をしてはいけない」という意味ではありません

…よね?


■企画『三題話』■
--
◎ルール案
仮に全員参加(土門さん取りあえず保留)の場合――

1.古橋秀之
2.川上 稔
3.橋本 紡
4.高畑京一郎
5.中里融司

の順序で手番を回すものとする(変更可)。
そして――

1・「出題者」は自分の手番から3つ前までの者からキーワードを1つずつ(メールで)集
め、
  月曜の午後(変更可)に、自分の次の手番の者=「回答者」に(掲示板で)提示する。
2・「回答者」はその週のうちに3つのキーワードを含むストーリーを掲示板に書き込む。
3・「回答者」は新たな「出題者」となる。→1に戻る
--
このような形で全員の賛同が得られれば、取りあえず「出題者=古橋」として、橋本さん高

さん中里さんからお題を集め、「回答者=川上さん」に提示するところから始められると思

ます。
「パス」するときはどうするか……など、細かい部分は適宜考えて行きましょう。
************************************************************************************
『三題話』への「参加/不参加」表明や「ルール提案(あれば)」を、あらためておねがい

ます。>皆さん
************************************************************************************
もちろん、「スケジュール的に無理」、「この企画は性に合わない」といったこともあると

いますので、もし無理でもうらみっこなしということで。
不参加が二人以上出たら、今回は一旦流しましょうか。


■企画『バルト・アン・デルス』■
おお、なんか星野之宣の漫画みたいですね。

--------------------
一二年に一度、凄まじい熱と嵐の季節を迎える氷の惑星……てな感じでしょうか。
緯度によって生物相が全然違ったり……。
高速自転によるダイナモ効果がどーの、コリオリの力がこーの……(よー知らん)。
電磁波の正体はこの惑星のものすごい地磁気を帯びた砂鉄を含む嵐が起したもので……。
なんだ自然現象か、と思ったらその中には「電磁ノイズ生命体」みたいなもんがおって…
…。
彼らのライフサイクルは、凍った惑星表面に走る半ば天然の回路によって維持される「コン

ュータ期」と、嵐の中で荒れ狂う「ノイズ期」からなり、「ノイズ期」には理性を失い凶暴

するが、彼らにとってその時期は次の「コンピュータ期」のより深い思考のために回路を組

替える重要なステップなのだ……とか。
--------------------

私個人は科学に暗いもので「すると、こうなりますね!」とはなかなか自信をもって言えな

んですが、思いつくままネタを上げてみて、みんなでつつき回すというのは面白い/ために

る、かもですね。
ちなみに上のネタも科学的に合ってるかはナニなので、突っ込んでいただけると幸いです。
取りあえず適当にネタを上げてごちゃごちゃと突っ込み合って、何らかのジャッジが必要な

きは言い出しっぺの中里さんに――って感じでいけましょうか。

ところで、「バルトアンデルス」って、なんでしたっけ……?
「正体不明・変幻自在の幻獣」の名前……でしたっけ?
「ぬえ」とか「もののけ」みたいなニュアンスの。


では、そんなとこで。


20.  古橋くんへ。   高畑京一郎


 高畑です。

>■タイトル(状況確認)■

 まあ、そんなに性急に決める必要はないと思いますよ。
 以前、川上くんもおっしゃっていたように、長く付き合う名前なら、やっぱり、
「これがベストだ!」と言えるような名称にしたいですし。

 ただ、今付いている仮称だけは、早いところなんとかしたいな、と。


>■スタンス(状況確認)■
>高畑さんの意見は、
>「企画ごとに、言い出しっぺを中心としてゆるく回していけばよい」
>という感じでしょうか。少なくとも「企画立案・仮ルールの設定」と
>「参加者の募集・確認」までは言い出しっぺ(もしくはそれに代わる人)が
>するということで。

 若干、違います。

 この掲示板への最初の発言でも申しました通り、僕はむしろ、この掲示板を
「企画を詰めていく」場だと考えています。

 以前、お集まりいただいた時に、いろいろと案が出ましたね。シェア・ワールドとか、
 読者参加型の小説とか、あるいはインターネット上にリンクを張る事でなにかやって
 みようか、とか。しかし、それらには様々な問題点があって、実現は難しいだろうと
 いうのが、あの時の結論でした。

 ですから、それらの問題点を回避もしくは解決する方法はないか、
 皆が揃って「これならいける」と思えるような優れた案が産み出せないか、
 それをこの場で議論していきたいなと思っているわけです。

 また、それらを考える上で、「我々の力だけで可能かどうか」は、
 必ずしも、考える必要はないとも思います。
 「こんな事ができればいいなぁ」という夢想に近いものであっても構いません。

 例えば、「最近のテレビゲームはつまらない。こんな感じのがあればいいのに」
 というような話題も面白いと思います。それを皆で俎上に上げて、
「だったら、システムはこんな感じ?」
「なら、シナリオは、やっぱりこうでしょう」
 といった風に、練り上げて行く作業も楽しいかと思います。
 また、それがけちの付けようがない程に完成してしまったら、
 どこかのゲーム会社に企画持ち込みしてもいいわけですしね。

 ……と、ここまで書いてみて思ったのですが、このネタなら、
 わりと盛り上がれるかもしれませんね。
 ゲーム好きも多いですし、専門知識の持ち主(川上くん)もいらっしゃいますし。

 と、いうわけで、古橋くん(及び皆さん)に質問です。

 好きなゲームはなんですか?
 また、そのゲームに対する不満点(ここがこうだったら、もっと良かったのにという点)

 ありますか?

 僕なんかだと、例えば、FF8は、結構好きでしたね。
 レベル上げをしなくても(しない方が?)よかったり、雑魚敵を出さずに済む方法が
 あったりしたのが、僕としては好みでした。
 ただ、取り逃すともう手に入らないという物があるのは、長時間プレイのゲームとして
は、
 ちょっとまずいだろうと思いました。
 あと、シナリオがね……。

>無論これらの意見は、「ここでただの世間話をしてはいけない」という意味では
>ありません……よね?

 勿論です。

 僕も含めて、なにか皆さん、手探り状態のような感じですが、
 なにしろ、始まってまだ一週間ほどしか経っていませんからね。
 この掲示板のスタンスも、いずれ落ち着くべきところへ落ち着くと思います。


21.  レスなんぞ。   橋本紡


 はい、橋本です。
 風邪は二十三時間睡眠で追い出しました。
 寝過ぎて頭痛いかも(……)。
 しっかし、我ながらよく寝るものだと感心してます(呆れてる人もいる
 よーだが……)。
 ちなみに、最高記録は二十七時間睡眠。

>デンクラ
 んー、特に異論はないです。
 どうしましょうか?

>「俺達、かなり無責任なスタンスで通そうとしてない?」
 え……?

>「倍角表記の擬音の使用」
 実は今まで使ったことないんだけど、もし擬音を使うなら、倍角も
 ありかなーって思ってます。だって、中途半端に使うよりは、使い
 倒したほうがよくないですか? 
 使うなら使う、使わないなら使わないってとこでしょうか。
 まあ、ここら辺は作品ごとのカラーもあるんで、作品によって
 使い分けたりしてますけど。

 一般的手法としての議論をするならば、「擬音を使うのって安易だから
 嫌い」って意見がありますよね。ただ、逆に「擬音があったほうが読み
 やすい」って方もいるわけで。

 うーん、読者のみなさまはどうお考えでしょう?
 よかったら意見を聞かせてください。
 書いてる方としては、こういうのってけっこう悩むもんなんです。


22.  修羅場っす   川上稔


迂闊な約束事はするもんじゃありません(笑。

>BBSタイトル
>電撃倶楽部
以下の問題が生じる、かな? 細かいかも。
・倶楽部と言う割には他の人が入りにくい(手続きの面などにおいても)
・倶楽部と言う割には結局web上のみである(将来的に本誌展開があれば別か)。
・”電撃”が直接的すぎて電撃の代表者の感がある。
・顧問がいない(笑。
でも雰囲気的に正しい意味でとれば合っているのですよね。
もうちょっと軽くていいのかも、
「約電撃倶楽部」
とか、
「電撃倶楽部(仮)」
とか。弱気かも?(笑

>三題噺
OKっす。会社でやってる仕事と変わりないっす(笑。
「”遊園地”で72本書こうね」
とかってのより遙かに楽でさあ旦那。

>無責任
現状で無責任擁護なのは古橋さんと橋本さん(可能性ね)、でしょうか。
で、スタンス確認と言うだけあって個人の思想確認じゃーないわけで、今後、お二人の
発言(特に提案)に自分は、
「ホンキで喋ってる?」
的なスタンスで取り組んだり疑問放ったり関節キメたりな可能性がありますが、宜しい
でしょうか?
「責任持ってる」
と言える方の発言は、よほどのことが無い限り信用しようと思いますが、無責任を前提
とされた方の発言は全体的にちょっと信用ならない、と。(その方が楽、という人も
いるわけで、悪いとか良いとかってーことじゃないです、御確認、ってことで)
>スタンス確認の理由
この場所ってのは、言うまでもなく結構重要なトコだと思います。
メディアワークスという企業が、hpの一部にこういう場所を作ったってーことは少な
くとも人件費は掛かっているし、維持費もある。それがたとえローリスクであろうとも
コレが企画として動いている以上はリターンを出さねばならないし、
「こーやって表だった以上は失敗(無価値)はダメよね」
ってことです。
「何らかの形が出せれば良いなあ」
ってんだと、結構、危険かな、と。少なくともここを用意してくれた人達に対して俺
だったらソレは言えないです。
気負うのも危険ですけどね(笑。
その意味で、ちとスタンス確認をば、と。
メディアワークスは俺らに、
「いつもありがとうBBSをご褒美に差し上げます自由にしてね」
とくれたわけじゃなくって、(たとえ口でそーは言っても企業としては)何かを
望んでる。
俺的にはこれを一番底に責任必須で考えてるんですが、どんなもんでしょ。
考えすぎっすかね?(最近ちょっとそー思ってる(笑))

>好きなゲエム
ウルティマ5かなー。かなり個人的神聖化してるところもありますが、今でもプレイ
してたりします。俺的人生で最も長時間動いてるゲエム(次点はザナドゥか)。
何で好きかと言えば、
「世界がそこにそのままあるから」
かな? 何をしててもよく、何でもある、っていうのは自分なりの”旅行”をしている
ようで面白い。浸れます。
問題はありまくりで(笑)その中でも、
「真面目に解こうと思ったら泣くほど時間掛かる」
のだけはどーにかならんか(笑。
やはりゲームの世界観やら何やら全てに没入できるものが好きで、
「集中のみ必要とするもの(パズルゲームとか)」
には面白さは感じても魅力は感じない方ですね。

>橋本さん(全員向け、かな?)
読者に対して問うのは、向こうの掲示板ですべきことだと思うのですが、どうなん
だろう? このあたりの規定も無かったですね。
何となく、ここで問うと、
「上からの御言葉」
な感覚もあるんですが……。
また、橋本さんの疑問の書き方だと、
「擬音を使うことについてどう思うか」
ではなく、
「擬音にはこういうものがあってこう使われている」
というような”擬音の書き方教えましょう”的答えが来るんじゃーないかと……。
(俺の読み方が違うかな? どっちの意味で問うてます?)

ってとこで、原稿に復帰です。
んじゃまではでは。


23.  まずは橋本くんへ。   高畑京一郎


>「倍角表記の擬音の使用」
>もし擬音を使うなら、倍角もありかなーって思ってます。
>だって、中途半端に使うよりは、使い倒したほうがよくないですか?

 ああ、そうか。なるほど。
 前にこの件に関してお話しした時に、ちょっとしっくり来ないものを感じたのですが、
 その理由が分かりました。
 僕と橋本くんでは、線引きするラインの位置が違ったのですね。

 僕の感覚だと、「擬音」と「倍角表記の擬音」の間には、大きな隔たりがあるのですが、
 橋本くんは、「擬音を使用する事」「しない事」との間にラインがある、
 という事のようです。

(そういえば、あの時も、「擬音は使わないと決めていた時期があった」と、
 おっしゃってましたっけ。)

 僕は「擬音の使用」には、ほとんど抵抗が無いんですよ。
 なぜかと言われれば、多分それは、「どんどん進む」といった副詞的な表現がある以上、
 「ちゅどーんと爆発した」というような表現もありだろうと思うから、でしょう。

 ただ、それが「倍角表記」となると、あまりに戯画的過ぎるようで、抵抗が生じるので
す。

 もっとも、その「戯画的な効果を狙う事」に意義がある場合もあるわけで、結局は、

>まあ、ここら辺は作品ごとのカラーもあるんで、作品によって使い分けたりしてますけ
ど。

 ……と、いう事になるんでしょうね。


24.  そして川上くんへ。   高畑京一郎



>「こーやって表だった以上は失敗(無価値)はダメよね」
>ってことです。
>「何らかの形が出せれば良いなあ」
>ってんだと、結構、危険かな、と。少なくともここを用意してくれた人達に対して俺
>だったらソレは言えないです。

 僕だったら言えますね。
 ……と、これだけでは、なにか喧嘩を売っているようなので、もう少し説明します。

 まず基本的に、この掲示板が稼働した以上、「何らかの形を出したい」という思いは
 僕にもあります。少なくとも、この点では、川上くんとの間に差違はない筈です。

 しかし、「やるからには高い水準のものをやりたい」とも思うわけです。
 形にする事を焦るあまり、低いレベルに甘んじるような真似だけはしたくない。
 そんな事をするくらいだったら、すべてご破算にした方がまだましだ。
 そう思うのですよ。

 例えば、シェアワールドをやるにしても、一番簡単な方法は、なんでもありな世界を
 設定して、それぞれが自由に作品を書く、という事だと思います。
 しかし、僕に言わせれば、それではレベルが低すぎる。というより、それだったら、
 シェアワールドと銘打つ必要なんかない。それぞれに別々の作品を書いた方が、
 中途半端な縛りがないだけましでしょう。
 一段レベルを上げる。たとえば、同じ街を舞台にする。同じ名前の店や施設が、
 それぞれの作品に登場する。最初に綿密な地図づくりをする必要があるでしょうが、
 その分、統一感は増します。
 更に一段レベルを上げる。同じ登場人物が出てくる。この場合、身体特徴や性格設定、
 台詞まわしなども事前に決める必要が出てきて、更に難易度は増します。
 更にもう一段レベルを上げる。同じ街、同じ登場人物、そして同じ時間軸。
 それぞれの作品内に登場する人物の行動が、並列するそれぞれの作品内にも影響を与え
る。
 何時何分にどこでなにが起きるか、そこまで完全に決める必要が出てきます。
 無数の事象を完全に整合させ、なおかつ個々の作品を単体で成立しうるまでに仕上げるの
は、
 しかも趣味も嗜好も違う複数の作家を交えてそれをするには、ほとんど神業が必要でしょ
う。
 しかし、それができれば、シェアワールドとしては、ほぼ究極の形と言えると思います。

 どうせやるなら、そこまで極めてみたい。僕はそう思います。
 そして妥協もしたくない。
 少なくとも、設定が不完全なまま、時間に追われて見切り発車するような真似は
 したくないんです。

 ですから、僕はこれまで言質を取られるような言い方はしないできましたし、
 またこれからもするつもりはありません。どんな企画を立てるにせよ、
 主導権は飽くまでもこちら側に置いておきたいからです。
 「何らかの形が出せれば良いなあ」とは、その含みがあっての事です。

 メディアワークスの都合より自分の都合を優先させる事が「無責任」だとおっしゃるな
ら、
 それはその通りで、反駁の余地はありませんが。

 以上。


25.  うやむやの話   古橋秀之


どうもです、古橋です。
すんません、長いです。

■デンクラ■
ひと通りの意見が出ましたね。
川上さん指摘の問題点についてはもっともだと思うし、その一方、押し切っちゃってもいい

ベルかとも思います。
さて、どうしましょう。私はどちらでもいいんですが……。

――と、この辺に、後述する「この『場』に決定機能がない」という問題点が、端的に現れ

いるかと思います。


■スタンスというか、場の進め方について■
以下、主に高畑さんへ――
************************************************************************************
私の経験(ナニほどのものでもないですが)から言いますと「リーダー(王様)」も「ルー

(法律)」もない状態で話し合いをしても決して結論は出ませんので(ジャッジができない

で、意見の相違が出た瞬間に暗礁に乗り上げてしまう)、その状態でなにかを作ろうとして
も、
十中八九うやむやに終わってしまいます。
というわけで――

> しかし、「やるからには高い水準のものをやりたい」とも思うわけです。
> 形にする事を焦るあまり、低いレベルに甘んじるような真似だけはしたくない。

これ、やるんだったらどこかの時点で高畑さん(あるいは他の人)がバシッと「王様」にな

ないとできませんですよ。「高い水準」とか「クオリティ」の感覚って人によって違います

ら、まず同期が取れません(無意識のうちにそのジャッジをしようとしている高畑さんは
「王
様候補」なわけです)。王様不在の状態では、この掲示板のタイトルが決まらないように、

ず町の名前を決めることもできないと思います。
「俺が好きにやるからみんなついてこい」と言っていただければ、協力するのにやぶさかで

ありませんが――

しかしまあ、現状では、高畑さんに「王様になるのかならんのかー!」と即断を迫る必要も

いかと思います。
この場は「とりあえずブレスト(後述)」ということで――
************************************************************************************

以下、主に川上さんへ――
************************************************************************************
私たちはここで、マジな「企画者」であることを求められているんでしょうか。もちろん、

まくそうなればもうけものでしょうが、さて、メディアワークス社が(川上さんを除いて) 素
人集団の企画にそこまでの期待をしてるんでしょうか。
しかも、先にも言いましたように、今、この場には決定機能がありません。

この状況から私の出した結論は、「とにかく場をにぎやかして、いいネタが出ればもうけも
の」
=「ブレインストーミング」です。
「各々とにかく発案はするが、その個々のアイデアの是非をきっちり検討はしない。いいと

ったら賛成・発展意見を出し、ウケの悪いものは無視して流れていくにまかせる」といった

ールで。
人の意見を無視するのってなかなか気疲れしますけど、ここは意図的にやっていくべきでし

う。(でないと話が進まない)
――これならば、現状のまま進めていけます。また、高畑さんが現在望んでいるのもそうい

形かと思います。

ただし、ブレストだけで企画が完成することはあり得ません。
これをよしとしないのであれば、今すぐであれ、後々にであれ、場にリーダー――王様か議

を立てる必要があります。私自身には、この場のリーダーを買って出るだけの能力や心構え

ありませんが(これをして、私は自らを「無責任」と評価しています)、そこで立ったリー

ーには従うつもりです。
簡単に言ってしまえば――
「高畑さんでも川上さんでも仕切ってくれたらいいと思うんですが、まあ、本人がイヤなら

ょうがない。俺だってできないし。次善の策として、とりあえずは適当でいいと思います
よ」
――という感じ。
************************************************************************************


■倍角表記の擬音■
要はそれ自体が絶対的に「いい」か「悪い」かではなく、
「倍角擬音(的なもの)が好きな人に読んでほしい小説」の中では使うべきだし、
「倍角擬音(的なもの)が嫌いな人に読んでほしい小説」の中では使わないべきなんでしょ

ね。
――などとしたり顔で言っちゃうと、話が終わってしまいますな。

あっ、そうか。それで「読者のみなさま」に聞いてるんですか。>橋本さん
確かに、どういう人が喜び、どういう人が嫌がるのか――色々な人の「好き/嫌い」と「そ

理由」は聞いてみたいですね。

ちなみに私は、自分では使ってみたくなるけど、人がやってるのを見て引いちゃうこともあ

ます。ふむむ、なぜだろう。
倍角擬音の置かれた、「奇をてらう」には一般化しすぎてるし「当然」というほどには定着

ていない、という微妙な立場が、「顰蹙を買わずに使いこなす」ことを難しくしているのか

しれませんなー、とか思ったりして。

現在は当然のことになっている、
「『!』『?』などの使用」
「口語体表記」
「ひらがなの使用」
なども、かつてはその時々で同種の議論を巻き起こしてきたことでしょう。
あるいはまた、一時期流行ったものの、現在は廃れてしまった特殊表記も、文学の歴史の裏

はゴロゴロしていることでしょう。
倍角擬音は、さて、今後どちらの道を行くのでしょうか。


■好きなゲーム■
好きなゲームというと、『ソウルキャリバー』と『JOJO』だったりしまして、ナイトメアの

剣の重量感であるとか承太郎のオラオラのガスガスっとしたケズり感覚とかにグッとくるわ

ですが、これはあくまで「俺の好み」の話であって、真性の格ゲー野郎は対戦バランスとか

も目が行くだろうし、JOJOの原作ファンはバランス云々より原作の小ネタを活かしてくれて

ことを評価するだろうし、うーむ。
「『JOJO』の次は『北斗の拳』作ってほしいなあ、キャラはなに出す?」とかいった話は、

はすごく楽しいんですが、それはただの茶飲み話のような気もするし、うーむ。
それでいいような気もするし、それではいかんような気もします。悩。

あ、テトリスは永遠の名作だと思います。あれはあれ以上どうにもなりませんよね。


■三題話■
私、中里さん、川上さんはOKということで……。
高畑さんと橋本さんはどうでしょう?

ひょっとしたら「あまり乗り気でない人2名以上」ということでさらっと流してしまうべき

のかもしれませんが、まだ「ブレスト方式(うやむや流し)」が正式採用かどうかも不明な

で、一応確認。

――というか、明言しないだけで、私以外はすでにみんなうやむや方式になってるんでしょ

か。むしろそっちを確認したいです。


■再びスタンスやら責任の話■
まあ、単に「無責任」という言葉の定義の問題とは思いますが――
川上さんの発言の、

> 今後、お二人の発言(特に提案)に自分は、
> 「ホンキで喋ってる?」
> 的なスタンスで取り組んだり疑問放ったり関節キメたりな可能性がありますが、宜しいで

> ょうか?

これに関して、私はむしろ、「明確なルール(あるいは目標)がないところで本気を出すべ

ではない」し、「他人にそれを求めるべきでもない」と思っています。
「ルールなしの本気」とはすなわち「個人の主義主張」や「信仰」です。
「俺の主義とおまえの主義の、どちらがより《無条件に》正しいか」なんて話になったら目

当てられません。

もちろん、「俺は本気でやりたいから、まず共通のルールを決めよう」はOKなんですが、

のステップを抜きにして「今やってるのが100メートル走かマラソンかパン食い競争かはよく
わからんが、とにかくベストを尽くせ」と言われても、私は「無理です」と言います。
でも「よくわからんけど、とりあえずジョギング」ならできるし、たらたら走っているうち

興が乗ってきて「次の電柱まで競走な!」となれば、それもOKでしょう。
私は「競走な!」と提案しておいていきなり「ウソだよ」とは言わないつもりなので、基本

には私に「ホンキ?」と問う必要はありませんが、「流し」と「競走」の境界を確認するた

に「今はホンキ? ホンキ?」と言うことが必要になる場面はあるでしょう。

お金を賭けてみるとよくわかりますね。
「今やってるのが100メートル走かマラソンかパン食い競争かよくわからんが、ゴールしたら
倍にして返すから1万円出せ」と言われても、私は出しません。だって、なにを以て「ゴー
ル」
というのかもわからんのに。
でも、とりあえず金を賭けずに走ってみることはできるし、興が乗ってきたら「今から本気

りな!」と言い出すかもしれません。
というわけで、川上さんの、
> 「ホンキで喋ってる?」
が、「今の走りには金が賭かってる?」という意味であれば、それは随時確認していくべき

とだと思いますが、「なんで金賭けねえんだよ」という意味であれば、私は「俺の金を賭け

場所は俺が決める」と言います。

まあ川上さんが「賭けるのが当然だろ」と言うとすれば、そこには「陸上競技会を開いても

ったのに競技場で選手が遊び始めちゃったら、実行委員会に義理が立たないだろ」という理

もあるわけですが――
実はこの場は「競技会」ではなく、「新春芸能人スポーツ大会」みたいなものなのだと考え

ば、競技を真面目にやっていい成績を残すことよりも、ここでこうして実になるようななら

いような話をして、見てる人に「川上カテえなあ」とか「古橋ゲスだなあ」といって笑って

らうことで、義理は果たせてしまうのではないかと思います。まだちょいとエンターテイン

ント性が足りない気がしますが、それは今後の課題ということで。

まあ、なんだかんだ言って、私の感覚は川上さんに近いと思うんですが――
現状、この「場」は企画をガンガン進めていける構造にはなっていない、と私は思います。

た、そこに問題を感じている人も、あまりいないようだ、と。
だから「まあそれはそれでよし、できることから適当に」というのが私の立場なのですが、

の皆さんはどうなんでしょうか。
ぐるっと回って、結局川上さんのスタンス確認と同じ質問です。
取りあえず「遊び」「ブレスト」「バカ話」から、でいいんでしょうか。
別に、遊びは遊びで構わないし、あとで遊びから本気にシフトすることも可能と思います。
ただ、遊びだと思ってたら知らないうちに金が賭かってたり、本気で走ったのに「今のは遊
び」
って言われたりするのは私もイヤなので……。

もちろん、私の言っていることも、この場に対する解釈のひとつにすぎません。
「ここはなにかとうやむやな場に見えますが、とりあえずはそれでいいんですよね?」と言

ているだけで、誰かが「いやいや、ここは実はこんなルールのもとに動いているのでうやむ

ではないのだ」と教えてくれるとか、「じゃあこれからはっきりさせていこう」と仕切って

れる分には全然文句ありません。
また、沈黙を以て答えに代えてくださってもOKです。しばらく待って「いいやそれは違う

古橋!」と言う人がいなかったら、とりあえず「今はそれでイイのだ」と判断しちゃってい

ですよね。

別に現状に不満があるわけではないし、基本的にはなんであれ肯定するつもりですが、た
だ、
いまいち状況がよくわからないもので――


では、そんなところで。


26.  重大なる疑問。   橋本紡



 友達の家にて。

 「あのー」
 「なに?」
 「このカレーの中に入ってるのは……?」
 「唐揚げだけど」
 「煮込んであるよね、これ?」
 「おお、一時間は煮込んだね」

 なーんで唐揚げを煮込むっ!?
 それは正しいのかっ!?


27.  レスなど。   橋本紡



 では、真面目な書き込みを。

>スタンス
 なんてゆーか、まだどうしていいのかわからないんですよね。
 はじまったばっかだし。
 どうでもいいと思ってるわけじゃないですけど。
 無責任容認かっていうと、だから、それは違うかな……?
 いい企画を思いついたらちゃんと提案させてもらうし、乗り気の
 企画にはしっかり参加させてもらうつもりですよ。
 今は肩慣らし状態ってとこですかね。
 商売云々の話でいえば、形になるものができればいいとは
 思ってるけれど、それにこだわるあまり楽しめなくなるのが
 怖いってのはあるかなあ……。


>読者さんへの質問
 あ、迂闊でしたね。どーしましょうか? 僕としては読者掲示板との
 多少のクロス・オーバーはありかと思ってたんで、
 つい書いちゃったんですけど、確かに微妙ですね。
 完全に読者さんとの話題なら、さっさと読者掲示板に書き込むんだが……。
 この辺り、どこまでやっていいんだろう?

 をを、なんかこの辺りも試行錯誤だなあ。

 ちなみに、質問の趣旨は「擬音を使うことについてどう思うか」が
 メインですけど、「擬音の使い方」にも半歩足がかかってます。
 なんか曖昧でごめん。


>ゲーム
 シミュレーション系が好きかな? システマチックなヤツ。FFとかもやる
 けれど、持久力がないんで、けっこう疲れちゃう(いちおう最後までは
 やるけど)。


 おっと、高畑さんと古橋さんから拡大擬音関連のレスが。
 その件はあとでお返事しますねー。


28.  ちゅどーん。   高畑京一郎


 川上くんと中里さんの書き込みを待ってから、と思っていましたが……。

>リーダーもルールもない状態で話し合いをしても決して結論は出ません。

 ぐさっ。

>現状、この「場」は企画をガンガン進めていける構造にはなっていない、と私は思いま
す。
>また、そこに問題を感じている人も、あまりいないようだ、と。

 ぐささっ。

>ただ、遊びだと思ってたら知らないうちに金が賭かってたり、
>本気で走ったのに「今のは遊び」って言われたりするのは私もイヤなので……。

 ちゅどーん。(爆死)

>をを、なんかこの辺りも試行錯誤だなあ。

 くぅ……。(追い打ち)

 き、きついぜ、ご両所。
 クリティカルヒットを立て続けに食らってしまいました。

 まさしくおっしゃる通り。反論のしようもございません。

 ですが、それぞれのスタンス(もしくはそれ以前の認識)の違いが、はっきりしただけで
も、
 これまでのやりとりは無駄ではなかったと思います。
(以前の会合では、ここまで突っ込んだやりとりはしませんでしたからね。)

 とはいえ、このまま続けても、どうしようもない事も確かです。

 そこで、どうでしょう。近いうちに、もう一度集まって、意見の調整を計るというのは。
 今年中……は、幾らなんでも、もう無理でしょうから、来年早々、新年会を兼ねて、
 という感じで。

 いかがでしょう?


29.  問題提起諸々   中里融司


 どもども、コミケに出て、そのまま二日ほど仕事に専念したり片づけたりしてました。
 しばらく書き込みも読み込みもしなかったら、なんだか皆さん発言しているし。少し袋小
路に入り始めてる気がしますんで、私の考えを。
 掲示板のタイトル……「電撃倶楽部」について、倶楽部という割には部外者が入りにく
い、というご指摘ですが、このタイトルを見たとき、頭の中にはある種特殊な会員制倶楽部
がありました。
 ヨーロッパや明治、大正の。ロマン漂う時代にあった秘密の会員制倶楽部。だから、名前
を漢字の倶楽部にしたわけで、私としては、排他性があってもかまわないのでは、と思いま
す。
 あるいは、押川春浪率いた天狗倶楽部のように、世間から遊離した人々の社交場というよ
り個性が交錯する場と考えていいんじゃないかと。で、「電撃」とつけるのは、店の名や、
あるいは建物の名と考えればいいと思います。三井倶楽部や、海軍の水交社という将校の倶
楽部が、そのまま建物の名前だったように。いま「仮」などをつけても、かえって意味を混
乱させるだけじゃないかと思いますが。どうでしょう。

   スタンスは、やはり何か、実質的な成果があがる場所として育てるべきじゃないかな。私
としましては、この掲示板ができる前からシェアード・ワールドがやりたかったわけです
が、この面々でやるとすれば、当然究極の形のシェアード・ワールドではないかと考えてま
す。
 世界観、キャラの統一、それぞれの生み出したキャラの性格、行動原理から生活環境や生
い立ち、そして考え方や言葉遣いまで、生み出した親になりかわって、自分の執筆する作品
上で動かすと。そうでなければ、シェアード・ワールドを創る意味はないでしょう。
 それができる実力の持ち主揃いだと、私は踏んでいるんですが。また、一つの世界を共同
創造して、それぞれが作品を書いていけば、その過程で自分が創造したキャラが、自分なら
絶対取らない行動を取ることもあり得るわけですね。だからこそ、一人ではできない可能性
が出ると考えています。
 または、一つのアイテムなり、一人の共通キャラを創って、様々な時代や世界を遍歴して
のストーリーもあり得ますが、それはリレー小説という、別のカテゴリーに入るかと思いま
す。
 年明けに、直接顔を合わせて今後の展開を協議するというのは賛成です。そろそろ、はっ
きりした方向性を決めた方がいいでしょうね。
 読者の皆さんへの質問は、幾つか案が出るか、ある程度方向性が決まってからの方がいい
ではないかな、と思っています。

 擬音について……私は、擬音は使いたくないですね。理由は、イメージがその擬音のみに
限定されてしまう、ということが最も大きいかな。
 私は架空戦記も書かせていただいてますが、機銃の発射音や砲声、爆発音などを擬音にし
てしまうと、全体のイメージが矮小化される傾向は否めないように思います。
 倍角文字で強調するなら、むしろ叫び声や、何か決定的な動作の場合に使った方がいいん
じゃないか、と考えています。


30.  当面は   中里融司


 シェアワールドについて、捕捉。
 究極の形については、同時系列というのはさすがに難しいかもむしれませんので、その前
の段階。つまり、キャラを統一して、時系列に沿っての連作、という形式が現実的かもしれ
ません。
 実は、「惑星バルト・アン・デルス」という企画も、シェアワールドへの布石として考え
たものです。
 古橋さん、大体ご感想のとおりの設定を考えてます。金属反応が何故なのか、電磁波は本
当に、知的生命体が発したものなのか。文明が発生するとすれば、どのような生物の、どの
ような形態の文明なのか。
 いろいろ突き詰めていくと、本気でヒューゴー賞が狙えるかも。あう。


31.  かんそうぶん   川上稔


何やら俺が原稿やら絵の仕事やら会社やらの間に色々とあったようで……。
以下、本邦発の激烈長文です。

>色々と
今までちょいと書くべきかどーか、口はばったいので避けてきたことを書きます。

俺は職業企画者なのですが、会社などで企画をさて動かすかという時には以下の
決定を必要としています。
(とりあえず、人員をあつめるとかスケジュールとか、そういうのは置いておいて)
1:フォーマット
 →発表媒体、価格などを決めること
2:コンセプト
 →どういうものを最終的に作るか、何の(誰の)ために作るか、ということ。
3:マインドセット
 →全員をホンキで取り組まさせること。全員の役割を決めること。
4:デシジョンメイキング
 →各部署などで発生する問題の判断権の設定をすること
※フォーマットとコンセプトの分け方について異論はあるかもしれないが、無視する。
(何しろコレで実際に作っているのだから)

これは作られる製品にのみ定義できることにも思えますが、実は、会社という構造
の定義にも用いられるものです。組織構造の設定なので当然といえば当然ですが。
さて、ここからが本論。
俺は高畑さんからこの掲示板に呼ばれた際に、事前段階から幾つかのことを聞いて
いましたが、
「作られるもののコンセプトについて聞いてはいた」
が、他のことについては全く聞いていませんでした。
同様に、最大の前提である、
「この掲示板における、1?4の項目」
についても未決定だと、そう考えていました。
俺達は召集されました。チームです。
皆さんは、
「お互いの実力を認めているから大丈夫」
と仰っています。俺もソレは同感です。が、
「お互いの個人技については信用できる」
しかし、
「お互いの共同作業についての実力は全然未知数」
だと、そう思っていました。つまり、その点に置いて無防備な信用はしませんってか、
できません。おっかなくて。
・「個々の個人作業の実力」
・「共同作業の実績」
は別です。
良い本作れる人間が共同で本を作れば良いものを作るための部品となれるか?
かなり難しいと思います。
そゆことがかなりストレスでした。
で、開始されて広がる話題の展開は、
・作り上げるものに対して
 :フォーマット未定
 :コンセプト有り
 :マインドセット未定→無責任許容
 :デシジョンメイキング有り→全体意志でリーダー無し
・掲示板全体に対して
 :フォーマット未定→掲示板で語ることが価値だとすればそれは有り
 :コンセプト有り?→作られるものと混同の可能性有り
 :マインドセット未定
 :デシジョンメイキング未定→管理者的には編集部、というだけ
ということが定義されました、手元のメモによれば(ちと解りにくいかも)。
このあたりまで定義された後はもはや話題の種類が増えても定義は増えず、幾つもの
ことがほったらかしです。

だから書き込みが一巡ちょっとしたときに、
「やべえ、肝心の基盤が出てこない。コレは確実に空中分解する」
って思ってました。
で、色々と話していて思ったのが、
「まだ”作られるもの”に関しては何を言っても無意味」
ということでした。
しかし、BBSタイトルを作りながらマインドセットなどを果たして行くのかと思えば、
引いた会話やら何やらで見えてこない。
代表者かと思って色々問うた高畑さんはそれを否定されましたし(デシジョンメイキング
の消失、ですね)。

ゆえにまず、掲示板全体のありかたから構築していくべきか、と、そう考えました。
全員の共同作業や会議における実力については”酒の席でのダベり”しか無いわけで、
ムチャクチャ信用できません。
ゆえに信じられるのはまず、”やる気”っていう共通項的なマインドセット。
全員がこの掲示板に対してどー取り組みたいか、とか、そゆこと。
当初段階から、俺達それすら話し合ってないのですよ。
それ決めて信用あってこその議論上ではないのかなー、と。
ただ俺達が言ったのは、
「それいーですねやりましょう」
であって、肝心の現場に来たときに、
「何かあったら積極的にやりましょう俺こう言うの得意です好きですうへえ」
ってのも見えてない(そこまで見えてるってのは希だと思いますが)
だからまあ最低限、意志において同じ方向性(やる気、とかね)を持っているならば、
無条件に信用してもいいだろ、とか、付き合う価値はあるだろ、と。何しろココは
本当の会社とは違うのだから、マインドセットもその程度でOKかな、と。
「俺はいつもデベっとしてるけど、やるときゃあやりたいよ」
ってのがあるだけで、かなり安心して色々語れる筈です。
でも、そこでまあ、
「無責任」
の問題が見え隠れして、問うてみたらこの現状。
俺は結構、共同作業においては”支えてくれる会社側の人間”なので、
「皆が動くなら誰のためか」
「真剣になるためにココに来たのか」
ってのが聞けるだけで安心できます。というか、最低限、それが無い人とは真剣に
話せない。ただでさえ地雷の多そうな場所なのにナイフ持った人間と踊れません。
14の書き込みをした時にゃあかなり諦めリーチ入ってましたですよ俺は(笑。

”会社”であるこの掲示板のことよりも先に”何をするか”に走りすぎたんじゃ
ないでしょうか。
俺的に見て、
「急ぎすぎ」
だと、そう思ってました。
俺達はお互いがどんな特性をもってどういう時に効力を”発したい”カードなのか
全然知りません。(というか”発したい”かどーかすら謎)
擬音のことなど幾つも話しながら知っていく、ってのもありますが、
「それより先に、やる気あんのかないのか」
それが知りたかった。
それらについて前段階では、
「協力しましょう」
くらいで終わっていて、何もない。
一番始めの規定の文章などを見て思うに、何故、
「真剣にやりたいんで宜しく」
っていう、意志に関することが無いんでしょうか。
目の前にいる相手が真剣じゃないのかどーか解らない。しかも、
「真剣になってくれるかどうかも解らない」
何しろ”無責任でも良いですよ”をかなり強調されてると思います、全体的に。
そーいう人達が大義名分をかかげて、
「いずれ何とかなるだろ」
って言ってるのは会社で仕事としてそれやってる俺的には恐怖でした。

ただ、今回の一巡を見ていますと、
「この掲示板に対する全員のマインドセット」
は果たされたように思います。
全員、
「何かやりたいとは思っている」
わけですね?
ただただ思いつかないからカンケー無い話が今列挙されてるだけなんだ、と。

>俺的
古橋さんの言うとおりカタイんで、恒常的真剣状態ですなー。
正直言うと日常ヨタとか何とかは書き込む気が無いです。
何せ自分のhpを運営してますし、そっちで日記なども書いてますし、エッセイにも
なりきれんベタ話は個人的に楽しいとは思えないですから(個人意見ね)。
ゆえに現状では真剣な話題や、掲示板の問題点のみ、書き込む結果となっていますが。

>高畑さん
>高い水準で
その点を仰っていただけたので幸いです。
シェアワールドのことや、高畑さんがこの掲示板をどう思っているのかなど含めて、
初めて聞くことばかりです。
そういうのは、
「言わなければ通じない」
と思って下さい。共同で動いているのですから、まず先に方向性としてどれだけ
自分がそれを好きなのか見せていただかないと、
「骨を投げて”とってこい”と命令された犬な気分」
に陥ります。提案されたならば何らかの形で先頭に立っていただきたいというのが
本音です。

>古橋さん
>言葉の定義の
確かにそうですなー。定義が違うっす。
ついでに言うと俺”カタイ派”で古橋さん”ユルイ派”なんだと思ってます。
ゆえに俺は陸上競技会でそちらはスポーツ大会ですが、
>本気で走ったのに「今のは遊び」って言われたりするのは私もイヤなので……。
これがあるから信用できます。
俺的には遊びもブレストもバカもOKですが、真剣な話題や問いかけには真剣に
答えていただきたいな、と。YESかNOかのどちらかが必要な場合の方が、曖昧で
良い場合よりも多いと思います。特に共同作業の場では。(カテぇ?(笑))

>橋本さん
前回は結構決めつけ多くて申し訳ございませんでした。
>今は肩慣らし状態ってとこですかね。
この点でかなり信用します。
商売云々でってーのがありますけど、
・「会社も俺達も”読者喜ばせるのが商売”」
・「自分と折り合いつけるのはいつものこと」
なんじゃないでしょうか。
いつもどーりにやってれば大丈夫だと思ってみたり。
>読者
簡単に言えば、
・「他の作家さん達は向こうに書き込むしかない」
・「向こうは、読者との交流を含めた掲示板」
だと思っています。
だからこそ、ここで問うのか問わないのか。モラルというか、公平感の問題と面倒か
どうかなのだと思っています。俺的には、俺達がここにいるのはただいるだけであっ
て、そのあたり(他作家さんや交流のこと)を無視して良い権利はないと、そういう
感覚です。

>中里さん
昔から信用してます(笑。
>倶楽部
これについてちょいと疑問をば、
>「頭の中には」
とありますが、それって他の人に通じるのでしょうか。特に若い読者さんに。
・「通じる」
・「何かツッコミあったら自分が説明に出る」
と仰るならば完全諸手をあげてOKですし、色々とお手伝いします。
どんなもんでしょうか。

>シェアードワールド
まだ掲示板全体へのアプローチ方法が明確でない以上話題は避けますが、幾つかの
決定権の問題をクリアする一つの方法として、
「全員が、各々主導としてシェアードワールドの骨格を作り、全員がそれに関わる」
ってのもありだと思います。
つまりはまず高畑さん主導でワールドを一つ作って小説皆で書いたら次は中里さん
主導でワールドを作って小説皆で書いて次は古橋さん主導で……、という感覚。
「企画方法や発想方法までが特性づく上に、全員機会平等。しかも全体的に見て
すげえビッグな企画」
そういうのでも良いと思います。
終了までに何年掛かるか解りませんが(笑。
でもとりあえず「シェアードワールドの企画として」という点を考えずに世界観とか
突っ走るのは経験上、ちと怖いですなー……。

じゃ、ラスト。

>年明けに、直接顔を合わせて今後の展開を協議
絶対反対です。
この掲示板のことは何が有ろうともこの掲示板上で解決すべきです。
掲示板ってのは
・「議論が成立しにくい」
・「意思確認しかできないような場所」
ではありますが、とりあえず掲示板に対する全員のスタンスは見え、言質もあり、全員
は信用できます。
この状態から先をここで行わないと言うのは、今まで言ってきたことなどに全て反する
ケツまくった行為だと思います。
>「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」
という趣旨で始まった掲示板が、その内包する問題を外で解決するというのはちょいと
興が冷めるってもんじゃーないですか? 特に高畑さんは、
>しかし、「やるからには高い水準のものをやりたい」とも思うわけです。
>形にする事を焦るあまり、低いレベルに甘んじるような真似だけはしたくない。
>そんな事をするくらいだったら、すべてご破算にした方がまだましだ。
と書かれた(別の話題に対してですが)。
掲示板についてもこの覚悟でいいんじゃないでしょうか。
・「この掲示板上でのみできるやり方」
でもって、
・「じっくりと答えを出す」
のがスジじゃあないでしょうか……(違うってんならしゃーないですけど)
ついでにいうと14以降の書き込みは、この前に集まった時に、
「本人達を目の前にして死ぬほど言いたかったこと」
なのですよね。そういう場所だと、思ってます、ここを。
相談するなら担当さんに、ってのが一番色々聞けるような気もします。
……とはいえ、実は俺、一月は原稿と会社の仕事で土日も埋まってるんで会合
あっても行けないっす(笑。

てなとこでしょうか。
一番若くて力の無いのがかなり言いたいことを直接書いてしまいました。
とりあえず俺が声かけられたときに、
「人選ミスですやめましょう」
って言ったのは、こーいう内容の長文をいずれ書くのが自分で解ってたからなん
ですが……。(言質もとられまくりだろーしなあ(笑))
今回書いたのは俺の本職的な感覚によるものです。
ただ何となく、”俺、浮いてるなー”な感覚があるので、
「そーじゃない、そーじゃねえだろ」
ってのがあるならそちらで納得した方が、
「全体の流儀に合う」
ような気もしますし、聞いてみたいです。
どんなもんでしょ。
あ、
「うざってえからオマエ出てけ」
ってんでも有りです。そんな内容ばっか書いてる気もしてますんで……。

あ、あと、
「シェアワールド? シェアードワールド?」
どっちです?
とりあえずではでは。


32.  む?   川上稔


何か表示おかしいな。
ページ変わらないんですけど……。俺だけ?


33.  倶楽部についてはオッケィ   中里融司


 毎度、中里です。
 川上さんの書き込みを読みまして、倶楽部についてのイメージに食い違いがあったように
思います。
 川上さんは、クラブという語句に、学校のクラブ活動をイメージしておられたということ
でしょうか。私は「顧問がいない」というご指摘に「ん? 顧問?」と首を捻ってしまった
のですが、だとすれば納得です。
 「頭の中に」と書きましたが、これは私のイメージで、確かに若い人に通じるかどうかは
わかりません。ですから、説明を求められれば引き受けますよ私。倶楽部と漢字で書く以
上、会員制倶楽部というのが私の感覚ですし、この掲示板はそれに近いと思いますので。逆
に、誰でも入れる、という感覚では、倶楽部じゃない気がします。もちろん、タイトルがこ
れに決まった場合ですが。

 共同作業について……これに関しては、少し首を捻ってます。元はマンガ原作者なんで、
その意味で共同作業から入った人間なんですが、会社としての企画とは違う面はあると思う
一方、創作物を創るという面では同じじゃないか、と考えてしまうんですね。
 電撃でも、桑原さんと組んだ経験はあるわけですが、方向が定まれば共同創作は可能では
ないかと。それを確認し、詰める意味で、実世界で顔を会わせるのは必要だと思います。
 掲示板は提示の場であって、ここでだけ展開するという原則にこだわる必要はないんじゃ
ないか、と考えているんですが。でも、川上さんが出席できないとなると、問題ですね。う
むぅ。
 どうでしょう。誰か一人でも出席できないとなると、顔合わせして討論しても意味があり
ませんから、この掲示板で徹底的に何をやるか、討議するということに決めては。なんでし
たら、その議長は私がやってもいいですから。なんだか、私の位置は「叔父貴」のような気
がしていたもので、わりと後ろで座っていたんですけど。
 私としましては、川上さんのご意見にあった、各人それぞれが提示する世界を、全員がや
るという提案にとても魅力を感じています。


 
34.  もふたつ、書き忘れ   中里融司


 書き忘れ。川上さんのような堅い意見は、私みたいに理想主義の人間には貴重です。
 浮いてるなんて言わないでくださいな。足を掴んで引き戻してくれる友人は宝物ですか
ら。
 マンガ原作者としての意見も、結局は同じスタンスと方向性が固まっているわけだし、甘
いとは思うんですよ。ですから、みんな一緒にやりましょう。

 それと、新年会は、この場の討論抜きでもやりたいな。要はそういうのが好きなだけです
が。


35.  地名というのは   中里融司


 なんだか三連書き込み。タイトルの件ですが、「電撃」と入れるのに差し障りがあるとす
れば、地名を入れる手もありますね。
 メディアワークスがある場所をとって、「神保町倶楽部」とか、「臥竜倶楽部」でもいい
かしんない。全員ゲーム小説大賞出身だし。あ、するとそれ以外の作家さんに問題か。
 電撃倶楽部が一番いいのかな。

   シェアード・ワールド……Shared Worldということになりますので、シェアード・ワール
ドが正しいと思います。略称としてシェアワールドでもいいのでは。
 意味としては、「分担、共有された世界」ということかな。


 
36.  今年最後の書き込み   古橋秀之


どうもです、古橋です。

■再度、スタンス的な話■
川上さんの意見は大変もっともだと思うんですが、基本的に組織人というか「お給料をもら

ている人」の意見だなー、とも思うのです。常に全力で取り組むのが基本であるところと
か。
もちろん会社員であるところの川上さんがそう考えるのは当然だし、今後も「和して同ぜ
ず」
でよろしくお願いします、というところですが、以下「俺事情」。

高畑さんの発言[1]で提示されているように、現状ではここの活動は「本業に差し支えな

程度」というのが前提なわけで、これは限りなく「趣味的」な、「同人活動」に近いものに

らざるを得ない、というのが私の感触です。このような条件下で「会社員」的な働きぶりは

も期待せんだろう、というかされると困る、と。
もちろんこれは、「会社員じゃないから真面目にやらんでよい」ということではありませ
ん。
「常に頑張ることを要求される/とにかく頑張っていれば生活の保証はしてもらえる」会社

に対し、その他のある種の人間は「様子見」や「力加減」を重視するということです。極端

話、今この掲示板に全力投球したら、私は飯喰えないわけで。
で――
とりあえずは、「三題話」なり「競作短編」なりを『hp』誌の片隅に乗せていければ御の

かな、と、私の目標点はかなり低いものでした。
その割に高畑さんの理想がえらく高いところにあるらしいと判ったときには「あり?」と思

たりしましたが、そのための手段が見つかるならばよし、「やはり無理だ、やめよう」とい

ことになればそれはそれでよし、と、私は考えています。「んじゃ、なにができますかね」

いうところに話を戻してもよいわけですし。
相変わらず腰が引けていますが、「負えない責任は負わない」というのも、私なりの責任感

ありかたなわけで……。

もちろん、場が進んでいく中で「ノリ」や「やる気」が経済事情を凌駕することはあります
が、
それはひそかに期待はしても、「前提」にしちゃいけないものですよね。


■シェアードワールド■
> 幾つかの決定権の問題をクリアする一つの方法として、
> 「全員が、各々主導としてシェアードワールドの骨格を作り、全員がそれに関わる」
> ってのもありだと思います。
> つまりはまず高畑さん主導でワールドを一つ作って小説皆で書いたら次は中里さん
> 主導でワールドを作って小説皆で書いて次は古橋さん主導で……、という感覚。

はい、これ賛成です。
高畑さんの「町」の構想であれ、中里さんの「バルト・アン・デルス」であれ、基本的に高

さん中里さんが「自分の作品」として書き、残りはキャラクターやガジェットを考えるなど

て「協力」――ということなら、完成までの行程を想像することができます。
ちなみに、私だったらもっと無難に「では、●●を巡る五つの物語を始めよう……」といっ

テーマアンソロジーみたいなものを提案すると思います。これだったら、どんなのが上がっ

きても一応形になりますから……(「それじゃつまらん」という人もいるかと思いますが、

あ今後の検討課題ということで)。


> でもとりあえず「シェアードワールドの企画として」という点を考えずに世界観とか
> 突っ走るのは経験上、ちと怖いですなー……。

これも同感。
金を取っていくなら、世界観なら世界観を商品に仕上げるための「指揮系統」や「作業手
順」
も込みで考えなければ意味がないと思います。
ただし、世界観をつつき合って楽しむことを目的とする(完成しなくてもよい)「遊び」な
ら、
それはそれでOKと思いますが……。


■掲示板外での問題解決について■
> >年明けに、直接顔を合わせて今後の展開を協議
> 絶対反対です。
> この掲示板のことは何が有ろうともこの掲示板上で解決すべきです。

私はこれ、アリだと思います。
「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」というのは、「ゆくゆくはこの掲

板を利用して面白い企画をやっていこう」ということでもあると思うのですが、「もっとも

とこの話し合い自体を面白く演出していこう(モメて空中分解しても、それはそれで面白い

ら可!)」というのならともかく、「なんらかの企画を成立させる」ことを第一の目的とす

なら、この場で議論をすることにこだわって、わざわざ障害を増やすことはないと思いま
す。
「プレイステーションで稼働するゲームだからプレイステーションソフト『デザエモン』で

らなければいけない」ということでもないでしょう。
ここを見ている人に対しては、会議の結果をまとめてアップするといった形でフォローして

けるかと思います。むしろそっちの方が簡潔でわかりやすくなって受けがいいかも。

「掲示板での話し合い」がいかに不自由であるかというのは川上さんもご存知の通り。
確かに興味深くはありますが、これをずっと続けていくのは「疲れる」わりに、「読んで面

いものになりにくい」。
「企画を成立させる(競技会タイプ)」、
「話し合いの過程自体を楽しんでもらう(スポーツ大会タイプ)」、
どちらの観点から見ても、あまり得策とは思えません。

とか言いつつ、私も一月中は忙しいんですが……。


■私信的な部分■
> 俺的には遊びもブレストもバカもOKですが、真剣な話題や問いかけには真剣に
> 答えていただきたいな、と。YESかNOかのどちらかが必要な場合の方が、曖昧で
> 良い場合よりも多いと思います。特に共同作業の場では。(カテぇ?(笑))

はいはい、私は普段、駄ぼらも吹くし悪ふざけもしますが、「情報が欲しい」と言っている

手に冗談で返すべきではないとも思っています。
「ネタをふられた」と勘違いして冗談を言うということもありえますが、「いや真面目な
話」
と言っていただければ、真面目に答えます。
そういう感じでいいですよね。


では、そんなところで。
よいお年を――


37.  いろいろと。   高畑京一郎


 川上くんへ。
 念のため、最初に言明しておきますが、
 川上くんのまっすぐな物言いは、非常にありがたく、また頼もしくも思っています。

 現実に、企画立案とその実行をやり続けている川上くんからしてみれば、
 ここでのやり方が歯がゆく、また不徹底に過ぎると思われるのも当然ですが、
 見捨てないでいただければありがたい。そう思います。

>>年明けに、直接顔を合わせて今後の展開を協議
>絶対反対です。
>この掲示板のことは何が有ろうともこの掲示板上で解決すべきです。

 との事ですが、僕が27までの書き込みを見て、早急にやらねばならないと思ったのは、

一、各人の認識の確認と再調整。(「無責任」の定義の違い、と言ってもいいでしょう。)
二、この掲示板の意志決定システムの確立。

 主にこの二点です。

 このうち、「二」の方は、この掲示板上でもできますし、そうすべきかとも思いますが、
 「一」に関しては、個々人の「生き方のスタンス」にも関わりかねない、デリケートな
 問題です。
 よって、

・言葉の行き違いによる、隔意の発生の危険性を低減する。
・何度にも渡って言葉のやりとりを重ねる必要がある以上、それをタイムラグのある掲示板

 でやるのは、時間が掛かりすぎる。
・「インターネットオンリー」に固執する必要は、必ずしもない。
(「インターネットを使ってなにができるか考えてみよう」とは「インターネットの利点を
 使って」という意味です。より効率的な方法があるなら、そちらを使う事にやぶさかでは
 ありません。)
・この問題をここで議論するのが、果たして適当なのか疑問である。
(「この問題だからこそ」という意見もあるかもしれませんが、僕は「速やかなる解決」
 の方を優先すべきではないか、と思います。)
・現段階で未参加の土門くんをも交える必要がある。

 等の理由により、「直接対話」を提案したわけです。

 中里さんもおっしゃっていましたが、川上くんがいらっしゃって下さらないと、
 会合を開いても意味がありません。
 しかしながら、仕方なく来られても、これも意味はありませんので、
 再反論等、ありましたら、よろしくお願いします。

 なお、ここで、もうひとつの掲示板の、陸さんにお答えします。
> (っつうか、それって始める前にやっとくべき事だったじゃねぇ?)

 お説ごもっとも。
 ただ、一応、自己弁護いたしますと、幾度かの会合は重ねていたんですよ。
 しかしながら、ここまで微妙なスタンスの違いまでは分からなかったんです。

 川上くんも、
>14以降の書き込みは、この前に集まった時に、
>「本人達を目の前にして死ぬほど言いたかったこと」
>なのですよね。
 と、おっしゃっていましたが、「文章でなら言える事」「口頭でなら言える事」との違い
 だと思います。
 「思うことを整理してはっきり伝える事」ならば文章の方が、
 「微妙なニュアンスを伝える事」ならば口頭の方が、適しているのかもしれません。

 川上くんの「急ぎすぎ」とのご指摘も認めますし、僕自身痛感しています。
 しかしながら、口頭での会合のみでは何度繰り返しても分からなかった事かもしれない、
 とも思います。

 そういう意味では、今現在の「行き違い」は必要な事なのかもしれません。
 少なくとも、無駄な事ではない、と思います。(雨降って地固まる、という意味では。)

 それと、先にも述べました「二」の方ですが、古橋くんにも指摘されました通り、
 「意志決定システム」の確立は必要な事だと思いました。
 そこで、別発言にて、腹案を示します。
 不完全な点などありましたら、よろしくご指摘下さい。

>あ、あと、
>「シェアワールド? シェアードワールド?」
>どっちです?

 そういえば、土門くんも「シェアードでしょう?」と言ってましたね。
 今のところ、僕は「シェア」を使ってますが、なんとなくそちらの方が語呂が良いから、
 ぐらいの理由しかありません。
 「原語的に正式なのはシェアードだろ?」と言われた時には、
 「でもdはほとんど発音しないから」と返す事にしてます。

 まあ、どちらでもいいんじゃないでしょうか。

(などと言うと、「また、そんな曖昧な発言をする」と怒られそうですが、
 「意志決定システム」が機能していない現状ではご容赦下さい。
 統一の必要があれば、そうするでしょうし、その決定には従います。)

 あ、それと、今更ですが、タイトル案、ひとつ思い付きました。

 『CoolにHeat』(略して『ヒート板』)

 なんてのは、どうでしょう。
 熱い想いを心に秘して、冷静に討論する、といった意味合いで。

 ただ、このタイトルだけだと座りが悪い(前に「なんとか掲示板」とか付ける必要が
 ありそうな)点と、なんかラジオ番組のタイトルみたいな点が、問題かな。


38.  草案。   高畑京一郎



 改めまして、高畑です。
 前の書き込みでも申しました通り、現在僕は、この掲示板における「意志決定のシステ
ム」
 の必要性を痛感しております。

 そこで、それを確立するとするなら、こんな感じかな、というのを考えてみました。
 不備等ありましたら、ご指摘下さい。

*************************************************************************

○この掲示板における、意志決定システム(草案)。

・タイムラグが不可避な『掲示板上の議論』において、極力スピーディに意志決定を行うた
め、
 リーダーを一人選び、裁量権を一任する。

・判断に迷うような事態が生じた場合、構成員はリーダーに伺いを立て、
 リーダーは自己の責任において、独断で決定を下す。
 ただし、リーダー一人では判断しきれない場合、リーダーは全構成員に意見の具申を求
め、
 その総意を、新たな判断材料とする事ができる。

・構成員は、基本的にリーダーの決定には従わねばならない。
 ただし、過半数(現段階では三人以上)の一致した反対意見があった場合、
 リーダーの決定を白紙に戻す事ができる。

*************************************************************************

 それと、ついでにもうひとつ。

*************************************************************************

○この掲示板における、企画提案のフォーマット(草案)。

・企画提案は随時受け付ける。
 別の話題で盛り上がっていても、遠慮は無用の事。

・なにか思い付く事があった場合、構成員は、以下のフォーマットで企画提案を行う。

『 ○企画提案『(タイトル)』
  ・その内容。
  ・(腹案があるなら)実行する上での手順
  ・長所(もしくはセールスポイント)
  ・短所(もしくは実行する上での問題点)』

・『企画提案』がされた場合、個々の構成員は、速やかにその案に対する意見を述べなけれ

 ならない。その際のフォーマットは以下の通り。

『 ○『(タイトル)』について。
  ・結論。
  ・その理由。』

・「結論」の部分は、「賛成」「どちらかと言えば賛成」「どちらかと言えば反対」「反
対」
 の四つとし、「どちらでもよい」は無しとする。(意志決定をスピーディにするため)

・ただし、その企画の内容説明に不明な点があり、判断しかねる場合、「不明点あり」と
し、
 以下に不分明な点を指摘、その返答を求める事ができる。

・「不明点あり」の指摘を受けた提案者は、速やかにそれに対する返答をしなければならな
い。

・「不明点あり」の指摘に対する返答を受けた構成員は、改めて、その企画に対する意見を
 述べなければならない。

・全構成員の意見が出揃った段階で、リーダーは、この掲示板としてその企画を支持するか
 どうかを決定する。

*************************************************************************

 こんな感じですが、いかがでしょう。

 それでは、みなさま、良いお年を。


39.  ういっす了解   川上稔


色々と御負担かけて申し訳ございません。>皆様

諸処理由の方、納得しました。
早急に集まりたいと思います、と。
(作業ノルマに関しては徹夜カマしてツメるということで……)
日程の御決定の方をメールか何かでお願いいたします。
いやはやいやはや。

集まった現場でシステム草案などについても討議した方が早いと思います。
ここで一度初期化するようなものですし、新規スタート前準備としてあり
えるかな、と、そんな風に思ったり。
んじゃまた次は新年新年。


40.  新年初謝り   古橋秀之


あけましておめでとうございます。古橋です。

集合の件了解です。

あと、高畑さん川上さんに対して、
「あなたの言っていることのココとココに問題があると思います。でも私はココまでしか責

持てません」
というのは、我ながらかなりスゴイ言い草だよなあ、と反省中。
場の構成員である私がそう思っているというのは他の皆さんに伝えるべき情報だと思います
が、
もっと言い方というものがありますよね。
しかも川上さんが頭下げるような形になっちゃってるし。すいませんです。

「俺、こんなことやりたいんだよ」というのも、
それに対して「まずココとココをはっきりさせないとイカンと思う」というのも、
どちらも言うべき意見であったと思います。
その結果、利害の対立が見えてくることもあるかと思いますが、それは必ずしも感情の対立

はならないわけで。スタンスの調整やらある程度の妥協やらを試みた結果、どうしても条件

そろわないときは、
「今回はスケジュール的に無理だけど、また声かけてくださいね」とか、
「もっと短期集中型の企画があったらよろしく?」とか、
「俺、SFはちょっと合わんけど、ギャルものならやる!」
とか言って、気持ち良く距離を取ってもよいわけですし。

こういうのがモメるときというのは、
「俺は●●だと思ってたのに」とか、
「だって■■が当然だろう」とかいう意見があとから出てくるときで、
そういう意味ではこの場は爆弾をはらんでいたと言えますし、川上さんがその辺つついてく

てよかったと思います。
誰しも、そういう部分に自分からさわるのはいやなもんなのに、今回は川上さんに押しつけ

ゃった形ですね。うぃス。すんませんス。


では、そんな感じで。
今年もよろしくお願いします。


41.  意志決定システムについて   中里融司


 どうやら新年最初の書き込みのようなので、まずご挨拶から。
 作家BBSにご参加の皆さん、ご観覧の皆さん、あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申しあげます。本掲示板本格始動の年、昇り竜とすべく中里は打ち
込む所存です。
 高畑さん、提案システム、了とします。あと、タイムラグが避けられない掲示板としては
提案があった場合、できるだけ迅速に、参加者の意志決定が必要だと思います。
 ですから、提案があった場合には参加者の意思表明を、従来の最低週一度より頻繁に行う
必要があるのではないか、と考えますが、どうでしょう。たとえばメールを送って、「提案
あり、掲示板を見られたし」と促すとか。そのうえで、高畑さんが提案されてシステムを起
動すれば如何かと思います。

 タイトルの件ですが、「CoolにHeat」だけだと、確かに座りが悪い感じがしますね。で、
たとえば「秘密倶楽部 CoolにHeat」とかはどうでしょう。なんだか折衷案のようですが。
私としましては、なんだか「倶楽部」に執着してます。

 なんとなく、肌の露わな女の子が一杯いそうな感じがしますが。それはそれで楽しいか
と。


     
42.  新年明けましたおめでたい   川上稔


どもども。
ボケーっと思っていたんですが今のここって要するに、諸処の決まっていない、
「無法地帯」
に近い場所ですよね、一定期間ですけど……。
学校卒業と就職期間の間にある春休みのようなもので(解りにくいか)。
そうだと解ったからには力一杯自堕落を満喫したい気もしますが、ここ
冷やしてもしょーがないんで諸処決定システムなどが果たされても存続
するタイプの会話やらネタやらでいきませんか?
古橋さんの仰ってた三題噺とか、こーいう隙間埋めには良いと思います、
と。
どーでしょ古橋さん?

>押しつけ
あ、いや、簡単に言うと俺自身がそーいうキャラなんでしょーがないです。
ついでに言うと、こういうのを言えるっていうのは、反対意見など食らう
ってのも慣れてるわけで。気になさらないで下さいな、と。
やはりこーいうのは結果はどーあれ最初に攻撃した人間が責任負うべきも
のですから。

>古橋さん
”オラ無駄”は俺的にも最近ヒットっす。後退の動きだけでも嬉しい限り。
で、俺が最も愛する技はロードローラーなんですが、時止め併用以外に対人で
カマすコツってありますか?
なかなか上手くいかんですわ。

てなとこで、んじゃまたではでは。


43.  謹賀新年   高畑京一郎



 あけましておめでとうございます。
 2000年問題も、とりあえずは大過なく済んだようで、二重にめでたいですね。

 それにしても、ついに西暦2000年か……。
『時は西暦2000年』
 と小説に書いても、もうSFでもなんでもないって事なんですよね。

 今更ですけど、なんか不思議な気分です。(俺も年食ったなぁ)

 ところで、改めて、ここまでの発言を振り返ってみたら、
 結構、レスをつけずに、そのまま来てしまった話題がありました。
 で、今更ですが、ご返事。

○好きなゲームについて。

・川上くん。ウルティマ5(次点はザナドゥ)。
・古橋くん。『ソウルキャリバー』と『JOJO』。
・橋本くん。シミュレーション系(システマチックなヤツ)

 RPG、格闘、SLG……見事に分かれましたね。
 僕は元来ゲーム好きで、結構のめり込むタイプなんですが、
 最近は、寝食忘れて、というレベルではなくなってしまいました。
 なんか根気が続かなくなっちゃって。(やっぱり年食ったか。)

 とか言いながら、『スペースチャンネル5』買っちゃいましたけど。
(ステージ3がクリアできない……)

○三題噺について

 明確な返答をせずに来てしまって申し訳ありません。古橋くん。
 反対はしませんし、協力もしたいと思います。
 が、責任持って参加できるかどうかについては、今少し、判断を控えさせて下さい。
 というのも、幾つか疑問点があるからです。

 例えば、

・「書いたら書きっぱなしなのかどうか」
 書いたあと、それに対する評価ないし、感想を求めるべきなのか否か。
 書きっぱなしでは、少し寂しいような気もする。
 しかしながら、評価する事にした場合、「つまらん」と思った作品に対し、
 遠慮なく「つまらん」と言うべきなのか。そして「言える」のか。

 また、評価するとしたなら、いっその事『採点システム』のようなものを
 作ってしまうのも面白いかもしれない。
 例えば、仮に五人が参加すると考えた場合、ひとつの作品に対し、本人以外の四人が
 二〇点満点で採点する。そして同時にもうひとつの掲示板の方でも二〇点満点で
 採点して貰い、そこでの平均点(採点者の数が不定だから)を足して、
 計一〇〇点満点で総合評価を下す。……といったシステム。

・「納得のいくものが出来ない場合、それでも発表せねばならないのか」
 作家である以上、納得のいくものに仕上げたいという意識はある。
 逆に言えば、納得のいかないものは発表したくない。
 しかしながら、『三題噺』に限って言えば、その不完全さゆえの面白さというものも
 あると思われる。
 「それは幾らなんでも無茶だよ、あんた」とか「あ、そっちへ逃げたか」とか、
 突っ込める愉しみとでも言うべきものが。
 そのあたりの兼ね合いを、どの辺のラインに求めるのか。

・「締め切りは設定するのか、設定するならどのくらいの期間が適当なのか」
 締め切りがあれば負担になる。だが、無ければ間延びする。
 基本的には設定すべきだと思うが、それはどのくらいの期間なのか。
 別の言い方をすれば、ひとつの『お題披露』から次の『お題披露』まで、
 ひと巡りする期間はどのくらいが適当なのか。

 ……とまあ、ざっとこんな感じですね。

 これらの点に関して、皆さんは、どうお考えですか?

○中里さんへ。
>提案システム、了とします。
 ありがとうございます。また補足案まで戴いて助かりました。
 ただ、メールでの通知に関しては、ネットに接続しなければ見られないわけで、
 結局のところ、皆さんが、どのくらいの頻度でネットに接続しているのか、
 あたりに掛かってくる事のように思えます。
 僕は、このところほぼ毎日、長くても中二日のインターバルで接続していますが、
 皆さんはどうなんでしょうね。

>私としましては、なんだか「倶楽部」に執着してます。
 それでは、更にもう一案。

 『倶楽部『蟻地獄』』

 なんてのはいかがでしょう。
 「興味を見せた人間を次々に引きずり込んでいこう」くらいの意味合いで。


 それでは、皆様、今年もよろしくお願い致します。


44.  三題話 その他   中里融司

 新年も三日になりました。皆さま、如何お過ごしでしょうか。
 2000年問題、大過無く来たと思ったら、いきなり問題が発生してましたよ身近なとこ
ろで。
 執筆用に使ってる私のアプティバ、『蘭火』ちゃんが突然FDドライブが動かなくなってま
して。
 大晦日まで書いてた原稿が読み込めなくなってるんで、慌てて問い合わせたら2000年
に関連したトラブルとかで。いま、インターネット用に使ってるシンクパッド、『亜希子』
で書いてます。
 なんかこっちの方が書きやすいし、原稿が進む。二台買っておいてよかったです。

 で、本題。三題話は、元々私がマンガを描いていた頃に、16ページでまとめるための練
習としてやっていたものでした。関連のなさそうなお題を組み合わせて、きちんとストーリ
ーを仕上げるという。長編にも応用が効くし、使えます。
 実施するとすれば、評価も入れた方がいいかも知れませんね。このシステムも、決めた方
がよいと思います。書評は難しいし、あるいはポイント制にすべきでしょうか。それより、
忌憚ない意見を出し合った方がいいかな。このメンバーなら大丈夫でしょうし。

   ゲームの話題、まだ出していませんでしたね。ここのところ、ほとんどやっていなかった
し。
 ブシドーブレードが好きです。原稿に疲れたとき、三船御大に似たキャラを使って、無心
に斬りまくる。ソウルキャリバーが欲しい今日この頃ですが。

 タイトルの件『蟻地獄倶楽部』『倶楽部蟻地獄』。どちらかでよいかも。なんだか、一度
引き込まれると無事では出て来られそうもないところが買いです。


45.  三題噺ほか   古橋秀之


どうもです、古橋です。

■『接続頻度』について■
私は1回つなぐと半日くらい考えてしまうことが多いので、中二日くらい置くように心がけ

います。そのくらいで回していけるシステムでないと、私的にはつらい、という感じです。


■『三題噺』について■
>・「書いたら書きっぱなしなのかどうか」

私個人としては「書きっぱなし」希望です。
評点やコメントをつける作業にもやはり労力が要りますので、やりっ放しの方がラクチンで
す。
特に感想がないときに無理にコメントするのってしんどいですよね。(私はとにかく楽なこ

を重視しますので……)
で、「普通」や「イマイチ」のときはさっさと流すのが基本で、キレイに一発決まったら/

人的にツボに来たら素の発言の中でホメたらよろしい、てな感じ。

「採点」には、んんー、やや反対です。
毎回駄洒落で落とす人、ナンセンスな方向に持っていく人、「ちょっとイイ話」に仕上げる
人、
と、いろいろいていいと思いますし、それらを「一元的な点数」で評価することには無理を

じます。
――とは言うものの。
クロスレビューのような形式にして、「はいはい、この話は高畑さんにウケたけど、中里さ

にはウケなかったのね」といった風に「評者の個性」も込みでネタにするのは面白いかな、

どとも思います。つまり「高畑さんの10点」と「中里さんの10点」は違うものである、とい

前提であれば……。
元掲示板でも「私6点」「俺8点」と各々言いたい人に言ってもらう――やはり放任に近い

ですね。

というわけで、私的な希望は、

 ○?書きっぱなし
 △?コメントで評価
 △?個人的な採点で評価
 ×?集計点数で評価

――という感じです。


>・「納得のいくものが出来ない場合、それでも発表せねばならないのか」

高畑さんもすでに言われていますが、こういうのは「作品」というよりアドリブの「芸」に

いものであろう、と思います。
小咄一つのために場を止めるより、「ごめん、今回はイマイチでした! ハイ次の人!」と

くべきでしょう。
イマイチだったときのログが残るのはたしかにイヤですけど、まあ失言のログが残るのと同

ようなものかと。「その時々で努力する/やっちゃったものは気にしな?い」のがよいかと

います。
ペナルティつきの「パス」を導入してもいいかもしれませんね。面白い罰ゲームなりをつけ

ば、それ自体がネタになりますし。


>・「締め切りは設定するのか、設定するならどのくらいの期間が適当なのか」

発言[19]の時点では、「週1」を五人で回して、だいたいひと月でひと回り――という感

で考えてました。月に一回くらいならそれほど負担にはならないかな……と。
どんなもんでしょう?


――以上、すべて私見です。
また、「集計採点式」にするならするで、そうした場合の利点もあると思いますので、「絶

反対」ではありません。
その辺も今度の集会で決めましょうか――


■『ロードローラーだッ!!』について■
すいません、私ハードな格ゲー野郎じゃないんで……。
とにかくガチャガチャ出すのが基本なのです。子供プレイ。


では、そんなところで。


46.  あっ   古橋秀之


>その辺も今度の集会で決めましょうか――

「隙間埋めに三題噺」言うてるのに、これじゃ意味ないなー、と思いました。
どーしましょ?


47.  『風と共に去りぬ』   高畑京一郎


 テレビで『風と共に去りぬ』を放映していたので、つい観てしまいました。
 最初から最後まで通して観たのは、ひょっとするとこれが初めてかもしれません。
 で、簡単な感想ですが、面白かったです。
 普通、話の途中で戦争が起きれば、その模様などを、じっくり描いてしまうものですが、
 この映画の場合、(予算の都合などもあったのかもしれませんが)『どこそこで戦闘が
 あった』と、ナレーション一発で済ませてしまうんですよね。そのため、非常にテンポ
 良く話が進み、中だれする事もなく最後まで楽しめました。
 それにしてもレット・バトラー、格好いいなぁ。

 さて、古橋くんへ。

> 特に感想がないときに無理にコメントするのってしんどいですよね。
 同感です。

>「普通」や「イマイチ」のときはさっさと流すのが基本
 「さっさと流す」というのは、「黙殺する」という事でしょうか。
 それとも、「普通」なり「イマイチ」なり、ひと言で済ますという事でしょうか。
 細かいようですが、結構、この辺、違いが出る事のように思えますので。
 僕としては、ひと言なりとも言及する事にした方がいいのでは、と思えます。

>それらを「一元的な点数」で評価することには無理を感じます。
 同感です。
 ただ、僕の考えていたのは、
「完全に公正な立場での評価なんかは出来はしないのだから、
 個々人が自分の嗜好に従って、俺は好き、俺は嫌い、で点数を付ければいい。
 それを総合すれば、『この掲示板としての評価』も出せるだろう」
 というような意味合いですので、古橋くんの言う『クロスレビュー』と
 根本は同じだと思います。

 それと、「発言19」を読み返して、僕の勘違いに気付きました。
 僕は、てっきり、
「同じ『お題』で競作させる事により、個々人の作家性の違いをも楽しむ」
 ものだと思っていたんです。
 集計点で総合評価という案も、そこから出てきたものでした。
「ひとつの『お題』で書くのは一人」
 だとすると確かに、点数を付けるのは無意味ですね。

>中二日くらい(中略)で回していけるシステムでないと、私的にはつらい、
>「週1」を五人で回して、だいたいひと月でひと回り――という感じ

 僕の考えを述べれば、「発言1」での「ノルマは週一回」というのがありますので、
 それで回していけるシステムにすべきかな、と思います。

(勿論、ノルマ以上に書き込み下さるのは歓迎ですが、それを強制するような形には
 したくないので。「話が違う」という事にもなりかねませんから。)

>その辺も今度の集会で決めましょうか――
 それでも構いませんが、だとしても、この場でいろいろとアイデア出しなり細部詰めを
 しておくのは無駄ではないと思いますよ。


48.  謹賀新年   橋本紡


 あけましておめでとうございます。
 この正月、食べて食べて食べまくりました。小食なほうだと思って
 たんだけど、以外に食べられることを発見。
 でも、元の環境に戻ったら、また食べなくなるんだろうなあ……。


>採点
 採点じゃなくてコメント、しかも絶対つけるじゃなくて、基本的に
 つけるくらいでよくないですか? 作品に点数つけるのはイヤかも
 しれません。コメントにしたところで、絶対つけるってのはどう
 でしょう?
 そこまで枠組みを作らなくてもいいような気がするんですけど。

 あと納得できない場合は発表しなくてもいいんじゃないかって気も
 します。

 こんなことを言ってるとまた無責任だと思われるかもしれないけれど、
 実はまったく逆です。
 心配なんですよね、規格だけが先行しちゃうのって。
 ルールはあってしかるべきですが、ありすぎるのもどうかと。
 特にネットの場合は。

>BBSタイトル
 思ったんですが、あまり意味のないタイトルのほうがよくないですか?

>拡大擬音
 なんか今さらですが(苦笑)、やはり作品ごとって結論になっちゃい
 ますね。効果的に使うならありってとこでしょうか。
 ただ小説ではなく、ネット上の文章を読んでると、この拡大擬音(あるいは
 拡大セリフ)を実にうまく使ってるものがあったりしますね。この辺は
 小説とネット文章というプラットフォームの違いがあるわけですけど。

>風邪と共に去りぬ
 僕も好きですよ、あれ。メロドラマだからってバカにしちゃいけませんよね。
 あちこちに原作を歪曲した物語解釈がありますけど(ラストなんてひど
 すぎる)、よくできてますもん。
 ナレーションで物語を進行させちゃうのは制作時の予算と時間の問題が
 大きかったみたいです。それに、原作が長いので、まともにやってたら
 終わんないってのもあるでしょうけど。


49.  企画の件   中里融司



 ようやくお正月の特別番組が終わり始めて、通常に復してきましたね。
 三題噺の件、私としては読者さんの楽しみにしてもらう点も肝要と考えてます。
 ですから、納得できない出来のものは発表しても、読者さんにも失礼かな、という気はし
ますね。やはり、作者としては納得できるものを出した方がよいでしょう。
 採点という提案について、橋本さんや古橋さんの言われることももっともです。で思った
んですけど、採点じゃなくて「感想」という形で書いてはどうでしょう。それぞれ好みの形
があるでしょうし、たとえば私が書いた作品に対して「自分ならこういう形にする」とか、
そういう切り口も面白いかと思います。

 BBSのタイトル、私はやはり、何らかの意味が汲み取れるタイトルを推します。名前の
意味というのは、後々すべてに影響してきますから。要は、たとえば『倶楽部蟻地獄』とい
うタイトルから、見る人がそれぞれに意味を受け取ってくれればいいわけですが、その意味
でも深読みできるタイトルが良いと考えてます。


50.  すまんす   川上稔


ちょいと修羅場宣言。
今、終了に向かって一番至福の感覚なのであんまし議論に加われず、すまんす。

>三題噺
ともあれ一番手俺ってーことでしょーか。
気分的にマナコイ(マナが濃いわけじゃなくて”まな板の?”と)なので、いつでも
OKっす。
・採点について
:点数と言うよりも好きに”表現”という方が限定力無くていいかも。
 言うことはテキトーでもいいんじゃないかなー、と。
 キツイ感想をそれなりに言い換えて笑いにするくらいは俺達できるだろうし。
 キャプションつける程度に考えておくのが気楽で良いと思います。
 例=まったり・とろけるような・嬉しい不意打ち

>BBSタイトル
・意味ある方に一票
 =商品的価値(この企画だけでもワケわからん要素多いのに、BBSタイトルまで
 意味不明なものがついたら企画を説明しづらいだけになる)が必要。
 =読者側の”掲示板”の隣に置かれるので、相応の意味力は必要になると思います。
※参加者の視点ではなくて、見る側(読者)と、それを伝える側(会社)の視点で
考えてもいいのではないかと、そんな風に思ってみたり。

>接続期間
イチオー、会社の昼休みと帰宅してからの二度見てます。
書き込むのは夜、自宅だけです。

>ロードローラー
うちも子供プレイや野生プレイかどっちかですってば(笑。
空ジャンプとかダッシュから出すとフェイントで入りやすいよーですなー。
心残りとしては若ジョジョいるならシュトロハイムも入れて欲しかったなあ(笑。

てなとこで、んじゃまた。


51.  まな板の恋   古橋秀之


――というのを考えたけど本題に関係なし。
どうもです、古橋です。

■三題噺■
出題スパンや評価法はおいおい調整していくとして、もう見切り発車が可能にも思えます
が、
さて、「今修羅場」言うてる川上さんに「んじゃ一番よろしく」っていうのはアレな気もし

すね。
誰か他に「まず俺がやる」と言う勇者はおらんですか。
自分じゃ言わないところがまたアレですが。いや、私も今ちょっと……。

■タイトル■
私はわりとどっちでもいいんで……。

■シュトロハイム■
隠しで丈助、というのは結構期待したんですけどね。
「ドラララ」で相手を片っ端からヘンなチビキャラに変えるという。

では、そんなところで――


52.  現状   中里融司


 三題噺、言い出しっぺがこういうのも何ですが。
 すみません、いま修羅場です。来週金曜までに、あと三章分プラス終章。一日見開き15
枚くらい書けばなんとかなりそうな。
 というわけで、いまはしんどいです(^^;)
 ごめんなさい。後で埋め合わせします。


53.  レス、雑感、その他。   橋本紡


 こんちはー。
 橋本です。

 高校サッカーと世界クラブ選手権、両方見てたら仕事が全然進み
 ません(苦笑)。


>BBSタイトル
 意味のないって言っても、本当に意味がないわけじゃなくて、
 きっちり暗喩をこめなくてもいいかって感じです。
 あう、説明不足で申し訳ない。
 木曜に集まるから「木曜会」とか、毎月第一日曜に集まる
 から「一の日会」とか、そんな感じ。
 今まで出た案の中だと、「電撃倶楽部」とかですかね?

>三題噺
 おう、オレがやるぜ! って言えればカッコいいんだけど、
 僕もちょいときついかも……。

>スチュワーデス刑事4
 今日新聞を見てたら、こんな番組を見つけてしまいました。
 なんてことだ。
 スチュワーデスで刑事なんて。
 しかもパート4。
 これもひとつの「ジャンルのクロス・オーヴァー」でしょうか?
 そういや、スケバン刑事ってあったな、昔。


54.  いつの間にか一巡してる。   高畑京一郎



○橋本くんへ(発言48)
>心配なんですよね、規格だけが先行しちゃうのって。
>ルールはあってしかるべきですが、ありすぎるのもどうかと。
>特にネットの場合は。

 同感です。
 それで僕も(発言1)では、本当に必要最小限の事しか決めなかったんですが、
 逆にあまりに曖昧すぎて、「どちらへ進めばいいのか今ひとつ分からない」という
 現況に陥ってしまったのかな、と、反省した次第です。

 ルールに雁字搦めにされるのは、僕も嫌ですけれど、
 「目安にできるルール」は、やはりあった方がいいのかな、と。

(この辺、橋本くんの意見と、言葉の順序が違うだけで、全く同じですね。
 違いがあるとすれば、どちらにどれだけの比重を置いているか、その点ですが、
 僕もできるだけ「ゆるいルール」にしたいと思っていますので、
 その点に関しても、僕と橋本くんの間には、さほどの違いは無いと思います。)


○三題噺(コメントの仕方など)
>個人的にツボに来たら素の発言の中でホメたらよろしい(古橋くん45)
>採点じゃなくてコメント、しかも絶対つけるじゃなくて、基本的に(橋本くん48)
>採点じゃなくて「感想」という形で書いてはどうでしょう。(中里さん49)
>点数と言うよりも好きに”表現”という方が限定力無くていいかも。(川上くん50)

 以上、四者の意見を見ると、ほぼ合致している様子ですね。
 それでは、
「その作品に対して、コメントしたい(コメントできる)と思った時に、コメントする」
 という事にしましょうか。

(この掲示板で意見が一致したのって、これが初めてのような気がする。
 掲示板上での共同作業って大変だなぁ。
 ……でも、それは始めから承知していた事だし、めげてはいかんか。)


○三題噺(納得できる作品ができない場合)
>発表しなくてもいいんじゃないか(橋本くん48)
>納得できるものを出した方がよい(中里さん49)
>「ごめん、今回はイマイチでした! ハイ次の人!」と行くべき(古橋くん45)

 ちなみに僕の意見は、
「納得できるものを発表すべきだが、『三題噺』に限っては例外にすべきかも」
 というものでした。
 川上くんは、この件に関しては、まだ未答のようですね。

 今のところの意見を総合すると、やや「パスあり」の方が優勢かな。


○古橋くんへ。
>誰か他に「まず俺がやる」と言う勇者はおらんですか。

 僕としては、もう少し意見を揃えてからの方がいいと思いますよ。

(「今すぐ始めたくてどうしようもない」と言うならともかく、51の発言を見る限りでは
 そうでもなさそうですし。)

 それに、この一件を「意志決定のテストケース」として議論を重ねていく事で、
 後の参考にもなるんじゃないでしょうか。

 まあ、なんにせよ、焦らずのんびり行きましょうよ。

 というわけで、『三題噺』に関しての提案をひとつ。
 僕は「発言47」で、以下のような発言をしました。

>「同じ『お題』で競作させる事により、個々人の作家性の違いをも楽しむ」
>ものだと思っていたんです。

 まあ、これは僕の誤解だったわけで、古橋くんの意図とは違っていたのですが、
 これにはこれの利点もあるような気もするので、ひとつ検討してみてくれませんか?

 僕の見たところ、この方式をとる事の利点は、
・個々人の作家性の違いが楽しめる。
・『お題』を定める回数が、単純に五分の一になる。
・折角決めた『お題』が「パスあり」で宙に浮いてしまう確率が減る。
 といったところでしょうか。

 これによって書く側の負担が増えるという事も無いと思いますし。
(あっ、「ネタが被る」という危険性があるか)


55.  修羅場ランバダ(激寒)   川上稔


>古橋さん
>三題
修羅場ヌケつつあるので自分で一番手OKですよー、と。
何しろ前回のネタでは書き損ねたので……。ううむ。

>高畑さん
>納得できる作品ができない場合
出すべきだと思います。
・出さないと、新しい話題に加わりにくくなる。
・出さない人と出す人の差が客観的についてしまう。
・ライブコントの大喜利なんだから、気楽に行って良い筈。
そんなとこでしょーかー。

んじゃまたではでは。


56.  この掲示板をご覧のみなさんへ。   高畑京一郎



 先日、土門くんも含めた六人で会合を持ち、この掲示板の運営の仕方について、
 再度の協議を致しました。
 その結果分かったのは、基本的なところでは、結局、皆、同じ事を言っていたらしい、
 という事です。

 それなのになぜ、掲示板上ではあれだけ意見が噛み合わなかったのか、僕としては、
 むしろそちらの方が不思議なくらいですが、なにはともあれ、大事に至らずに済んで、
 めでたしめでたし……と言ったところでしょうか。

 というわけで、本日の格言。
「掲示板には魔物が棲んでいる」

(使う単語は同じでも、そこに込めた意味合いや重さは、人それぞれで微妙な差違が
 ありますから、それが意見の擦れ違いを産むのでしょうね。
 掲示板上でのやりとりでは、文字しか頼るものがありませんから、その影響が特に
 強いのだと思います。)

 さて、今後のこの掲示板についてですが、議論を効率的に進めるためには、
 やはりリーダー役ないし意見調整役が必要なようです。

 そこで、言い出しっぺという事もあり、この掲示板全体の事については、
 わたくしこと高畑京一郎が、その役を引き受ける事になりました。

 ただし、個々の議題ないし企画については、その時々に応じて、適任と思われる人間が
 その件に関しての意見調整役を果たすという形になります。

 例えば、『三題噺』に関しては、古橋くんに意見調整役を一任する事になっております。

 また、企画提案やそれに対する対応法などについても、ある程度のフォーマットを
 決めましたので、今後はもう少しテンポ良く議論が進んでいくであろうと思います。

 「読者掲示板へ向けての発言を、この掲示板でする事の可否」については、
 それぞれの裁量に任せる事にしました。
 読者掲示板に書いた方がいいと思えばそちらに書けばいいし、
 この掲示板で書いた方が分かりやすいと思えばここで書けばいい、という事です。

 それと「この掲示板の名称」についてですが、土門くんも来ていた事でもあり、
 幾つか案を出し合った上で、一応、決定いたしました。
 近いうちに、表示が変わる事だろうと思います。


 ざっとではありますが、以上が先日の会合での内容です。

 おそらく、この掲示板は、今後も、あっちへぶつかりこっちへぶつかりしながら、
 たどたどしく進んでいく事だろうと思いますが、進む事さえやめなければ、
 いつかどこかに辿り着けるだろうとも思います。

 あるいは歯がゆく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
 気長に見守って下されば、ありがたいと思います。

 以上、高畑京一郎でした。


57.  ね、眠いー。   橋本紡


こんちは。
夜の帰り道、ふと見上げたら我が家のベランダに家人がいたので
手を振る・変なブロックサインを送る……ってなことをしてたら、
は、背後に見知らぬ通行人がっ!? しかも女性!? な、なんで
ビクビクしながらオレの脇を通り過ぎる!? もしかしてオレってば
危ない人!?

深夜だと思って、気を抜いておりました。
きっと「夜空に念波を送る変な人」にしか見えなかったんだろうなあ。
あぐ。


>三題噺
 じゃあ、できるかぎり出すってのはどうですか? 基本的に出すって
 いうか。でもって、諸条件が重なって、どうしても出せない時はしかた
 ない、と。


あ、本題よりバカ話のが長い……。


58.  三題噺   古橋秀之


ハイどうも、古橋です。
先日の会合で、とりあえず肩慣しに『三題噺』を、一巡、回してみよう、ということになり

した。『三題噺』そのものより、そのルール設定のための決議システムがうまく働くかとい

点がポイントになります。
また、『三題噺』の件に関しては、私古橋が調整役に任命されています。

で、とりあえず、以下の点について決をとってしまいたいと思います。
(各選択肢のメリット/デメリットについての検討は、とりあえず以前に出てる分でよしと

断します)
もし新たな問題点が出るなどしたら、再度検討・決議しましょう。

************************************************************************************
【質問(古橋):『三題噺』ルールについて・その1】

:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
 ・「全員参加」希望
 ・どちらかというと「全員参加」希望
 ・「一人ずつ回す」希望
 ・どちらかというと「一人ずつ回す」希望
 ・その他の形態を希望
※特に強く希望する際はその理由も

:パスはありか否か?
 ・「あり」希望
 ・どちらかというと「あり」希望
 ・「なし」希望
 ・どちらかというと「なし」希望
 ・その他の形態を希望
※特に強く希望する際はその理由も

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
 ・賛成
 ・どちらかというと賛成
 ・その他の形態を希望
※特に強く希望する際はその理由も

――以上の点についての回答をお願いします。>みなさん
************************************************************************************

――こないだ言ってた決議用フォームってこんな感じでしたっけ?
まあ、間違ってたら追々修正ということで……。

それでは、よろしくお願いします。


59.  バチカン   高畑京一郎



 なんとなくテレビを観ていたら、BSで『誰も知らないバチカン』という番組を
 やっていました。なかなか興味深い内容で、面白かったです。
 こういう番組を観ると、やっぱりNHKには素直に視聴料を払っとくか、という気に
 させられますね。

 バチカン市国の警備は、スイスの近衛兵が勤めているそうですが、
 驚いたのはその武器庫。
 フランベルジュだの棘付きの棍棒だの銃剣だの甲冑などが、ずらっと並んでいるんです
よ。
 「博物館」に、ではなくて「武器庫」に。
 常に手入れされていて、いつでも使用可能にしてあるとか。
 歴史があるという事はこういう事なんだな、と、感心してしまいました。

 さて、古橋くんの質問に対する、僕からの回答です。

**************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その1】

:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
結論:どちらかというと「全員参加」。
理由:発言54で明示した通り。

:パスはありか否か?
結論:どちらかというと「なし」。
理由:これも発言54で明示した通り。

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
結論:賛成
理由:作品を発表した側としては、コメントは出来るだけ貰いたいところだが、
   評価する側になった場合、作品によっては付けにくい場合がある。
   (可もなく不可もない場合は特に)

【付記】
 個別の質問に関しては、上記のようになりますが、
 一つめの質問と二つめの質問は、僕の中では連動していまして、
「パスありにするなら、全員参加は必須」
 だと思います。
 逆に言えば、
「一人ずつ回すのであれば、パスはなしにすべき」
 という事ですね。
 その理由は、『お題』が浮いてしまうのは避けたいから、です。

 というわけで、上記のような組み合わせになった場合、
 僕の意見からは「どちらかというと」は消えると思って下さい。

**************************************************************************

 橋本くんへ。
>じゃあ、できるかぎり出すってのはどうですか?

 どうやら、橋本くんはパス権を確保したいご様子ですね。
 僕の意見は前述の通りですので、橋本くんが「全員参加」に票を入れてくれるのなら、
 「パス」に関しては、手を結べますよ。
(以上、高畑京一郎の、対橋本諜略作戦でした。)

 それと、もう一つ、念のため。
 『三題噺』が、どういう形になるかはまだ分かりませんが、
 そこで決まった方式にどうしても馴染めない場合、
 『三題噺』自体に参加しないという選択肢も、当然ありです。

 乗り気でない人間に参加を強制するような事だけはするまい、
 というのが、僕の基本方針ですから。
 その辺は、ご安心なさって下さいな。


60.  修羅場脱出   中里融司


 中里です。修羅場、脱出いたしました。相当へろへろしてますが、どうやら元気です。
 皆さん、ご迷惑おかけしました。これから復帰します。


 
61.  三題噺について回答   中里融司


修羅場脱出のあと、ぼけっとしてました。昨日から仕事にかかりましたが、またエンジンか
けなきゃです。
 古橋君の質問に対して、答えを書きます。
****************************************
【回答:『三題噺ルールについて・その1』】
:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
結論:「全員参加」。
理由:「同じお題で並べた方が、各メンバーの捉え方の違い、解釈や手法の相違がわかって
面白い」。

:パスはありか否か?
結論:無理な場合はあり。しかし、ルールをつける。
理由:際限なくありにすると、全体が機能しなくなる恐れありと考える。で、一度パスした
場合は、次のお題ではパスなしにする、などのルールをつくる。

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
結論:よい。
理由:評論が目的ではない。自分が気に入ったとき、あるいは、「自分の考えとはこの辺が
違う」などの建設的な会話に結びつけるには、自由度をもたせた方がいい。

**************************************** 
 この間の会合で、シェアードについても一応の提案が出ましたね。
 その調整役は私ということに、一応なりましたので、少し考えてから、提案したいと思い
ます。
 いま、まだ少し頭がところてんになってますので。
 ああ、一週間ぶりに酒を飲んだ。美味しいよぁ……。 
修羅場脱出のあと、ぼけっとしてました。昨日から仕事にかかりましたが、またエンジンか
けなきゃです。
 古橋君の質問に対して、答えを書きます。
**************************************** 【回答:『三題噺ルールについて・その1』】
:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
結論:「全員参加」。
理由:「同じお題で並べた方が、各メンバーの捉え方の違い、解釈や手法の相違がわかって
面白い」。

:パスはありか否か?
結論:無理な場合はあり。しかし、ルールをつける。
理由:際限なくありにすると、全体が機能しなくなる恐れありと考える。で、一度パスした
場合は、次のお題ではパスなしにする、などのルールをつくる。

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
結論:よい。
理由:評論が目的ではない。自分が気に入ったとき、あるいは、「自分の考えとはこの辺が
違う」などの建設的な会話に結びつけるには、自由度をもたせた方がいい。

**************************************** 
 この間の会合で、シェアードについても一応の提案が出ましたね。
 その調整役は私ということになりましたので、少し考えてから、提案したいと思います。
 いま、まだ少し頭がところてんになってますので。
 ああ、一週間ぶりに酒を飲んだ。美味しいよぁ……。 


62.  修羅場抜けました   川上稔


抜けたと言っても半日くらいですが(笑。
夜からは次っす、次。

************************************************************************************
【回答(古橋さんへ):『三題噺』ルールについて】
:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
・「一人ずつ回す」希望
理由:全員回しだと回転早くて(ここに凄い下品なギャグを一度入れましたが削除しまし
た)な気分なので将来的にツラくなると思いますし、連続で提示が遅れる人がいるとキャラ
性が出過ぎて揶揄されるかもしれないな、と。
 指名式のライブコントみたいなものだと思っていますが、どうなんでしょう?

:パスはありか否か?
・どちらかというと「なし」希望
理由:修羅場とか病気とかで不可能な場合を除き、書いた方がいいと思いますし、そーいう
軽いものだと思っているのですが……。
 あ、そのパス理由が面白かったらOKというのは不謹慎だけど良いかも(笑。

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
 ・賛成
************************************************************************************

てとこです。宜しくお願いいたします。


63.  けっこうかわいい犬でした。   橋本紡


 ども。
 橋本です。

 今日道を歩いてたら、おっきな犬(シベリアンハスキー)が焼きイモ屋に
 向かって吠えてました。「いっしやーきいもー、おいもー」って例の
 声に反応してたらしい。
 なんだか微笑ましくて、通りがかりの一同、クスクス笑ってました。



************************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その1】

:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
結論:どちらかというと「全員参加」。
理由:なんとなく(苦笑)。正直言っちゃえば、一人ずつ順番でも
   いいかなーとは思ってるんですが、どっちかといえばこっちってことで。
   あと、いろんな理由で「俺の順番だけど、やばい!」って時のため。

:パスはありか否か?
結論:「あり」希望。
理由:いや、できない場合もあると思うんですよ。ただ基本的には参加ってことで。
   ここら辺、ニュアンスの違いだけで、パスなしの方と実は一緒じゃないかな?

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
結論:賛成。
理由:基本的にはしたほうがいいと思います。ただ強制するほどのことでもない
   かなあってことで。

************************************************************************************

>高畑さん
 ふっふっふっ、取り引きとはさすがですね。
 手を結びましょう、ふっふっふっ。
 ……でも、付記とか見ると、だいたい同じ事を考えてるようだし、僕の
 考えてる「パスあり」って、他の方の「パスなし」とほとんど一緒みたいなんで、
 放っておいても同じ結論なのでした。ちゃらら。


64.  取り引き成立……なのかな?   高畑京一郎



 先日、シャープの『Power書院 ver.3』を購入しました。
 といっても、目当ては『書院IME』だけなんですけど。
 昔ワープロ書院で味わった短縮変換機能の便利さが忘れられなくて。

 ここ何年かパソコンではATOKを使っていたので、そちらの癖が(僕に)付いてしまい、
 却って扱いづらくなってしまった感もあるのですが、
 しばらく手間暇掛けて、付き合ってみようかと思っています。

 それはさておき。

 橋本くんへ。
>手を結びましょう、ふっふっふっ。

 ふっふっふっ。では、そういう事で。

*************************************************************
 というわけで、古橋くん。
 取り引きの結果、僕の意見は、下記のように変更となりました。

:パスはありか否か?
結論:どちらかというと「あり」希望。
*************************************************************

>放っておいても同じ結論なのでした。ちゃらら。

 ……まぁ、それはそれでよし。

 気を取り直して、引き続き、諜略作戦その二、です。
 今回は、川上くんと古橋くんに対しての説得工作です。

 発言62の川上くんのご意見ですが、
(そして古橋くんも、先日の会合で同種の事を危惧していたと記憶していますが)
 『全員参加』に対する反対理由が、「書き込みのスパンが早くなってしまう」
 という事でしたら、これに関しては幾らでも調整できる事ではないかな、
 と考えます。

 例えば、古橋くんの草案では、「週に一人で、ひと月で一巡」ぐらいの見当、
 という事になっていたと思いますが、これを、
 「五人同時で、ひと月で一巡」
 とすれば、書き込みの頻度自体は変わらないと思います。

 むしろ、「週に一人」の方が、時間的にきついのでは?
(書くだけならばともかく、『お題』を決めるという手順が、その都度
必要になるわけですから)

 また、

>連続で提示が遅れる人がいるとキャラ性が出過ぎて揶揄されるかもしれないな、と。

 という件に関しては、「全員の作品が出揃うまで次に行かない」とすれば、
 いいかもしれません。
 で、どうしても出来ない場合は、「これこれこういう理由で出来なかった、すまん」と
 いうような『詫び状』を、作品の代わりに提出する、という感じで。


 それと、最後に古橋くんへ。
 【質問:『三題噺ルールについて・その1』】に関して、
 古橋くん自身の意見は述べられていないようですが、それはひょっとして、
 意見調整役だからと、遠慮されての事でしょうか?

 もしそうだとしたら、その種の遠慮は無用だと思います。
 僕としても、個人としての古橋くんの意見も、知っておきたいですし。
(合従連衡を図る上でも、ね。ふっふっふっ。)


65.  すいません   古橋秀之


すいません、今ちょっと個人的にバタバタしてるんで、まとめ(と次の質問)ちょっと待っ

ください。多分、月曜くらいまで……(-_-;)。
それまでの間も、なにかご意見ありましたらお願いします。

> 古橋くん自身の意見は述べられていないようですが、それはひょっとして、
> 意見調整役だからと、遠慮されての事でしょうか?

あ、単に忘れてました。ではとりあえずそこのとこだけ。
基本的にはこのように考えています――が、まだ直前の高畑さんの意見をちゃんと検討して

ないので、今後変わるかも。
************************************************************************************
【回答(古橋):『三題噺』ルールについて・その1】

:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
 ・「一人ずつ回す」希望

:パスはありか否か?
 ・「なし」希望

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
 ・賛成
************************************************************************************

では、また……。


66.  一日遅れてしまいましたが   古橋秀之 2000/01/25


どうもです古橋です。
一日遅れてしまいましたが、以下のようにまとめてみました。

************************************************************************************
【結果:『三題噺』ルールについて・その1】
 ――以下のように決定したいと思います。括弧内は得票数(「どちらかというと」含
む)。

:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
 ・「全員参加」(3)

:パスはありか否か?
 ・「あり」(3)

:評価方法は「コメントしたければする」でよいか?
 ・賛成(5)
************************************************************************************

――というわけで、「全員参加」の方針ですすめていこうと思います。

************************************************************************************
【草案(古橋):『三題噺』ルールについて・その2】
 ――以下の点について、なにかご意見、付け加えるべき項目等ありますでしょうか。
   ひと回りご意見をうかがってから、改めて決を取りたいと思います。

:ペース
 ・月一回

:「お題」の決定・出題方法
 ・出題者以外のメンバーはメールでキーワードを一個ずつ出題者に送る。
  出題者はキーワードを3つ選び、月に一度の「出題日」に発表。

:出題者
 ・古橋に固定
 ・まわりもち

:〆切
 ・一週間(ポンポン出たほうがおもしろい?)
 ・次の出題日まで

:「パス」に関してのペナルティ
 ・特に設けない
 ・2連続はナシ
************************************************************************************

……実はまだちょっと自分の原稿でガチャガチャしているので、取り急ぎ用件のみにて失礼

ます。なにか問題等ありましたらご指摘ください。
それでは。


67.  ただ今、帰省中   高畑京一郎 2000/01/27


 高畑です。

>一日遅れてしまいましたが、以下のようにまとめてみました。
>・「全員参加」(3)
>・「あり」(3)
>・賛成(5)

 「コメント」に関しては全員一致でしたし、「パス」に関しても、その内容はほぼ
 一緒でしたから、決定でも構わないと思いますが、
 「全員参加」に関しては、もうちょっと意見のやりとりをしてもいいかもしれませんね。

 「どちらかといえば」付きの意見であれば、多数決で押し切っても構わないと思い
 ますが、「どちらかといえば」抜きの意見に対しては、やはり納得して貰ってから
 の方が良いような気もします。

******************************************************************************
 というわけで、
 「一人ずつ」派のみなさん(川上くんと古橋くん)へ。

 「全員参加」に傾きつつあるようですが、それで構いませんか?
 「いや、それはやっぱりまずいだろう」というようなご意見がありましたら、
 よろしくお願いします。
******************************************************************************

 ……と、上記のような質問をした以上、回答を待ってから次に進むのが筋だとは
 思いますが、それではまた間が空いてしまいますので、引き続き【質問その2】に
 関しての回答をさせていただきます。

******************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その2】

:ペース
意見:月一回くらいのペースが、ゆとりがあって良いのではないかと思います。
   『三題噺』だけで手一杯になってしまうようだと、やはりちょっとまずいでしょう。

:「お題」の決定・出題方法
意見:古橋くんの草案では、五人が一つずつキーワードを提出し、そこから出題者が
   三つ選ぶという形のようですね。
   僕もその意見に賛成ですが、「メールで」というのはどうでしょう?
   掲示板上で挙げた方が、「あのキーワードが、作品上ではこういう形になったんだ」
   というのが分かって面白いような気がします。

  (古橋くんが「メールで」と言ったのは、「他人のキーワードが分かってしまうと、
   それに関連したキーワードが出がちなってしまう」というような理由からだと
   推測しますが、それぞれのプラスマイナスを考慮すると、「掲示板上で」の方が、
   やはりいいかな、と、僕は思います。)

:出題者(「古橋くんにお任せ」か「まわりもち」か)
意見:それぞれの場合でそれぞれの色を出す、という意味からは、「まわりもち」の方が
   良さそうですね。キーワードの選定にも、各人の個性が出そうですし。
   でも、そうすると「五(ないし六)巡でワンセット」になりますけど。

:〆切
意見:とにもかくにも「週一回の書き込みノルマでなんとかなるシステム」というのが、
   前提として、僕の中にありますので、それから考えると……、

   第1週、各人のキーワード提出。
   第2週、出題者によるキーワード選定。同時に執筆スタート。
   第3週、作品提出。
   第4週、コメントなどの言い合い。

   ……こんな感じでしょうか。

   ただ、次のローテーションに食い込まなければ大過はないと思いますので、
   最大締め切りは月末まで(第2週から数えれば3週間程度)。
   ……これなら、そう無理のないペースだと思いますが。

:「パス」に関してのペナルティ
意見:『詫び状』を入れるというのも、重からず軽からず、ちょうど良いペナルティと
   思えますが、「2連続はナシ」というのも、分かりやすくて良いかもしれませんね。
******************************************************************************

 以上、ざっと、僕の思うところを挙げてみました。


68.  マウス崩壊   川上稔 2000/01/29


手にとって振るだけでボタンが押せる不思議なマウスになってしまいました。
新製品みたい。

************************************************************************************
【回答(高畑):「全員参加」について】
:ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
・あ、全然構わない風に頭が切り替わってるんで大丈夫です。問題なしということで
宜しくお願いいたします。
************************************************************************************
んでもって、
************************************************************************************
【回答(古橋):『三題噺』ルールについて・その2】
:ペース
 ・月一OKっす
:「お題」の決定・出題方法
 ・出題者以外のメンバーはメールでキーワードを一個ずつ出題者に送る。
  出題者はキーワードを3つ選び、月に一度の「出題日」に発表。
  =OKっす
:出題者
 ・古橋さんに固定OKっす(大変だとは思われますがお任せいたします)
:〆切
 ・次の出題日まで。ただしペースとして一ヶ月というのがあるから実質一ヶ月と
 いうことでしょうか。
:「パス」に関してのペナルティ
 ・2連続はナシ
 ・次の書き込みの際に語尾を出題者の提示した語に固定とする。
************************************************************************************

思いつく限りではこんなところでしょうか。
ってか、マウス買ってきます(今タブレット使用中(笑))


69.  蘭火復活   中里融司 2000/02/01


 どうも、中里です。なんか掻き込み、もとい書き込みが一週間以上空いてしまいました。
 申し訳ありません。それにしても、なんか牛丼かカツ丼食べてるみたいですね。わさわ
さ。
 まず、ご報告。元旦に2000年問題だかでFDドライブが動かなくなってた執筆用アプ
ティバ蘭火ちゃんが、めでたく復活。
 なんか復旧プログラム取り込んだりしても埒が開かないので、USB接続のFDドライブ
を装着したら動きました。
 いま、彼女にはMOドライブとFDドライブ、二つの記録装置が繋がってます。文明の勝
利。
 古橋くんの提案に回答です。
*******************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その2】
:ペース
意見:うーん、やはり月一くらいかなぁ。各人仕事を抱えているわけだし、他にもこの掲示
板で、やりたいこともあるし。
 月一くらいのペースがゆとりを持てるんじゃないでしょうか。
:「お題」の決定・出題方法
意見:参加者が一つずつキーワードを送るのは賛成。ただ、それは掲示板上でオープンにし
た方が面白いのではないでしょうか。
 まったく関連がなく、一番縁の遠そうなキーワードを集めるかねあるいは逆に典型的にス
テレオタイプなキーワードから、どう料理するか楽しむという、その方が良いように思いま
す。
:出題者
意見:まとめ役を古橋君にお願いして、出題者は回り持ちの方が面白いように思います。
:締め切り
意見:次の出題日まで。仕事に食い込まず、余裕をもってできるという点と、前の作品の観
賞、感想なども考えるとほぼ一ヶ月でしょうか。
:「パス」に関してのペナルティ
意見:二回連続はなし。次のお題では前の三題から一つ入れて四題とする。
******************************************************************************
 こんなところでしょうか。今月は電撃新作と架空戦記の同時進行。あうあう。


 
70.  中里さんへ。   高畑京一郎。 2000/02/02


 マシンが復活したご様子で、まずはおめでとうございます。
(……と言っても、お話しを聞いた限りでは、根本的な解決にはなっていないような気もし
ますが。)

 ところで、先日お借りしたDVD『グローリー』、面白かったです。
 やっぱり、デンゼル・ワシントンはいいですね。
 モーガン・フリーマンも、いい味出してましたし。
 規律と人情との間で板挟みになる連隊長の心情も、よく伝わってきました。

 南北戦争の北軍の話という事で、『風と共に去りぬ』の、ちょうど裏側の話になるわけで
すが、
 こういう風に両陣営それぞれの話を見比べると、戦争というのは必ずしも善と悪の闘いと
いう
 わけではないんだな、と、つくづく思いますね。


71.  また十時間寝ちゃったよ……あう……。   橋本紡 2000/02/03



 「あのさー、オレ、眼科行ってくるわ」
 「どうしたの、急に?」
 「いや、オレ、たまにコンタクト使ってるだろ? なんか心配になってきてさ」
 「あ、そーゆー番組見たでしょ? コンタクトレンズによる障害なんとかって?」
 「う……」
 「わかりやすい性格してるよね、ほんと」
 「う、うるさいっ!」

 だって怖いじゃんかよー。
 眼科医に「あんた、目が弱いから気をつけるようにね」とか言われたことあるし。
 一日中モニター見てるせいでドライ・アイ気味だし。



 ところで久しぶりの書き込みがこれかい……>おれ


72.  三題噺   古橋秀之 2000/02/08


おつかれさまです、古橋です。
発言に間が空いてしまってすみません。
三題噺の件の続きです。

************************************************************************************
【回答(高畑):「全員参加」について】
 :ひとつのお題に対して全員参加? それとも一人ずつ回す?
  ・私も別に異存ありませんので、やはり「全員参加」ということで――
************************************************************************************

「草案」に関してはひと通り意見が出たものと判断し(橋本さんは「異存なし」ということ

いいですよね?)、決を取ってしまいたいと思います。

************************************************************************************
【草案(古橋):『三題噺』ルールについて・その2】
 ――以下の点について、あらためて決を取りたいと思います。

:ペースは月一回?
 ・よいと思う
 ・反対意見あり
※特に強く希望する際はその理由も

:「お題」の決定・出題方法
 ・メンバーは掲示板でキーワードを一個ずつ発表し、出題者が三つ選ぶ。
 ・メンバーはメールでキーワードを一個ずつ出題者に送り、出題者が三つ選ぶ。
 ・その他
※特に強く希望する際はその理由も

:出題者
 ・古橋に固定
 ・まわりもち
 ・その他
※特に強く希望する際はその理由も

:〆切
 ・出題から一週間(タイトな時間制限)
 ・出題から三週間(コメントの時間も考慮して)
 ・次の出題日(一カ月後)まで
※特に強く希望する際はその理由も

:「パス」に関してのペナルティ(複数回答可)
 ・ペナルティなし
 ・2連続パスはナシとする
 ・「詫び状」を書く
 ・「語尾固定」だぴょん
 ・次回は「四題」とする
※特に強く希望する際はその理由も
************************************************************************************

なにかもれがありましたらご指摘ください。
これらの点が決まったら、ルールを整理して「お題募集」に移行できるかと思います。
よろしくお願いします。


73.  質問。   高畑京一郎 2000/02/09


 お疲れさまです。古橋くん。

 ところで、ひとつ、よく分からない点があるので、質問させて下さい。
 『ペナルティ』のところの「語尾固定」って、具体的にどういう事なんでしょう?

 川上くんの68発言を読み返してみても、どういう意味なのか、今ひとつ分からないんで
す。
 というわけで、ご教授お願いします。(古橋くんor川上くん)


74.  「語尾固定」   古橋秀之 2000/02/10


おつかれさまです、古橋です。

>  『ペナルティ』のところの「語尾固定」って、具体的にどういう事なんでしょう?

私としては、出題者が「ペナルティとして、あんたはこれから語尾『りゅん』で固定」と言

たら、「わかったりゅん。これからそうするりゅん」と答えなければいけない……と解釈し

います。(ズレがあったら指摘お願いします>川上さん)


ついでながら、川上さんの提案の原文は、

> ・次の書き込みの際に語尾を出題者の提示した語に固定とする。

なわけですが、「次の書き込み」という限定の仕方だと、簡単なあいさつ等で「ハイこれで

発言りゅん」と終わってしまいそうなので、個人的には「その後一カ月(次の三題噺を書き

むまで)ずっとやる」くらいにしたいです。その場合、この「縛り」が、「次回の三題噺の

味にも適用されるのか」、といった部分も含めて、あらためて決を取る必要があるかと思い

す。
あるいは最初から、川上さんの「次の書き込み」が「次回の三題噺」を指していると考えら

なくもないです。
川上さんの発言意図としては、どういう感じなのりゅん?


75.  語尾を”死を意味するッッ!!”に固定してみんとす。   川上稔 2000/02/11


どもども、また修羅場に突入の川上で死を意味するッッ!!

>ズレがあったら指摘お願いします
あ、それで完全に合っておりますので大丈夫で死を意味するッッ!! こういうのってバツ
ゲーム的として見た場合、”文章書き”の者としては最適かもなーとか思って死を意味する
ッッ!!
大体はこんな感じでいいような死を意味するッッ!! でもなんかかなりうるさいで死を意
味するッッ!! (笑。疲れてるとき見たら疲れ倍増で死を意味するッッ!!


************************************************************************************
【回答(古橋):『三題噺』語尾固定について】
:期間
 ・次の三題話に答えるまでで良いと思い死を意味するッッ!!
:補足
 期間区切りはやはり三題噺で区切った方が解りやすい気が死を意味するッッ!! その方
が楽で死を意味するッッ!! ついでに言うとその方がバツゲームっぽいで死を意味するッ
ッ!! でもかなりキャラクター性が変わってしまいそうなので長期間引きずるとキツイよ
うな気もするで死を意味するッッ!!?
 でもやはり最大の問題は、
「初めてここを見た人を不安にさせるで死を意味するッッ!!」
 ということで死を意味するッッ!!(笑。
************************************************************************************


76.  今度はフツーに   川上稔 2000/02/11


下の書き込み、語尾を一括置換しただけなんですが、何か凄いテンションに見えるなあ。
コテコテ系ですね。
やるとしたならば語尾選びのセンスが必要な気がしてきたっす……。


77.  ありゃ、日が長くなったねえ。   橋本紡 2000/02/11


 こんちはー。
 なんか……すごいことになってる気が……。

 ところで、この前病院に行ってきたんですが、いやあ、待つ俟つ。あまりにも
 待ちすぎて、隣にいたおばあちゃんと仲良しになっちゃいました。なぜ病院が
 お年寄りの社交場になるか納得。
 ちなみに、その時の会話を一つ。

 ばっちゃん「あんた、結婚してるの? 子供は?」
 橋本   「いやあ、まだなんすよ」
 ばっちゃん「そんな髪伸ばしてチャラチャラしてるからよ」
 橋本   「う……そっすかね、やっぱ?」
 ばっちゃん「そーよー(断言)」

 ううっ、反論できないのが哀しい。

************************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その2】
 ――以下の点について、あらためて決を取りたいと思います。
:ペースは月一回?
意見:一回でOKです。もちっと余裕あってもいいかとは思うけど、まあ、とりあえず。


:「お題」の決定・出題方法
意見:掲示板かな。

:出題者
意見:古橋さんにお願いしたい気もしますが、もし古橋さんの負担になっちゃうようなら、
まわりもちでいいかと。

:〆切
意見:詫び状ってのも引かれますな。しかし、すっげえ凝った詫び状書いちゃって、おいお
い、
素直に三題やったほうが楽だったよ……ってなことにもなりかねない気がするので、連続は
なし程度が
楽といえば楽かも。語尾固定は……面白いけど、一ヶ月続くとあきません?
「連続パスなし」と「語尾固定発言一回」のあわせ技一本ってのは?
************************************************************************************


78.  ご回答感謝。   高畑京一郎 2000/02/12


 まずはご回答ありがとうございました。(古橋くん&川上くん)
 大変、よく分かりました。
 ……しかし、これ、川上くんの言うように、結構きついかもしれませんね。
(あ、『ペナルティ』だから、その位の方がいいのか。)

 応用として、「悪代官口調」とか「メルヘン少女風」とかにキャラを設定してしまう、
 という方法もありそうですね。

 さて、それでは。

***********************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その2】
:ペースは月一回?
結論:よいと思う
理由:まあ、その位が妥当かな、と。それに、分かりやすいし。

:「お題」の決定・出題方法
結論:掲示板にて。
理由:発言67の通り。

:出題者
結論:まわりもち。
理由:発言67の通り。

:〆切
結論:とにかく、次のサイクルに食い込まない事。
理由:手順がまだ決まっていない段階では、はっきりと数字を出しかねますが、
   いずれにせよ、上記のような考えに沿った期間に、僕は票を入れます。

:「パス」に関してのペナルティ(複数回答可)
意見:提示のあった五つに関して、それぞれ簡単に感想を述べれば、
  「ペナルティなし」………これはまずいだろう。
  「次回は四題」……………それが出来るようなら、三題の時にやれるのでは?
  「2連続パスはナシ」……分かりやすい。
  「詫び状を書く」…………潔い。
  「語尾固定」………………結構、楽しいかも。(でも確かに、ひと月ずっとは長いか)
   という感じですね。
   いずれにせよ『ペナルティ』は必要だと思いますが、向き不向きもありそうですの
で、
   いっそのこと、『受刑者』に好きな『刑』を選ばせる、くらいの融通性があっても
   いいかもしれません。
***********************************************************************

 ……ところで、橋本くん。
 なんか最近、病気の話題が多いようですが、大丈夫でしょうか。
 (僕と違って)もう、いいお年なのですから、お体をいたわって下さいね。
    ↑
  ここ強調。(ちなみに、橋本くんは僕より1週間だけ年食ってます。)


79.  あー、眠い寒い進まない   中里融司 2000/02/17


 なんだか寒いですね。今年は暖冬のばすだったのに、ここ数日は本当に。
 零下四〇度の寒気団、東京上空に至るとか。東京氷河期。頭にしっかりインプットされた
身としては、なんだか近しいというか何というかで。
 ここのところ連日午前一時まで書いてるもんで、眠いです。指圧とマッサージでなんとか
頑張ってます。
 横浜中華街にいいお店があるというのだが、いつも一緒に行ってた相棒が新しい仕事につ
いたものでなかなか連絡が難しくなりました。あう。
 古橋くん、遅くなりました。その二についての回答です。
********************************************************************************
【『三題噺』ルールについて・その2】
:ペースについて
・回答:月一回が妥当。
・理由:みんな仕事を抱えていますし、この辺りがいいペースではないでしょうか。『笑
点』のようにその場で出してもあまり意味がないし、熟成させる時間が必要かと。

:出題者
・回答:古橋くんに固定。固定した方が、企画としての性格も鮮明にできるのではないか、
と考えます。大変でしょうけど、頑張ってください。シェアードワールドのときには、私が
頑張りますゆえ。

:締め切り
・回答:出題から三週間。

:「パス」に関してのペナルティ
・回答:2連続パスはなしとする。「語尾固定」でごんす。
・理由:2連続バスはなしでごんす。これはまぁ、当然ということでごんす。
「語尾固定」だと、その語尾に合っている場合は見事に、合わない場合もそれなりに、笑い
が取れるでごんす。あるいは、語尾に合わせて話を創ることでできるでごんす。
 それで、質問でごんす。語尾固定の場合は、語尾は任意でごんすか? それとも、どなた
かから指定を受けるでごんすか?

   お相撲さんの語尾がごんすというの、いつ、誰が始めてのでごんしょう。謎でごんす。 


  
80.  おぅミステーク   中里融司 2000/02/18


 おっとっと、失礼したでごんす。
 語尾固定の出題、古橋くん、川上くんの書き込みで出ていたでごんすな。
 寝不足が響いているようでごんす。
 二作の同時並行執筆は、想像以上にきついでごんす。どうして日割りして出したはずの執
筆ノルマが、段々増えていくのでごんしょう。
 なんか暑苦しいので止めましょうかこの語尾。


81.  『うずまき』   高畑京一郎 2000/02/19



 最近、次の仕事の資料集めも兼ねて、本屋に行っては、いろいろと書籍を買い漁っていま
す。
 そのついで、と言ってはなんですが、『うずまき』(伊藤潤二。小学館)を買ってきてし

 いました。しばらく前から気にはなっていたのですが、映画化に合わせて一巻本になって

 ましたので。

 で、読んだ感想ですが……こら、凄いわ。

 なにが凄いって、まず、その発想力。
 「よくこんな事を考え付くなぁ」と、まずその点に驚きました。
 そして、それを読む者に納得させてしまう、有無を言わせぬ描写力。
 「ホラーとギャグは紙一重」などとよく言われますが、この物語も一歩間違えば失笑を買

 そうなほどに荒唐無稽です。ですが、読んでる時にはそれを感じないんですよね。
 圧倒されてしまいました。

 ヒロインの女の子も可愛いし、情けないんだか頼りになるんだかよく分からない相手役の
 少年もいい味出してます。
 なにより、なにが起ころうと、それを受け入れて日々の生活を続けてしまう人々の姿が、
 なにか妙に説得力があっていいですね。

 久しぶりに「買って良かった」と思える本に出会えて、今ちょっと満足してます。


82.  『三題噺』   古橋秀之 2000/02/20


おつかれさまです、古橋です。
前回の質問に対する私個人の意見を上げるのを忘れていました。

************************************************************************************
【回答(古橋):『三題噺』ルールについて・その2】

:ペースは月一回?
 ・よいと思う

:「お題」の決定・出題方法
 ・メンバーは掲示板でキーワードを一個ずつ発表し、出題者が三つ選ぶ。
:出題者
 ・古橋に固定

:〆切
 ・出題から三週間(コメントの時間も考慮して)

:「パス」に関してのペナルティ(複数回答可)
 ・2連続パスはナシとする
 ・「詫び状」を書く
 ・「語尾固定」だぴょん
************************************************************************************

で、全体の集計です。

************************************************************************************
【結果:『三題噺』ルールについて・その2】
――以下のように決定したいと思います。括弧内は賛同者。

:ペースは月一回?
 ・よいと思う(全員)

:「お題」の決定・出題方法
 ・メンバーは掲示板でキーワードを一個ずつ発表し、出題者が三つ選ぶ。(橋本、高畑、

里、古橋)
※川上さんが「キーワードをメールで」に票を入れておられますが、「掲示板」に変えても
問題なかろうと判断しました。

:出題者
 ・古橋に固定(中里、川上、古橋)
※高畑さん橋本さんが「まわりもち」に票を入れておられますが、とりあえず手順が安定す
るまで「暫定古橋」で、その後また検討する、ということでどうでしょうか。

:〆切
 ・出題から三週間(コメントの時間も考慮して)(中里)(古橋)
 ・次の出題日(一カ月後)まで(橋本)(高畑)(川上)
※この点に関して、新たに提案があります。

:「パス」に関してのペナルティ(複数回答可)
 ・2連続パスはナシとする(全員)
 ・「詫び状」を書く(高畑、古橋)
 ・「語尾固定」だぴょん(橋本、中里、川上、古橋)
※「2連続はナシ」は全員一致で決定、「語尾固定」「詫び状」に関して、新たに提案があ
ります。
************************************************************************************

で――

************************************************************************************
【提案(古橋):『三題噺』ルールについて・その3】
質問というより提案なのですが、前回決をとった項目のうち、

> 〆切
> 「パス」に関してのペナルティ

この2点について、新たに提案があります。まず「〆切」は「一ヵ月」が優勢ですが、これ

「まだ基本ペースも決まってないし」という側面があったと思います。
また、「ペナルティ」ですが、人気の「語尾固定」に関しては「一ヵ月では長すぎる」とい

意見もありました。あと高畑さん「詫び状」のほうがやりたそう。
そこで新提案。

:〆切は出題から三週間、次の出題までの残り一週間はペナルティの処理に当てる。
:ペナルティは「2連続はナシ」&「一週間以内に語尾固定で詫び状を書く」。

ペナルティがちょっときついか、という印象がありますが、「すまんでごんす」とか「ごめ

にょ」とか、語尾(キャラ)が固定されていれば、むしろ「素で書く詫び状」より楽になる

ではないかと思います。

決の前に、またひと回り意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
************************************************************************************


余談ながら、『うずまき』いいですよね。
『富江』も新装版が出たことだし――


では。


83.  ささいなことですが   古橋秀之 2000/02/20


すいません、先程の発言のうち、

> 【提案(古橋):『三題噺』ルールについて・その3】
> 質問というより提案なのですが、前回決をとった項目のうち、

この部分、浮いてますね。
最初は一発で決を取ろうとして、

> 【質問(古橋):『三題噺』ルールについて・その3】

と書いていたのでした。
それだけです。


84.  とりあえず、回答など。   高畑京一郎 2000/02/23


 お疲れさまです。古橋くん。いや、本当に。
 なんか、物凄く大変な作業を押し付けてしまったようで、恐縮しております。

 さて。
・ペースは月一回。
・メンバーは掲示板でキーワードを一個ずつ発表し、出題者が三つ選ぶ。
・出題者は「暫定古橋」
 以上三点、決定との事ですが、異論ありません。

 では、次に。

*******************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その3】

(えっと……まず最初に、
>あと高畑さん「詫び状」のほうがやりたそう。
 との事ですが、そういうわけでもないんですよ。語尾固定も面白そうだし。)

 てなわけで。

:〆切は出題から三週間、次の出題までの残り一週間はペナルティの処理に当てる。
:ペナルティは「2連続はナシ」&「一週間以内に語尾固定で詫び状を書く」。

結論:異論無し。
*******************************************************************************

>余談ながら、『うずまき』いいですよね。

 いいですよね。
 すっかり気に入ってしまいました。
 ところで、『富江』も、伊藤潤二作だったんですか?(映画しか知らなかったもので…
…)
 ちょっと伊藤潤二に凝ってみようかと思っているので、
 ほかにも作品が出ているようでしたら、教えて下さるとありがたいです。


85.  熱が下がらないっ。   橋本紡 2000/02/23



 風邪引いて熱出して寝込んでます。
 あぐ。
 空気が乾燥してるから、余計につらい。
 誰か加湿器ください。



*******************************************************************************
【回答:『三題噺』ルールについて・その3】
:〆切は出題から三週間、次の出題までの残り一週間はペナルティの処理に当てる。
:ペナルティは「2連続はナシ」&「一週間以内に語尾固定で詫び状を書く」。

 結論:おっけーっす。
*******************************************************************************



 あ、なんか、たかが一週間の差で年より扱いされてる気がする……。


86.  その3回頭、もとい回答   中里融司 2000/02/24


 毎度、中里です。
 古橋くん、ご苦労様です。回答が遅くなって申し訳ありません。
 まず、提案・その3に対して回答を。
********************************************************************************
:〆切は出題から三週間。次の出題までの残り一週間はペナルティの処理に当てる。
:ペナルティは「2連続はなし」&「一週間以内に語尾固定で詫び状を書く」
 ともに賛成です。この辺りが、ちょうどいいところではないでしょうか。語尾固定は楽し
そうだし。

 「うずまき」と「富江」。楽しそうですね。伊藤さんの作品は、「富江」以来ファンで
す。
 高畑さん、「死人の恋わずらい」もなかなか良いですよ。
 実は私、「富江」が受賞したときの楳図賞に投稿していたりするのですが。なんだか遠い
過去のような気がします。
 いよいよ、花粉症の季節がやってきました。今朝から眼がしばしば。皆さま、お体気をつ
けて。


 
87.  どもども   川上稔 2000/02/24


花粉症が来たー。最高に最低です。たまらんですなー。

************************************************************************************
【回答(古橋):『三題噺』ルールについて・その3】
:〆切は出題から三週間、次の出題までの残り一週間はペナルティの処理に当てる。
→OKっす。

:ペナルティは「2連続はナシ」&「一週間以内に語尾固定で詫び状を書く」。
→OKっす、
************************************************************************************
返答遅れてすいません。
いやはやではでは。


88.  たんま   古橋秀之 2000/02/26


どうもです、古橋です。
三題噺のルール関係は一応出そろった感じですね。

――というところで、すみません、私これからちょっと旅行に行ってきます。
よって、しばしタンマです。もうしわけないっス。

では――


89.  はや三月。   高畑京一郎 2000/03/01



 いつぞや古橋くんが言っていた、『富江』の新装版を書店で見かけたので、早速買って来
ました。
 ……そうか、こういう話だったのか。『富江』って。

 今まで、てっきり『リング』とか、そういう系統のホラーだと思っていましたが、
 そうだよなぁ……『うずまき』の作者だものなぁ……。

 なにはともあれ、面白かったです。
 個人的には、『富江・暗殺』の話が、一番気に入りました。
(あの終わり方がなんとも……)

 中里さんへ。
>高畑さん、「死人の恋わずらい」もなかなか良いですよ。
>実は私、「富江」が受賞したときの楳図賞に投稿していたりするのですが。
>なんだか遠い過去のような気がします。

 おお、中里さんの秘められた過去が明らかに……。

 てなわけで、今度は中里さんご推薦の『死人の恋わずらい』を探しに行って来ます。


90.  メンバー各位に。   高畑京一郎 2000/03/10



 昨日はお疲れさまでした。

 てなわけで、例の件、早速作業に掛かっております。

   あの時点で、かなり明確なイメージを形作る事ができましたので、
 あとは描写方法を考えるだけで済みそうです。

 現段階で……そうですね。
 400字換算で、8枚くらいは書き上がりましたので、
 多分、間に合うでしょう。

 心配ご無用。
 大船に乗った気でいてくださいな。橋本くん。

 では、取り急ぎ、現状報告まで。
 引き続き、作業に戻ります。


91.  『三題噺』   古橋秀之 2000/03/12


この場ではお久しぶりです、古橋です。
旅行からは先週末に帰ってきていたのですが、個人的にバタバタしているうちに一週間経っ

しまいました。すみません。

その間に下の発言で高畑さんがいわれているように新企画が走りだしたりしているわけです
が、
『三題噺』の方はどうしましょうか。
ルールは以下の形でまとまっていますので、いつでも始められます。が、もともと「場つな
ぎ」
的な意味合いで始まったものですので、とりあえずまた手持ち無沙汰になるまで凍結してし

ってもかまわないと思います。
さて、どうしましょう?
またひと回りご意見をうかがいたく思います。

「やろう」という人はその旨と、ついでにキーワードのひとつを出してください。三人以上

たら始められますね。二人以下の場合は中ぶらりんで流れちゃいますが、ま、そこはそれ。
また「ややこしくなるし、やめとこう」というのももっともな話なのでOKです。
さてさて……。

************************************************************************************
【『三題噺』ルール】

1.出題者以外の全員が掲示板上でひとつずつキーワードを出す。
2.出題者(とりあえず古橋)がキーワードのうち三つを選択。
3.三週間以内に全員が提示されたキーワードに基づき、三題噺を書く。
 (パスあり。ただし2連続は不可)
4.パスした者は一週間以内に「詫び状」を書いて掲示板上で発表。
 (語尾等を他の参加者の注文通りにすること)
5.[1]にもどる。
************************************************************************************


92.  三題噺OKっす   川上稔 2000/03/15


やりましょやりましょ。
御題はまず「爪」。
いや、今そこで足の小指をクラッシュしたもので……。

しかし花粉症が凄いっす。今年はいつもよりキツイですなー。
薬局にて、
「これがあまり眠くならない薬。一日三回で、一回二錠」
って言われたのを、
「一日一回一錠」
で飲んでるんですが、死ぬほど眠気が続きます。
もともと薬に頼らない方なのでキテるんだと思いますが、症状が抑えられても
これではなあ、と。困ったものでして。

いやはやではでは。


93.  知人の手術は成功したみたいだけど。   橋本紡 2000/03/15


 こんちは。
 橋本です。

 ちょいと病院にこもってました。僕じゃなくて、知人の手術だったんですけどね。
しかし、ヘビーだわ、病院って。一晩ICU(集中治療室……重症患者さんが入ると
ころです)の待合室にいただけで、いろいろ見ちゃったもん。

 ずっと泣き続けている女の子、息子の急変を知らせるために何度も何度も何度も
公衆電話のダイヤルを押し続けるオジサン、そのそばで小さくなって震えているオ
バサン(奥さんだろう、たぶん)、オジサンが受話器を置くたびに、公衆電話から テレカが吐き出され、電子音が鳴り響く……。

 面会のためにICUに入ったら、隣のベッドから「??ちゃん、お願いだから、
手を握って!」という若いお母さんの叫び声が聞こえてきたり……。

 今の時代、生も死も妙に現実感がなく、親しい人間の痛みさえ陽炎のように淡かっ
たりするわけだけれど、ガランとした廊下に朝まで響き続けたピーピーピーという電
子音(テレカのね)だけは、なぜか奇妙なほどにリアルでした。

 ふう、なんだかね。


94.  経過報告。   高畑京一郎 2000/03/15



 高畑です。

 とりあえず書き終わりました。
 現在のところ、400字換算で21枚といったところですが、
 時間に余裕ができたので、もう少し文章を練り込んでから、
 橋本くんに、お渡ししたいと思います。

(……意地でも、締め切り前に提出してやる。)

****************************************************

 古橋くんへ。

 『三題噺』がテストケースである事は確かですが、
 折角ここまで決めたものを、そのまま眠らせてしまうのも勿体ないような気がします。

 というわけで、
「とりあえず、一度は動かしてみる」
 に、一票。

 僕からのキーワードは……そうですね、『煙草』でお願いします。

****************************************************


95.  三題噺お題   中里融司 2000/03/16


 どうも、朝から雨だというのに、花粉症が苦しい中里です。
 昨日、横須賀に行って来ました。ひさしぶりに原点として、戦艦三笠を見て来ようと思っ
て。
東郷元帥と秋山参謀、当時の日本は元気だった……。
 んで、お土産は海軍カレーと角なしサザエ最中。三色の餡で、美味しいんだ、これが。
 古橋くんのご提案に伴い、三題噺。やりましょうよ、企画の繋ぎにもなるし、動かしてい
かないと。
 で、お題ですが、花粉症の関係で飲んでいることでもあるし、『薬』はいかがかと。
 できるだけ関連なく、繋げると面白い話になりそうということで。中里の提案でっす。


96.  任務完了   高畑京一郎 2000/03/18



 終わりました。

 結局、上限ぎりぎりの22枚、使ってしまいました。

 ではでは、皆様、あとはよろしく。


97.  『三題噺』始動   古橋秀之 2000/03/18


おつかれさまです、古橋です。
では、『三題噺』、三人の方の意志が確認できましたんで、発進してしまいましょう。

************************************************************************************
第1回お題は『爪』『煙草』『薬』
〆切は4/10(月)
************************************************************************************

連絡上のタイムロスがある土門さんと、もうひとつの企画のほうで忙しくなる橋本さんが若

不利かなと思われますが、まあこの程度の不公平は常時発生するものでありましょう。適当

いきましょう。

土門さんには編集さんからFAXしていただくよう、休み明けに連絡しようと思います。

では、みなさんよろしくお願いします。


98.  三題   橋本紡 2000/03/18


 じゃあ、お題は「鮭をくわえた木彫りのクマ!」って……もう決まっとるやん……。
 し、しまった。
 ぼうっとしてるあいだに……。

 えー、お題了解です。
 ちょいとばたばたしてますが、なんとか。


99.  もういっこのほう。   橋本紡 2000/03/18


 たかはたさーん、どもです。
 とっとと次書きますねー。
 三日か四日であげて、次まわします。>川上さん


100.  もういっこのほう。   橋本紡 2000/03/18


 ついでだ、百番取っちゃえ。
 ……だけしか書かないとひんしゅくものなので、世間話など。

 最近の出来事いろいろ。
 ・電車でおばあさんに席を譲った。
  えらいなあ、すごくえらいぞ。……と自分を誉めてみる。
 ・知り合いが通販で売ってる「歩くブランコ」みたいなヤツを買った。
  そう、あれっすよ、あれ。商品名はわからないけど、あの、両足乗せて
  スティック持って運動するヤツ! くーっ、商品名わからないのが
  はがゆいー。
  しっかし、あれが一般家庭の中にあるのって……すごい絵だよね……。
 ・髪を少し切ろうと思っていたりするかもしないかも。
  あ、これは予定。
 ・生まれてはじめて回転寿司に行く!
  マジで初めてでした。
  すっげー、ほんとまわってるよ……。
 ・電車でスタートレックのネクタイをしているサラリーマンを見かける。
  そ、それ、譲ってくださいっ、と言いそうになりました。
  調べたら、アメリカの通販で売ってるものらしい。
  欲しいなあ、あれ、マジ欲しい……どこにもしていけないけどさ。
  いや、そもそも一年で三回くらいしかネクタイしないし……。


101.  もういっこのほう。   橋本紡 2000/03/18


  ひとつ書くの忘れてました。

  三題のパスって、どの時点で表明すればいいのでしょう?

  できるように頑張ってはみますが、いくつか重なってるので
  場合によってはいきなりパスってのもありうるかも……。
  これって、まだ決まってなかったよね?
  決まってたっけ?

  ところで。
  この連続発言って、今までの最高記録だよね?


102.  パス   古橋秀之 2000/03/21


どうもです、古橋です。用件のみにて失礼します。

> 三題のパスって、どの時点で表明すればいいのでしょう?

特に反対意見がなければ、「ぎりぎりまでよし」「『なし崩しパス』もアリ」でいいんじゃ

いでしょうか。

「木彫り熊」は今回見送りですね。すいませんです。


103.  できあがり。   橋本紡 2000/03/21


 ちはー。
 もうひとつのほうはどうにか終わりました。
 思ったより大変だったけど、まあ、こんなもんでしょ。

 それから。
 高畑さんに一言、お願いだから怒らないでね(苦笑)。


104.  橋本くんへ。   高畑京一郎。 2000/03/21



>もうひとつのほうはどうにか終わりました。

 早いなぁ。さすがです。

>それから。
>高畑さんに一言、お願いだから怒らないでね(苦笑)。

 ……どういう意味なんだろう。どきどき。


105.  うへー   川上稔 2000/03/23


帰宅したらメールが来てて事情を調べてみたらもうここまで動いていたんですなー。
ともあれ会社の仕事がない日に叩いて次の中里さんに御送付させていただきます。

しかし何ですかここ数日の花粉の凄さ。
もうビバ花粉と言いますか、花粉フィーバーと言うべきか、花粉777ってい(略)。
ミノフスキー粒子みたいに飛び散りまくっているのが、
「目に見える」
っていうのはシャレにならんです。新手のチャフ……?
おかげさまで鼻水大放出で体重が二キロ痩せました(いや、それが原因かどうかは
知らんですが(当たり前だ))。きっと脳味噌もちょびっと漏れただろうなあ……。

とりあえずそんな状況ですー。
ではでは。


106.  とりあえず   川上稔 2000/03/25


できました。
ええ、できましたとも、36枚……。
ええ、縮めます縮めますともさあチキショー(笑。
今夜中に何とかしてどうにかしますので宜しくお願いいたします。

何か楽しくていいっすね、こういうの。
ORBITALの買ってなかったCDが偶然手に入った勢いもあって、かなり
勢いよくやらせていただきました。あとはどうなることかなー、と。
これから三題噺の方を書こうかな、とか思ってます。
ではではー。


107.  はいはい引き継ぎ   中里融司 2000/03/27


 はい、川上さん、オッケーです。
 夕べ、しっかり引き継ぎました。しかし、こう来たか。
 いま、政宗公の苦悩の最中ですが、しっかり気合い入れてやらせていただきます。
 話は変わりますが、酒は花粉症にはあまりよくありません。
 夕べ、ダイキリにグレープフルーツ入れて温めた奴を飲んだら、温かくて美味しいのはい
いんですけど花粉症症状はひどくなりまして。
 一昨日は大学漫研の後輩同士が結婚してお祝いで飲んだし、その前は自宅で飲んだし。
 あ、飲んでばかりいるのが悪いのか。


108.  中間報告   中里融司 2000/03/28


 どうもです。花粉症は一段落かな。でも明日は暑いというし、雨の翌日は花が開いて、
盛大に花粉が飛ぶといいますね。なんだか不安。花粉がテニスボールくらいあって、肉
眼に見えれば問題ないのに。いや、それはそもそもかえって問題だろうか。
 現在、半分まで書きました。予定枚数の半分です。今週中には、土門くんに渡せます。
 以上、中間報告でございました。


109.  『三題噺(爪/煙草/薬)』   高畑京一郎 2000/03/31



 『三題噺』ですが、こんな感じで書いてみました。

 題を付けるとしたら……「弟」かな?

**********************************************************

『三題噺(爪/煙草/薬)』             高畑京一郎


 最近、両親の風当たりが強い。
 今年の入試で、俺の二浪が決まったからだ。
 しかも、一つ年下の弟がストレートで第一志望の大学へ合格してしまったものだから、
 その風当たりの強さもひとしおである。
「弟に先を越されるなんて、情けなくないの?」
 お袋は嘆くし、
「あいつの爪の垢でも煎じて呑むがいい」
 親父もそんな手厳しい事を言ってくれる。
 俺にも俺なりの言い分はあるのだが、それを口にしても、負け惜しみとしか取られまい。
 だから俺は、両親の非難を甘んじて受け入れる事にしていた。

「ごめんな、兄貴。俺のせいで、あんな事言われる羽目になっちゃってさ」
 俺の部屋にやって来た弟は、申し訳なさそうに、そう言った。
「馬鹿。つまんねえ事、気にすんじゃねえよ」
 俺は苦笑し、机の上の煙草の箱を引き寄せた。一本を唇にくわえて、火を点ける。
「少し禁煙した方がいいんじゃないの? 煙草を吸うと脳細胞が減るって話だよ」
「ほっとけ」
 俺は深く煙を吸い込むと、天井に向かって吐き出した。
「ところでさ、兄貴。ちょっと、頼みがあるんだけど」
 しばらく煙の動きを眺めていた弟は、俺に視線を戻して、そう口を開いた。
「うん? なんだ?」
「少し……金を貸してくれないかな?」
「……なんに使うつもりだ?」
 嫌な予感を覚えつつ、俺は弟を振り返った。俺の視線を浴びて、弟が目を伏せる。
 その仕草が、俺の予感を確信へと変えた。
「受験が終わったら、それで終わり。すっぱり手を切る。そう言った筈だよな、お前」
 俺が語気を強めると、弟は、びくっと体を震わせた。

 ……受験の間、ほんの僅かな、その期間だけ。
 そう言って、弟は、『眠くもならず、頭が冴える薬』に手を出したのだった。
 俺がいくら止めても、弟は聞かなかった。それどころか、
「もの凄く勉強がはかどるんだぜ、これ。兄貴も使ってみるといいよ。
 そうすれば、今年は絶対、大丈夫だからさ」
 と、俺にまで勧めたのである。
 そして、その言葉通りに、薬を使った弟は希望の大学にストレートで合格し、
 使わなかった俺は二浪の憂き目を見た。その結果が明らかになった時、
「だから使いなって言ったのに……」
 弟は気の毒そうに、俺に言ったものだった。

「あと……あと一回だけ、それで本当に終わりにするからさ」
 その弟が、今や、すがるような目で、俺を見ている。指先が細かく震えているのは、
 禁断症状によるものに違いない。
「頼むよ、兄貴……。金、貸してくれよ……」
 今にも泣き出しそうな弟の顔を見詰めながら、俺は、この事をどうやって親父とお袋に
 切り出そうか、そればかりを考えていた。

**********************************************************

(……ちょっとダーク過ぎたかも。) 


 
110.  送りました   中里融司 2000/04/05


 こんにちは。昨日、仕事の気分転換に、花見と墓見に行って来ました中里です。
 企画の方、一昨日土門くんに送りました。よろしくね。川上さん、怒んないでね。どきど
き。
 えっとぉ、三題噺、高畑氏が先陣切ってますが、私はもうちょっと時間ください。今、架

戦国戦記の半分まで来てるんです。なんとか目処まではつけたいので。
 ではでは。


111.  TITLE:『”実は残酷な童話”に強引対抗して”実は童話な残酷”』   川上稔 2000/04/09


三題噺:爪とか薬とか煙草とか   注意事項:理性外角低め・テンション内角高め
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 さて。
 むかーしむかし、とある国に、心優しい尋問官様と、美しく気だての良い秘書のお姉様が
おりました。二人はいつも一緒にお国のためひいては世界のために地下の暗い部屋で”高度
な処理うひゃあ”をしていたのですが、ある時、困ったことが起きました。
 どーしても口を割らない悪い”犯罪者”さんが二人の御部屋に居座ってしまったのです。
 ”犯罪者”さんは二人を前にこう言いました。
犯:「いや、だだだだからぼかあ何も知らないんだけどなあ?。許してくれない?」
 尋問官様は優しく笑ってこう言いました。
尋:「ああ、大丈夫大丈夫、我々にはどうしても聞きたいことがある。知らないつもりで
も”自発的”に色々言いたくなるから安心したまえ。……では君、いつものを一つ」
秘:「はいはいは?い、うちのお薬は大変よく効くんですのよ?。御注射しましょ」
犯:「え? あ、うわあ! そ、そんなに太いのだと僕壊れちゃう?」
 無視。注射でチュー。
尋:「大丈夫、半分は良心だから致死量行ってないし。アレルギーとか無いな?」
犯:「う、射ってからそれ聞くっ、聞く、聞ききき(前略)きききききききき(中略)けで
現代アジア産(中略)モスになっちゃったお母(後略)ーメ(超略)ゲプリっ!?」
 あらあら大変です。”犯罪者”さんがかなり凄くなってしまいました。
尋:「あー、君、キメ過ぎてるので目え覚ましたらんとイカンぞコレは」
秘:「じゃあその喫ってる御煙草をお借りいたしますわ?。根性焼き一つ入りま?す」
 煙草でジュ。
犯:「うわ目が覚めたあっ! でも僕はアンタらの聞きたいことなんて知らないぞうっ!」
尋:「ようしなかなか直接的で良い反応だ。では、まず第一の尋問バリューセット。春の味
覚”去勢と七年殺し”でソフトに行ってみよう」
犯:「ソフトな去勢って何だあっ!?」
秘:「はい、それならまずは初心者的に、優しく爪剥ぎながら色々お聞きしたいと思いま?
す」
 秘記官のお姉さまは親切です♪ 優しく笑ってこう言いました。
秘:「じわじわ行きますわよ?。痛かったら痛いって言って下さいねー」
 ペンチでメリっ。
犯:「いたたたたあー痛い痛い痛い痛い微妙に痛すぎますっ!!」
秘:「はい痛いですね?、じゃ、このままで行きますわね?」
犯:「インチキ歯医者のボケかそれはっ! ぼぼぼぼ僕は何にも知らないんですっ!」
尋:「あー、君。……ちょーっと電波の受信状態が悪いようだな。チャンネル変えて」
秘:「はいはい?。じゃ、根性焼き三つ入りま?す」
 煙草でジュジュジュ。
犯:「うわあさっきの無し! 喋ります喋ります許してへぇ?ん!」
秘:「あらあら一気に豹変しましたわね?。じゃ、張り切ってどうぞ?、力んで力んでっ」
犯:「あ──、6MENdiceの原稿ですが校正中に一度どこかに紛失しました担当さん
と他作家の皆さん遅れてしまってごめんなさあああああああ?い!!」
尋:「ふむ。番組が違うようだな。チャンネル変えて、ブースターも入れよう」
犯:「ぐわー、ボケ通じねえぇーっ!!」
秘:「はいは?い、追加オーダー入りま?す」
 煙草でジュジュジュの注射でチュチュチュ。
 あらあら、だんだんと”犯罪者”さんは幸せそうな顔つきになってきました。
犯:「あ?、……いい塩梅じゃ?」
尋:「ふーむ。では気分良くなったところで質問に答えていただこう」
犯:「……あ、ありがちに”この話のオチどころはどこかね?”とでも言うんですか?」
 意地の悪い質問に、二人は顔を見合わせました。
尋・秘:「…………」
犯:「ず、図星かあっ!? 童話ならきっちりとシメの手くらい考えとけっ!」
 ひどいことを言われて、お姉様は困った末にこう言い返しました。
秘:「そ、それなら、え、えーと、私、幾つか童話のシメ言葉を知ってますわ?」
尋:「む。……言ってみたまえ」
 沈黙。
 それからお姉様は少し迷って、神にも祈る気持ちでこう言ったのです。
秘:「おあとが宜しいようで?」
犯・尋:「それは落語の場合っ!!」
秘:「え? そうなんですの? じゃ、じゃあ、……こういうのはどうでしょう?」
犯・尋:「……?」
 お姉様はメゲず、目を伏せながらにっこり笑顔で、えーと、と目の前の二人に告げまし
た。
秘:「めでたしめでたしっ♪」
犯・尋:「どこもめでたくなあいっ!!」
 ホントにおあとが宜しいようで。めでたくなしめでたくなし。
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ちょっと長すぎかも。
しかし、ゴーモンってカタカナで書くといやらしい気がするのは自分だけかなあ。


112.  あ、しまった   川上稔 2000/04/09


改行忘れてました。読みにくくなった方、申し訳御座いません
差し替えできると良いんですが。うーむ……。


113.  三題噺:回答   古橋秀之 2000/04/10


はいどーも、三題噺です。

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『禁煙薬』(爪/煙草/薬) 古橋秀之

もう一年ほど前になるかと思うが、ある日、日曜発明家で変人の友人がやってきて、おまえ

しか煙草吸うよな、今もってるか、などというのでパッケージの尻を叩いて差し出してやる
と、
今度はいきなり、煙草など吸ってしょうがないやつだ、健康管理の意識が遅れている、など

言いだした。
なんなんだこいつは、と怪訝な顔をすると、奴はクククと笑ってふところから小さな瓶を取

出し、「塗る禁煙薬」だ、といった。
ニコチン中毒の初期治療に使うものだ。まあいいから塗れ、と、自信たっぷりにいわれ、ぼ

はその無色透明かつ胡散臭い液体を両手の爪に塗った。最初は溶剤のような匂いがしたが、

くうちにそれも消えて、つける前とほとんど同じ状態になった。つづいて、煙草を吸ってみ
ろ、
という言葉の通りに、煙草に火をつけ、ひと息吸って、煙を吐いた。
と――
右手の爪の色が、一斉に毒々しい蛍光グリーンに変わった。
「うわ」
思わず煙草を取り落としそうになると、
「このビックリが効く」といって、奴はクククと笑った。
要は、煙草の煙の成分に反応して変色するマニキュア、ということらしい。
煙草を吸ったというサインが明らかに出るため、心理的な抑止効果が高い、と奴はいう。
で、今から製薬会社に売り込みに行くということだが――さて、はたしてこれが商品になる

だろうか。
毎日マニキュアをつけるというのも慣れないと結構な手間だし、わざわざこんなものを使っ

煙草をやめようという気には誰もならないだろう、と、ぼくは思った。

ところが――
『ネイルショック』なる商品名で発売されたそれは、若年層を中心に爆発的に売れた。皮肉

も、『ネイルショック』のグリーンは「カッコイイ」ということになってしまったのだ。煙

の売り上げも同時にぐんと伸び、未成年の喫煙が社会問題になった。
とはいえ、商売になってしまうものはしょうがない。グリーン以外にもオレンジ、イエロ
ー、
パープルなどさまざまな色が開発され(奴も節操がない)、最近、若い女の子の間では色の

み合わせに意味を持たせた「爪文字」が飛び交っているという。
ちょうど今も、隣席の顔の黒い娘が、甘ったるい声を出しながら彼氏に手を差し出し、煙草

煙を吹きかけるようにいっている。「愛の言葉」でも仕込んできたのか。
その横で煙草を吸っているのがなにやら気恥ずかしくなり、禁煙しようか…と、ぼくは思っ
た。
************************************************************************************


114.  三題噺その一   中里融司 2000/04/10


 どーも、中里です。
 架空戦国戦記が、ようやくあと見開き12枚まで来ました。で、三題噺ですが、まだ途中
なので何回かに分けてアップしようと思います。
 タイトルは、「お姉さん」。
 では、第一部です。
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 三題噺『煙草、薬、爪』

 深夜の街は、妙に音がよく透る。
 別段、空気が澄んでいるわけじゃない。昼より音が少ないから、小さな音がより大きく聞
こえるだけだ。
 いま聞こえているあの音は、きっと肌の色の濃い、髪を染めた娘の悲鳴。面白がって追い
かける、若い男の子たちの声が、変に遠くから聞こえてくる。
 変な話だ。よく聞こえるのに、実は遠くで起こっているってことが、僕にはよくわかって
る。
 あの女の子、逃げられるかな。捕まるかな。それとも、殺されちゃうのかな。
 女なんか、みんな死んでしまえばいい。あんな人間の変種なんか、この世にはいらないも
のなんだ。
 一所懸命自分に言い聞かせ、澤村弘は毛布を被って、眠ろうと試みる。
 けれど、眠れない。必死になって眼をつぶり、眠ろうと言い聞かせても、意識はなおさら
鮮明なものになっていく。
 耳の奥に響く少女の悲鳴に、サイレンの音が重なった。言葉までは聞き取れないが、警官
らしい男の怒号と、少年と思しい甲高い喚き声が交錯し、ひとしきり騒音が連なって、唐突
に静けさが訪れた。
 えぐえぐと聞こえる、少女の泣き声が、夜の大気を伝えてくる。どうやら、異常に気づい
た近隣の住民が一一〇番したあげく、駆けつけた警察官が少年たちを逮捕するとともに、ふ
しだらな少女を補導した。そんなところらしかった。
 舌打ちして、弘は寝返りを打った。窓の隙間からなのか、ひるると吹き込む風が頬にあた
り、弘は思わず眼を開けた。
 カーテンを引き忘れたガラス戸に、自分の顔が映っていた。しなやかな褐色がかった髪
に、整ったこづくりな顔。少女と言われても通じそうな顔が、突如として本当の少女に変化
した。
 弘と同じ形の瞳が、弘を見つめている。ぞくりと体を震わせた瞬間、街の明かりを背後に
灯すガラス戸の中で、少女の唇がにやりと笑った。
 思わず自分の肩を抱き締めた指が、ガラスに映った。鏡の像のはずなのに、あの爪は透明
な、薄桃色に塗られてる。弘のものではない、少女の爪だ。
 身を縮める弘の耳を、か細い声が震わせる。
『私の場所を、取っちゃったのよね、弘。私、貴女のお姉さんになるはずだったのに。貴女
一人っ子になりたかったから、私を食べちゃったんだ』
 弘は小さく悲鳴をあげて、耳を塞いで眼をつぶる。しかし少女の顔は閉じた瞼の裏まで映
り、唇は笑みを刻みつつ、憎々しげに言葉を紡ぐ。
『でも、もう良い頃よ。貴女の中で、私も成長したの。交替しましょ? ママも喜んでくれ
るから。パパだって、本当は女の子が欲しかったんだもの』
「違う! そんなはずないよ。欲しかったのは僕なんだ。君じゃない!」
 泣き声をあげて身をよじる。けれども頭に染み付く声からは、どうやっても逃げられな
い。
 こんな夜が、もう一月も続いている。泣き疲れた弘が眠る頃、東の空が白み出し、街は朝
の喧噪に包まれ始めていた。


115.  三題噺その二   中里融司 2000/04/10


「先生、どうすればいいんでしょう。うちの子は、ますます弱っていくようで」
「う?ん、お話では、息子さんは自分が間違って生まれたんじゃないか、そのためにお姉さ
んを殺してしまったんじゃないか……そう思い込んでいるようですね」
 医師の唇から、紫煙が吐き出される。その香りに衣服を浸されながら、母親は嘆息して言
った。
「弘が双子だったのは、事実なんです。二卵性のもう一人……あの子は姉と信じています
が、その子の胚を、弘が吸収してしまったそうなんです。だから、弘が殺したと、言えなく
もないのですけれど……」
 消え入るような母親の言葉に、医師は顔をしかめて煙草の煙を吸い込んだ。
 しばし肺を燻した後に、ふわあと吐き出し、非難するような口調で言う。
「そんなことを、どうしてまた、息子さんに吹き込んだんです?」
「それが……父親が亡くなった後、寂しかったんでしょうか。あの子が姉を欲しがりますも
ので、つい言ってしまったんです。おまえの体には、お姉さんになるはずだった子がいるん
だって。いつも一緒にいるんだから、寂しくないんだよって……それが、弘を追いつめるこ
とになるなんて……」
 悔やみきれない様子の母親に、医師は紫煙をくゆらせつつ、眉を顰めて頭を掻く。
「不用意なことを仰るからですよ。子供の心は、傷つきやすいんです。でもまぁ、対処の仕
様はある」
 さらさらと処方箋を書き上げ、医師は投げ与えるようにして、母親にそれを放りつけた。
「この薬を、薬局で貰ってください。そして、こう言うんです。この薬は、姉さんを助けて
くれるって。一緒に体を使えるから、悩むことはないんだよってね」
「あの、先生。このお薬は、どういう……?」
 不安そうな母親に、医師は初めて優しそうな笑みを浮かべ、安心させるように言う。
「なぁに、ただの精神安定剤ですよ。落ち着いたら、お子さんを連れていらっしゃい。適切
なカウセリングが、一番大切なんですから」
 安心させる医師の言葉に、母親は安堵の息をつく。
早く帰って、息子に飲ませてやろう。そう考えて、母親は挨拶もそこそこに、そそくさと病
院を後にした。

 今夜も、空は冷たく澄んでいる。弘は水差しとコップを前にして、封を破った錠剤を、た
めらいながら口にした。
 その途端、ふわりと煙草の匂いがした。父親の服から匂った、あの匂いだ。パパが生きて
いた頃は、寂しくなんかなかったのに。
 この薬は、姉を助ける魔法の薬だ。姉さんと僕は、これからほんとに一人になれる。僕の
肉に包まれて、苦しかったろう姉さんを、助けてあげられるんだ。
 そう自分に言い聞かせて、弘は薬を呑み込んだ。
 冷たい水と一緒に、固い異物が食通を押し広げ、胃袋へ落ちていく。それが溶けていく感
触に、体の隅々まで流れ込む、薬のイメージが重なった。
 ほっとして、弘は体の力を抜いた。
 ガラス戸に映る顔も、少女の顔には変わらない。眼の前にかざしてみた爪も、自分の、少
年の爪に間違いない。
「よかった……許してくれたんだね、姉さん……」
 ほっとして呟いたとき、低く、か細く震える声音が、部屋の空気を震わせた。
「許さない……」
 どきりと、心臓が跳ねた。飛び起きた少年は眼を血走らせ、慌ただしく周囲を見回した。
 誰もいない。けれどその声は、少年の鼓膜を震わせる。
「許さない……ようやく動けるようになったわ。やっとやりたかったことができる……あた
しの場所を、あんたから取り戻せる」
 変にくぐもったその声が、どこから聞こえてくるか悟ったとき、少年の舌は凍り付いた。
 はだけたパジャマの、滑らかな腹の中から、か細い少女の声が聞こえてくる。恐怖に凍り
付いた弘が、自分の腹を見つめたとき、凄まじい激痛が、少年の体を貫いた。
 大きく開いた口から、悲鳴が迸る。腹が内側から突き上げられ、異様に突き出したかと見
る間もなく、肌に一筋の切れ目が走った。
 鮮血がしぶいた。脂肪層が弾け、未発達の筋肉が、内側から押し破られる。腸がのたくり
ながら溢れ出て、その中から二本の腕が、ぬれぬれと紅く突き出した。
 涙が溢れる視界の中に、腹の傷口を内側から押し広げ、腸を引き出す指が見えた。
 薄桃色の爪が、容赦なく弘の内臓を引き出し、ちぎっては投げ捨てる。想像を絶する激痛
に喘ぎ、ひゅうひゅうと息を吐きながら、弘は泣き声をあげて手を当てた。
「や、やめて姉さん! 中身出さないで……死んじゃう! 死んじゃうよ!」
「変なことを言うのね、弘。死ぬわけないじゃない。あたしが済む場所をつくってるだけな
んだから。これから、一緒に暮らすんだから、少し場所を開けなさいよ」
 笑い声を伴って、少女の声が言う。なおぶちぶちと、自分の体がちぎられ、空っぽになっ
ていく感触に、弘は眼球を反転させて、ついにその場で失神した。

「おはよう、ママ」
 元気よく二階から降りてきた少年に、母親はほっとしたような顔を向けた。
「おはよう。よく眠れたみたいね、弘」
「うん。昨日の薬が、よく聞いたんだ。ごめんね、ママ。心配かけたね」
 ここ一ヶ月ばかり、見たこともない晴れやかな顔だった。
 少年を学校に送り出し、母親はほっと息をつき、そしてふと小首を傾げた。
 あの子、少し声が高くなかった? 元々華奢な方だけど、体つきももう少し、大きかった
ような気がするけれど。
 少し考えて、母親は首を振った。あんなことの後だし、少し痩せたんだ。そうに違いな
い。元気になったんだから、少しの違いなど些細なことだ。
 母親の考えを代弁するかのように、少年は元気よく、学校への通を駆けていた。
 今日は土曜日だ。学校から帰ったら、やることが一杯ある。
 まず、丸めてベッドの下に放り込んだ、あの肉の山をなんとかしなくっちゃ。それから、
女の子用の服も買わなくちゃ。
 楽しい計画を胸に抱き、気分軽やかに駆ける少年の爪は、透明に塗られた臼桃色だった。

   ********************************************************************

 なんだか随分長くなっちゃいました。
 少しスプラッタ。けど、難しいな。


116.  うー、風邪っぽいぜ。   橋本紡 2000/04/10


 三題噺、UPしますー。
 本来の意味からはズレるかもしれないけど、まあ、こんなもので。
 構想三分、執筆一時間だし。
 短いのは面倒だったので、むちゃくちゃ長くなってます。


117.  薬は……あったあった。ふう。   橋本紡 2000/04/10


『三題噺/爪/煙草/薬」

「な、なんで……」
 狭苦しい自室の中、アカネは呆然と自分の手を見つめた。
 なにが起きているのか、さっぱりわからない。
 両手の爪の先から茶色の物体がわきでてくるのだ。それも、空恐ろしい勢い
で。最初は爪の垢がたまっていたのかと思ったが、そんな生やさしいものでは
ない。こうして見ているあいだにも、ポロポロポロポロと落ちてくる。
 いったい、自分の身体になにが起きているのだろう。
(やっぱり……生物汚染かしら……?)
 その可能性を考えると、背中がぞくりとする。
 アカネは銀河調査船ヌクレオチド号のパイロットである。もっとも、パイロ
ットといっても実のところは何でも屋で、船の操縦だけではなく、惑星の調査
から料理掃除洗濯、船体のメンテナンスなど、なんでもする。そもそもヌクレ
オチド号は、数百人の乗員がいるような、政府機関直属の調査船ではない。ジ
ャンプ機能こそあるものの、払い下げ品の三十メートル級だし、始終故障して
ばかりのポンコツだし、乗員もたったふたりだけ。
 つまり、アカネたちは第三種自営調査会社、いわゆる『探し屋』なのだ。
 探し屋は山師のようなもので、銀河のあちこちを飛びまわりながら、未調査
の惑星を調べてゆく。そういった惑星にはとんでもないもの――難病に効く物
質を精製する微生物とか、レアメタルの鉱脈とか――が存在する可能性がある
からだ。銀河法では発見者に所有権が与えられるので、運さえ良ければ大金持
ちも夢ではない……もっとも、そんなおいしい話は滅多にないわけだが……。
 でもって、今から三日前――。
 ヌクレオチド号は乙女座第十七星系第三惑星の調査を行った。レアメタル鉱
山があるかもしれないという話だったのに、行ってみればそこはただの銅鉱脈
で、完全なくたびれ損だった。まあ、それはいいのだが(いや、ちっともよく
ないが……)、問題なのは調査中に生物汚染防止用のバイオフィールドが故障
してしまったことだ。
 未調査の惑星には、どんな細菌やウィルスがいるかわからない……。
 もしかすると、あの時に変な病気に感染してしまったのかもしれない。フィ
ールドが壊れたあと、すぐに免疫機能強化薬を船の技術担当に貰って飲んだか
ら、たいていの細菌やウィルスなら防御できるはずだが、あくまでも“たいて
い”であって、“絶対”ではない。
 頭を抱え、アカネは叫んだ。
「ああああー、生物汚染だったら、あたしは終わりだわ!」
 こーんな零細個人商店みたいな調査船のパイロットに船員保険などない。正
体不明の病気にかかったら、どこの病院も受け入れてはくれないし、それどこ
ろか各惑星の検疫所で追い返されるのがオチだ。
 治療法などないまま、悪性の病気で苦しみながら死んでいく……そういうこ
とも十分にあり得る。
「だけど、いったいなんなのかしら、この症状……爪から変なものが出てくる
なんて……」
 怖れおののきながらも、アカネは爪からわいてでてくる物質を手に取り、し
げしげと眺めてみた。茶色い。それに、変な匂いもする。
「ねえ、ミケ、これなにかわかる?」
 呼びかけると、それまでテーブルの下で眠っていたネコがやってきて、その
物体の匂いをくんくんと嗅いだ。が、いきなり顔をしかめ、逃げるようにベッ
ドの下に潜りこんでしまった。どうやら、ネコにとっては不快な匂いらしい。
 アカネはがっくりと肩を落とした。
「やっぱネコに聞いてもわかるわけないか……でも、この匂い、どこかで嗅い
だことある気がするのよね……」
「よう、アカネ、具合はどうだ!」
 と、その時、勝手にドアを開けてマジマが部屋に入ってきた。
 マジマというのは、この船のもうひとりの乗組員である。主に技術及び医療
面を担当しており、やせぎすの二十八歳で、ボサボサ頭にメガネという風貌だ
。GIT(銀河工科大学)卒業の秀才でありながら、妙なものばかり発明して
いるせいで探し屋にまで落ちぶれたという変わり者だった。
 慌てて、アカネは自分の手を隠した。
 もし病気に感染していると知られたら、下手をすると、今すぐ船から放り出
されるかもしれない。
「ぐ、具合って……なんのことよ?」
「身体に異常はねえかってことよ、決まってンだろ、そんなの」
「は、ははは……妙に親切じゃないの。いつもはあたしが風邪引いて熱にうな
されてても、知らんぷりなのに」
「そ、そうか? まあ、なんというか……オレはとても親切で優しい男だから
な……」
「親切? 優しい? あんたが?」
 あきれ果てたアカネは、半眼でマジマをじっとりと見つめた。
「強欲で、わがままで、自分勝手じゃなくて?」
「おいおい、よしてくれよ、なんでオレが――」
「惑星エクレスで先住民の金製品を見つけた時、それを独り占めしようとした
のは誰だったかしら?」
「う……」
「嫌がるミケにアホウドリの翼を移植して、天使ネコだとか言って喜んでたの
は?」
「うぐぐ……」
「エンジンにわけわかんない装置をつけて、これで一万光年ジャンプできると
か豪語したくせに、あやうく爆発しそうになったのは十日前だったっけ?」
「そ、それはだな……」
 額から脂汗を垂らしつつ、なんとか言い訳しようとするマジマ。
 と――。
 その目が床に――正確には、床に落ちているものに――とまった。
「なんだ、こりゃ……?」
 彼が拾い上げたのは、アカネの爪の先からわきでた、謎の物体だった。
 慌てて、アカネはごまかそうとした。
「な、なんでもないわ! それはただのゴミよ!」
「ゴミ? うん? おお!」
 マジマが突然、顔を輝かせる。
「これは煙草の葉じゃねえか! やっぱ成功したか!」
「へ……? 煙草の葉? 成功?」
 意外なマジマの反応に、アカネはぽかんとする。
 マジマは力強く肯いた。
「おお、こいつは煙草の葉だ!」
「なぜ煙草の葉が……?」
「実はな、持ち込んでた煙草を切らしちまってよ。しょうがないんで、爪の先
から煙草の葉がはえてくるように体質改良する薬を作ったんだ。くーっ、どう
やらうまくいったようだな! おら、手を見せてみろ!」
「わわっ、なにすんのよ!?」
 強引にアカネの手を取ると、マジマはその指先をしげしげと見つめた。
「おお、やっぱ成功したみたいだぜ! しっかし、生の葉じゃなくて、ちゃん
と乾燥して刻んだ加工品が出てくるようにしたオレはやっぱ天才だよな? そ
う思わねえか、アカネ?」
「あの……マジマ……」
「うん? なんだ?」
「その薬って?」
「この前、おまえに飲ませただろ? 乙女座の惑星に行ったあと」
「あれは確か免疫機能を強化するクスリだったはずじゃ……」
「そう言わねえと、おまえ、飲まねえだろ?」
「…………」
 アカネは確信した。
 きっと、バイオフィールドが突然故障したのも、マジマのせいに違いない。
薬を飲ませる理由が必要だったため、フィールドに細工したのだ。たかが煙草
のためにそんなことをするなど普通なら考えられないが、このバカならやりか
ねない……。
 半眼で、尋ねる。
「ところで、どうして爪なの?」
「いや、『爪の垢を煎じて飲む』とかいう表現があるじゃねえか。それに引っ
かけてやろうと思ってな。くかかかっ、なんてナイスなオレのセンス!」
「……それに……なんであんたが自分で飲まないで、あたしなわけ?」
「そんな適当に作った薬なんて飲めるわけないだろ。なにしろ、成功率はたっ
たの五パーセントだったからな」
「五パーセント……」
「おう、失敗したらどんなことになるのか予測できないくらい危険なんだぜ。
いやあ、成功してよかったな。オレに感謝しろよ、アカネ」
「ああ、そう――」
 呟くと、アカネは足下からスリッパを取った。それを振り上げ、渾身の力で
マジマの頭に叩きつける。
「な、なにしやがんだ、アカネ!」
「それはこっちのセリフよ! たかが煙草のためにあたしの身体をいじるなん
て、どーいう神経してるのよっ!」
「たかがって……煙草は身体にいいんだぞ。なぜ『煙草を飲む』って表現があ
るか知ってるか? それはな――昔は煙草が薬だった名残なんだぜ」
「この! そんな豆知識を披露して威張ってんじゃない! それに、煙草が身
体にいいなんて、いつの知識なのよ! この、この、この!」
 スリッパで連打の嵐を浴びせる。
「うわ、やめろ! アカネ! そんなもので頭を叩くな! オレ様がバカにな
ったらどーすんだ!」
「少しはバカになればいいのよ!」
「た、助けてくれ――」
「待てえいっ! あたしの身体を元に戻せ!」

 ――部屋を飛び出してゆくふたりの背中を見ながら、ベッドの下でミケは思
った。あのふたりは毎日のようにケンカしている。騒がしいったら、ありゃし
ない。いつも静かに眠っている自分を見習って欲しいものだ。そう、あの臭い
葉っぱではなく、自分の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい……。


118.  総評(と、いうほどのものではない)   高畑京一郎。 2000/04/11



 なんか、倫理的に問題がある『薬』ばっかだ……。

(古橋くんのは、なんとなくハートウォーミングだったけど)

 それは、さておき。
 橋本くんへ。

>(発言103)
>高畑さんに一言、お願いだから怒らないでね(苦笑)。

 読ませて頂きました。
 読んだ瞬間、椅子からずり落ちました。

(ああ、榊原豪介……。お前は、いったい、どこへ行く……。)


 
119.  ふと思った   川上稔 2000/04/11


>三題噺
個人的には、
「先にアップした人のが見れる」
というのは非常に助かりました。ネタをカブらせずに済みますから。
その意味もあってか、全員がそれぞれの視点で我を張れるような気も。
(先手必勝ということでもありますが)
でも、この三題だと拷問ネタばかりになるかと思ってたんですが自分だけかー(笑。

で、自分としては結構面白かったです。
今後もOK行ってみようと言う感覚なんですが、どうなんでしょう?
総評とかどうします?
古橋さんまとめてくださーい(笑。


120.  三題噺:結果   古橋秀之 2000/04/11


どうもどうも。
ひと通り(土門さんはネット環境が間に合いませんでしたか)出ましたですね、三題噺。
〆切直前は、なんかもうえらく面倒くさかったんですが、終わってみると「いつもとは微妙

違う脳みそ」を使った感じがして気持ちいいですね。
ならべてみると、みなさんいかにもそれぞれのノリで書かれてますね。無記名で判定しろと

われても見分けつきますね。
む、そういう遊びも面白いかも。「作者当て」で得点つけてみるとか。で、名前を当てると

に「ここで情景描写をはさむのが中里文体の特徴」などと論拠を提示。素で「他人の文章を

評」よりやりやすいですし。あと、フェイントでわざと人の文章をまねて書いてみるとか…
…。
まあ、いずれにしても、もうちょっと場がこなれてきてからですが。

あと、個人的には「やべっ、ネタかぶった!」等のアクシデントはむしろあっていいと思い

すが――そのために「よーいドン」と同期を取るのもいろいろと手間だし、まあテキトー
に。

で、他の企画との並行もどうやら可能なようですし、月に一度、数時間?数日頭を使うとい

のは、この「場」を維持する最低ラインとしても、いいさじ加減かと思います。
というわけで、私も継続に賛成です。


また、水面下で進行中のもうひとつの方(別にヒミツってわけじゃないですよね)、あれも

回はテストケースという感じなのでしょうが、ひとつ問題点を発見しました。
「web/bbsにぜんぜん絡まない」。うーむ。
今後「web連載」などの形でライブ性を持たせたり、ハイパーリンクを利用して分岐性を持た
せたり(テキストアドベンチャーですな)、視点や時系列が複雑にリンクする構造にしたり
(ブギーポップですな)すると面白いかな、などと思いますが、なかなか大変そうですね。
誰かが短編1本書いて、そこにみんなで寄ってたかって無理矢理リンク張って好きなこと
(後
日談、サブキャラ外伝、アイテムの由来、地理等の解説…)を書き足して、矛盾、バカノ
リ、
オールOKのデタラメな世界を構築してしまう――なんてのもいいんじゃないかと思うんで

が……。
ま、とりあえずはいいネタがあればこの場で出しつつ、1本終わってからオフでミーティン
グ、
といった感じでしょうか。


――とにかく、今はどちらも「継続、様子見」の時期と思います。
それでは――

************************************************************************************
とりあえず、三題噺継続OKの人はまた「お題」を上げてください。>みなさん
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今回もお題が3つ出た時点で過半数と見て可決とする――という形でよいかと思います。
ついでに、
「全体についての感想」
「自分が書いてみての感想」
「個々のブツについて特にコメントしたければ、それも」
など、まだそれっぽいことを書いてないかたはぜひ……。


では、そんなところで。


121.  土門弘幸先生の三題噺原稿です。   土門弘幸先生の代理人 2000/04/12


 三題噺です。テーマは『爪』『煙草』『薬』とのことで、こんなのを考えて見ました。
「ご隠居、聞いてくださいな」
「おや、どうした徳さんや」
「あたしは今し方、道玄坂の馴染みを回ってきたんですかね」
「ほほう。あのあたりは、めっきり若者の界隈じゃな」
「そうなんでさあ。なんですか、お嬢さんがたの履き物はみんなして上げ底で」「厚底ブーツ
というやつじゃな」
「かんばせも茶色に白で、ありゃ本当に人間ですかい?」
「やまんばギャルとか言うそうじゃよ。まだおったんかい」
「髪だって誰も彼も茶色やら金やら……ひどいのになると白黒抹茶にゆず桜うぐいす珈琲」
「おいおい、名古屋ういろうじゃないんだから。ま、薬を使えばすぐ染まるからの」
「ぱっと見が普通でも、ばくち打ちみてえな刺青入れて」
「ペーパータトゥーじゃろうよ。ありゃ、すぐ取れる」
「よく見りゃ目が青かったり緑だったり」
「カラーコンタクトじゃて」
「どいつもこいつもピリピリ電話鳴らしてからに」
「まあ携帯やPHSも安くなったからのお」
「それで始終ちょこちょこ操作して」
「ショートメールのやりとりをしとるんじゃろ」
「話す言葉もわけがわかんねぇときたもんだ」
「なるほどな……ま、お前さんの今時の若者に対する文句はわかった」
「わかってくれますか、ご隠居」
「それで、徳さんや。その派手に染まった爪はなんじゃ?」
「へへえ、流行のネイルアートってやつでさあ。カリスマメイキャッパーに頼みまして」
 自慢げに語る徳三にご隠居、あきれ顔で煙草をくわえ、限定モデルのジッポーで火をつけ
た。


 いかがでやんしょ?ちょいと長いでしょうかね。
 しかし最近の渋谷は、どうも流行から遠のいてる気がするなあ。一年前と歩いてる人の容姿
や行動が変化ないし、山姥ギャルもすでに死語かも。
 この文章、編集部に頼んで打ち込んでもらっているはずです。モデム導入までもう少しかか
りそう。鳴呼、早く俺もネットやりたい。
                                      土門弘幸


122.  よーし   川上稔 2000/04/18


花粉症が抜けましたー。一ヶ月分溜まってたテンションがかなりキてます。
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【『三題噺』感想?】
『つらつらと』
・これは上手く続けていけば本誌の方に反映できるかなあ、とか思いました。
 こちらで行いつつ、読者応募などもしてみるとか、そういうテがあるかな?
・読者掲示板との連動が可能?
・テキトーに描いた挿画などをどこか別URLで指示して見せれると面白いかも。 

『全体として』
・感想って難しいなあ、と。水族館の魚としては観る側の目を気にしつつも仲間の
鱗を誉めたりはしないよーな気もするわけで、誉め合うのは(個人的に)気持ち悪
い、でも、問題点ばかりというのでは堅苦しい(個性が噛み合わないってーのはあ
ると思いますし、ここ、一種のサロンですし)。
・馴れ合いではなくてギスギスもしない評価法というか、システムがないものかな
あ、と。
・評価基準を技術面に基準すればいいのかもしれませんが、それも味気ないという
か何というか。うーむ……。堅すぎですかー?
・でも全体的に見て、個々の個性というか”やり方””ネタの捉え方”はあるのだ
なあ、と、そんな意味でかなり感心しました。
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●次の御題。
『もけもけ』
擬音……? そんなカンジで。


123.  三題噺 次のお題   中里融司 2000/04/20


 やっと花粉症が治まってきました。今年は本当、長引きましたね川上さん。祝着祝着。
 三題噺、自分には他の皆さんの作品は決して書けないな、という思いで読みました。三題す
べて活かすのは難しいですね。私の場合、「煙草」がいま一つ活きてなかったな。
 もう一つの企画は、いまどうなってるんでしょうね。ひっくり返しが役目だったんで、ひっ
くり返してしまったんですが。土門くん古橋くんに、えらく迷惑だったかも。
 頑張れ千香。

   次の三題噺、擬音で行きましょうか。
「ごうごう」
 でどうでしょう。


124.  例のやつ終わりました   古橋秀之 2000/04/22


どうもです、古橋です。

三題噺、土門さんを何日か中ぶらりんにしてしまった感じで、どうもすみませんでした。
キーワードはどなたかまだのかた、もう一つ……。

例の水面下の方の奴は、先日、ラストの私が無事書き終わりました。
迷惑ってわけじゃないですが、確かに中里さんのとこの処理に一番悩みましたです(-_-;)。
まあそこが企画意図なんですけどね。
でも、ちょっとおとなし目にまとめちゃったかな?。

余談ながら――
今、モニターの横に「アイアンジャイアント」のオモチャ(身長50cm。デカい!)が立ってま
す。これが実にイイ感じで、仕事中にチラチラ見てはニヤニヤしております。


125.  鋼鉄巨人   中里融司 2000/04/22


 雨の一夜が明けて、本日はとっても空気が綺麗ですね。
 古橋くん、ご苦労さまでしたっ! 土門くんもお疲れさまでした。高畑氏も橋本くんも川上
氏も、みんなご苦労様でしたっ!
 やっぱり苦労しましたか。いや、苦労するだろうなぁ、と思って、くす、と確信犯だったん
です。ごめんなさい。
 でも、どんな風になってるかな。どきどき。

 先日、「アイアンジャイアント」見てきました。うーん、いい話や。
 クライマックスのバトルモード、恐ろしいし。クライマックス、涙が出ましたがな。
 ああいうの、自分でもやりたいな、と思ったりしました。


126.  祝。土門くん初参戦。   高畑京一郎 2000/04/22


 高畑です。
 プロット作りに没頭していたら、間が空いてしまいました。
 申し訳ありません。

 さて、三題噺をやってみた感想ですが、「いつもとは微妙に違う脳みそを使った感じ(古橋
くん談)」という表現が、
 まさにぴったりでしたね。
 ちょっとした頭の体操というか、パズルを解くような感覚があって。

 「ネタかぶり」に関しては、「まぁ、こういうのは早い者勝ちだから」と思ってました。
 ……と言いますか、今回、ネタを思いついた時点で、
「この料理法だと誰かとかぶるかも知れないな。よし、じゃあ、その前にアップしちゃれ」
 と思い、結果的に普段より執筆速度が上がってたりします。

 「個々の作品に関する評価」というのは、川上くんもおっしゃってたように、
 やっぱり難しいかもしれません。
  それぞれにやり方も違えば、趣味嗜好も違うわけですから。

 でも、折角、六つ出揃ったのに、書きっぱなしで終わりっていうのも、
 ちょっと寂しいような気もしますね。
 「馴れ合いではなくてギスギスもしない評価法(川上くん談)」というのも、
 なかなかに難しいのですが……じゃあ、試しに、こんな感じでやってみましょうか。

(以下は「高畑京一郎の趣味嗜好から見た場合」という但し書き付きでお読み下さい。)

 今回、出揃った作品の中で、僕が一番好きなのは、古橋くんの作品でした。
 三つのお題が有機的に結び付いている事(「爪に塗る禁煙薬」という時点で、既に全部入っ
てる)と、
 ラストに捻りを利かせてある事あたりが、うまいと思いました。
 あと、ダーク系に傾かなかった点も、ポイント高し。

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 さて、それでは次のお題ですが……。
 『翼』なんてのは、どうでしょう。

127.  さて。   橋本紡 2000/04/22



 眠い……十時間寝たのにまだ眠い……。

 三題と例のヤツの感想ですが、思っていた以上に楽しかったですね。
 せーのって感じで書けるのは短い話のいいところ。
 例のヤツは、後半受け持つと大変かもしれないけど。

 ところで、僕の千香は大丈夫だろうか?
 エッチなことされてないといいなあ……。


128.  三題噺:第二回   古橋秀之 2000/04/26


おつかれさまです、古橋です。
では、『三題噺』、2回目行きましょう。

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第2回お題は『もけもけ』『ごうごう』『翼』
〆切は、えー、5/20(土)でいいでしょうか?(なんかずれ込んでますが)
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土門さんへの連絡はまた編集さんにお願いしておきます。


*『挿画などをどこか別URLで』
普通に絵を描く以外にも、デジカメによるイメージ映像とかもいいですね。あとGIFアニメと
か。
私や川上さん、中里さんは自分の使ってるサーバーにアップできちゃうんで、こういうのはや
りたくなったら思いつきでやっちゃっていいと思いますが、どないでしょ?
それが「面白い」「効果的」ということになれば、メディアワークスさんのサーバーにそれ用
のスペースを作ってもらうというのもよいでしょう。
この種のフットワークはウェブの利点のひとつと思いますので、足並みをそろえたり環境をと
とのえたりすることにこだわらなくていいのでは、と私は思っています。おのおのが自分のも
てる手段を使って面白いと思うことをやっていくのがよいかと。

*『評価方法』
誉めるにしても批評的なことをいうにしても、結構気を使いそうですね。
「これもお題のうち」と割りきるのもひとつの解答かと思いますが、なんか楽ちんなフォーマ
ットはないですかねえ。
とりあえず暫定的には、特にルールは定めず、気が向いたら高畑さんのアプローチなどを参考
に――ということでいいでしょうか。


 ――では、そんなところで。


129.  GoFaの展示に行って来たっす。   川上稔 2000/04/29


先日、
http://www.mediaworks.co.jp/topics/gofa/gofa.html
↑ここにて紹介されている『電撃文庫 創刊7周年前夜祭 電撃文庫フェスティバル』
(長い長い(笑))を見に、表参道のGofaに行ってきました。
うちのhpに挙げた文ですが、レポートして一つ改文して転載。

えーと。

場所は表参道。
表参道駅(うちの方からだと新宿で山の手乗って渋谷で営団地下鉄に乗り換え)を
B2出口という、
「何か出撃シーンのように狭い通路」
を抜けて出たら、とりあえずまっすぐ三分ほど歩きます。
で、青山学院大学の真正面あたりまで来たらふと右を見る。そーすると結構大きい
ビルがあって、看板の階層表示を見ると2FにGOFAの名前が見えます。
GOFAってビルがあるわけじゃーなく、2Fの展示場のことだったんですなー。
(知らないのが田舎者というか何というか。東京生まれの東京育ちですが、東京人
じゃない高畑さんより新宿知らなかったことがありましたっけ……(笑))

で、ビルの中ではまず一階のフロア使って自動車展示ですが、そのフロアから左上を
見ると、左舷二階に額とか飾ってるスペースが見えるはず。
で、問題なのは左舷二階に上がる階段です。
ふと見ると、左手側に階段は無いです。
ちょっと迷って右に見える”昇って昇って”と言いたげな階段を上ると、
「2Fの右舷に行ってしまうので件のロフトに入れません」
「ちなみに一階から入れるエレベーターはいきなり三階以上行きです」
右の階段で二階に上がると、ちょうど中央フロアを挟んでトイ面の展示場が望める
わけですが、そっちにいけるはずもなく、ちょっと獲物を狙うゴルゴな気分が味わ
えます。

では左舷2Fに行くにはどうしたらいいのか。
答えは、
「展示の自動車を押していって積み重ね、ジャンプボタンをタイミング良く押して登る」

違います。
ベイグラン●ストーリーのようなことをする必要は無く、左舷側の非常口の方をよーく
観察しましょう。非常口と思われていたドアに、
「入り口ドア」
みたいな張り紙がしてあると思います。
そこを開けてくぐると、もう一つ同じようなドアが、
「気分はメタルギアソ●ッドだなー」
とかマジで思うのですが、それを開けると上への階段。
階段を上ると件のフロアに着きます。広さは20畳くらいの長いフロアで、入り口
で入場料の500円。
代わりにジュースとブギーポップのクリアファイルとかがもらえます。
ここは売店にもなっていて、電撃hpのバックナンバーや、都市シリーズのテレカ
の他に、ブギーのCDや他作品のCDなども売っていました。
電撃HPのバックナンバーが手に入るのは結構良いなー、とか。
内部は椅子あり記帳ありで、
「展示場と言うよりも待ち合わせ休息スペース」
のような感覚。
展示作品は約15種ほど、各1?4枚の絵が出てます。
自分の行ったときは、
・ブギーポップ
・央華封神
・椎名優さん
・安彦良和氏
・コールドゲヘナ
・EGコンバット
というあたりが目を引いたのですが、29日からは展示品目が変わるそうで、さて
どーなるかな、と。
CG作品などは結構大判で出ているので、そのあたりを勉強している方は見に行か
れるといいか、と。
「ぐわー、印刷出ないよーな髪の毛とか一本一本書いてるよー」
とか、
「この主線がわずかに透けてるということは、これらの服とか華はレイヤー重ねて
処理しているのかー」
とか、結構深いことが解り、そういう作業に関わっている人間として、個人的に
色々勉強になりました。
CGでないものはモロにもう原画なワケで、
「線が異常に細い!(原寸展示なのでリアルによくわかる)」
とか、
「ああ、原版は色合いが異常に深くて明るかったのかー」
とか、そういう味の違いを見れて良好。手の動きが解るのって面白いですなー……。

ついでに言うと、中にはテーブルがあり、記帳が出来るのですが、そこにて思わぬ作家の
方の名前があったりして……。
阿智さん、いったいいつ日本に帰ってきたんだ(笑。

と、そんな感じでしょうか。1時間くらいボケーっと色々見てました。
自分的には得るものが多く、ためになりました。平日の午前中、雨の中を行った
のですが他にお客様として二人ほど学生さんらしき人達がいて、真剣に絵を見て
いたのが印象的でした。
そんな場所です。

てーとこで、報告でした。
誰か後期展示に行った人は報告プリーズ(皆、多忙中ですかー)


130.  行って来ましたGOFA   中里融司 2000/05/06


 おお、書き込めるようになっている。
 よかったよかった。
 川上さんに引き続き、GOFAの電撃文庫七周年前夜祭ギャラリーに行って来ま
した。
 こちらの知能を試しているとしか思えない二重扉と隠し階段を昇りりグレープフ
ルーツジュースのコップを受け取って、堪能してきました。
 椎名さんと平井さん、小畑さんのREI五巻カバー、川上さんの「都市」シリー
ズも。出展されている、すべてのイラストレーターの皆さんから、パワーをいただ
いて来ましたっ。
 新作完成予定まで、あと五日。さぁ。行けるかっ!

 なんか、地雷を踏んだ機がしますが。気のせいかな。


131.  GOFA終了ですか。   川上稔 2000/05/08


>GOFA
中里さん、レポートどうもありがとうございます。
実は今日(昨日かな)二周目を行こうかと思っていたのですが、やはり所用でかなわず、
ちょっと無念だったりしました。後期も色々出てたようだってーのに……。
しかし、展示物に関わった身としては、足を運んで下さった皆さんには感謝を(自分の
が目当てという方はあまりいらっしゃらなかったと思いますが、それとは別の意味で)。
展示作業など行ったメディアワークスさんやGOFAの方、お疲れ様でした。

個人的には、こういうイベントが年一回でもあると良いなー、という感覚でした。
今更になってふと思うのは、やはりあの場所に来ている人達は、
「本棚の一部分に、お互い似通ったところがある人どうし」
なわけで、これは結構大事なことだよな、と。
最大の問題は地方の方が来にくいことと、
「入り口何処だ事件」
かと思いますが、巡業は無理だろうしなあ……。なかなか難しいですね。
(というか、来年も開催するのでしょーか)
いやはやいやはや。

ともあれ、コレを一区切りとして、中里さんと同じように新作業に入るとします。
そのまえに三題噺とかあるようですが(笑。
んじゃまたではでは(あ、今回は比較的真面目ですな自分)。


132.  ……という事は……。   高畑京一郎 2000/05/08


>おお、書き込めるようになっている。
>よかったよかった。

 という事は……。
 そうか、うちのマシンのせいじゃなかったのか……。

 まぁ、それはともかく。

 GOFAの建物は、確かに凄い造りですね。
 僕も初めて行った時は、どうやって入ってよいのか分からず、右往左往してしまいました。
 やっと階段を見付けて上がったら逆側で、吹き抜けの空間の向こうに目的地が見えているの

 辿り着けないという有り様。
 「ここはダンジョン?」などと思ってしまいました。

 ……それにしても、今度の三題噺はちょっと難しいですね。
 う?む、どうしたものか……。
 あれをああして、これをこうすれば、なんとかなる……かな?


133.  『ロミオ・マスト・ダイ』   高畑京一郎 2000/05/16


 リー・リンチェイ(ジェット・リー)、ハリウッド初主演作。
 「マトリックス」の視覚効果チームが参加。

 この二つの売り文句に引かれて、久しぶりに映画館で映画を観てきました。

 ストーリーは、
 湾岸開発に絡んだ利権を手中にするために中国系マフィアと黒人系マフィアの抗争が勃発。
 弟を殺されたリー・リンチェイが、その仇を討つために立ち上がる。
 ……というような感じなのですが、見所はやはりリー・リンチェイのアクションでしょう。
 キアヌ・リーブスのアクションをあそこまでにした技術を、
 リー・リンチェイのアクションに使ったらどうなるか、
 というわけで、まさに超絶のアクションシーンを見せてくれます。

(もっとも、動きが早すぎて、目が追いつかないのが難点ですが。
 映画を観ながら何度も、「今のところ、スローモーションでもう一度」と、
 無意識のうちにリモコンを探してしまいました。映画館だというのに。
 ……習慣というのは恐ろしいなぁ。)

 それと、対立するそれぞれのマフィア組織に、ボスの右腕となる男がいるのですが、
 これがなんとも格好いい。

 特に、中国系マフィア側のボスの右腕を演じていた、ラッセル・ウォン。
 カンフーアクションもさる事ながら、
 それ以外のシーンでも、凄まじいばかりの存在感を放ってました。
 葬式のシーンでは、ボスの脇で物静かに礼儀正しく控えている癖に、
 別のシーンでは、にかっと笑いながら爆破スイッチを入れたりするんですよね。

 ……格好いいじゃねえか。この野郎。

 一発でファンになってしまいました。


134.  ういっす   川上稔 2000/05/17


一仕事終了ザマス(あ、いや、別に語尾”ザマス”固定ってわけじゃなくて)。
久しぶりに会社に泊まると結構つかれるモノで。他の人達は頑張ってるなあ、と、
そんなことを思ったり。

>ロミオ
結構”スイッチ入る系”らしいですね。好みっす……。
一応、自分の方では「風雲ストームライダーズ」とどちらを観に行こうか思案中っす。
しかしまあ米国映画のCGは、
「今まで作れなかった(作りにくかった)ものをそのまま作る(建物や飛行機とか)」
のに対し、香港系映画のCGはニュアンスとして、
「何か知らんが今まで”見えなかった筈のもの”を見せてしまう(手ビームとか)」
ために使っているよーな気が……。個人的にはかなりOKですが(笑。
ううむ。

さて、そんじゃそろそろ三題噺もきっちりまとめますかー。
……まとまるかな?(笑


135.  いろいろと。   橋本紡 2000/05/17


 おう。
 久しぶりの書き込みだなあ……どれくらい久しぶりなのか怖いので
 あいた日数を数えるのはよそう(数えないように)。

 ま、近況なんぞ。

 その1 知人が同棲でびっくり。
 女いないって思ってたのに、いきなり同棲しやがんの。どうやら
 結婚も射程に入ってるらしい。就職したばかりなのに、やるなあ。
 さて自分は二十二のころなにをしてたかと思い出してみれば、
 よく思い出せない……なんかろくでもないことしてた気はするが……。

 その2 髪を切る。
 けっこうばっさりやりました。しかし、美容院の兄ちゃん、好きなように
 切る切る。これくらい大丈夫っすよねー、とか言いつつ、言い終わったとき
 にはもう切ってる。
 おい……。
 肩ぐらいの長さはイヤなんだよなー、外はねしちゃうし。
 帽子が手放せません。

 その3 なんか腰が痛い。
 やはり座業の宿命でしょうか。
 それとも、ろくでもない椅子を使っているせいかも。
 高畑さん、いつぞや椅子買ってませんでした?
 やはり違うものですか?


136.  レスなど。   高畑京一郎 2000/05/18



>「風雲」
 あ、そういえば、それも観たいと思ってたんだった。
 確か、新宿かどこかでやってた筈だけど……まだ、やってましたっけ?

>高畑さん、いつぞや椅子買ってませんでした?
>やはり違うものですか?

 ハーマンミラーのアーロンチェアですか?
 やっぱり、普通の椅子とは、ひと味違いますね。
 肘掛けの位置とか角度とか、腰を支えるクッションの位置とか、
 全部自分の身体に合わせて調整できますし。
 座るところと、背もたれのところがメッシュ地なので、長時間座っていても蒸れませんし。

 僕も今までは、かなり腰に負担が掛かっていたのですが、
 この椅子にしてからは、そんな事が嘘のよう。

 かなり値は張りますが、それだけの価値はあったかなと思っています。


 三題噺の締め切りも近いですが、とりあえず、方針は固めました。
 今回は、正攻法ではなく、搦め手から攻めるつもりでおります。


137.  三題噺   中里融司 2000/05/20


 どうも、中里です。五月二十日〆切の三題噺、書いてみました。
 擬音に苦労しました。少し反則技かも。自分の、もう一つの顔が少し入ってます。

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138.  三題噺 本文   中里融司 2000/05/20


『龍女王、出陣の賦』

 戦いの機運が、高まっている。
 私の周囲で、大勢の人間たちが、明日の決戦に向けて気勢を上げている。酒が酌み交わさ
れ、剣が触れ合う涼しげな音が、戦士たちの覚悟のほどを、何よりも雄弁に語っている。
「明日は決戦だ。海の向こうの大魔王を、俺たちが倒すんだ!」
 酒に酔った戦士の一人が、紅い顔で気炎をあげる。
「大丈夫さ。俺たちには、龍の女王様がついてるんだ。魔王の軍勢だって、たちどころに蹴散
らしてくれるわい!」
 髭面に白い甲冑が、逞しい戦士の瞳に映える。
 戦士の信頼は、誇り高い龍の女王たる私にとって、輝かしい勲章だ。鋼鉄とも見紛う鱗の中
に、海の向こうの強大な国を成敗するための炎を蓄えて、私は龍の一族に伝わる、戦の雄叫び
を口にする。
 私の叫びに応えるように、ともに征旅にある姉妹たちがあげる、華やいだ雄叫びが聞こえて
くる。
 私の翼は、明日の戦いのため。心臓から送り出す血を分け与えられた子供たちが、興奮を押
さえきれないらしく、夜っぴて咆哮をあげている。
 ごうごうと唸る子供たちの唸りに、明日に向けた名残の酒宴の、戦士たちの歌声が重なっ
た。
「残しておいたって仕方ない! 明日は決戦だ! 持ってけ持ってけ!」
 コック長があげる気前のいい呼び声に、戦士たちは歓呼の叫びをあげた。
 もってけもってけが、もっけぇもっけぇと、詰まって聞こえる。戦士たちは喜びの声をあ
げ、手を打って囃したてる。
「もっけぇもっけぇ!」
 コック長の大盤振る舞いに答えて、酒樽が、料理が、盛大に運び出される。明日に備えて未
練を残さず、心地よく酔いしれる戦士たちの歌を聞きながら、私も人間に味方する龍として、
誇り高い興奮を覚えていた。

 戦いは、血で血を洗う激戦となった。
 彼我の龍が炎を吐き合い、翼を打ち振って躍りかかる。不意を突かれた姉妹たちは、次々と
心臓を刺し貫かれ、火焔を放つ間も与えられずに、血飛沫をあげてのたうった。
 残った龍は、いつしか私、ただ一頭となっていた。空を覆うばかりに舞う敵の小龍が、火を
吹く槍を構えて飛んでくる。
 けれど、私は負けない。龍の女王に敗走はない。翼ある者たちの、誇り高い女王として、戦
い抜くことのみが、私の取るべき道だった。
 戦士たちも、必死の戦いを続けている。彼らを束ねる将軍が、自ら剣を抜き放ち、雄叫びを
あげていた。
 将軍の叫びが、私の魂を奮い立たせる。ただ一頭生き残った龍の女王として、私は姉妹たち
を省みることなく、まっしぐらに駆けていた。

「赤城、加賀、蒼龍大火災! 機動部隊司令部より、通信途絶!」
 通信士があげた、悲鳴にも似た叫びが、第二航空戦隊旗艦『飛龍』の艦橋を震わせた。
 二航戦司令官、山口多聞少将は、腹を決めた。日頃の温顔が嘘のように修羅の表情を浮か
べ、凄まじい大喝が、唇から迸る。
「八戦隊司令官、阿部少将に信号! 我、航空戦の指揮を執る!」  山口多聞の決意とともに、空母飛龍は増速した。
 波を踏み砕き、轟然と突進する。飛行甲板中央から流れる白い蒸気が、艦が回頭するに従っ
て飛行甲板上を流れ、発動機を始動した、艦載機の間を縫っていく。
「本艦一隻のみの攻撃隊では、どれほどの効果が望めることか。司令官、手荒く骨ですな」
 憂い顔で言う艦長に、山口は落ち着いた顔を見せ、静かな口調で言った。
「艦長、私は、飛龍が叫んでいるような気がするんだよ。ここで退くことはできん。龍として
生まれた彼女が、ただ一艦でも戦い抜こうとしている……そう感じられてならんのだ」
「なるほど……そのとおりかも知れませんな」
 艦長を務める加来大佐が、厳粛な面持ちで頷いた。  
「軍艦は、一生動かず、平和の鎮めとして退役するのが、もっとも幸せでしょうな。それを、
我々の勝手で戦を始め、三隻を紅蓮に包ませてしまった。申し訳ありませんな、部下たちに
も、また飛龍にも」
「その詫びは、せんとならんな。もっとも、さほど遠いことではなさそうだが」
 沈痛な口調で言った山口は、飛行甲板に眼を向けた。
「発艦開始!」
 飛行長の号令とともに、重い魚雷を抱いた九七式艦上攻撃機が、乗組員たちの声援に送ら
れ、滑走を開始する。
 昭和一七年、六月三日。ミッドウェー島周辺で繰り広げられる海空戦は、無敵を誇った日本
海軍機動部隊の空母三隻が、一挙に被弾、炎上するただ中で、なおも続けられていた。
 ただ一隻残った第二航空戦隊旗艦、飛龍が放つ攻撃隊が、南溟の空に消えていく。その爆音
は、劣勢にあってなお戦わんとする誇り高い龍王の、挑戦の雄叫びとも思われた。


139.  三題噺   川上稔 2000/05/20


●今回かなり自分的にインコーナー攻めてるので下品ダメって人は離れて下さい。
????????????????????????????????
毛品な話
????????????????????????????????
とあるころに一つの家族がありました。旦那様の名前はダーリン。奥様の名前はサマンサ。
そして二人の可愛い娘はベッキー。三人は仲良く暮らしていましたが、一つの秘密があり
ました。そう、……三人は宇宙人だったのです。

娘がキッチンに駆け込んできました。
「ねえねえねえママ! 一つ聞いていい?」
「あぁら? どうしたのベッキー、また学校で一発何かキメてきたの?」
「ううん! そうじゃなくって本で読んだんだけど──」
「?」
「もけもけって、どこの毛?」
ママは料理の手をやめ、いきなり叫びました。
「あー、こら、ダーリン! まぁたアンタ変なこと吹き込んだんじゃないでしょうねっ!」
「知らないよぼかぁ。今回は冤罪だ。大体ベッキーももう大人で大人毛生えてきた頃なんだ
からそういう疑問も当然だろう?」
「そうそう、私も大人毛ない年齢じゃなくなったしさあ。で、隣のジョージをガッコでひん
剥いて調べたけどもけもけなんてそんな毛無いしー。やっぱ地球人じゃなくて父さんみたい
に翼が密かにないと生えてこないみたいなカンジブクロ超」
ママは手にしたフライパンで娘の頭を一発殴打。
「怪しい劣化版女子校生言語を使うんじゃありませんっ。ただでさえうちの家族は町内で目
立ってるんですからねっ」
「そりゃあサマンサのごう毛がごうごう伸びて夜中大騒ぎになるからなあハハハー」
サマンサはすっとんでって手にしたフライパンで夫の頭を連続殴打。
「こ・の・ば・か・お・や・じ・は・っ!」
「あっ! あっ! や、やばやばい何か気持ちよく──ってかコレ前と同じノリっ!!」
「じゃあやめましょうかダーリン」
前と同じじゃなかったらやめないようです。
で、ちょっと血ダルマになったパパに娘は問います。
「あ、そうだパパ、ちょっとそのあたりでパパにも聞きたいことあったの」
「んー? 何だい? 学校でイジメられたときの仕返し手段かな? これでも昔はパパも
イジメられっ子でカンキン歴は結構長というか激長で」
「黙れジジイ」
「……いきなり素に戻るなよ」
「いいじゃんパパ、それよりさあ、さっき言ってたごう毛と剛毛の違いって?」
 パパとママはちょっと顔を見合わせ、
「……もっと大人になったら解るよベッキー。生えるときの音が違うんだ」
「じゃあ、もけもけも? 音が違うの? ごう毛がごうごう生えるみたにもけもけ言うの?」
「うーん、百聞は一見にしかずというか何というか、しょうがないなあ……」
 えいやっ、と、パパは翼を広げてもけも毛を娘に見せました。
「きゃあ凄い」
「凄いだろー。パパはこれでも頑張ってるんだぞっ」
「凄い凄い! ねねねねね、パパ、ガッコの皆に自慢していい、パパのこと?」
「いやいや、やめときなさい、地球人には隠して置いた方がいい」
「えー、そうなの? 14区のリミィなんか女だてらに胸毛があるくらいで威張るんだよ」
「いいじゃないかそんな小さなことを誇りにするヤツぁ、その代わりにほーら、ママも見て
見てぼくのもけも毛?」
「はいはいママはまだ料理の最中なんですからしまって下さいな。それよりベッキー、今度
の学校は結構うまくいってるようじゃない?」
娘はにっこり笑ってこう言いました。
「そりゃーそうよ、だってパパとママの娘だもの!」
「それなら何で今までうまくいかなかったんだ」
パパのツッコミに今日もまたフライパンが唸ります。
そんなわけで、相変わらずめでたくなしめでたくなし。
お後がよろしいようで?。
????????????????????????????????
気づいたんですが、……三題噺を書くのは勇気がいるなあ、と。
とりあえずノルマ達成。次は何だー(笑。


140.  『三題噺(もけもけ/ごうごう/翼)』   高畑京一郎 2000/05/20



******************************************************************

『大友家略史』

 大友家は九州の名族の一つに数えられる。
 源頼朝に支えていた中原親能の猶子、能直がその始まりであり、大友の家名は、彼が本拠と
していた相模の大友郷に由来する。
 北条時宗の時代には大友頼泰が蒙古軍撃退のために出陣し、大友氏泰は足利尊氏と共に京に
攻め上った。
 日本史の節目節目に名を連ねる大友家は、途中、一族分裂の危機などもあったものの、徐々
にその領土を拡大。キリシタン大名として有名な大友宗麟の時代には、豊後、豊前、筑前、肥
前、肥後、長門、周防の守護職を一手に握るまでになった。
 しかし、大友義統の時代に、島津家との合戦に大敗を喫し、大友家は有能な人材を一度に失
ってしまう。大友家の家臣団は、この合戦以後烏合の衆も同然となり果て、国内の統治もまま
ならなくなった。
 人材が枯渇し、また国力も低下した大友家には、島津家の圧力に単独で抗う力は、最早な
く、
豊臣秀吉に助力を求める事になる。秀吉は、島津を制圧してはくれたが、それは飽くまで、天
下統一の完成という秀吉自身の目的のためであり、大友家のためでなかった事は言うまでもな
い。当然ながらこれ以降、大友家も結局は没落の一途を辿る事になる。
 秀吉の九州征伐終了後、大友家に残された領地は、わずかに豊後一国であった。しかもその
豊後も、間もなく失う事になる。朝鮮出兵の際、明の軍と戦わずして退去した罪を咎められ、
大友家は改易を命ぜられたからだ。
 関が原の戦いの勃発時、大友家は九州において再起を図ったが、同種の野望を抱いていた黒
田如水の存在により、これも失敗する事になる。
 『葵の三つ葉』さえいなければ、大友家にもまだ機会はあったかもしれない。だが、徳川家
は戦国時代そのものを終焉させてしまった。合戦に勝って領土を広げるという方法が通用する
時代は終わってしまったのである。

 しかしながら、大友家は断絶はせず、江戸時代になっても、幕府の高家として残ったとい
う。

******************************************************************

 ……と、まぁ、こんな感じでどうでしょう。

 え? 「もけもけ」も「ごうごう」も「翼(つばさ)」も入ってないじゃないかって?
 やだなぁ、ちゃんと入ってますってば。

(この言葉の組み合わせを見付けるのに、苦労したのなんの。)


141.  ゆけ、モケモケ5!   橋本紡 2000/05/20


 はふ。
 なんだか身体がだるいっす。
 寝過ぎでしょうか?


>椅子
 おお、ハーマンミラーだったんですか。
 いいよって聞きますけど、本当にいいんですね。
 机は何でもいいけど、椅子は座りやすいものを使うべきだって
 いうしなあ。


 でもって、三題噺、UPしますー。
 またもや正統的落語的三題噺ではなくなっちゃいましたが……。
 ま、こんなもので。



   『モケモケ5対ゴウゴウ団』

「わたしはついに決意したよ、都築くん」
 自治会室の中、静かにそう告げたのは怜悧な容貌の青年だった。
 名を新堂有理という。
 私立白洋大学の学生であり、同時に自治会の会長である。すなわち、全学生
の代表とでもいうべき存在だ。
 腕を後ろで組み、新堂は言った。
「もはやゴウゴウ団の横暴を許すことはできない」
「はい……」
 沈鬱な面持ちで肯いたのは都築亜美、自治会副会長である。  背中の中程まである見事な黒髪、きれいな弧を描く二重まぶた、鼻筋は通っ
ており、唇はふっくらとして可愛らしい――。まず、美少女といっていいだろ
う。自治会の副会長を務めているだけあって、少しばかり生真面目そうな雰囲
気が漂っている。
 彼女は深くため息をつくと、
「確かに今日の事件はひどかったですね、まさかゴウゴウ団があそこまでする
なんて」
 ゴウゴウ団とは、白洋大学におけるテロ組織のようなものだった。
 この大学は男女交際が禁止されている。私立とはいえ歴史の古い伝統校であ
り、政財界に幾多の有力者を送り出してきた白洋は、規律と道徳の徹底を校是
としていた。学生間における不純異性交遊が発覚した場合は即座に退学、手を
つないだだけでも停学という厳しさである。
 もちろん――。
 時代の移ろいに敏感な学生たちが、いつまでもそんな古い規律に従うわけが
なかった。男女交際解禁を求める一部過激派学生たちは、やがて学内非公然組
織ゴウゴウ団を結成し、抵抗活動を始めたのだ。あろうことか、最近ではその
主張は先鋭化し、性の融合・性差の超越という思想的領域にまで至っている。
 ちなみにゴウゴウ(GOUGOU)団とは『Gainer Of United Gender's
Obscene University』の略で、訳するならば『融合された性の淫乱大学にお
ける勝利者』になる。わけのわからない名前だが、非公然的なものがしばしば
そうであるように、彼らもその目標をより強い形で表明することにしたのだ
ろう……たぶん……。
「しかし、まさか彼らが学長を襲うとは思いませんでした」
 そう。
 ついにゴウゴウ団は実力行使に出た。
 数人の団員が全裸で現れ、出勤してきたばかりの学長を襲い、その衣服をは
ぎ取ったのだ。驚くべきことに、暴徒の中には女性が含まれていたという。
 その光景を思い浮かべ、亜美は首を左右に振った。
(嘆かわしい話だわ……)
 大学で男女交際禁止など、確かに時代遅れも甚だしいとは思う。
 だが、それにしたって素っ裸で学長を襲うことはない。
 あのデブオヤジを裸にして、なにがおもしろいのかしら?
「いくらなんでも、そこまでする必要ないはずです」
「うむ、都築くん、その通りだ。わたしとて、男女交際禁止という大学の方針
は変わるべきだと思っている。だが、それはしかるべき手続きを経るべきだ。
変革のために実力行使というのはいささかバカげている。ましてや、全裸で学
長を襲い、その衣服を奪い去るなど、もはや抗議の衣をかぶった変態の乱交と
しか思えん」
「はい……」
「ゆえに、わたしは決意したのだ。学生の横暴は学生の手によっておさめられ
るべきであると!」
「学生の手によって……?」
「うむ、その通り!」
 肯くと、新堂はビシッと扉を指差した。
「わたしはここにモケモケ5の創設を宣言する!」
「モ、モケモケ……?」
 亜美がその奇妙な響きに驚いていると、扉がバタンと開いた。現れたのは―
―五人の男、いや、女もいるようだ。亜美たちに向かって、見事なV字の隊列
を組んでいる。先頭に立っているのは体育教師の鍋島、右斜め後ろに子供の人
形を抱えた男、そのさらに右斜め後ろにはフリルどっさりの服を全身にまとい、
なんだかキョロキョロ辺りを見まわしている挙動不審の女。左に目を移せば、
前はなぜかタマネギを囓っているデブ、でもって後ろの男は血塗れのナイフを
持っている。
 なんというか、おそろしく異様な集団だ。
(へ、変だわ……この人たち、すごく変……)
 まっとうな感性の持ち主である亜美は顔を引きつらせながら、その五人を見
つめた。
「な、なんですか、会長……この人たちは?」
「ふふふ、わたしは気づいたのだよ、都築くん。やはり、毒は毒をもって制す
るべきだとね。天才には天才をぶつける必要があるが、ゴウゴウ団のごとき変
態どもにはこちらも変態をぶつけるべきなのだ」
「へ、変態には変態……?」
「うむ、まず子供の人形を抱えている彼は本物の変態だ。どのくらい変態か言
いたくなくなるくらいのな。聞きたいかね?」
「い、いえ……」
「それから、タマネギを貪り食っている彼は、怪獣のフィギュアにしか興奮で
きないという極めつけの変態だぞ。なんでも好みはガジランテだそうだ。トゲ
トゲのついた翼がたまらんらしい。どうだ、見事な変態だろう?」
「そ、そうですね……」
 怪獣のフィギュアに興奮するなんて、確かに変態だろう。
「でも、どうしてタマネギを囓ってるんですか?」
「うむ、そこがミソだ。いわば、彼の立場は“イエロー”なのだよ。イエロー
であるならば、なにかしら食べ物に執着すべきであろう」
「は、はあ……そんなものですか……?」
「そんなものどころではない。これは絶対にはずせない条件だよ、都築くん。
実を言えばカレーに執着してくれるのが理想なのだが、彼はどうやらタマネギ
が好きらしい……残念だが、まあ、よしとしよう。カレーの具だしな」
 意味がわからず戸惑う亜美を無視し、新堂は誇らしげにメンバーの紹介を続
けた。
「そして、ナイフを持っている彼は人を殺すことによって興奮するというスナ
ッフ愛好者だ。生存の終末である死に快楽を覚える……なんという変態! 口に
するのもおぞましい! もっとも、彼は気が弱いので人を殺すことなどできんか
ら、死にかかった人を捜しだして、その臨終をこっそり覗き見るだけらしいがな」
「じゃあ……あの血だらけのナイフは……?」
「ま、小道具なんじゃないか」
 それはスナッフ愛好者じゃなくて、ただの覗き魔なのでは――という亜美の
言葉を遮って、新堂はさらに続けた。
「そして、あの挙動不審の女は、わたしもわけがわからん。なぜ夏なのにあん
なクソ暑苦しい服を着ているのか、なぜあんなに落ち着きがないのか……。ま
あ、要するに変人だな」
「では……あの……鍋島先生はなぜそこに?」
「ふふふ、今のご時世、聖職者と呼ばれる者こそが真の変態であるというのは、
よくあることではないかね? ちなみに鍋島先生は女装愛好者だ。休日には女
性用のシルク下着を身につけ、スカートをはき、もちろん化粧もバッチリで、
街に出かけて楽しんでらっしゃるのだよ」
「うっ」
 亜美は言葉に詰まった。
 鍋島先生は体育の教師である。身長百九十七センチ、体重百四十二キロ、顔
はフランケンシュタインに似ている。腕など女生徒の腰回りほどもあるだろう。
その彼が女装愛好者……しかも女性用の下着までちゃんとつけるなんて……へ、
変態だ……確かに……。
 つまり、と誇らしげに新堂は告げた。
「モケモケ(MOKEMOKE)5とは『Moralistic Organization Keeped by
Educator, Murderer, Onioneater, Kinky person, Eccentric』の略(教育
者、殺人者、タマネギ喰い、変態、変人によって保持される道徳的組織)、すな
わちゴウゴウ団に対抗する我らが正義の戦隊なのだ!」
「――なわけあるかっ!」
 叫ぶと、亜美はそこらに転がっていたスリッパで新堂の頭を張り飛ばした。





 おっし、次の三題噺では、いよいよモケモケ5対ゴウゴウ団の対決だ(マジか?)。


142.  三題噺   古橋秀之 2000/05/21


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『もけもけ』(もけもけ/ごうごう/翼) 古橋秀之

冒険家で変人の友人が雲南省で見たもけもけはたいへん立派なものであったそうだ。
「そのもけもけは20メートルはある翼を虹色に輝かせ、悠然と、しかしたいへんな速度で頭上
を飛び去っていった。尾は2本で、頭はない。本来頭の位置すべきところは、羽毛に覆われた
平らな面になっており、その上で掌ほどの大きさの、黒い痩せた猿のような生き物が、甲高い
笛のような声で「ごうごう!」「ごうごう!」と叫んではぴょんぴょんと跳びはねていた」

――もけもけとは「勿怪勿怪」という字を当てるという。「もっけの幸い」などというとき
の、
あの「もっけ(=勿怪)」だそうだ。
「じゃあ『ごうごう』はどんな意味だい?」と聞くと、
「うむ、それはやはり英語の『GO! GO!』のことだろう」
なんだ、信じて損した。
************************************************************************************


143.  なんか慌ただしいですが   古橋秀之 2000/05/21


あー〆切を数分オーバーしてしまったようですが、ほかの人も出してないからまあいいっス
ね。
なんだかオチがついたようなつかないような変なブツですが、まあ気にしなさるな。
では――


144.  ほんとに慌ただしいですが   古橋秀之 2000/05/21


>ほかの人も出してないからまあいいっスね。

みんな出してるやん。
慌ててログを読み間違えてました。申し訳ない。
では――


145.  つれづれなるままに   川上稔 2000/05/28


最近あったことなど。
結構イベントフラグが立っていたようで、三つほど攻略に重要なイベントが。

●1????????????????????????
会社の前のスーパーには、良くある系の総菜売場があったりするわけですが、
・野菜コロッケ
・牛肉コロッケ
・メンチカツ
・カニクリームコロッケ
・北海道コロッケ
なるものが定番。が、そこに新製品が。

■『野菜メンチカツ』

かくして旧来からのメンチカツは『牛肉メンチカツ』に。
……って、その、あの、メンチカツの基準って……何か違わないかキミタチ。

▼『野菜メンチカツ』
・発生場所:某駅前スーパー食品売場
・発生条件:コロッケを通算で20個買うと、5/20より発生。
・効果:空腹度回復25%・新製品イベントのフラグ
・特記:¥100+消費税
●2??????????????????????????
会社から帰るときは終電が多いんですが、先日、車両に一人だけになってしまった
ときのこと。
ドアが閉じて電車が出ようとしたとき、いきなり背後の窓を叩かれました。
慌てて振り向くと窓の外で一人の中年スーツ男が、電車とともに走ってます。
彼は私にこう叫びました。
「さようなら、さようならメー●ル!!」

……俺、今まで自分を偽ってたみたいです。

▼『最終電車のターボ鉄朗』
・発生場所:JR西●川
・発生条件:最終電車に一人で乗ること。アンドロメダ行きだとなお良し。
・効果:かっこよさ+5
・特記:たまに剥製にされる
●3?????????????????????????
最近、近所にできた立て看板。

■『ヌンチャク通り魔が出ます』

……ではどうしろと。

▼『謎の看板』
・発生場所:主人公自宅周辺
・発生条件:5/14以降、自動発生。
・効果:ヌンチャク強盗と遭遇できる。
・特記:トンファー強盗と勘違いしないこと。
??????????????????????????
うーむ、まあ、そんなとこです最近は。
いやはやではでは。


146.  春は弥生   中里融司 2000/05/30


 いやぁ、春も終わりですね。私としては、五月は初夏という、特定の季節に入れたいところ
ですが。
 土門くんの三題噺がまだアップされてませんが、高畑氏、負けました。本来、あれは私の得
意技。大友氏略歴に、見事に織り込みましたね。
 橋本くんのも、いいな。ああいうスラップスチック、書ける才能が羨ましい。川上くんも面
白いです。なんだか、みんな長編の、書き出しに使えそうですね。古橋くんのは、何か長編冒
険ものの後日談を読んでいるような。
 実は人格をもつ軍艦って、いま少し考えているものなんです。これから先は企業秘密。うふ
ふ。  いま、道ばたの雑草のいで、花粉症です。杉花粉ほどひどくはないですが、けっこう効率落
ちます。
 季節の変わり目で、まもなく梅雨ですし。皆さま、お体お厭いくださいませ。


 
147.  現在、風邪引き中。   高畑京一郎 2000/05/30



 次第に暖かくなっていく時節柄だというのに、風邪を引いてしまいました。
 鼻はぐしゅぐしゅ、頭はぐらぐら、というわけで、もう散々。
 どうやら、以前、橋本くんの事をからかった罰が当たってしまったようです。


 さて、三題噺の件ですが、中里さんのコメントには恐縮しました。
 僕も、中里さんのいらっしゃるところで、戦国物をネタにするのは気が引けたのですが、
 なにせ「もけもけ」を処理するのに、どうしても「も」で終わる「家」が必要だったので。

(「大友」か「大伴」か「住友」か、そのあたりから選ぶとなると、やはり「大友家」が、
 一番やりやすいかな、と……。)

 皆さんの作品を見ていても、やはり今回は「もけもけ」が一番のネックだったようですね。


148.  何というか   川上稔 2000/06/03


最近、会社とかで夜にテレビを見ていると、プロ野球ニュースがよく流れて
いるのですが、
「今日の川上は不調でしたねー」
「川上、ダメですねー、全体に迷惑をかけていて」
ってアンタらちゃんと名前も付けて呼ばんかあっ!!
小心者なので(?)結構どきりとすることがあってみたり。うーむ……。
友人の独逸マニアが昔に、
「スポーツニュースで”ビスマルクが不調”とか言われると、ちょっとブルーに
なる、みたいな」
とか言ってたのはこういうことだったのか……。うーむ……。
侮れんですな。

>もけもけ
三題噺のネタとしては擬音が一番固定力高くてキツい(特に複数人でやるとネタの
使い方の重複を避けようとしますから)のですが、それが二つ出ても障害になって
ないという時点で皆さん凄いと思います。
……って、ぐわー、なんだこの堅い作文わ(笑。
あと、有利に進めたいときは、
「その提示ネタをどーするか考えてから出す」
ってのが攻略法かもしれません……。
今回は何も考えずに提示したので痛い目みました。
あとは土門さんだけですが、どうなんでしょう?

ではでは。


149.  とある雑誌を読んでいたら……。   高畑京一郎 2000/06/10


「ネット接続の可能な携帯電話で、自動販売機での商品購入代金の決済が可能になるシステ
ム」が
 開発されたそうな。

 ……う?む、これって「便利」なのかなぁ……?

 もっとも、自動販売機だけではなく、さまざまな方面に適用できるよう、
 順次、システムを拡大していくつもりなのでしょうけれども。

 将来的には、携帯電話がクレジットカード類にとって代わる時代が来るのでしょうか?


 ところで、最近、小説のネット配信も、あちこちで行われ初めているようですが、
 これって、これからの主流になりえるんでしょうかね。

 個人的には、「(データではなく)物を所有する事」の満足感というものが存在すると
 思うので、以前として書籍の存在意義はなくならないとは思うのですが、
 ネット配信の手軽さと安さは、確かなアドバンテージを持っています。

 とりあえず読んでみたい小説はネット配信で買い、気に入った小説は書籍で買う、
 といった形になっていくのでしょうか?


150.  さて、ゴハンでも食べるかねえ。   橋本紡 2000/06/10


ちょいと知り合いんちに行ってたんですが、ジャガイモ掘りに動員されました。
普段ろくに体を動かさないんで、妙に楽しかったなあ。やっぱ、ちったあ動か
ないと駄目だよねえ(しみじみ)。

ところで三題噺。

某所での土門くんとの会話。
「今回のお題って?」
「確か擬音シリーズなんだよな、ゴウゴウとかモケモケとか」
「モケモケって……擬音?」
「擬音?」

やはりモケモケとゴウゴウがあれでしたね。どう使うか悩むっていうか、使いがいが
あるっていうか。


151.  さて、ゴハンでも食べるかねえ。   橋本紡 2000/06/10


 んでもって。
 例のヤツを読み返してみたんですが……あれでいいんでしょうか……(苦笑)。

 まさかあんなことになるとはねえ。


152.  ぐわーっと   川上稔 2000/06/11


ちょっと作業が追い込み入ってきて、思わずストレス解消に煮豚なんぞ
煮てしまう昨今です。あー、一緒に煮た大根が良い色だことオホホ(笑。

しかし、最近の湿度の高さは作業中に鬱陶しさを感じるし、紙はヘタれ
るわで難敵ですね。
結局エアコンの除湿をここぞとばかりに使って気分的にしのいでいますが。
うーむ……。
高音多湿用PCとか作ってサウナ状態にして書くのが一番合理的なのか
なあ、とかそんなことを思ったり。

いやはやではでは、駆け足書き込みで失礼しました?。


153.  ども、ごぶさたです   古橋秀之 2000/06/11


どうもどうも、おつかれさまです古橋です。

このところ原稿の追い込みだったり『アイアンジャイアント』の販売ビデオを探してたり実

まだ発売してなかったりしてて、なんだか足が遠のいてました。すいませんです。
でもそれ言ったら中里さんとか川上さんは年中「追い込み」なんですなあ。うーむ。

それはさておき、とりあえず三題噺の3回目、行きますか?
ルールはまんまでもイイし、そろそろ違ったことを始めてもいいかと思います。

というわけで、以下の件よろしくお願いします。
****************************************
・お題を1個
・〆切は6/20でよいか
・そろそろ飽きた? なにか新提案等あればそれ
****************************************

個人的には前回バタバタしててアレだったので、次はまあもうちょっと腰据えてやらねば
と。
それでは――


154.  ヤマ抜けー   川上稔 2000/06/13


タイトルは別にゴリさんも抜けるとかそういうことではなくて(でも”マイコン”って
渾名がついたら職場でグレます自分は)、とりあえず一段落。

>アイアン
”人狼”もですが、全体的にアニメ(というか二次元加工映像と言うべきなのかも
なー。こういうのって)の注目度が高くなってきてますね。
質の良いものが多くなってきたと同時に、質の良いものを、製作法ではなく、中身で
皆が見ようとしているようで快かったり。楽しむにはそれが一番。
映像ってものの捉え方に垣根が無くなりつつあるのかなあ、とか、そんなことを
思います。
近所にレンタルビデオ入ったので週末あたりに借りようかと、とりとめなく考えたり。

んじゃ、回答を。
〆切6/20ってことは、電撃hpの発売数日後ということで、そのあたりを
少し考えてもいいかもしれませんなー、とか。
****************************************
【川上】
・お題を1個
 =リレー小説

・〆切は6/20でよいか
 =OKっす

・そろそろ飽きた? なにか新提案等あればそれ
 =しばらくしたらオフで集まります?
  個人的には飽きてないので、電撃hpなり何なりの連動を考えてみたいです。
  この三題噺とか、何かに使えそうな気もします。テストケースとして既に
 作例が二度作られている分、素材として回せるわけですから。
  うーむ……、どんなもんでしょ。
****************************************

てなとこで、んじゃまた?。


155.  寒くならない除湿ってあったよな。   橋本紡 2000/06/13


ちは。
橋本です。

>湿気
なんか滅入りますねー、湿気。
出かけるの億劫だし。
エアコン設定がドライだと気温(これは体感気温か?)も下がっちゃって、
しかたないのでエアコン全開のまま電気ストーブ稼働させたら、
同居人に頭をはたかれました。
資源を無駄に消費しちゃいかんよなあ、確かに。



****************************************
・お題を1個
変身。いろんな意味で。変態でも可(いいのか?)。

・〆切は6/20でよいか
了解っす。

・そろそろ飽きた? なにか新提案等あればそれ
モケモケ5対ゴウゴウ団の展開に燃えているので飽きてはいないけど。
なんか楽しみ方が違うという気も……。
オフで集まってみるのはいいかもしれませんね。
****************************************


156.  梅雨は雨が降る   中里融司 2000/06/14


 毎度、中里です。梅雨に入ってから、雨が降る降る。なんか朝から、気が滅入っておりま
っす。
 「梅雨の冷えは、特別なものだねぇ」と、湯豆腐でもつつきながら言いたくなってきま
す。
 いま、五月分の仕事が終わって山を抜けたら、また六月分の仕事に入ってます。またヤ
マ。珍しく、現時点で一章が終わりそうです。
 三題噺、もすこし続けてもいいと思います。二度あることは三度あるといいますし。
 え? 仏の顔も三度という諺もありますが。
**********************************************************************
「お題」 口紅。
 どかな。いま、知り合いが化粧品の勉強しているものですから。理由になってませんかす
みません。
 〆切六月二〇日。
 うぃ。よろしいっです。  ではではっ。


157.  ほんとに雨続きですね。   高畑京一郎 2000/06/14



 『アイアンジャイアント(DVD)』って、7/20の発売でしたっけ。
 僕も楽しみにしてる口です。

 それでは、古橋くんへの回答など……。

****************************************

・お題を1個……………………「雨」

・〆切は6/20でよいか…………ろ、6月20日?
              6月20日って、あと1週間もないじゃないですか。
              あ、でも、みんな了解してる……。
              ひぇぇ……。

・そろそろ飽きた? …………僕も、もうちょっと続けてもいいと思いますよ。

****************************************

 では、短いですが、とりあえず、そんなところで。

(……にしても、6月20日?)


158.  ううむ、確かに   中里融司 2000/06/14


 ども、久しぶりの青空が、少し眼に眩しいです。
 今度の期限、お題が出そろう間に六月一四日になってしまいましたし、二〇日は少しきつ
いかも。
 少し伸ばしてみてもいいかな、と思いますが、どんなもんでしょう。

   次の展開、一度オフで集まってみましょうか。リレー小説もいいかな。


 
159.  苦難の日々   橋本紡 2000/06/15


どうでもいい話。

「橋本くん、ゼリー好きだっけ?」
「好きかって言われると困るけど、嫌いではないよ。だいたい
ゼリーが死ぬほど嫌いって人間はそういないだろうし」
「よし、じゃあ、この紙袋をあげよう。中身はゼリー三十個だ」
「は?」
「ちなみに賞味期限は今日だ。ゼリーだから一日や二日過ぎても
大丈夫な気がするが、気がするだけかもしれん。とにかく、一日
過ぎるごとに危険性が確実に高まっていくことを忘れないように」
「こら、置いていくな! こんなに食えるか!」
しくしく。
ゼリーはおいしいけど、なんか辛いよう。


160.  ゼリーならまだしも。   高畑京一郎 2000/06/16



 どうでもいい話。その2。

 珍しくグミ菓子なんぞを食べていたら、いきなり、口の中で、がりっという音が……。
 何事かと思ってみたら、歯の詰め物が取れておりましたとさ。

 しくしく。
 ……明日、歯医者行こ……。


161.  晴れたー!!   川上稔 2000/06/16


どもども。
とりあえず雨はあがった、ということで。
少し気分的にいきなり活動的になってみたり。

>三題噺
今、四題出てるので古橋さんが取捨選択した上でスタートですね。
宜しくお願いします。>古橋さん
あと、〆切ですが、自分的には瞬発力勝負なので6/20日でも6/50日でも
構いません。
でも早いほうがここも活性化してイイかな、とか。
お任せしますー。

>電撃hp
見本誌来ましたー、というか会社に届いたのがすぐ他の人に行ってたもので(笑。
例のアレ、絵とか色々、ナイスだと思ってます。全体的に、ああいうイメエジだった
よなー、と。
個人的には、意外とページを書いていないのがショックでした……。

>オフ
やはりそろそろ集まりたいですね。
日程など、高畑さんの指揮の方でお願いできますでしょうか?

てなとこで、ではでは。


162.  三題噺・第3回   古橋秀之 2000/06/16


はいはいどうもどうも古橋です。
なにやらこのところみなさんの足を引っ張りがちですね。どうもすみません。

では、ちゃっちゃっと行っちゃいましょう。

****************************************
第3回お題は『変身(変態でも可)』『口紅』『雨』
〆切は、ちょっとおまけして6/25(日)
****************************************

川上さん案の『リレー小説』はスゲエ難しそうなので恣意的によけてしまいました。いい感

に時事ネタなんですけどね。すみません。

オフ会合に関しては賛成です。今は余裕のある時期なのでいつでもOKです。
日程等は高畑さんにおまかせしちゃっていいのでしょーか。

ところでhpのアレ、私は書いてるときは獣臭の如き漢(オトコ)臭さ漂う嫌ぁぁ?な絵づ

を想像したりしてたのですが、女の子もいるのに、ンなわきゃないよな。
あの絵は大正解と思います。おっつぁんが好きです。

では、そんな感じで――


163.  うぃ、了解   中里融司 2000/06/17


 二日限りになりそうな梅雨の中休み。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
 古橋師、わっかりましたっ。三題噺。25日までに「変身」「口紅」「雨」でやりませ
う。

*****************************************

 このくらいの長さでいいかな?
 さて、昨日久々に神保町古書店街をうろついて大収穫。前から捜していた「五街道細見」
と、大衆文学の大先達、長谷川伸先生が、ご自身で主催されていた研究会で話された、小説
作法や作家としての心構え、戯曲についての指導をまとめた「長谷川伸 小説戯曲作法」を
購入してきました。
 大先輩の謦咳に接して、感激もひとしお。なんとか、自分の成長に活かしていけるといい
な。嬉しくて、つい吹聴してしまいました。

   ゼリーは好き。お汁粉も好き。でも、賞味期限ぎりぎりで大量のプレゼントは……なんだ
か食べないと悪い気がしますし、一種の拷問かも。いままで、務めていた頃、一度お昼に食
べた目玉焼きにあたったことがあります。
 あれはしんどかった。

 hp見本、届きました。千香が可愛いな。ああいう感じ、好きです。
 でもあの千香が……あの千香が……ごめんね橋本師。


164.  『ある雨の日に』   高畑京一郎 2000/06/17



 ……最近、体の調子がおかしいんです。
 昼間に起きられないし、目は充血して真っ赤だし。
 体温は低いし、なんか妙に喉が乾くし。

 生活パターンが夜型なのは以前からですし、目が赤いのはコンタクトの具合が悪いのか
な、
 とも思っていたんですが……それにしても、なんか変。

 ひとつ、思い当たる事と言えば……。

 この間、渋谷のタワーレコードに行ったんですよ。DVDを買いに。
 『エントラップメント』と『ターザン』が、発売になっていた筈だと思って。
 黒々とした雲が空を覆っていて、昼間だというのに薄暗い。こりゃあ降るなと思っていた
ら、
 案の定、買い物をしている間に、物凄い勢いで降り始めました。
 梅雨どきの用心にと、一応、折り畳み傘は用意していたんで、それを差して歩き始めたん
です
 が、横風が凄くて、ほとんど役に立たない。真横から降ってくる雨なんて、始めて体験し
まし
 た。
 仕方がないんで、ビルとビルの隙間に、少しの間、避難する事にしました。
 普通の雨なら上に屋根がある場所で雨宿りするんですが、なにせ横殴りの雨だったんで、
 路地に入った方が良さそうだと思ったんです。
 似たような事を考える人はほかにもいたと見えて、その路地には先客が二人いました。
 厚底サンダルを履いた今時な感じの女の子と、もう六月だというのに、黒いロングコート

 着て、目にはサングラスを掛けた、まるで『マトリックス』みたいな格好をした男性でし
た。
 最初はカップルかと思っていたんですが、会話もなければ目を合わせるような事もしてい

 かったんで、多分、別々に雨宿りに来た人たちだったんでしょう。僕は軽く先客二人に会

 して、仲間に入れて貰う事にしました。
 通りの方を眺めながら、雨と風が勢いを緩めるのを待っていたんですが、
 どちらも一向に衰えを見せません。
 参ったなぁ……。
 そう思っていると、いきなり背後で、
 どさっ。
 と、物音がしました。
 何事かと思って振り返ると、さっきの女の子が、雨に濡れた地面の上に倒れています。
「ど、どうしたんですか?」
 咄嗟に抱え起こそうとした時、それまで女の子を見下ろしていた男性が、顔を上げて
 僕を見ました。
 ……赤い。
 最初に思ったのは、それでした。
 サングラスが外されたその男性の両目は、ルビーのように真っ赤でした。そして、その唇
は、
 まるで口紅でも塗ったかのように、これも赤く濡れています。
 次の瞬間、その男性が、僕に飛び掛ってきました。ふわりと広がったロングコートに覆わ
れ、
 僕の視界は真っ黒に染まりました。
 首筋に、ちかっと、閃くような痛みを感じたのは、その時です。
 赤い目を見た瞬間から、まるで魅入られてしまったように立ち尽くしてしまっていた僕で
したが、
 その痛みで我に返りました。同時に今まで麻痺していた恐怖感が押し寄せてきます。
 僕は自分でもわけの分からぬ事を喚きながら、手にしていた折り畳み傘でその男性を滅多
打ちに
 殴り付けました。そして、僕の体を押さえ付けている力が緩んだと見るや、一気に身を振
りほどき、
 雨の中へと逃げ出したんです。情けない事ですが、厚底サンダルの女の子を助ける事なん
て、
 僕の頭の中から、すっぽり抜け落ちていました……。

 なんとか家に戻って、冷えきった体に熱いコーヒーを流し込み、やっと一息ついたんです
が、
 こうして自分の家に戻ってみると、ついさっきあった事が、まるで夢を見ていたように思
えて
 きます。
 でも、夢ではありませんでした。
 洗面所の鏡に映してみたら、あったんです。赤く窪んだような傷痕が、首筋に二つ。

 ……いずれ僕も、あの男性のように、吸血鬼に変身してしまうんでしょうか?


165.  では、とりあえず……。   高畑京一郎 2000/06/17



 締め切り25日、了解しました。
 ……と言いますか、下にアップしました。

(書きっ放しにしといた方がスマートかな、とも思ったんですが、
 「高畑の奴、ついに錯乱したか」とか思われてもなんなので……。)

 会合に関しては……そうですね、それでは6月中のどこかという事で、
 とりあえず、都合の良い日悪い日などを、僕のところへメール下さいませ。


166.  あ、いけね   川上稔 2000/06/20


三題噺、半ばまで書いてから、
「高畑さんが早くもアップしてるなー」
と思ってよく見たら、
「口紅・変身・雨」
だったんですなー。
何故かよく解りませんが自分の頭の中では、
「口紅・変身・尻」
と認識されていて、それで書いてました。
何だこのドリーム三題は……。

書いてたネタとしてはあからさまで、口紅を尻に突っ込まれると変身す(以下略)

余裕があったらそっちも書いてアップしようか、とか。
そんな無為なことを思ったり。
うーむ。ではではまた?。


167.  遅ればせながら。   高畑京一郎 2000/06/22



 電撃hp、僕のところにも届きました。
 お陰で、ようやく話題に入れます。

 とりあえず表紙を見て、もう一つの掲示板であった「なんか買いにくいぞ」という
 発言の意味が理解できました。

 『逢えば闘う奴ら』
 ……なるほど、こういう感じになったんですね。
 僕も、古橋くんと同じで、『漢臭さ』むんむんのイメージで書いていたのですが、
 こうして改めて見ると、あの絵、しっくりきてますね。
 うん、良い感じです。


168.  此処では、はじめまして   土門弘幸 2000/06/22


 おはようございます。
 自力での書き込みは初めての、土門弘幸です。
 色々あって、折角ネットに繋げるようになったのに、今日に至るまで書き込みできません
でした。そうこうする内に、前の三題噺は終了してしまって……全く、なんということだ
(嘆)。
 今回の〆切は25日で、題目は「口紅・変身・雨」とのこと、了解しました。
 色々と不慣れな点も多く、皆さんに御迷惑をおかけすることもあるかも知れませんが、こ
れからよろしくお願いします。

 時に、今号の電撃hpって、もう出てたんですね。知らんかった。
 それでは早速、本屋に見に行くことにします。
 どんなんなのだろう? どきどき。


169.  よっしゃー   川上稔 2000/06/23


>土門さん
ネット接続おめでとう御座います。
実は、
「土門弘幸氏ネット接続ガチンコドキュメント」
とかいうのを体験企画でやったら面白いかなー、とか、不遜なことを考えて
いました……。惜しい。(というか企画書マジに作るところでした)
今なら、
「高畑京一郎氏hp作成ガチンコドキュメント」
だろうか、とか……(もはや自分が安全地帯にいるから言ってるネタですなー)

しかし、これで6人現場に揃ったわけで、嬉しいなあ、と。
もう何でも出来るんじゃないだろうか、とか、テンパったテンションでそう思います。

いやはやではではー。


170.  よっしゃー (その2)   高畑京一郎 2000/06/23



 ネット接続おめでとうございます。土門くん。

 これで名実ともに『6MENdice』になりましたね。
 これからもよろしくお願いします。


171.  三題噺 後半   中里融司 2000/06/24


 他愛もない町人の会話が、静三郎の心に突き刺さった。
 玉紫は、香奈の源氏名だ。武家の出という素性も、店の名も間違いない。しかし、町人た
ちの語った女の面影が、清楚な香奈の記憶とは、どうしても噛み合わない。
 半ば茫然とした静三郎の足は、いつしか吉原へと向いていた。
 名物の夜桜が、美しい灯籠に照らされて、遊客たちに雅な影を踊らせる。品定めする男
たちに向かって、散茶と呼ばれる女たちが、嬌声をあげて手を伸ばす。なまめかしく蠢く指
をすり抜けて、静三郎は桜花楼の前に立っていた。
 格子とは、廓では二番目の階級だ。花魁ほどではないものの、廓の中に部屋を与えられ、
街路に顔を晒す事はない。
 茶屋に上がるほどの金はない。懐中に寂しく小銭の音を聞きながらも立ち去り難く、桜花
楼の辺りをうろついていた静三郎の耳を、そのとき懐かしい声音が打った。
「コ様ぁ、次は、いつ来てくんなます?」
 香奈だった。店の玄関まで客を送ってきて、その両肩に腕を回し、しなだれがかるように
して、うっとりした眼で見上げていた。
 声をあげかけて、静三郎は思いとどまった。華やかな灯籠に照らされた香奈の顔が、艶や
かな媚態を帯びて、このうえなく卑しいものに見えたのだ。
 愕然とした静三郎は、袂で顔を覆いながら、逃げるように踵を返した。
 香奈は変わった。自分と密かに愛を温めていた香奈の面影は、全身で媚態を表していた遊
女からは、窺うことができなかった。
 急ぎ足で大門を出、五〇間道路を逃げるようにたどる静三郎の心を、さらに別の思案が波
立たせる。
 ――なかに入れば別の女になると、香奈は言った。だが、あれが香奈の、本性ではなかっ
たのか。
 心に抱いていた、清楚な娘の思い出が、無惨に崩れていく。夕闇が迫る吉原堤を、蹌踉と
歩む静三郎には、勤めを終えた香奈と睦まじく暮らす己の姿を思い描くことなど、すでにで
きなくなっていた。

 浅草で突く七つ刻の鐘が、茜色の空を震わせ、消えていく。
 昼の遊客を送り出し、玉紫は一息ついて、懐に手を差し入れた。
 そこには、蛤の紅入れが収まっている。娑婆で過ごした最後の日、静三郎がくれた、最高
級の紅が、彼女の支えとなっていた。
 階下がざわめき始めている。宵の張り見せを始める局以下の遊女たちが化粧を凝らし、道
行く客の足を止めようと、声を上げているようだ。
 ――私も、負けていられない。たくさんお客を取れば、それだけ早く勤め上げ、静三郎さ
まと逢える日が来る。
 そう考えて、束の間香奈に戻った娘は、格子の位にある遊女、玉紫に身を変えた。
 遊郭を彩る夜桜が、彼女の想いを映すかのように、淡い色の花を、早くも咲かせ始めてい
た。


172.  三題噺 前半   中里融司 2000/06/24


 雨の中、小走りにやって来た小倉静三郎は、愛する人の姿を捜しつつ、濡れた柱に手を当
てた。
 大名屋敷が連なるこの辺りは、賑やかな町屋の通りと違い、味気ないなまこ塀がどこまで
も続くのみ。その一角を切り取って設けられた、小さな辻番の陰が、信州高遠藩江戸屋敷詰
め、三〇俵取りの足軽、嶋田和馬の娘、香奈と二人で決めた逢い引きの場所だった。
 微禄の陪臣と、貧乏御家人の三男坊では、出逢い茶屋での逢い引きなど夢の夢、幸いこの
辻番は、一六〇〇取りの旗本経文丹後守方の塀をほんの一角切り開き、この界隈の旗本が、
費用を出し合って設けた小さな番屋で、丹後守家中で五〇年を勤め上げた鹿助爺さんが、隠
居所代わりに置いて貰っている小屋だ。
 人目のほとんどない、武家屋敷の裏通り。あまりに不用心ということで、大名家や旗本
は、それぞれ辻番を置いている。万一その通りで、女子供がかどわかされたり、人殺しでも
あろうものなら、いろいろうるさいことになる。それ故の辻番だが、二人にとっては人目に
つかず、ありがたい場所だった。
 貧乏御家人の三男とはいえ、仮にも将軍の直臣だ。陪臣の娘と逢い引きしていると知れれ
ば、父にも家督を継ぐ兄にも、お咎めを受けかねない。それゆえ衣服にも身分を表すものは
避け、尻端折りで駆け込んだ静三郎に、鹿助は手拭いを差し出して、そっと裏手を指し示
す。
「おぅ、遅れたか。済まないな、鹿助」
 手早く泥を拭って、小屋の裏手に廻った静三郎を、柔らかい重みのある娘の腕が、しっか
りと抱き締めた。
 香奈だった。清楚に整えた髪を艶やかな黒に煌めかせ、雨滴が着物を濡らして滴り落ち
る。気弱げながら整った小さな顔を濡らす雫が、軒から滴る雨のみではないことを、静三郎
は知っていた。
 何も言わずに、香奈の手に力が籠もる。梅雨時の薄い布地を通して密着した娘の肌が、熱
い高ぶりを伝えてきた。
「……明日だな。いよいよ……」
 静三郎が呟いた言葉に、香奈の肩がぴくりと震えた。背を抱く指に力が籠もり、むせぶよ
うな声が、唇から洩れだした。
「いいえ、今日……父上は、明日にも薬を服用しなければ手遅れになると、妙庵先生が……
だから、私は今日、吉原(なか)に、赴かねばなりません……」
「今日……だと? まことか? いや、偽りを申す理由がないな。そうか、今日か……」
 それだけ言って、静三郎は絶句した。
 香奈の父親は、長く胸を患っていた。献身的な看護を続けてきた香奈だが、治療にあたっ
ていた町医者の妙庵が、一月ほど前に、難しい顔で告げたのだ。
「病の毒が、はらわたにまで及んでおります。これまで差し上げていた薬では、もはや効は
望めませぬ」と。
 父親の病を軽快に導くには、手遅れにならないうちに、妙薬虎鴬散を、服用する以外にな
いという。
 そして、その薬を購うには、およそ五〇両……町方の長屋に暮らす職人の一家なら、一〇
年は暮らせようという大金が必要だ。
 三〇俵取りの足軽に、そんな大金が都合できようはずもない。といって、静三郎とて同じ
こと。同じ三男坊でも、それなりの役職に就いた旗本ならいざ知らず、静三郎の家では嫡男
の暮らし向きを整えるだけで精一杯で、五〇両もの大金など、何処を捜してもありはしな
い。
 この娘らしいひたむきさで、香奈は父親を救う手だてを考えた。娘の身で、大金をつくる
方法は、そうはない。思い詰めた香奈は、幕府公認の遊郭吉原への年季奉公を自ら願い出
て、その給金五〇両を前借りしたのである。
 すべてを聞いて、静三郎は愕然とするのみだった。しかし、他に打つ手はない。何とか思
いとどまらせようと、静三郎は武士の娘が遊女になるなど許されないという、武家の法度を
持ち出した。
 しかし、利発な香奈のことだ。静三郎がそう言い出すだろうと、とうに見通していたらし
い。
「大丈夫。葦原検校様の養女に貰っていただいて、そこから行儀見習いの体裁にしてあるか
ら……お目付衆がお調べなされても、お咎めを受けるようなことにはなりません」
「座頭金か……香奈、おまえ、妙なところに知恵が回るのだな……」
 孝行にもほどがある。大身の旗本にも、否大名の姫君にもそうはいない、そう思わせるほ
ど貞淑な香奈が、苦海に身を沈めることを決意するまでには、どれほどの葛藤があったこと
か。
「……なにか、俺にできることはないか?」
 何もできない自分の情けなさに、茫然と立ち尽くすのみの静三郎は、せめてもの力添えを
申し出た。
 頬を染めた香奈は、恥ずかしそうにうつむいて、甘える口調で囁いた。
「梅佳堂の、紅を……なかに入れば、化粧の道具にも費えがかかると聞いております。せめ
て唇を彩る紅は、静三郎様、貴方から、いただきとうございます」
 日頃はほとんど何もねだることのない、そんな香奈が初めて口にした、それは想いを寄せ
る人への願いだった。
 静三郎は腰の刀を質に入れ、最高級の紅を求めてきた。美しく縫った蛤の殻に詰めたそれ
を差し出され、香奈は雨に濡れたまま、微笑とともに瞳を向けた。
「静三郎様、貴方の指で……塗ってください。小指の触り心地を大事に抱いて、香奈は勤め
て参ります」
 羞恥を押し隠し、香奈は健気に言ってうつむいた。静三郎の小指が紅を掬い、香奈の唇
を、鮮やかな紅葉の色が彩った。
 そのとき、香奈は初めて肩を震わせた。雫に濡れた顔が静三郎を見上げ、潤みを帯びた瞳
から、熱い雫が溢れ出た。
「一〇年です……あと、一〇年。ご定法では、年期は二七までと定められております。静三
郎様、もし情けがおありなら、一〇年待っていてください。年季が明けたなら、私は玉紫か
ら、香奈に戻ります」
 店からつけられた、己の源氏名を口にして、香奈は静三郎にすがりつく。嗚咽を漏らしな
がら、香奈は途切れ途切れに言いながら、静三郎の胸に顔を沈めていた。
 静三郎は、胸を突かれた。香奈の肩に手を回し、せめてもの想いをこめて、囁くような言
葉が洩れた。
「俺が、客になろう。月に一度は、おまえの店に揚がろうよ」
 その言葉を耳にした途端、香奈は体を離した。
 強い口調の言葉が、紅に彩られた唇から紡がれる。
「いけません。けして、おいでにならないでください。一日でも、一時でも早く年季を勤め
上げるために、香奈は別の女になります。別の私を、見ていただきたくはございません」
 強い拒絶の口調に、静三郎は言葉を告げなかった。
 もう何事も口にせず、香奈がもう一度すがりつく。降りしきる驟雨の中に、静三郎が購っ
た唇の紅だけが、鮮やかに映えていた。

 梅雨の季節に続いて夏が過ぎ、秋と冬が駆け抜けて、大川端の桜が色づく頃だった。
 香奈が身売りして以来、やることもない静三郎は、寂しい懐を気にしつつ、浅草の煮売り
屋で酒を飲んでいた。
 吉原帰りらしい職人の会話が、聞くともなく耳に入ってきたのは、そろそろ引き上げよう
かと思いながら、杯を口に運んだときだった。
「で、俺の相方だがよ。奮発して格子にしたんだが、なんでも御武家の出だって話でな。こ
れがまた、凄まじい代物でよ」
「聞いたことがあらぁ。桜花楼の格子といやぁ、玉紫だろ? 綺麗な顔してるのに、精を吸
い尽くさずにゃあおかねぇ好き者だって話だな」
「おうよ。生まれながらの遊女ってものがあるんだと、俺ぁ思ったね」


173.  中里融司   よっしゃよっしゃ 2000/06/24


 って、田中角栄か私は。
 梅雨が本格化しまして、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 土門氏、いらっしゃいませ。全員揃いましたね。本当、いろいろできそうです。
 三題噺、アップしました。なんか長くなったので、二回に分けてやってみました。
 少し違う感じが出たかな、どうかな。


174.  よっしゃー (その三)   橋本紡 2000/06/24


土門くん、ネット接続おめでとうございます。
楽しく遊んでいきましょう。
それから。
いつぞやはゴメンねー(メールモード)。

でもって、次は三題噺だっ。


175.  ゆけ、モケモケ5!   橋本紡 2000/06/24


『モケモケ5対ゴウゴウ団 第二回:敵将パピヨンと怪人クチビル男』

 私立白洋大学内の一室――。
 薄い闇をその身にまとい、ひとりの女が立っていた。
「ふふふ、ついに決行の時が来たわ」
 そう言って、ニヤリと笑う。
 女の全身は黒のボディスーツに覆われていた。どことなくSMの女王様を思
わせる雰囲気である。しかも、そのスーツはあちこちに――肩とか、おへそと
かに――大きな穴が開いており、なんというか非常にHな感じだった(全身ヌ
ードよりHな感じがするのは、やはりチラリズムというヤツであろうか……)。
 顔には蝶々の形のアイマスクをしている。
 筋の通った鼻、肉感的な唇、大きな黒い瞳……マスクをしていても極上の美
人であることが知れた。
 どこか挑戦的で生意気な、そんな顔立ちだった。
 彼女の名はパピヨン――。
 白洋大学内非公然組織ゴウゴウ団の戦闘隊長である。
「いでよ、変態クチビル男!」
 その手にあった鞭を振るい、彼女は叫んだ。 
 と、さらに奥深い闇の中から、のっそりとひとりの男が現れた。
 いや――。
 それはただの男ではなかった。
 怪人だった。
 その顔は顔ではなく、巨大な唇が首の上に乗っているのだ。
 おまけに、素っ裸である。
「変態クチビル男、ついにおまえの出番よ! この腐りきった学園を襲い、真
の自由へと我らを導くんだ!」
「むふぉふぉふぉ!」
 怪人は奇怪な叫びを上げた。
 それは喜びの叫びであった。
「ふふ、おまえも楽しみなのかい、変態クチビル男?」
「むふぉふぉふぉ!」
「それでこそゴウゴウ団の怪人というものね。すばらしいわ。さて、おまえの
役目だけれど、学生の身でありながら頑迷な学園当局に与する輩、権力の蜜に
捉えられた裏切り者――すなわち自治会をぶっ潰すのよ!」
「むふぉふぉふぉ!」
「こちらに来なさい、変態クチビル男」
 クチビル男は従順に歩み寄ると、片膝をついた。
 その巨大なクチビル――おそらく実物の二百倍はあるであろう――に手をや
ると、パピヨンはどこからともなく口紅を取り出した。その紅は鮮やかで、表
面にぬるりとした光をまとい、蠱惑的なほどに美しい……。パピヨンはそれを
ゆっくりゆっくりクチビル男の唇に塗っていった。もちろん、一本では足りな
い。三本を使い切った。
 やがて巨大な唇が真っ赤に染まると、パピヨンは立ち上がった。
「さあ、変態クチビル男、準備は整ったわ」
「むふぉふぉふぉ!」
「この学園に血の雨を降らしてやるのよ!」
 そしてパピヨンは美しい顔に陰惨な笑みを浮かべたのだった……。



 次回予告
 ついに敵現る!
 亜美のピンチ!
 モケモケ5は亜美を救えるのか!?
 モケモケ・ピンクの豪腕が唸る!?


176.  まあまあ   土門弘幸 2000/06/25


 金曜の夜だというのにその日、僕は同僚が帰った後もモニターに向かっていた。
「あれ? 垣内君、まだ残ってたの?」
 外回りに出ていた城戸倉亜子室長が、意外そうな声を上げながら第二企画室に戻って来た
のは、ようやく仕事が上がった直後だ。
「あ、いえ。いま終わった所です」
 女性ながらに、しかもまだ二十代後半という若さで、城戸倉さんは課長待遇の室長職を任
されている。彼女は僕が示したモニターを見やり、軽くうなずいた。
「そ。コーヒー、淹れてあげよっか?」
「御馳走になります」
 再度うなずき、室長は颯爽とした足取りで給湯スペースに向かった。彼女が身を包むセン
スの良いパンツスーツ、その、ぴんと伸ばされた背筋あたりをぼんやり眺めやる。天然美肌
の首筋にかかる栗色の髪が、今日はやけに艶やかに見えた。
 ふと、気にかかる。耳を澄ませると、明らかに電動ポットの湯を沸かせるものとは違う音
が、聞こえてきた。
「……ひょっとして外、雨ですか?」
「うん。五時過ぎくらい、からかな。けっこう降ってるよ」
 なにやら鼻歌交じりにコーヒーを淹れていた室長は、背中越しにそんな言葉を寄越す。
 僕はウンザリした気持ちで凝った首筋を揉みながら、ブラインドが下ろされた窓の方へ目
をやった。窓辺の観葉植物をぼんやり映していた視界に、不意に突き出されたマグカップと
それを掴む白い手が乱入する。
「無視しないでよ」
 悪戯っぽく言う手の主を見上げると、いつの間にか傍らまで歩み寄っていた室長は、僕を
見て呆れたように笑った。
「持って来てないなら傘、貸してあげようか? そう聞いたんだけど」
 目を丸くする僕がカップを受け取ると、彼女はおかしそうに続ける。
「聞こえなかったみたいね。そんなに大変だったの? それ」
 そう言ってつけっぱなしのモニターを目で示し、自分のカップの縁に、オレンジっぽい色
の口紅が引かれた唇をつけた。
 確かに大変だったのだが、正直にそう言うのは嫌みだろうし、無能と思われても困る。
「まあまあ、ってとこですか……あ」
 だからそう答えたようとしたのだが、ある間違いに気づいて、僕は慌てて自分の口を塞い
だ。手近な椅子を引き寄せ優雅な所作で座る上司は、形の良い眉を寄せている。
「垣内君。知ってるだろうけど私、『まあまあ』って言葉は嫌いだな」
「でした。すいません」
 恐縮する僕に、彼女は鷹揚にうなずいて見せる。
『やるなら完璧を目指して欲しいし、できないなら、そう言うべきだわ』
 これが第二企画室に配属されてすぐ言われたことであり、僕は強く感銘を覚えた。さす
が、若くして出世街道を闊歩する女傑と言える。
 実際、溌剌とした所作のために年若く見える彼女を侮り、いいようにされてしまったライ
バルや取引先は多いと聞いていた。企画力・決断力・実行力の全てに優れた才能を有す彼女
だが、最大の能力は実の所、その沈着かつ明快な意志にあるのかも知れない。
 だがそれにしたって、『まあまあ』という単語に関する拒否反応は、首を傾げたくなるほ
ど強いのだが。気まずさを誤魔化すように、コーヒーが半分がたなくなった頃合いで、僕は
それが運ばれて来た際の会話を蒸し返した。
「そう言えば、傘を貸してくれる、って仰ってましたけど、室長はどうなさるんですか?」
 多少の期待を込めた僕の質問にしかし、室長はなんだそんなこと、というように軽く肩を
そびやかした。
「旦那がまだ残ってるはずだから、相合傘で帰るかな」
 噎せてしまう。
「ごっ、御結婚されてたんですか!?」
「知らなかった? ……そっか。垣内君が入社したのって、私が結婚した次の年だっけ」
 とんでもない不意打ちだった。呼吸がなかなか静まらず、動悸が収まらない。相手がその
ことに気づかないよう、僕は心にもない問いを重ねた。
「き、城戸倉って姓は変わってるな、って思ってましたが、旦那さんのものだったんです
ね」
 ちっちっちっ、と室長は、芝居がかった仕草で指を振る。
「会社では、別姓で通してるのよ。本名は実は違うの」
「へえ。そうなんですか。なんて仰るんですか?」
 喋っている内になんとか冷静さを取り戻した僕だったが、何気なく続けた疑問は、上司の
眉をまたしかめさせた。
「飲み終わった?」
 きょとん、とする僕のカップを半ば強引に奪い取り、彼女は立ち上がる。
「あ、あの?」
「消灯は私がしておくから、パソコン切っておいてね」
 それから有無を言わせぬスピードで、彼女は給湯スペースの方へ歩み去ってしまった。
「好きで一緒になったんだから、まあ、仕方ないけどさ。やっぱり、婿入りしてもらうべき
だったかな」
 そんな、謎めいた言葉を残して。

 なんとなく悪いことをしてしまったような、納得がいかないような、もやもやした感じ。
そんな気分と、強引に渡された室長の傘を抱えて、第二企画室を出た。
 すると、ちょうど良いタイミングでエレベーターが開く。
「や。こんばんは」
 僕が入るまでエレベーターを開けて待っていてくれたのは、営業部の真浜さんだった。
 同期入社の友人と飲んでいた際、たまたま同じ店に居たことがあり、以来たまに会うと挨
拶をしている。ただ、その友人の彼に対する評価が『いい人だけど、万年ヒラ確定』だった
ため、どうにも僕の中では軽い存在であった。
「あ、どうも」
 僕と入れ違いに出ていくその、しょぼくれた背中に、密かに失笑を漏らす。さっきまで一
緒にいた室長の凛とした背中とは、大違いだ。もう三十を確実に越えているであろうに、風
格や貫禄で彼女に遙かに及んでいない。確かに出世はおぼつかないな、と断言できた。
 どうやら、密かに憧れていた女性が既婚だと知り、僕は少しささくれた気分になっている
ようだ。彼女と対照的な真浜さんを心の中で馬鹿にしたのも、そのせいだろう。
 だが、はたと気づく。
 真浜さんは鞄と、大きな黒い傘を携えていた。ということは、これから帰宅するというこ
とだ。営業成績の悪い彼がこんな時間まで残業していたことに不思議はないが、社を出るの
に、さっきまで僕がいた階で降りる必然性は全くない。
「まさか……ね」
 自嘲しながら、社を出る。室長が言ったとおり本降りの雨に、彼女に借りた傘を開いた。
 そのまま駅へ向かえば良かったのに、そうせず玄関から少し離れた所で立ち止まったの
は、やはり気になったからだ。その気がかりの正体が露見した時、僕は愕然とした。
 僕に気づかず体を密着させて去って行ったのは、城戸倉室長と、真浜さんだったのであ
る。
 二人の姿が夜の雨の中に遠く消えていくまで、あまりのことに僕は、身じろぎ一つできな
かった。よりにもよって室長と、あのうだつの上がらない真浜さんが、夫婦だなんて!
 その晩、僕は駅前のバーで酒を飲みながら、上司の恋のなれそめとか経緯とか、そういう
ことを考えてみた。
「……やっぱり、似合わないよなあ」
 別に嫉妬というわけではない。城戸倉さんに対する憧れは、恋心というより尊敬に近いも
ので、彼女の年齢を考えれば結婚していても不思議はないな、と思ってはいたのだ。
 ただ納得がいかないのは、なんでその相手が真浜さんかな、ということだ。
「別姓にしてるのだって、相手があれじゃ、恥ずかしいからだろうし」
 酔っぱらった僕は、紙ナプキンにボールペンで、『真浜亜子』と書いてみた。『城戸倉亜
子』と比べると締まらない印象を受けてしまう、と思うのは、単純に慣れの問題なのか。
 そう思った僕だが、よくよく自分の書いた字を眺め……やがて、げらげら大声で笑ってし
まった。バーのマスターや他の客の奇異そうな目に気づいて、慌てて止めたけれど。

 月曜の朝、僕はオフピークで早々に出社し、柄にもなく掃除などしていた。
「あれ? 垣内君、早いじゃない」
 僕の次に第二企画室に現れたのは、城戸倉亜子室長、その人だった。
「おはようございます」
「はい、おはようございます。なんかニコニコしてるけど、土日にいいことでもあった?」
「まあまあ、ですかね」
 思ったとおり室長が眉を寄せたので、僕は意地悪く尋ねてみる。
「夫婦別姓って、ある種の変身願望もあるのかも知れませんね。作家のペンネームや、ネッ
ト上のハンドルネームと同じで」
 僕の表情や声の調子で勘づいたのか、彼女は長い睫毛をわずかに伏せ、窺うような表情を
見せた。このひとは本当に素直で可愛い女性なんだな、と改めて思ってしまう。
 僕はよっぽど、癪に障るような顔をしたのだろう。室長は次の瞬間、憮然となって、自分
のデスクに乱暴に着席する。
「だから言いたくなかったのよ。『まあまあ』って言葉は、嫌いなの!」
「僕、なにも言ってませんよ?」
「みんな知ってて黙ってるから、垣内君にはばれないと思ってたんだけどなあ」
「だから、なにも言ってませんって」
 とうとうそこで、僕は吹き出してしまった。室長は頬杖をつくと、そのしなやかな指先
で、給湯スペースの方を示す。
「上司を馬鹿にした罰です。お詫びに、コーヒー淹れなさい」
「はい。わかりました」
 掃除の手を止め、僕は指さされた先へ向かった。

 真浜亜子。まはまあこ。まあまあ子。
 なんとも単純な、まるで小学生のようなからかい文句だ。だがだからこそ、癪に障ること
もあるのだろう。そういう素直な感情は、嫌いじゃない。
 それから僕は、室長の前ではけして『まあまあ』と言わなくなった。僕が強く感銘を覚え
た中庸より完璧を目指せ、という彼女のこじつけも、辻褄は合ってるわけだし。
 なんで御主人が真浜さんなのかは、未だに納得がいかないわけだけれど。


177.  てなわけで、三題噺です   土門弘幸 2000/06/25


 おはようございます。
 てなわけで、三題噺です。今度はちゃんとアップできました。ふぃー。
 最初は「平凡なサラリーマンの垣内君。しかし口紅を塗ることで変身、魔法少女シスター

レインに……」などというのを考えていたんですが、ふと気づくとユニマット(今は違う名

だけど)のCMみたいな話になってしまいました。うーむ、なんでだろ?
 しかも長い(中里さんほどではありませんが・笑)。オチつきの話って、すきっと短い方

インパクトがあるんですが、オフィスラブもの(?)ってどーでもいー描写が多い方がそれ

しくなるような気がしたもんで……。
 あまり言い訳を多くしてもアレですから、今日の所はこのへんで。


178.  『三題噺』   古橋秀之 2000/06/26


おつかれさまです、古橋です。
どういうわけか、先週末から、うちからメディアワークスさんのサイトに入れな
くなっています(メールは通じるようです)。現在原因不明ですが、この掲示板
にも入れなくなっているので、担当さんにお願いして三題噺を転送してもらって
います。

――と書いたんですが、寝て起きたら復帰してました。
だもんで、自分でアップします。
まあそういうわけなので、一日遅れてしまいましたがご勘弁のほどを。

************************************
『転機』(変身(変態でも可)/口紅/雨) 古橋秀之

 ――ああ、なんだ、雨男の雨宮か。
 と、僕は思った。
 いや、最初は電話口で「アマミヤです」と名乗られても誰だかわからなかっ
た。風邪でも引いたのか、裏返ったような声をしていたためだ。
 雨宮は学生時代の後輩で、仲間うちでは強烈なまでの雨男として知られてい
た。どういうわけか、どこに行っても必ず大降りの雨にたたられるのだ。
「遠足や運動会の時は休むように言われてました」というのも最初は冗談だと思
っていたが、「背後から通り雨が降ってきたと思ったら、その方向から奴が歩い
てきた」というようなことが何度かあるうちに、なにやらそれもありそうな話に
思えてきた。
 で、
「……ああ、なんだ、雨男の雨宮か」と僕が言うと、
 雨宮はくすくすと笑って、
「それが、もう『雨男』じゃなくなったんですよ」と言った。
「なんだそりゃ?」
 なんでも込み入った話になるらしいので、久しぶりにいっしょに飯でも食いな
がら話そうか、という話になった。
 当日。
 駅前で待ち合わせていると、電車の到着とともに雨が降り始めた。
 駅の軒先に入りながら「なんだ、やっぱり相変わらずの『雨男』ではないか」
と僕は思った。
 が――
「お待たせしました」という雨宮の姿を見て、僕は思わずぎょっとした。
 ――いったい、どんな事情があったのやら。
 長い髪にスカート、赤い口紅。
 元・雨男の雨宮は、「雨女」になっていた。
************************************

うーん、オチ、読めちゃいますかね。

それでは――


179.  どもども   古橋秀之 2000/06/26


あ、土門さんきましたですね。どもども。


180.  よっしゃー(っておい)   土門弘幸 2000/06/27


 おはようございます(現在AM4:00)。なんか一時的にここのサイトに入れなかった
んで
すが、やっぱりなにか問題があったようですね。
 選挙結果が出たと思ったら三原山が危ないようで、すっかり自民党の責任がうやむやにな
って
いますが、政権保守党があそこまでの体たらくを見せた場合、本来ならもう少し問題になっ
ても
良いはずですよね。日本は平和だなー、とかガラにもなく思ってみたりして。

>ALL
 御返礼が遅くなって申し訳ありません。今更ながらの参加に対し、好意的な書き込みをい
ただ
けて、あちき感激。がんばりまっす。

>三題噺
 まだ出そろってないので感想は避けますが……すいません、中里さん! よくよく見れ
ば、僕
の方が長かったっす。読み返せば読み返すほど、僕のやつはもう少し短くするべきだったな
あ、
と今更ながらに思ったりなんかして。

 さて、仕事仕事。


181.  訂正!   土門弘幸 2000/06/27


 下の書き込み、噴火の怖れがあるのは『三宅島』ですね(汗)。なんか、間違った情報が
頭の
中にインプットされてたみたいです。あーはずかし。


182.  ようやく入れたー。   川上稔 2000/06/28


先週末から入れなかったので、
「すわ改装か(すわって何だ)」
とかずっと思っていたんですが、単に接続できなかっただけのよーですね……。
担当さんに裏技的方法聞いたんですがそれでも入れず、高畑さんに相談したら、
「こっちも入れん!」
「うわあ」
的なことになってました。
(深夜に相談のって下さってありがとうございました>高畑さん。
接続できてるんだろーか……)
とりあえず担当さんに転送願おうとしたら接続可能になってまして、復帰ー。
ネットは油断がならないなあ、と、出社前にそんなことを思いつつ書き込んでます。
いやはやいやはや。


183.  三題噺『元気OL日常勝負』   川上稔 2000/06/28


とりあえず『口紅・雨・変身』ってーことで。
エセ四字熟語文なので、それなりにテンポつけて読むといいかもしれません。
ではレッツゴー。
???????????????????????
本文準備 呼吸整調 五四三二 一零発進
昨晩泥酔 本日残酔 出社時間 眠暁不覚
必死起床 時計確認 現在八時 遅刻必至
高速覚醒 頭痛全開 足下不覚 耳鳴必定
横臥再来 意思確認 出社決定 復帰開始
一秒二秒 七秒八秒 五百三秒 復帰完了
低速起床 脳内波高 嘔吐寸前 起立前進
部屋横断 窓外確認 雨音騒然 雨天順延
気分厭世 速効否定 出社出社 朝食確保
冷蔵確認 野菜不在 肉卵不在 結論馬鹿
駄目人間 蕭々哀切 溜息確認 唯在洋酒
迎酒開始 一気勝負 満腹満腹 脳内爽快
変身気分 人体謎多 気力上昇 不敵微笑
準備体操 三番開始 足取確固 結論天才
体調整調 気力回復 時計確認 八時半過
遅刻確定 模索挽回 考慮疾走 熟慮近道
確認体力 少々黙考 数秒経過 意志決定
勝負開始 洗顔一発 高速着替 下着放棄
全力準備 着替完了 雨天出撃 自室施錠
疾走開始 雨傘不要 合羽不要 全力疾走
携帯着信 会社発信 遅刻拒否 出社通達
快走快走 前方確認 有最寄駅 電車視認
強襲開始 改札通過 階段激走 電車到着
車内飛込 直後発車 一息一息 衣服整調
満員電車 姿勢補正 化粧開始 目元補正
口紅糊塗 高速手捌 直後不快 臀部触感
痴漢確認 変態野郎 流石埼京 感心感心
感心却下 現状確認 相手確認 直後攻撃
平手一発 相手悲鳴 容赦皆無 言訳無用
正拳一発 二発三発 中略十発 計三十発
獄門滅殺 引導考慮 市中引廻 是非切腹
電車到着 速攻下車 警官召集 手続迅速
疾走再開 時計確認 残十一分 余裕微笑
街中飛出 正面視認 会社確認 前方敵影
勧誘出現 全力回避 募金出現 十円投射
軟派出現 直蹴直撃 遠足子供 頭上飛越
着地失敗 派手転倒 下着丸見 笑誤魔化
荷物収拾 子供手伝 表面感謝 内心大恥
疾駆再開 会社到着 受付確認 身分提示
自室七階 昇降機上 階段選択 最後勝負
一段除外 二段除外 二階到着 三階到着
加速加速 四階到着 五階到着 呼吸爆発
血流騒然 発汗多々 気分衰退 懊悩迷路
平手一発 直情奮起 体育会系 有根性論
勝負再開 六階到着 最後疾走 踊場到着
廊下疾駆 百米九秒 自室通過 急激制動
青息吐息 自室開門 社員騒然 時計確認
残三十秒 拍手喝采 勝利確定 濡髪払拭
気分最高 呵々大笑 之我日常 勝負也!
????????????????????
一見すると何事かと思えるだろーなー……。
ではでは、遅れてすいませんでしたー。


184.  接続できました。>川上くん   高畑京一郎 2000/06/29



 ……と、いうわけで、まずは一安心。

(以下、ちょこっとメールと混線させちゃいます。)

 なるほど。『ドーベルマン』=『ルパン三世』だったんですか……。
 言われてみれば、確かに、そんな感じがしますね。

 「敵も味方も悪党全開」なのは、僕も悪党好きなので、いいんですけど、
 なんか、その悪党ぶりが、人間として許せないタイプと言いましょうか、
 感情移入ができないやり口だったのが、僕としては、今ひとつのめり込めなかった
 要因だったのかな、と思っております。

 最近、僕が観たDVDでお勧めといえば、日本映画ですが『鮫肌男と桃尻女』は、
 結構、面白かったですよ。
 これも「スイッチ系」ですけどね。

 あ、あと、『Uボート』は僕も買いました。


      
185.  感想なんぞをば   土門弘幸 2000/06/30


 昨日は皆さん、お疲れさまでした。色々と御迷惑をかけてしまって、申し訳ありません。
 三題噺、今回は全員、無事に出揃いましたね……ってまあ、今までで出さなかったのっ
て、僕
だけなんですが。
 振り返って見ると、やっぱり僕のは長過ぎたかな?、と反省。
 トータルでは川上さんの作品のインパクトにも圧されますが、僕としては中里さんの作品
が一
番、好きかな。切ない心情が出てるし、『変身』と『口紅』の組み合わせも情緒があって素
敵で
す。香奈の変貌に戸惑い逃げる静三郎の気持ちがわかる気がするだけに、また切ない。

 そう言えば、三宅島の噴火、どうやら事なきを得たようですね。一方で有珠山の方はまだ
まだ
緊張状態だとか……昨日も地震が相次いでいたようですし、なんだかマグマが活性化してい
る感
じです。今年は十年に一度くらいの、太陽の活動が強い年なんだそうですが、それと関係し
てる
のかなあ……? などと『アインシュタイン記念日』の今日、考えてみたりして。


186.  ふっかつー。   川上稔 2000/07/04


よーやく完全につながるようになりました。
三題噺も皆さんのが確認できました。
土門さんが鬱憤はらすように気分良いのを書きますなー。

見ていると、全員が個性とは別で、
「攻め方」
を出してこられたような気もします。自分の個性を生かした戦略というか
シリーズ構成というか何というか。 
対する自分ももっと真剣にやらんとな、と、そんなことを考えてみたり。
(何で思考がそう体育会系なんだ(笑))

で、次行きますか?
やるなら提案は、
「チャリンコ」
で御願いいたします。


187.  総評(?)   高畑京一郎 2000/07/05


 今回の三題噺は、これまでで一番、バラエティに富んでいたように思えます。

 特に、中里さんと土門くんの作品は、そのまま普通のショートショートとしても
 通用しそうな完成度。さすがですね。

(……それにしても『城戸倉室長』、なんかいいな。タイプです。)


 それと、古橋くんへ。

「『月一回のペース』より『締め切りまで3週間』の方を堅持してくれよぉ?!』

 ……以上、高畑京一郎の魂の叫びでした。


188.  梅雨の中休み   中里融司 2000/07/05


 じめじめする梅雨も何ですが、暑い中にじめじめというのも格別ですね。
 何だか偏頭痛。ケロリン飲んで、良くなったようですが、皆さま如何お過ごしでしょう
か。
 今回の三題噺、みんな力入っていますね。土門くんのオフィスラブ、ああいう雰囲気好き
です。
 川上くんの四字熟語大会も、声に出して読むと癖になります。高畑さんの独白形式、映像
で見
たい気がしますね。
 古橋くんのショートショート、一番笑えそう。シンプルな中に、笑いの伝統芸という感じ
がします。
 橋本くんの唇男、世界設定に磨きがかかってきた。先の展開が楽しみです。
 私のは、叙情的に迫ってみました。書いてて楽しかった。みんなの得意技が見られて、刺
激になります。
 三題噺、もう一丁行きますか? 私の提案、お題は「カメラ」。
 確かに、〆切までの期間は長く取った方がよさそうですね。暑い折り、能率も落ちがちで
すし。


189.  わーい   土門弘幸 2000/07/06


 皆さんに褒められちった。
 とか言って、古橋さんと橋本さんにけなされたらどうしよう。
 実はオレの三題噺のタイトル、完成当初は『企画室長 城戸倉亜子』でした。彼女はオレ
もお
気に入りです。ていうか、今度は彼女を主役にした話を書いて、そん次はその旦那(真浜さ
ん)
を主役にして……という三部構成を密かに狙っていたりして。
 無理か。
 しかし、オレの得意技って『オフィスラブ』だったんでしょうか。うーむ。

 さてさて、じゃオレも題目を出しますか。
「プロ野球」
 いや、なんか読者BBSの方でそんな話題が出てるもんで……というか、オレの本の話が
すこ
うしだけ出てるし。ま、まざりてえっ(笑)。

 ……あ。
 考えてみたら、オレが三題噺の題目を出すのって、始めてですね。二重に、わーい。

 一人称を普段の喋り口調であるところの『オレ』にしてみた、土門でしたー。


190.  キーワード提出。   高畑京一郎 2000/07/08



 キーワードの提出を、忘れてました。
 ええっと……なににしようかな……。

 では……『壁の向こう』で、お願いします。


 
191.  まあ、うまいけどさあ。   橋本紡 2000/07/09


お腹がすいたけれど、食べるものがなにもない。
作る気にもなれない。
あるのはご飯とカツオ節だけ。

こ、これは天の啓示か……。
この年になって、大人になって、ねこまんまを食べろということか……。
神よ……。

と悩んでいたら、同居人がたこ焼きを持って帰宅。
ああ、天の助けだ!


てことで、次回のお題は「ねこまんま」にしますー。


192.  ロシアンルーレット開始。   川上稔 2000/07/11


だ?れ?に し?よ?う?か?な?っと。
解る人にだけ届け、この想い。
そんな感覚です。

しかし激暑いですなー。
とりあえずスイカを買ってみたり。
ううむ。


193.  行きましょう   古橋秀之 2000/07/11


すいません忘れてました古橋です。
このところ、ますます腑抜けぶりを露呈しております。

****************************************
第4回お題は『チャリンコ』『プロ野球』『壁の向こう』
〆切は7/25(火)
****************************************

『カメラ』『ねこまんま』はなんとなくフィーリングで外したです。どもすまんです。

次回からは余裕をもって開始したいですね。>自分
あるいは逆に、「いっせいのせでお題を出しあって1時間で書く」という企画はどうだろう
か、
とか考えたりして。

それではみなさん、どうぞよろしく。


前回の感想・もっとちゃんと書かなきゃ。>自分、って思った。


194.  ……む!?   土門弘幸 2000/07/11


 をうっ。また〆切まで三週間切ってるんですね。三題噺。むゆ。
 それにしても古橋さん、「いっせのせ」はともかく、「1時間」は無茶(笑)。
まあ落語なら、なんとかなるかも知れませんが。

 それにしても相変わらず激速ですね。>川上さん

 今日は実家から何故かメロンが届く?。ほんとに何故? メロンくれるなら、その
分だけ同じ額のおぜぜが欲しい、貧乏人なのに。せめてビールなら……。
 まあ、ありがたいスけどね。


195.  ちょいとバテ気味。   橋本紡 2000/07/11


怖いぞロシアン・ルーレット。
どうせなら早いほうがいい気もするぞロシアン・ルーレット。
どうしようかロシアン・ルーレット。

しかし、二週間ですか……三題噺……やはり三週間くらいは
あったほうが楽な気もしつつ……さて、どうしましょうかね、
今度は。


196.  締め切り了解です。   高畑京一郎 2000/07/12



> 第4回お題は『チャリンコ』『プロ野球』『壁の向こう』
> 〆切は7/25(火)

 以上、了解しました。


 ……う?ん、今回は、どうしようかな。
 ロシアンルーレットなんてものがあるのでは、なるべく早くに片付けて身軽になって
 おきたいところですが……ああ、うまい組み合わせが思いつかない……。


197.  つらつらと愚痴る日々   土門弘幸 2000/07/14


 おはようございます。
 仕事がちいとも進まず、泣いています。オレが。どーしよー、今月の家賃、払えねえ(
涙)。

 三題噺、『チャリンコ』の使い方で悩んでます。どう考えても『自転車』と表記した方が
自然
になるもんで、『むー、無理に地の文で『チャリンコ』って書くのはどうよオレ?』ってい
う。
関西圏出身なんで、そもそも『チャリンコ』という表現に馴染みがないのも原因の一つか
も。
 やっぱ自転車は『ケッタ』でしょう。『ケッタ・マスィーン』。
 疲れて目がショボショボしてると、『チャンコ』に見えてくるから不思議(笑)。

 そう言えば、世間では『ファイナルファンタジー?』が話題のようですね。オレは赤貧君
なの
で買えません(泣)が、どなたか買いました&やりましたか?
 なんだか今回は、かなり良いらしい。

 あー、でもホントどーしよー。
 土門でした。


198.  かんそー。その他。   橋本紡 2000/07/14


おお、なつかしいね、「ケッタマシーン」。
さすが同じ三重出身。
これってば、三重ローカル?
それとも中部?
あるいは関西?
情報をお持ちの方がいましたら、教えてくださいませー。

んでもって。三題噺。

ひととおり読み返してみましたが、橋本も気合を
入れねばと反省しました。
土門くんと中里さんのは、もう、ちゃんとした話ですね。
中里さんのは艶っぽくてほろりだし。
土門くんは視点の意図的な若さがいい味になってるし。
ほかの方もそれぞれの味が出ていて、いい感じでしたね。

こういうのが面白いなあ、みんなでやると。
などと思った次第であります。

ではー。


199.  仕事が   川上稔 2000/07/20


一息ー。
ようやく私事に少しは割けるかな、と、そんな風に思ってます。
とりあえず現在午前三時丁度。
これからちょっとチャリンコで山走ってきますー、と。
30kmくらいの小旅行ですが、ビバ俺の健康ってとこで一つ(何が一つだ)。
あ、そういえば大阪では、
「チャリンコ」
でした(自分の知る限りですが)。

いやはやではでは?。


200.  おお、200!   土門弘幸 2000/07/22


 いつの間にやら、ですね。

 チャリンコと言えば『シャカリキ!』を最近、ワイド版を買った友人が刊行前の部分が気
にな
るー! とか言って秋田書店版を全巻購入したとかで、ワイド版の方をくれました。
 なんか久しぶりだなあ、と思いつつ読んだのですが、いやーアツイですねコレ。
 仕事疲れでぼ?っとした頭には、かなり燃えるものがあります。

 坂やったら誰にも負けへん!


201.  三題噺(チャリンコ/プロ野球/壁の向こう)   高畑京一郎 2000/07/24


『コレクター』

 コレクターという人種ほど分からないものはない。
 どうでもいいような事にこだわってみたり、ガラクタとしか思えないようなものを集めて

 一人悦に入ってみたり。

 玉岡とは一〇年来の付き合いだが、彼も妙なものを集めている。
 それは『場外ホームランボール』だ。
 ただのホームランボールではなく、場外ホームランに限定。しかも自分で手に入れたもの

しか興味がないという。
 玉岡の住む街には、わりと大きな野球場があり、プロの試合も行われている。玉岡は試合

あると、わざわざ時間を作ってまで、球場へと出掛けて行くのだった。
 ただし目的が『場外ホームランボール』だから、球場には入らない。球場の外で、いつ来

とも分からない場外ホームランを、ただ待つのである。
 場外ホームランが出る確率。それが玉岡の待機している方向に来る確率。そしてそれを見

う事なく、また誰かに先に拾われる事なく手に入れる事のできる確率。それらを考えると、
掛ける労力に比べて、あまりにも見返りが小さすぎる気がする。
 だが、以前、それを訊いてみたところ、
「だからこそ価値があるんじゃないか」
 ごくあっさりと、玉岡は応えたものだった。
 もっとも、玉岡は玉岡なりに、それらの確率をなるべく大きくするよう、努力と研究を
重ねているらしい。
 たとえば、球場まで自転車で出掛けるというのも、その一つだ。徒歩では移動速度が小
さすぎるし、かといって車では小回りが効かない。それに自転車ならば、多少、交通法規
を破ったところで、免停などという罰則もないからである。
 ラジオの中継を聴きながら、試合の流れを把握する事も重要だ。その時打席に立ってい
るのがどんなバッターなのか、投げているのはどんなピッチャーで、どんな組み立てで投
球をしているのか。それにより、打球が、どの方角にどの程度の飛距離で伸びるか、ある
程度の予測は立てられる……のだそうだ。
「ここだと見極めを付けたところに、チャリンコで待機するだろ? バットの快音が聞こ
えて、球場の中は大歓声。だけど、場外になるかどうかは、こっちにはまだ分からない。
分からないが、来ると信じて、空を見上げてる。そしてそこに、壁の向こうからボールが
姿を表す。思った場所に思った角度でな。そん時の満足感というか勝利感というか……
とにかく、鳥肌が立つくらい興奮するのさ。俺って凄ぇや。心の底から、そう思えるんだ」
 子供のように目を輝かせながら、玉岡はそう説明してくれた。
 こうして知力と体力をフルに使った努力の結果、玉岡はこれまで六個の『場外ホームラン
ボール』を手に入れていた。小学生の時から始めたという事だから、玉岡のこの習慣はかれ
これ二〇年続いている事になる。
 二〇年で六個……多いのか少ないのか、見当も付かない。

 その玉岡が、この間、ようやく七個めを手に入れたのだが、それはちょっとしたニュース
となった。世間が玉岡のコレクションの価値を認めてくれた……わけでは勿論なく、ボール
を追って自転車を飛ばしているうちに車道に入ってしまい、乗用車に撥ねられたのである。
どう考えても、悪いのは玉岡の方だから、撥ねてしまったドライバーは災難だったと思う。
 幸いな事に、玉岡は腕と足の骨折だけで済み、命に別条はなかった。そして更に運の良い
事には、くだんの場外ホームランを打ったプロ野球選手が、新聞でその事件を知り、わざわ
ざ玉岡の見舞いに来てくれたのだった。
「なんでもボールにサインまでしてくれたそうじゃないか。良かったな。車に轢かれてまで
頑張った甲斐があったってもんだ」
 見舞いに行った折りに、その話をしてみたのだが、玉岡はやけに浮かない表情だった。
「ああ、サインね……確かにしてくれたよ。そんな事しなくていいって言ったのにな」
「うん? ひょっとして、サインして貰わない方が良かったのか?」
「だってありゃ、俺が努力して手に入れたもんなんだぜ? それなのに我が物顔でサインな
んかしやがってよ。向こうは善意のつもりでいるから、なおさら、たちが悪いや」
 玉岡は、そう言って、重い溜息を付いたのである。

 コレクターという人種は分からない。
 つくづく、そう思った。


202.  三題噺『しょけー教室』   川上稔 2000/07/25


……何だか毎度同じノリだなー。
????????????????????????????????
 場所はとある高校。時期は夏休み。時間は午前、お昼前です。
 職員室隣の2年B組、通称”逃げられない教室”では、幾人かの生徒が集められ、皆、
神妙な面もちで席に着いていました。
 しばらくすると先生がやってきました。
 真面目そうな眼鏡のオヤジです。彼は皆に一枚の問題用紙を配り、こう仰いました。
先 生:「んー、ではこれから二十世紀最後の一学期追試験を行う。用意はいいかー?」
生徒達:「ういーす」
 生徒達、やる気のない返事ですが、先生は構わず、うんうんと頷き、
先 生:「まあ、何だ? 暑い中、皆も大変だしな。だがやる気を出そう、やる気を!
 でないと上手く行くものも行かなくなるぞうっ!」
生徒達:「ういーす」
先 生:「まだ元気なしか。だがまあ、時間もないしな、これからルールを説明する」
生徒達:「ういーす」
先 生:「じゃ、まず簡単に一つ。しごく当然だが、カンニングは全裸でゴーモンとする」
生徒達:「ういー……」
 ちょっと迷って、
生徒達:「す?」
先 生:「安心しろ、任意ではなく強制だから」
生徒達:「…………」
先 生:「夏休みの怪談であるだろ? 悲鳴の聞こえる校舎って。今度はキミが主人公だ
っ」
生徒達:「う、ういーす……」
先 生:「どうしたどうした元気ないぞー? リラックスしていこう!」
 あらあら、黙ってしまった生徒達を後目に、先生はにこやかに続けます。
先 生:「えーと、だ。他にも、試験中の相談は、これも当然だが相談相手とペアで全裸
 磔けとする。股間か尻のどちらかに”負け犬”と書いて、表の大通りにガムテープで張
 り付けだ。一応、表と裏のどっちが良いかの選択権は与えよう。なお、去年はペアで二
 組を招待した。裏裏表裏、……だったかな? 裏表裏裏、だっけ? どっちでもいい
か?」
 一息。
先 生:「また、時間内に出来なかった者は全裸でノーロープバンジージャンプとする。
 二学期始めの朝礼で衆人環視の中、校舎脇の大聖堂屋上からやってもらう。飛び降りる
 前にはコマネチ・ガチョーン・なーんちゃって・シエーの”昭和四式体操”を一通り
 演舞してもらう。まばゆい朝日の中で」
生徒達:「う……」
 と、おやおや、一人の少年がすっくと立ち上がりました。
生徒A:「せ、先生!」
先 生:「ん? 何かね?」
生徒A:「そ、そりゃ誰が何と言おうともあんまりってか非道ってか、バカかテメエ!!」
先 生:「うーむ、やはりそう思うか、キミは」
生徒A:「当たり前です! 正常な人間だったら当然です!」
先 生:「ふむ、じゃ、しょうがないな」
 先生は軽く目を伏せ、仕方なさそうにうなづき、こう仰いました。
先 生:「ロボトミー手術が必要だ」
 (中略)
先 生:「えー、そういうわけで生徒A君は良き理解者となった。言うなれば同士。
 皆も頑張ろう。……返事は?」
生徒達:「う、ういーす!!」
先 生:「ようし、やる気が出てきたようだな、先生は嬉しいぞお。じゃあ、生徒B君、
 渡した問題を見て、答えてくれたまえ」
生徒B:「う、ういっす! こ、答えさせていただきますっ!!」

問題:以下の言葉を使って文章を作りなさい。
「チャリンコ/プロ野球/壁の向こう/川上稔/2000/07/25」

生徒B:「う、あー……」
先 生:「さあ、張り切っていって見よう。ぅおぉ?きぃいな声で、う?たいいいましょ
 おお?っと、いっせーの、せ!!」
生徒B:「え? ちょ、これ、ちょっ、その、あの、えっと」
先 生:「えー、制限時間十秒を切りましたー。九、八、七、とんで二、一」
 あらあら、プレッシャーに耐えかねて、生徒Bは叫びました。
生徒B:「いやああああああっ!! 許して下さい女王様ぁああああああっ!!」
 ロボト(略)
先 生:「じゃ、生徒C君とか、どうかなー?」
生徒C:「え? あ、えと、えーと、えーと!」
先 生:「ほら君、何で解らないかなー? こういうのは5W1Hだろう?
 いつ・どこで・だれが・何を・どうした・どのように、と、そう考えるんだ。
 この問題には最後の1Hが欠けているだろ? それを考えて組み合わせるんだ」
生徒C:「え、えーと、だ、だ、だれがっ! え、えーと、えとえとえーとっ!」
先 生:「えーと?」
 何かが切れました。
生徒C:「チャっ、チャ、チャチャチャっ! らららららら乱乱乱っ!」
 ロ(略)

 結局、テストはキッツイ結果で終わりました。先生は翌日の職員室で採点します。
先 生:「怪談八晩に表表裏裏裏裏表裏表表、バンジー計二十五回に歌舞伎町十五点、か」
先生B:「おやおや、今年も二年生は大変ですねえ」
先 生:「短文も簡単に作れないのだから困ったものです」
 先生はやってきた同僚に問題用紙を見せました。
先生B:「ほほう、チャリンコ/プロ野球/壁の向こう/川上稔/2000/07/25、で、
 短文ですか」
先 生:「5W1H、いつ・どこで・だれが・何を・どうした・どのように、というの
 を利用すれば簡単なのですよ。最後の1Hを考えるだけですから」
 言いつつ、嘆息。先生は近くのメモに模範解答を書きました。
先 生:「5W1H、……と」

「チャリンコの日に
 プロ野球場で
 壁の向こうが
 川上稔を
 2000/07/25したんです、
 しかもポリゴンで」(100点)

毎度毎度めでたくなしめでたくなし。
おあとが宜しいようでー。


203.  三題噺・後半   中里融司 2000/07/25


一所懸命に走り抜け、ようやく野球場に滑り込み、慌ただしくチケットを買って、内野席に
駆け上がったときには……マウンド上の今居投手が、八回裏、最期の一球を投げるところで
した。
「え? もう八回? 先発が、打たれてない?」
 半ば茫然として、中里君はスコアボードに眼を向けます。
 相手の川崎オリオンズの側には、ずらりと並ぶゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロ。対す
る勇者には、合計五点が入っています。
 そして、スコアボードを見つめる中里君の眼は、次の瞬間大きく開かれました。
 ヒットと四球、失策を示す数字が、全部同じ数字です。アラビア数字のゼロ。その数字が
教える事実は、たった一つしかありません。
「か……完全試合……」
 口をぱくぱくさせて、中里君は錆び付いた人形のように、ブレーブスのベンチに視線を向
けました。
 その途端、眼が点になりました。
 汗まみれの今居投手が、大きなコップを傾けて、金色の液体を、喉を鳴らして飲んでいま
す。ぐびぐびぐびぐび、ごっごっごっご……ずるるるるる。ぷはぁぁぁぁっ。
 コップを離して天を仰ぎ、満足そうに拭った口元についている白い泡。紛れもなく、冷た
いビールに違いありません。
 ああ、なんということでしょう。中里君の大発見を、今居投手は自力で見つけ、あまつさ
えプロ選手として、試合中にビールを飲み干して、酔いにまかせて無敵の投球を成し遂げて
さえいたのです。
 その瞬間、中里君の目の前が、ぱあっと明るくなりました。
 それはもう、長いこと行く手を塞いでいた壁が吹き飛んで、向こう側への道が開けたよう
な、晴れ晴れとした気分になりました。
「そうかぁ、やっていいんだ。壁をぶっ壊す方法がわかってるなら、やっていいんだ。常識
なんかに、囚われてちゃ駄目なんだ」
 そう悟った中里君の目の前で、今居投手はすいすいと、完全試合を達成してしまったので
した。

 その翌日、中里君のノルマが達成できていないことを知った上司は、中里君を面接室に呼
びつけて、いつものように叱り出しました。
 その数分後。面接室は、台風が襲ったような有様になりました。
 電話機は叩き割られ、椅子の背はねじ曲げられ、ドアは叩きつけられてノブが吹き飛び、
上司は命からがら逃げ出して、テラー(窓口係)の陰に逃げ込み、蒼い顔で震えておりまし
た。
 自分を開放する術を悟った中里君は、その後銀行を辞めました。
 いまでは作家になって、あの日の今居勇太朗投手のごとく、好き勝手な人生を、歩んでい
るとの話です。
 めでたしめでたし。

 なお、この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは、一切関係ありません


204.  三題噺・前半   中里融司 2000/07/25


『三題噺・壁の向こうへの脱出』

 銀行員の中里君は、その日も上司に怒られておりました。
「こンデレ助が! ボーナス時期だぞ? 外回りして来んかい外回り!」
 錆びた自転車のペダルをきこきこ漕いで、中里君はぼんやりと、外回りに出かけます。
 この銀行では入行から三年目で、男子行員は例外なく、渉外係になるのです。その役目は
ひたすらお客さんの家を廻って、定期預金と積み立てと、融資の仕事を取ってくること。小
さな銀行では資金量では太刀打ちできないために、どれだけ多くのお客さんと、人間的な繋
がりをつくれるかで決まります。
 けれど、得意先係には他の部門にもまして、向き不向きがありました。そして中里君は、
お客さんに取り入って預金を貰ってくるという仕事が、誰より不向きであったのです。
「ああ、暑いなぁ……いーや、休んでこっと。どうせ一所懸命廻ったって、預金取れっこな
いんだし」
 じりじりと、遠慮なく照りつける太陽に、中里君はその日の仕事は、おサボすることに決
めました。こういうことをやってるから成績が上がらないなどという考えは、彼の頭にはあ
りません。
 近くの駅の売店で、週刊誌とスポーツ新聞を買った中里君は、涼しい河原に自転車を止め
て橋の下に隠し、コーヒー牛乳を飲みながら、かさりと三面を開きます。
 中里君のご贔屓チームの記事は、まず一面にはなりません。『実力のパ』のなかでも知る
人ぞ知る実力派、けれど人気は……の西宮ブレーブスこそ、彼の贔屓のチームなのです。
 その中でも好きな選手が、もと国鉄職員の今居勇太郎投手でありました。がっしりした体
に黒縁眼鏡。生来の怪力に加えてシンカー、カーブを投げ分けるコントロール。チームの大
黒柱、耶麻田と安達という二隻の潜水艦や、無敵の剛速球山久智に比しても引けを取るとは
思えない、そんな今居投手の唯一の弱点が、大事な場面で顔を出す、気の弱さでありまし
た。
 そんな今居投手と自分が、中里君の頭の中では重なり合っておりました。
 外回りの才能はないけれど、何かできることがあるはず。常日頃から、たった壁一枚を隔
てた向こうには、自分が伸び伸びやれる場所があるはずと考えている中里君にとって、力を
持ちながら壁を敗れずにいる今居投手は、他人とは思えなかったのでありました。
 そんな夏の、ある一日。得意先係の部屋で、その月の見通し会議がありました。
 その月の定期預金や積み立て、貸付件数の見通しを立てる会議です。支店の業績を左右す
る、とても大事な会議です。
 にも拘わらず、弱気な数字しか上がってきません。困った支店長代理は、奇策を思いつき
ました。
 係の全員に、ポケットマネーでお酒を飲ませたのです。二時間ほど小宴会を開いた後、再
開した会議ではあら不思議。景気のいい数字がぽんぽん上がって、あっという間に会議は終
わりました。
 そして、外に出た中里君は、自転車を漕ぎながら、ぼうっとした頭で考えました。
 そーだ、酒を飲めばいいんだ。
 いいことを知った。素晴らしい。
 酔っ払った頭で喜ぶ中里君の眼に、通りかかったスタンドで売っている、スポーツ新聞が
映りました。
 その途端、中里君ははたと思い出しました。今日は隣町の球場で、ブレーブスの試合があ
るのです。
 そして、先発は今居投手と、これは確かな予想でした。
「そうだ! 今居さんに、これを教えてあげよう。そうだそうだ」
 ああ、なんとファンの鑑ではありませんか。中里君はポケットマネーでビールをしこたま
買い込むと、仕事を放り出して自転車を漕ぎ始めたのです。
 目指すは、隣町の球場です。しかも今日はデーゲーム。早く行かねば間に合いません。
 きこきこきこきこきこきこきこきこきこ。
 錆び付いたペダルは重く、汗はしとどに流れます。この暑いのに着込んだスーツは、ぐっ
しょり濡れて背中に貼り付き、もう腐ったとこさえありました。
 けれど、そこは酔っ払い。自分が思いついたアイデアを、今居投手に使ってもらいさえす
れば、チームの優勝も夢ではない。その一念に凝り固まった中里君は、信号を無視し通行人
にぶち当たり、ひたすら疾走いたします。途中でボーナス預金の、挨拶周りに廻っていた支
店長に衝突したような気もしますが、そんなことを気に止めているようでは、立派なファン
とはいえません。


205.  パパパパパ   古橋秀之 2000/07/26


あぐぐぐぐ?、古橋です。すみません、今回パスでおねがいします。

ルール上は、
 ・パスあり。ただし2連続は不可。
 ・パスした者は一週間以内に「詫び状」を書いて掲示板上で発表。
 ・語尾等を他の参加者の注文通りにすること。
となっていたと思いますので、言い訳は「詫び状」のときに。

「詫び入れ」の〆切(→古橋)は8/2。
「詫び状」の書式等でリクエストのある方は週末くらいまでにおねがいします。
次回お題もついでに出しちゃっていただけると幸いです。

どうもすみません、それでは……。


206.  書式と御題?。   川上稔 2000/07/26


>古橋さん
お忙しい中、あまりご無理はなさらない方が良いかと思います。
そんな想いも含めて書式リクエストは、
「”荒木飛呂彦”と聞いた瞬間に浮かんだキャラの口調(もしくは台詞等で語尾固定)」
希望というか何というか(場合によっては詫び状にならん可能性が極大)。

とりあえず三題噺が全部出てませんが、次の御題候補提出は、
「耳たぶなめ」
で一つ。


207.  おおう、そうか。   橋本紡 2000/07/26


むむう、まさか二十五日になっていたとは。



三題噺
なんとなく思いついたヴァージョン。

「三題噺なんだけどさ」
「ふむふむ」
「今回のお題はチャリンコ・プロ野球・壁の向こうなわけだ」
「ふむふむ」
「でさ、プロ野球選手の壁向チャリ之介が活躍する話ってのはどうだ?」
「は?」
「奥さんの名前が壁向チャリ子なんだよ」
「あの……」
「子供の名前が壁向チャリ太郎」
「えっと……」
「でもって、ペットの猫が壁向チャリポン」
「その……」
「どうだ? おもしろそうだろ?」
「…………」


三題噺おまけ
実は七年くらい前に書いた話です。今回のお題にあいそうだったんで、
いくつか設定を変えて書きなおしてみました。だいぶいじりましたが、
ベースとテイストはそのままです。いやあ、なんか文章が若いねえ。

 五番のオオノが派手に三振をした。
 くるりとまわって、尻餅。
 相手ベンチからヤジが飛び、球場全体がドッと笑い声に満ちる。
 これでワンアウト。
 九回裏。
 ランナーなし。
 得点は一対一。
「おっし、行ってこい! 一発かましたれや!」
 七番のシゲハルさんに尻を叩かれ、僕は肯いた。
 ゆっくりと打席に向かう。
 僕はプロ野球選手だ。あともう少しで一流と呼ばれるくらいの選手だ。打率
は二割八分五厘。七十試合を経過した時点でホームランは十二本。盗塁七つ。
打順はここのところ六番を任されている。大学を卒業したあと、ドラフト四位
でプロに入り、二年目からレギュラーを獲得した。評論家は僕のことをクレバ
ーな選手だと言う。ファンはいい選手だけどガッツがないと言う。そのとおり
だった。
 相手投手はミハラ。抑えのエースだ。ストレートでぐいぐい押してくるタイ
プで、キレのいいフォークを持っている。球界屈指のストッパーと言っていい
だろう。すでにセーブポイントを二十も稼いでいた。今年になって二回対戦し
たが、どちらも見事に抑えられている。二回とも見逃しの三振だった。
「タカフミ、今日も見ててくれよ」
 打席に入ると、キャッチャーのシマムラさんが、そう声をかけてきた。
 僕は苦笑いをし、言った。
「それが、今日はそうもいかないんですよ」
「なんでだよ」
「彼女に自転車を持ってこいって強要されちゃったんです」
「自転車? チャリンコがどうしたってんだ?」
「あれですよ」
 僕は打席の土をスパイクでならしながら、スポンサー・ブースに顔を向けた。
そこには一台の自転車があった。あれが今日のホームラン賞なのだ。
 昨日、アキコは僕にホームランを打つよう強要した。
「あのね、タカフミ、明日のホームラン賞、知ってる? リマウス社の最高級
モデルなんだって。あれ、あたし、ずっと欲しかったの。絶対獲ってきてよね」
 もちろん、それはただの自転車ではなかった。市販価格は百四十三万円。乗
り心地が素晴らしいのは当然のことだが、非常に美しいフォルムを持っている。
まるで神が新しく創造した生き物のような自転車なのだ。
 僕はアキコに無理だよと言った。
「ホームランなんて狙って打てるもんじゃない。それに、オレはホームランバ
ッターじゃないんだぜ、知ってると思うけど」
「なに言ってんの! 気合いよ、気合い! 本当に打つ気があれば打てるっ!」
「けど――」
「言い訳しないっ! あたしのために死ぬ気で打ってこいっ!」
 彼女は言いだすと聞かない。
 絶対に無理だと諭しても聞かない。
 諦めることを知らないのだ。
 いつでも、どこでも、誰が相手でも、彼女は怯まず挑んでいく。ダメだった
ときのことなんて考えず、リスクなんて気にせず、ひたすら突っこんでいく。
時にはそれで大きな怪我を負うこともあるけれど、彼女はそんな時でさえも、
まだ悔しがっていたりするのだ。
 物事に、いつも適当に見切りをつけてしまう僕とは、まったく対照的だった。
 僕は諦める。
 面倒だからといっては諦め、リスクが大きすぎるといっては諦め、成果が期
待できないといっては諦め……気がつくと、なんにもできず、そんな自分自身
の“聡さ”にがんじがらめになっていたりするのだ。自分で自分の息の根をと
めていることさえ気づかぬまま。
 そんな僕を、アキコはよく笑う。
 バカだよねえ、タカフミは。
 臆病なのよ。
 ほら、飛びこんじゃえば、人ってわりと泳げるのよ?
「ふう――」
 大きく息を吐くと、僕はバットをかまえた。ミハラが振りかぶった。一球目。
外角低めのストレート。きわどいところだったが、判定はストライク。見送っ
たのではなく、手が出なかった。今日のミハラは切れている。今まで対戦した
中で一番出来がいい。
「どうだ、いいだろ、タカフミ」
 返球しながら、シマムラさんが囁くように言った。
「今日のミハラは打てねえぞ。自転車は諦めろ」
 シマムラさんはこうやって、僕に打てないという気持ちを抱かせようとして
いるのだ。
 刷りこもうとしている。
 とはいえ、今日ばかりはシマムラさんの言うとおりかもしれなかった。
 二球目はカーブ。判定はボール。三球目にフォークが来た。本気のじゃない。
カウントを稼ぐためのフォークだ。打ちごろの球だが、反応が一瞬だけ遅れた。
空振り。バットの下をボールがくぐり抜けていった。実のところ、これがミハ
ラの一番厄介なボールだった。速いフォークとまったく同じモーションで違う
ボールが来る。そのため、迷ってしまう。判断がつくころには、もう手遅れだ。
 カウントは2?1。
 追いこまれた。
 汗がにじみ出てくる。
 あと一球で終わりだ。
 速いフォークが来る。
 いや、それとも、また遅いフォークだろうか。
 ストレートの可能性もある。
 ここは球種を絞りこまなければならない。すべてを待っていては、すべてを
見逃してしまう。一か八かで賭けるしかない。だが、僕はそれが苦手だった。
切り替えがうまくできないのだ。僕はいわゆる、思いっきりのいいタイプでは
ない。野球選手としては、おそろしくおとなしいほうだ。
 よくコーチが僕に言う。
「おまえにカケラでも闘志ってもんがあればよ、おい、三割三十本いけるぜ。
マジでよ」
 確かに、そのとおりなのかもしれない。
 僕はきれいにボールを捕り、きれいにボールを打つ。無理は決してしない。
ダイビングすれば捕れるかもしれない飛球は、必ずワンバウンドで処理するこ
とにしている。捕れなかった時が怖いからだ。傷は浅いほうがいい。
 お坊ちゃん野球。多くのファンが、僕のことをそう呼んでいる。渋いプレー
だと誉めてくれる人もいるが野球選手は野球選手なのだ。クレーバーなプレー
よりも、たとえ滑稽でも激しいプレーをする選手のほうがファンには好かれ
る。わかってはいても、僕にはそんなふうに振る舞うことができなかった。子
供のころから、なんでもそつなくこなしてきたせいなのかもしれない。努力な
んてしなくても人より速く走れたし、人よりうまくボールを捕れたし、テスト
では人よりいい点数を取れた。苦労したことはもちろんあるけれど、それさえ
も、僕はそつなくこなしてきた。なにかに執着したことなんて、ほとんどない。
そういうタイプなのだ。
 けれど、彼女は、アキコは違う。
 彼女は愚かで、そしてパワフルだ。ある夜、僕は彼女と表参道に酒を飲みに
出かけた。落ち着いた店に入り、ゆっくりとおいしい酒を味わった。やがて、
一時間くらいすぎたころ、僕はトイレに立った。そして戻ってきたら――ちょ
うど彼女が臨席に座っていた男をゲンコツで思いっきり殴り飛ばしたところだ
った。どうやら、その男が僕の悪口を言ったらしいのだ。ヘナチョコ野球とか
なんとか。それでいきなり殴ったという。
「あたしね、ぶっ飛ばしてやったよ!」
 あとになって、彼女は誇らしげにそう言ったものだった。
「タカフミの悪口を言うヤツは、みんなぶっ飛ばしてやるんだ!」
 彼女ははっきりしている。
 彼女はウソをつかない。
 彼女は曲がったことが大嫌いだ。
 彼女は僕と全然違う。
 人は自分と似た人間に引かれるとよく言うけれど、それは間違いだ。僕がア
キコを好きなのは、彼女が僕に全然似ていないからだった。彼女の激しさ、彼
女の強さ、彼女の愚かさ……それらはすべて、僕にないものだ。
 僕は彼女に魅かれる。
 彼女が僕と違うから。
 彼女はなにか違う物を見せてくれるから。
 恋愛なんて、単純なものだ。
 まったく、ね。
 ミハラが腕を大きく振り上げた。自信満々の顔をしている。鏡がなくても、
僕は自分がミハラとまったく対照的な顔をしていることがわかった。すっかり
呑まれた顔だ。緊張しきった顔だ。特徴のある、足を高々と上げるフォーム。
その瞬間、僕はストレートが来ると感じた。インハイ。思いっきり投げこんで
くる。
 足がマウンドに着く。
 腕がしなるように出てくる。
 白いボールが飛びだす。
 僕はバットを振ろうとして、気づいた。
 違う。
 フォークだ。
 身体が動かなかった。硬直した僕の前を、ボールが通り過ぎていく。低めいっ
ぱいに決まった。終わりだ。またもや見逃しの三振……。
 だが、審判は首を横に振った。
 判定はボール。
「うへえ、今のがボールですか?」
 たまらないと言うように、シマムラさんが審判に顔を向けた。
「これじゃあ、ミハラ、なにを投げてもボールですよ?」
 シマムラさんはいいキャッチャーだ。微妙な判定をされても文句をつけず、
愛嬌のある顔で苦笑いをしてみせる。下手に抗議するよりも、その方がよほど
効果があることを知っているのだ。嫌われるより好かれるほうが得なのは当然
だった。
 とにかく、助かった。
 追いこまれていることに変わりはないが。
「タイム」
 審判にそう告げると、僕はボックスをはずした。
 グリップを握りなおし、大きく息を吐く。
 気づかないうちに、どうしようもなく緊張していた。昨日の、アキコとの約
束が頭をよぎる。ごめん。僕は心の中で謝った。プレッシャーには弱いほうな
んだ。知ってるだろ。三割がかかっていた、あの打席だって……。
 その時、突然、覚えのある声が耳に飛びこんできた。
「タカフミーっ! いけえっ! びびんなーっ! ぶちかませーっ!」
 それは、球場全体を覆う歓声と、応援団のトランペットと、味方や敵のヤジ
を吹き飛ばし、あたかも戦場における指揮官の声のように(銃声が響きわたる
戦場でも、なぜか指揮官の声は聞こえるものなのだそうだ。従軍経験のあるお
じいちゃんから聞いた話だが)、明確で強烈な意志によって僕の耳に届いたの
だった。
「振らなきゃ当たらないぞっ! とにかく振れ! 思いっきり振れえーっ!」
 慌てて顔を上げると、三塁側ベンチのすぐ上に、アキコが立っていた。まる
で動物園のサルみたいにフェンスにしがみつき、細い腕をブンブン振りまわし
ている。隣にいるオヤジが彼女の剣幕に顔を引きつらせていた。
「自転車はそこだーっ! ぶちかませーっ! ぶちかまさなきゃ殺すっ!」
 僕は唖然とした。
 なんてヤツだ。
 女の子が口にする言葉じゃない。
 彼女は小柄だし、やたらと細いし、実亜病弱だったりする。それなのに――
いや、だからこそなのかもしれないが――彼女にはまるで燃えつきる寸前の炎の
ような、はかないけれど強い光が宿っていた。
 それはまぶしい。
 ひどくまぶしい。
 ほっそりとした肩や腰、カモシカみたいな脚、肩までのサラサラした髪、ガ
ラス細工みたいに繊細な頬、伸びやかな鼻……そのすべてから発する光が、い
つでも僕を照らしていた。
 僕だけを照らしていた。
「いけ、タカフミーっ! ハゲをぶっ殺せっ! もっとハゲさせてやれーっ!」
 その声に、両軍のベンチから笑いが漏れた。
 マウンド上のミハラがムッとしている。
 ミハラはまだ二十三だが、少しばかり髪が薄いのだ。
 僕も思わず笑ってしまった。
 そのせいで、少しリラックスできた。
「あのバカ……」
 呟きつつ、ボックスに戻る。さっきよりミハラのモーションがよく見えた。
再開後の一球目は外角低めへと落ちるカーブ。少し低いと思った。判定はボー
ル。二球目は内角ぎりぎりのストレート。いい球だった。打ってもヒットには
ならないし、見逃せばストライク三振だ。僕はバットを出した。カットする。
打球は一塁側の観客席へ飛びこんだ。ファール。カウントは変わらず2?3。
ミハラの仕草が、さっきと違い、落ち着きをなくしていた。体を起こすつもり
で投げた内角球を、僕が楽々とカットしたからだ。
「かっとばせ、タカフミーっ! ハゲを殺せーっ!」
 彼女はまだ、叫んでいた。
 よし。
 僕は大きく息を吸いこんだ。
 じっとミハラを見つめる。
 さっきまでの恐れはもう、なくなっていた。
 今まで二回連続で三振していることも気にならない。
(ライトスタンド……思いっきりぶっ叩いてやる……)
 僕はグリップを絞るように握った。
 ミハラが投げた。
 球はド真ん中へ、吸いこまれるように飛んできた。
 すっぽ抜けたフォークだ。
 明らかな失投。
 僕の身体は反射的に動いていた。左足をステップし、スパイクで大地をぎゅっ
と捉える。壁を作りつつ、腰を回転。身体に巻きつけるようにして腕を振る。
力はいらない。回転が力を与えてくれる。

 キンッ――

 乾いた音が球場に響いた。
 ボールは空高く舞い上がり、ぐんぐん伸びていく。
「いやったああああ――っ! タカフミイイイイイ――っ!」
 彼女の叫び声が、五万観衆のどよめきを突き破り、僕の耳に飛びこんできた。
 しかし。
 僕は目を細めた。
(ダメだ)
 浅い。
 あれじゃ、届かない。
 手応えは十分だが、上がりすぎだった。
 最初は諦めていたライトが、慌ててフェンスに向かって走りだした。この球
場はフェンスが低い。その縁に手をかけてジャンプすれば、ホームランボール
でさえ捕れることがある。そして、ライトを守っているのは、球界随一の俊敏
さを誇るアベだった。
 アベはまるでコッカースパニエルみたいな俊敏さでグラウンドを走り抜けた。
 あっという間に、フェンスに取りつく。
 その身のこなしは敵ながら見事と言うほかなかった。
(くそっ、ダメだ、捕られる……)
 その時、彼女の叫び声が聞こえた。
「いけえええ――っ! 届けえええ――っ!」
 球はふらふらとしながら、ゆっくり距離を伸ばしていく。
 思ったより、伸びていた。
 風のせいか。
 いや、風はない。
 だとしたら、なぜ。
 彼女の叫びが、またもや聞こえてきた。
「届けえええ――っ! 越えろおおお――っ!」
 彼女はボールに力を送るように、拳を突き上げていた。
 アベがフェンスに飛びつく。
 その腕をいっぱいに伸ばす。
 投手が心配そうに後ろを見る。
 両方のベンチから選手たちが身を乗りだす。
 やがて――ボールは、まるで夕日がゆっくりゆっくり水平線の向こうに消え
るように、アベが突きだしたグラブの少し上を越え、緑色の壁の向こう、すな
わち観客席へと飛びこんだ。
 瞬間、球場が爆発した。
 観衆の声で爆発した。
「うひゃああああああ!」
 そしてなにより、アキコが爆発していた。
「いやあったあああああ!」

 今という時代は誰もがピリピリしている。いや、そんなフリをしている。人
より感性が強いと自負する人間は、誰もが自分は孤独で特殊だと思い、あるい
はそれを言いふらしたりさえしているが、当然のごとく、そんなものは幻想に
過ぎなかった。社会中がピリピリしているならば、そしてその中の個人がピリ
ピリしているならば、結局、それは大勢に飲まれているにすぎない。少しも特
別なことではない。その他大勢のひとりにすぎない。本当に特別な人間は、そ
ういう時こそ、雄々しく、まるで野獣のように振る舞うのだ。猫のような強さ
としなやかさで生きるのだ。崇高な存在とは、そのようなものだ。社会の安っ
ぽい影響など受けはしない。そして、彼女はまさしく、そんな人間だった。ま
あ、もしかすると……ただ単純に凶暴なだけなのかもしれないが……。

 歓声が球場の中を渦巻く。
 反響し、反響し、何倍にも膨らんでいく。
「いやあああああったあああ――っ! すげえぞー、タカフミイイイ――っ!」
 彼女の野蛮な声も混じっている。
 僕は彼女にガッツポーズをすると、一塁に向かって、ゆっくりと走りだした。


208.  変わらない日を演じ続ける男。   土門弘幸 2000/07/26


 赤提灯で、ちくわぶとがんも。
 ラジオからはプロ野球の中継。
 オレの夜は今日も変わらない。
 変える気だってまったくない。
「あー、小林はアカンね」
 ごましお頭のおやじが、唸る。
 オレは黙って、焼酎を舐める。
 試合が終了し、店主は舌打ち。
 つまらなげにラジオをいじる。
『……ですね。そう言えば、日下部さんって言えば、新刊が早くもベストセラーになったそ
うで
すね』
 柔らかな女の声が、流れ出す。
 オレは口だけでにやりと笑う。
『貫禄が出てきたよね、彼は。もう「日下部文学」と言ってもいいんじゃないかな』
 女に答えて、男の声が答える。
 聞き覚えのある、重々しい声。
『彼の最大の特徴は、「変わらない」ってことなんだな。毎回毎回、似たような筋書きで似
たよ
うな登場人物。だけどそれが、妙にはまる』
『私も何本か読んだんですけど、なんというか……こう、安心するんですよね。日下部さん
の作
品って』
『癒し系ってやつかな』
 男が、耳障りな笑い声を出す。
 女が、お追従の笑い声を返す。
『矢作さんの新刊も、今回はそういう路線なんでしょうか?』
『うん、そうだね。日下部の向こうを張って……と言うと誤解されそうだけどね』
『方法論みたいなものが、あるんでしょうか?』
『うーん……それがね。意外と難しいんだよ、ああいう、一定した連作っていうのは』
 つまらなそうな顔の、おやじ。
 だがチャンネルは、変えない。
『やっぱり小説家も人間だからね。その時々で心境も変わるし、時流の変化ってやつもあ
る』
 おやじは、わかっているのだ。
 オレが聞きたがっているのを。
『常に一定の作品を作り続けるってのは難しいよね。改めて、日下部浩二のすごさを思い知
らさ
れたよ』
『やっぱり、なにか秘訣があるのかも知れませんね』
『今度あったら、聞いてみることにするよ』
 お前には無理だよ、矢作さん。
 そんな乱れた喋り方してては。
 番組がコマーシャルに移った。
 オレは右手をつき立ち上がる。
「毎度。今日もチャリンコ?」
 うなずきながら勘定を済ます。
 ぴったり千二百円を、手渡す。
 今朝からの雨が、肩を濡らす。
 三歩半で、自転車に辿り着く。
「ほんとにあんたは、きっちり同じなんだねえ、毎日」
「それも、仕事のうちなんでね」
 左足から自転車に、またがる。
 右足から、ペダルを踏み出す。
「今日もどうもね、日下部さん」
 お。おやじも揃ったようだな。
 オレは口だけでにやりと笑う。
 オレは自転車で帰路についた。
 今日もまた、いつもどおりだ。

 赤提灯で、ちくわぶとがんも。
 ラジオからはプロ野球の中継。
 オレの夜は今日も変わらない。
 変える気だってまったくない。
 それが同じ作品を書くコツさ。
 誰にもマネなんか、できない。


209.  あー、やっぱり   土門弘幸 2000/07/26


 掲示板だと、上手く表示されなかったかなあ。
 というわけで三題噺、アップしました。一日遅れになっちゃいましたね。深夜生活を営ん
でい
ると、月日の感覚が曖昧で。
 読者掲示板の方で『王道』とか『御都合主義』とかって話題が出てたもんで、予定を変更
して
こんな変なものを書いてみました。なんつか、こう、川上さんの向こうを張ってみたり?

 さて、古橋さんの詫び状のリクエスト……って考えてみたら、あのう、オレも一回、ネッ
トに
繋がってない時に落としてるんですが。どうしましょうか?

 お題の候補は……そうですね「墜落」。いや、なんかコンコルドが落ちたってニュースが
今、
これ書いてる横で流れてるもんで。

210.  いつのまにか大暑だ   中里融司 2000/07/30


 うにゃ、暑いっすね。
 いつのまにか大暑じゃないですか。以前、暑中見舞いを出そうと思ってるうちに時期を失
して
残暑見舞いになってしまうことが多かったです。なんか日本語変だな。
 んで、ここのところ怪談三昧。大映DVDの妖怪三部作中「妖怪百物語」と「東海道お化
け道
中」を購入してきて、見ています。劇場で見たとき、鯉の血がトラウマになったし。
 江戸の文体のままの「老媼茶話」もグッド。注文して買った甲斐がありました。怪奇も
の、書
きたいなぁ。

   三題噺、まだみんなのをじっくり読んでないんです。いま某社さんの修羅場で。
 終わったら読もう、といっても、すぐ次が来るしまた終わっても次が来るし終わっても次
が。あう。
 とりあえず、次のお題。「大暴れ」。

 週一回、マッサージに行ってます。肩こりも腰痛も頭痛も治ってグッド。
 ああ、何を書いてるのかよくわからなひ。


211.  足切ったー   川上稔 2000/07/31


右足の親指をザクっというかグフっというかブラウブロってか、そこまでじゃー
ないですけど切ってみたり。

怖いのが、
「怪我したことに気づかなかった」
ってことで、台所の燃えないゴミの袋を蹴り飛ばしたとき、
「ん? 何か痛い気がしてもいいかもよ」
とか思って足下見たら血。
昔は赤かったのですが、今見ても赤かったです。成長してない上に日本語ヤレてる
自分がそこに。

で、初めはゴミ袋の空き缶でも踏んだのかと思ってましたが、探ってみたら、
「顔を洗うとき、風呂のセメントの角を足がかすった時に切ったらしい」
ことが判明。切れ味良すぎた、ってことでしょーか。
うーむ。
とりあえず歩くと傷口開くんで、今日は自宅療養ですー。
いやー、中学校以来の流血(笑。
昔のことを思い出しつつ応急処置して、
「患部は心臓より高く、高く、今、更なる高みまで」
とか言いながらバレリーナのように足をあげて徹夜でPC仕事をしてる自分は一体もって
何なんだろうと考え込んだりしちゃったり。思わず暑いのに窓のブラインド下ろして
外からその光景見えないようにしてました。
ともあれ今日は原稿の修正とかもきているから、自宅療養ってか自宅作業ですなー。

なお、足指を固めて気づくのが、
「自分が今までいかに足でドアを開けていたか」
ということだったり。
こういうときRPGみたいに回復の術があると便利ですなー。
いやはやではでは。


212.  侘び入れ他   古橋秀之 2000/08/02


どうもです古橋です。

■1■
例の詫び状ズラ。
オラこと古橋秀之は、7/25〆切の『第4回・三題噺』の執筆を断念し、「パス」をしたズ
ラ。

まず前後の状況を説明すると、オラは別件の原稿を7/22深夜に上げたあと、23?24は秋山瑞

氏に随行して大阪に行っていたズラ。
その詳細はオラのweb日記
(http://www.mediaworks.co.jp/~w_furuha/d_0007-2.htm#000723)
に記したズラが、簡単に言うと、自主的取材旅行という感じズラ。

が、これはあくまで間接的原因で、移動の車中やホテルの中など、三題噺を考える時間はい

らでもあったにもかかわらず、オラは出がけにお題をひかえていくことを忘れていたズラ。

た、その必要を強く感じていなかったことも確かズラ。さらには、帰宅ののち丸一日時間が

ったにもかかわらず、時間内にまとめきれず、このようなありさまになってしまったズラ。

れはひとえにオラの見積もりの甘さゆえの事態と考えているズラ。

三題噺の参加者のみなさん、読者のみなさんに深くおわびするとともに、今後このようなこ

がないよう気をつけるゥ?、気をつけるの反省ズラ。


■2■
前回ダラダラしていて不評だったので、ちゃっちゃっと次回のお題も出してしまいましょ
う。

****************************************
第5回お題は『耳たぶなめ』『墜落』『大暴れ』
〆切は8/25(金)
****************************************

今回のお題は先着順に決めてしまいました。あしからず。


■3■
土門さんの件に関しては、古い話だし、環境的に仕方なかったということで免除OKと思い

すが、いかがでしょ?


■4■
川上さん足の指お大事に。
こういうのって、大きな怪我より「聞いてて痛い」度は高いですな。


では、そんなところで――


213.  あ、タイトル   古橋秀之 2000/08/02


「侘び」じゃなくて「詫び」です。


214.  おや、奇遇ですね。   高畑京一郎。 2000/08/02



 実は僕も、大阪に行ってたんですよ。
 それも、24・25・26と。

 ひょっとしたら、どこかですれ違ってたかもしれませんね。


215.  ハッピーバースデー to オレ   土門弘幸 2000/08/08


 まあ別に、なにが目出度いつーワケでもありゃしませんが。
 思い起こすとこの一年間、とうとう一冊も本を出さなかったわけだし……
 あう。ダメだ。暗くなった。イカンなあ。
 はあ。
 仕事しよ。そうしよう。
 んでは。


216.  誕生日   古橋秀之 2000/08/09


土門さんお誕生日ですかー。
ご本人が「別にめでたくない」ゆーてるのに「おめでとう」ゆーのもアレですが、ひとつの

目ではありますね。
ちなみに私ももうすぐ29になりますよ。
ちぇっ。土門さん私より5歳も若いくせに?。ピチピチのくせに?。


217.  たんじょーび?   川上稔 2000/08/10


>土門さん
二十代半ばの誕生日って微妙ですなー……。
「四捨五入したら三十か否か」
の勝負際というか何というか。
……自分は四捨五入したら0歳ですが(どっちの桁だ)。
でもまあめでたくないけどおめでとうございます。
一年間飯食ってられたっつーのは当然のようでいてやることやってきた結果ですし、
一年、自分に餌やっていたってだけでも偉いような気が。
自分はたまに餌忘れるからなあ……。

>古橋さん
ちと遅いですが詫び状。
見てから、キャラの選出が”いきなりな”のもありましたが、
「ああ……、自分はパスしないようにしよう……」
と思いました……。民明書房口調とか言われたらどーしようかと……。

ってなとこで、これから出社ー。


218.  あっ   川上稔 2000/08/10


橋本さんのhpで日記が前面に。
しかも既に三日以上書かれてらっしゃったり。

こっちもそろそろ更新せんとなー……。


219.  でも寝た。   橋本紡 2000/08/10


今日はなんかせわしない日でした。
朝から荷物が届く届く届く。
電話がかかってくるかかってくるかかってくる。
昼過ぎまで寝る予定だったのにー。


>土門さん
 まあ、いいじゃないの、年取るのも悪くないよん。


>川上さん
 コンテンツの更新って、難しいですな。
 そんな次々出せないし。
 つーか、そんなことしてる暇あるなら、原稿書けって感じだし。
 どないしてます、川上さん? と急に関西弁。


220.  修羅場宣言。   高畑京一郎 2000/08/11



 いよいよと言いますか、ようやくと言いますか、僕のところにもやってきました。
 これからしばらく、書き込みが少なくなるかもしれませんが、ご容赦下さい。

 三題噺の方は、ちゃんとやるつもりですが……『耳たぶなめ』が、きついからなぁ……。
 でも、ペナルティを逃れるためにも、頑張ってみます。

 あ、それから、お誕生日、おめでとうございます。土門くん。
 20代なら、まだまだ誕生日は「おめでとう」ですぜ。


 
221.  こうしん   川上稔 2000/08/13


>橋本さん
>コンテンツの更新
この仕事って設定関係はドバドバ出てくるから、そっち方面の
コンテンツ拡充は楽かなー、とか思ってます。
要するに、
「素材」
は多いんじゃないかと。

新コンテンツ作成は、素材に気づけば勝ちだと思います。
(”これネタに出来る”って思ったら勝ちです)
キャラ紹介だって、文字だけではなくキャラ絵を別出しする方
法もありますし、キャラの自己紹介ってテもあるわけで、それ
ら三つを別々に上手くデザインできれば三種コンテンツ。
(バトルシップガールは時代背景とか物理理論とかの説明コン
テンツを詳細化すると完全なSFページになるんじゃないかと
思ってます。ネタの宝庫)
あとはそれをどう見せていくかで、そっちの方を考えるのが逆
に大変だったり。統一的なフォーマットが無いとサイトの統一
感が無くなりますし……。

旧来コンテンツの更新関係は、とりあえずはまとまった時間の
内にページや素材を作っておいて、(たとえばうちのサイトの
”カレンダー”は時間があれば何年分も一気に作れます)それ
を時期を見つつ、
「少しずつ出していく」
のがベストかなー、と。
そうすれば仕事が忙しい時期にも昔に溜めておいたもので更新
ができますし、焦らないのが一番でしょーか。
その意味でも、ページのフォーマットを作っておくことによっ
て更新がしやすくなると考えています。
自分のサイトではS.F.の設定資料のコンテンツは、設定画
の枠の部分まで完全フォーマットです。枠に設定画を入れて、
キャプション部分を書き換えるだけで新ページになる、と。
この場合、初期段階で各ページの雛形デザインを作るわけです
が、装飾など多くても、
「書き換える部分はシンプル」
「書き換えるパーツが少ない」
という風にすれば、更新作業時間は短縮できます。
餌日記は掲示板CGIを応用してるものですが、FTPを立ち
上げずに書き込みが出来るので、サイトが見れる環境ならどこ
からでも更新可能ですし、手間もかからないです。

自分的には、更新の邪魔になるのは何よりも、
「めんどうくささ」
なので、ある程度の見栄えと手順の単純化の折り合いをつけた
初期段階でのページデザインが大事だなー、と。
自分の所もまだまだ手間がかかりますし、どんどん煮詰めてい
こうかな、と。

うーむ……。
何か解ってるようなことをうだうだ言ってる気もします。やっ
てることに特殊なことはないですし……。
とりあえず自分的手法はこんなところでしょーか。何かヒント
になれば幸いです。

いやはやではでは。


222.  あ、完治   川上稔 2000/08/21


とりあえず足の指ズバーは今日で完治っす。
やっぱ歩くと違うなー、と、そんなことを思ったりしますが、買ったサンダルは
結構馴染んできたので、そのまま常用?。

どーでもいいけど夏の思い出が足流血だけかい自分……。


223.  虫歯ができた   中里融司 2000/08/22


 ども、ようやくイベント週間が終わって、なんかいきなり修羅場です。
 なんか歯に食べ物が引っかかって、欠けているような気がしていたのですが、定期検診の
お知らせが来たのを潮に行きつけの歯医者さんに行ったところ、
「立派な虫歯です」とのこと。
 中里の歯が弱いのは、そりゃもう保証付きで。そのせいか、歯医者さんに行くのは苦にな
らないのですが、ずっくんずっくん痛むと仕事に差し支えて。
 いえ、ちゃんと書いてますけど。

 突然思い立って、「忠臣蔵外伝 四谷怪談」のLDを購入して来ました。ここのところ、
妖怪づいている私。
 お盆の怪談映画って、また見てみたいのだが。残暑が続きます。皆さま、ご自愛ください
ませ。


224.  ああ、オレが終着駅だったんか   土門弘幸 2000/08/22


 また中里さんの後だし。
 あ、オレごときの誕生日を祝ってくださった皆様、ありがとうございます。
 がんばりますよええがんばりますともはい。
 しかし座談会で古橋さんが仰ってたことを、しみじみ思い返す昨今。


225.  ごめんね土門くん   中里融司 2000/08/22


 また私の後で、ごめんね土門くん。
 でも、実際、どないせーちゅー感じですよね。はいわかってます。
 でもなんだか私も頑張ったんだ。頑張ったんだよぉぉ。
 あ、遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。
 段々、一年が短くなってくるんですよねぇ。


226.  三題噺後半   中里融司 2000/08/24


先年の大火に次ぐ規模となるだろう火が小石川辺りから起こったのは、伊平次とお春の祝言
を一月後に控えた、冬のさなかのことだった。
 すぐさま駆け出した加賀火消し組と、町火消し八番組との、壮絶な火消し口争奪戦が巻き
起こった。迫る火焔をそっちのけで鳶口、大掛け矢が唸りをあげ、梯子を振り回しての立ち
回りが繰り広げられる。
 町火消し側の頭取を半身不随に追い込み、筋骨逞しい猛者たちを叩き伏せる大暴れの後
に、伊平次は火焔が三方から迫る表通りの商家に梯子をかけて、絶好の消し口を確保した。
「さぁーぁ、加賀火消しの真骨頂だ! てめぇら、怯むんじゃねぇぞ! 町火消しの連中
に、加賀ぶりを見せてやれぃ!」
 纏いを振り上げ、満身の汗を火に照り映えさせて叱咤する。手下たちが勇躍して火に立ち
向かう姿を、伊平次が満足げに見下ろしたときだった。
『よかったね。みんなに見えるよ。また男をあげたね』
 聞き覚えのある、か細い声が、伊平次の耳元に囁いた。
「なに……!? おめぇ、お初か!?」
 愕然として振り向いた伊平次の眼前で、炎を渦巻いた。
 火焔が躍る様が。女の顔になる。あの日のお初の顔で、火焔はにこりと笑い、炎の舌で囁
きかけた。
『もう、思い残すことはないよね。火が大好きなあんただもの。あたしが、この手で抱いて
あげるよ……おまえさん』
 囁きを耳にして、顔面蒼白となった伊平次が、纏を放り出して身を翻したとき、吹き伸び
た炎が、耳たぶをかすめた。
 その瞬間、熱さとともに、奇妙に冷たい、湿った感触が、耳たぶに走った。
 全身を、悪寒に貫かれた伊平次が立ち竦む。その瞬間、足下の板瓦が焼け崩れ、伊平次は
両手を差し上げて、燃え盛る火焔の中に墜落していった。
 ごうっ……と火の粉があがり、燃え崩れる建物の叫喚が轟いた。
 消化にあたっていた加賀火消しの数人は、その中に確かに、女の笑い声を聞いたという

 火が消えて後、見つかった伊平次の焼死体は、誰かに抱きすくめられたかのように捻れ、
何より奇妙なことに耳たぶだけは焼けもせず、肌色のまま残っていた。
 誰かが嘗めていたかのように、その耳たぶは濡れ濡れと、唾に似た液体に濡れていた。


227.  三題噺前半   中里融司 2000/08/24


 かぁん、かぁん、かぁん。
 夜の冷たい風をついて、夢の中から聞こえてくるような響きに、伊平次は眉を顰めて身を
起こす。
「ありゃあ、日本橋あたりだな。今日は帰れそうもねぇ。先に寝ていな」
 二人の温もりがこもった夜着をはね除け、締め込みを手に取る伊平次に、お咲は不満そう
に抱きついた。
「いや。一晩くらい、出なくったっていいじゃない。今夜くらい、一緒にいてちょうだいよ
ぉ」
 二人の体から、情熱の余韻をもって立ち上る湯気に、引き締まった伊平次の肌に彫られた
彫り物が、濡れ濡れと蠢いた。裸の背中にぴったり抱きついて、お咲は伊平次の耳たぶを、
白い歯でこりりと噛んだ。
 感極まると、お咲は耳たぶを嘗め、そして噛む。
 その甘い痛みを、伊平次は眉を顰めて押しのけた。
「寄せよ。お咲、俺ぁ、加賀組の小頭だぜ。女と寝ていたからって、火事場に出られねぇと
あっちゃ、臥煙の名がすたるんだ」
 名の知れた、薬種問屋の一人娘だ。店自体の跡取りは、兄の若旦那が継いでいる。しかし
お咲の父親は、娘にもしかるべき婿を取り、店の身代を大きくしようと目論んでいたようだ
ったが、肝心の娘が大名火消しの代表格、加賀組の小頭、伊平次に惚れてしまい、長屋に押
し掛けてきてしまったため、予定の大幅な変更を余儀なくされていた。
 相手は火消しとはいえ、加賀百万石の声がかりだ。町火消しとの対抗上、伊平次のような
腕利きは、何人いても足りないくらい。そこで加賀前田家の用人は、お咲の父親に因果を含
め、不本意ながらも公認の形となっていた。
 無論周囲の眼もあり、祝言をあげてはいない。それに伊平次は、女房気取りで世話を焼く
お咲の存在が、少々煩わしくなっていた。
「俺ぁ、火消しでお手当をいただいてるんだ。臥煙の小頭が女にかまけて遅れたとあっち
ゃ、手下どもへの示しがつかねぇんだよ!」
 怒鳴りつけ、火事場装束を羽織って外に出る。なおも引き留めようとするお咲を
「うるせぇ! てめぇ、男の稼業にくちばし挟むんじゃねぇ!」
 と蹴倒して、土間に倒れ込む姿に唾を吐きかけて、伊平次は長屋から駆け出した。
 後にした長屋から、弱々しい呼び声が聞こえたように思えたが、火事場こそ臥煙の男伊達
を示す機会に他ならない。その機会を逃す気など毛頭なく、伊平次は真っ先かけて火中に飛
び込み、町火消しと火焔の双方を相手に獅子奮迅の大暴れを繰り広げたあげく、加賀火消し
の勇名を改めて江戸府内に轟かせた。

 その日の大火は、しかし折からの強風に煽られて、江戸府内のおよそ半分を焼き尽くし、
町方ばかりか多くの旗本屋敷、諸大名の江戸屋敷をも焼き尽くした。
「お初が、死んだ……?」
 男を揚げて、意気揚々と帰った伊平次が見たものは、加賀屋敷に飛び火した猛火が焼き尽
くした長屋の残骸と、筵を被せられたお初の、焼け焦げた亡骸だった。
「ああ。火の廻りは遅かったからな。逃げられねぇはずがなかったが、なぜだかお初ちゃん
は、逃げ遅れたらしい。よっぽど深く、舟を漕いでいなすったんだろうなあ」
 痛ましそうに言った差配の老人、忠兵衛が、数珠を握った手を合わせる。炭のようになっ
たお咲の遺体は、伊平次が蹴倒した姿勢のままで、小さく縮こまり、固まっていた。
 ――寝惚けていたんじゃねぇ。俺の蹴りどころが悪くて、動けなかったんだ。
 しくじった。そんな思いの裏側で、伊平次は、確かに安堵を覚えていた。
「気の毒だがよ、厄介払いができたってもんだ。おめぇは所詮、臥煙の女房にゃなれねぇ女
よ。赤猫さまが、俺の身を案じて始末をつけてくだすったんだ。諦めて成仏しな」
 解放されたような思いを噛みしめて、伊平次はおざなりに手を合わせ、安堵を息をつきつ
つ背を向けた。 

その冬は、ことのほか火事が多かった。
 火事と喧嘩は江戸の花。数年を経ずして必ず起こる災害を、江戸の住民たちは自棄気味に
そう呼んだ。
 その火災に、命を的に立ち向かう町火消し、大名火消しもまた、江戸っ子たちの好みに合
う男伊達として、力士、町奉行所与力と並ぶ、江戸の三大色男の一つに数えられる。伊平次
も、先日の火事で名を売ったこともあり、肩で風切って歩いていた。
 年が明け、春、夏が過ぎて、また秋が巡ってきた。
 伊平次に、縁談が持ち上がった。頭の娘で、一五になるお春。幼い頃から火消し稼業を身
近に見て育ったこともあり、夫となる人の働きの、邪魔になる気遣いはない。
「どうだろう、伊平次。お初さんは気の毒だったが、祝言をあげたわけじゃねぇ。、おめぇ
も、身を固めてみちゃ」
 頭の言葉に、伊平次は神妙に頭を下げた。
「お初も、喜んでくれやしょう。頭、お願いいたしやす」
「よし、決まった。お春、来年の年が明けたら祝言だ。おめぇも知ってるだろうが、こいつ
は乱暴者だが、いい男だぜ」
 頭に声をかけられて、お春は初々しく頬を染め、足早に奥へと引っ込んでしまったものだ
った。


228.  三題噺   古橋秀之 2000/08/25


古橋です。29歳になりました。めでたくもありめでたくもなし。

****************************************
『博士とロボとマサル少年』(耳たぶなめ/墜落/大暴れ)

「マサル君、見たまえこのロボを!」
「おめでとうございます、博士! ついに完成したんですね!」
「うむ、そしてわしは、君のような心の正しい少年に、これを託したいのじゃ」
「光栄です、博士!」
「さっそくこの操縦器を持って、ロボに命令してみるのじゃ」
「飛べ、飛ぶんだロボ! ――あれ? 博士、ロボが動きません!」
「うむ! マサル君、このロボは君の正義の心に反応して動くのじゃよ」
「ええっ!? では僕はどうしたらいいのですか?」
「うむ、マサル君、ちょっとこっちへきたまえ」
「あっ、博士!? なぜ僕の耳をなめるのですか!? あっ、ああっ!?」
「どうかねマサル君!? 正義の心はっ!? 正義の心は高まってきたかねっ!?」
《ガオー! ゴゴゴゴゴ》
「あっ、博士、ロボが空を飛んでいき――やめてください! 僕の耳たぶに息を吹きかけな

ら、ときにはついばみ、ときには飴玉を転がすように舌先でねぶるのはやめてください!」 「そうれ、もっと、もっとじゃ!」
「ああっ! はっ、博士……っ!」
《ガン!》
「なぜわしの頭をなぐるのかねマサル君!?」
「いえ、その、なんとなく――あっ、博士、今ので操縦器がこわれてしまいました! どう

ましょう!?」
《ドガガシャン、ガオー!》
「ああっ、しかもそのせいでロボが街に墜落して、しかも大暴れしています!」
「うむ、こんなこともあろうかと予備の操縦器を作っておいてよかったわい!」
「さすがは博士ですね!」
「さっそくこの操縦器を持って、ロボに命令してみるのじゃ」
「止まれ! 止まるんだロボ! ――あれ? 博士、ロボが止まりません!」
「うむ! マサル君、このロボは君の正義の心に反応して止まるのじゃよ」
「ええっ!? では僕はどうしたらいいのですか?」
「うむ、マサル君、ちょっとこっちへきたまえ」
「あっ、博士!? なぜ僕の服を脱がすのですか!? あっ、ああっ!?」
「どうかねマサル君!? 正義の心はっ!? 正義の心は高まってきたかねっ!?」
《ガオー! ギギギギギ》
「あっ、博士、ロボの動きが止まって――やめてください! 僕の首筋に舌を這わせなが
ら、
ときには小さな円を描き、ときにはとんとんと叩きながら乳首をいじるのはやめてくださ
い!」
「そうれ、もっと、もっとじゃ!」
「ああっ! はっ、博士……っ!」
《ガン!》
「なぜわしの頭をなぐるのかねマサル君!?」
「いえ、その、なんとなく――あっ、博士、今ので操縦器がこわれてしまいました! どう

ましょう!?」
《ガガガガガ、ガオー!》
「ああっ、しかもそのせいでロボがまた暴れだしました!」
「うむ、こんなこともあろうかと予備の操縦器を作っておいてよかったわい!」
「さすがは博士ですね!」
(以下ずっと続く)
****************************************


229.  『三題噺(耳たぶなめ/墜落/大暴れ)   高畑京一郎 2000/08/25


『思い出のかけら』

 長野の山奥に、母の実家がある。
 子供の頃の僕は、毎年、夏休みになると、避暑を兼ねて、その村で過ごしていた。
 水の綺麗な渓流で沢蟹を採ってみたり、
 虫取り網を抱えて蝉や蝶を追い掛けてみたり、
 30年ばかり時代を溯ったような時間の過ごし方ができる場所だった。
 そこで過ごした日々は今でも懐かしいが、最も心に残っているのは、
 小学5年の夏休みの事である。

 ある夜の事、窓の外がさっと明るくなったかと思うと、家全体が揺れた。
 その時は、なにが起きたのか分からなかったが、
 翌朝、村のあちこちで大人たちが、その出来事について話しているのを耳にした。
 空の彼方から、光の尾を引く物体がやってきて、山奥に落ちたのだという。家が揺れたの
は、その時の衝撃によるものだったようだ。
 隕石でも落下したのか、あるいはUFOでも墜落したのかと、大人たちの意見は様々だっ
た。
 娯楽の少ない村の事、大人たちはこぞって、落下地点と目される場所へ探索に出掛けて行
ったが、その出来事に心ひかれたのは子供たちも同じだった。
 村にも僕と同年代の子供たちが何人かおり、彼らは大人たちとは別に、自分たちだけで探
索の旅に出掛けるつもりだと言っていた。毎年やってくる僕を、彼らは見知ってくれてい
て、僕が一緒に行きたいと申し出ると、快く許可してくれた。
 ガキ大将格の真吾という少年が、
「じゃあ、弁当を用意して来いよ」
 と言うので、僕は急いで家に戻り、祖母に頼んで、握り飯を作って貰った。
 普段、山での遊びに親しんでいる彼らも、正体不明の物体の正体を探るというクエストを
前に、かなり興奮している様子だった。
 ああでもないこうでもないと、子供っぽい議論を戦わせながら、僕たちは山奥へと隊列を
組んで進んで行った。もっとも、どこへ向かって進めばいいのか、確たる当てはない。光る
物体が落ちたのは、確かあっちの方だった、という程度の情報を元にした行軍である。
 最初のうちは、まだ道らしきものがあったのだが、山奥へ進むにつれ、草木を掻き分けな
ければならなくなっていった。時々、得体の知れない動物の鳴き声なども聞こえてきて、さ
すがに僕も不安になってきた。
 すると、少年の一人が、
「おい、お前、熊に襲われた事あるか?」
 声を潜めるようにして、そう話しかけてきた。
「え……この辺って、熊が出るの?」
「出る出る。この前なんか、村まで降りて来て、大暴れ。ライフル持ったハンターと格闘に
なって、五人ばかり死んだっけ」
「本当? じゃあ、こんな所まで来ちゃったら、危ないんじゃないの?」
「じゃあ、熊に出会わないおまじないって奴を教えてやるよ」
「どうするの?」
「自分の耳たぶなめて、唾を付けるといいんだ。熊って奴は、人間の唾の臭いが嫌いだから
な」
「へぇ……そうなんだ」
 僕が感心していると、先頭を歩いていた真吾が振り返って、その少年の頭をはたいた。
「おい、こいつが山に詳しくないからって、でたらめ教えるんじゃねえよ」
「え? 今の、でたらめだったの?」
「当たり前だ。大体、どうやりゃ自分で自分の耳をなめれるってんだよ?」
 真吾は苦笑しながら答えた。言われてみればその通りである。というより、そんな事にも
気付かないくらい、その時の僕は緊張していたようだ。

 更に数時間、山の中を歩き続けた僕たちは、ついに昨夜の光が落ちた場所へと辿り着い
た。
 なぜ、その場所と分かったかと言えば、第一に、多くの木々が薙ぎ倒された中心に、直径
5メートルほどのクレーターができていたからであり、第二に、作業衣を着た大人たちが、
その周囲にロープを張り巡らせ、写真を撮ったり、クレーターの中央部付近の地面を調べて
いたりしたからである。
「あ?あ、遅かったか」
 少年の一人が思わず漏らしたその言葉が、僕たち全員の想いを端的に示していた。
 僕たちはしばらく、その調査現場を見学させて貰った。大人たちは意外に気さくで、ロー
プの中に入ったり、観測機材に勝手に触ったりしなければ、そばで見ていてもいいと言って
くれたので、僕を含めた少年たちは、それなりに好奇心を満たす事ができた。
 真吾も、見慣れぬ装置や、それをてきぱきと操作する大人たちの様子に、強く興味をひか
れていた様子だったが、日が傾き始めた事に気付くと、
「おい、そろそろ引き上げるぞ。暗くなる前に戻らないと、親たちが心配するからな」
 さすがにガキ大将らしく、なかなか立ち去りたがらない少年たちに号令を掛け、僕らは帰
途についたのである。

 こうして僕らのクエストは、半分成功半分失敗に終わった。
 ……けれど。
 その夏の終わり、僕が村を離れる日になって、真吾が僕を訊ねてやってきたのである。
「ほら、これ、やるよ」
 真吾が無造作に僕に手渡したのは、爪の先程の大きさの黒い石だった。そしてその黒い石
の表面には、ダイヤモンドのようにきらきらした粒が、沢山付着していたのである。
「この間、あそこで、見付けたんだ。多分、隕石の破片だと思うんだけど」
「……これ、僕にくれるの?」
「ああ。二つしか見付からなかったからな。ほかの奴にやったら、喧嘩になるだろ?」
 そう言って、真吾は、にっと笑ったのである。

 ……その石は、今でも僕の机の上に飾ってある。
 本当に隕石のかけらなのかどうかは分からない。あるいは、真吾がそう思い込んでいただ
けで、最初からあそこに転がっていた、ただの石なのかもしれない。
 けれど、そんな事はどうでもいい。
 僕は、この石を手放そうとは思わない。
 たとえ隕石のかけらでなかったとしても、この石の価値は変わらないのだから。


230.  追記   高畑京一郎 2000/08/25



 ……というわけで、三題噺をアップしました。
 季節に合わせて、夏休みをテーマにしてみましたが、
 ちょっと、長くなりすぎたかな……?


 それと、中里さんと土門くんへ。

 ご苦労を掛けてしまって、申し訳ありません。
 でも、僕も頑張ったんだ。頑張ったんだよぉぉ。


 
231.  三題噺(耳たぶなめ:大暴れ:墜落)   川上稔 2000/08/25


ずーっとまた三題をドリーム入って”耳たぶなめ・大爆発・撃墜”で作ってました……。
あぶないあぶない、とりあえず作り直してみましたけど、長くなったなあ……。
????????????????????????????????
修学旅行先での見学中。列の一番後ろにいた渡部君、ちょっと不良なナイスガイが
地元の不良グループに”視線合わせの罪”でとっつかまりました。
いきなり暴行です。

渡部:「せ、先生に助けを?!」
矢野:「ま、任せろ渡部! 今助けを呼んでくる!」
 矢野君、走ります。自分のクラスの列が見えましたが、今、境内で二列になっ
て和尚の説法聞いてます。
 大きな声で叫ぶのは罰当たりです。修学旅行パニッシャーとなりたくない矢野
君はしょーがなく列の一番後ろに並んで、前の安川君に伝言を頼みました。
 さあスタート。
 ●『渡部ライフ:8300/8500』
矢野:「安川、渡部が地元の不良にとっつかまって死にそうになってるって、
   先生まで回してくれ」
安川:「おう、大変だな。おーい、八木、渡部のバカが地元の不良にバチられて
   逝きそうになってっから逆襲しに行っていいかどうかセンセに聞けや」
八木:「え?? あんまり暴れるのってよくないと思うよー、ボク。安川君って
   民明系だしさあ」
 ●『渡部ライフ:7980/8500(三回ヒット・二回クリティカル)』
安川:「うるせえ早くしろ、でないと渡部が逝っちまうだろうが」
八木:「しょうがないなあ。本木さーん、渡部のバカがバチられて逝きそうにな
   ってから逆襲に行っていいかどうか先生に聞いてみて」
本木:「またアンタ達は怪しいことを……」
 ●『渡部ライフ:7777/8500(ナイフ)』
本木:「悲鳴が聞こえるわねー。ええと、三っちゃん、渡部がまたバカやって悲
   鳴あげて逝きかかてるから、一発暴れに行っていかどうかセンセに聞いて」
三井:「はーい。……ねえ松本君、渡部君がバカだから悲鳴あげて逝きそうにな
   ってるから一緒に大暴れしていいか先生に聞いて、だって」
松本:「また渡部かー。不良っぽいこと好きだなあ」
 ●『渡部ライフ:6921/8500(カステラリンチ)』
本木:「うわ、また悲鳴」
安川:「渡部の野郎、ナメられてねえで逆襲しろよ。男見せられねえのか」
松本:「まあ渡部じゃムリだろ。おう、保谷、渡部がバカだから地元の不良にナ
   メられたあげくにあの悲鳴だ。安川が暴れに行っていかどうか先生に聞け」
保谷:「了解?。藤原さん、渡部君がバカにナメられて悲鳴あげて逝きそうにな
   ってるから、安川君が一緒に暴れていいか、って先生に聞いて」
藤原:「保谷君日本語間違ってる……」
保谷:「そう?」
 ●『渡部ライフ:6303/8500(鼻鉛筆)』
藤原:「一応通訳しとくわ。ねえ平井ちゃん、渡部君がバカみたいにナメられて
   悲鳴あげてイキそうになってて、安川君が暴れ出しそうだって、先生にそ
   う言って」
平井:「渡部が? 何ナメられてんの? どのあたり?」
藤原:「悲鳴がでるようなとこじゃないの?」
 ●『渡部ライフ:3303/8500(七年殺し・直腸直撃)』
平井:「ふうん。……ねえ、原っち、渡部が変なとこナメられまくってよがりま
   くってあふんあふんイキそうになってて、それ見た安川がたまらなくなっ
   ちゃって煩悩大爆発したいんだって、そう先生に伝えて」
原 :「はーい。えっとえっと橋本さん、渡部君が絶妙なとこをナメられてうっ
   ふんあっはんイキそうになってて、安川君も一緒に陥落寸前の理性大爆発
   でカツオ大暴れ必至だって、危険だから早く駆除するように先生に言って」
 ●『渡部ライフ:2907/8500(ぱんち)』
橋本:「うい。おう、野平、渡部が耳たぶでもなめられてこりゃまいったな、っ
   ていう破廉恥状態突入で、一緒にいる安川も理性圧壊深度に達したそうだ。
   先生にどーにかしろって言ってくれや」
野平:「了解した。……中山君、少々いいかね?」
中山:「うむ、許可しよう、同士」
野平:「ありがとう。では手短に伝えよう。渡部君が女に耳たぶなめられるとい
   う破廉恥行為をいたしていると同時に安川君の理性が崩壊。二人の名誉は
   失墜したので対処を求むと、先生にそう伝えてくれたまえ」
中山:「野平君、キミの明瞭な物言い、いつも感服する。では手島君、前に伝言
   してくれないかね? 渡部君が耳たぶをなめる女に辱められ、安川君も同
   様になりつつある。このままでは二人の陥落は必至だ……、と」
 ●『渡部ライフ:2507/8500(頭突き・頭突き・バックドロップ)』
手島:「めんどうだなあ、……筒井、渡部がオマエみたいな変な女につかまって
  耳たぶなめられまくってて安川ともども墜落必至だとさ」
筒井:「何それアンタ、喧嘩売ってんの? 死にたい? 何? 変な女って、あ?」
 ●『渡部ライフ:2005/8500(電気アンマ)』
竹内:「はいはい御両人とも夫婦喧嘩はやめといてねー。それより何? 今の話、
  前に回して良いの?」
中山:「そのようにしていただけると幸いであります」
竹内:「あー、はいはい、須藤君、渡部君が変な耳たぶなめ女につかまって安川
   君と一緒に……、墜落? コンコルド?」
手島:「あ、悪い、ピザ屋じゃねえんだ、えーと」
筒井:「陥落。……やらしいこと言わせないでよね、アンタ」
竹内:「はいはい夫婦喧嘩は向こうでね。で、須藤君、えーと、例の二人が陥落
   してイキそーだって。センセに伝えて」
須藤:「はいさ。……なあなあ篠原、あのさ、渡部がさ、そのー……」
竹内:「耳たぶなめ女」
 ●『渡部ライフ:4081/8500(秘技気孔タメ(回復技))』
須藤:「そうそう、渡部が妖怪耳たぶなめ女につかまって安川ともどもイキそう
   になってるからさ、その、えーと、どーにかしろって先生に言って」
篠原:「解った解った唾飛ばすな。……あー、佐々木さん」
佐々木:「はい? なんですの?」
篠原:「あ、えっと、何だか言いにくいことなんですけど、……俺のこと、変態
   とか思わないで下さいね、これから言うことで」
佐々木:「ええ、大丈夫ですわ。……何か重大時でも?」
篠原:「ええ、最後尾の渡部なんですけどね、あのバカ、妖怪耳たぶなめ女とか
   いう変なのに捕まったらしくって、その、安川も……」
佐々木:「安川君と二人で、その、妖怪耳たぶなめ女の支配下に?」
篠原:「ええ、ちょっと言いにくいんですけど、イキまくってるみたいで。……
   有害だから先生にそれを……」
 ●『渡部ライフ:3021/8500(かうんたー)』
佐々木:「解りました。一大事ですわね。……ええと、佐藤さん」
佐藤:「ええ、聞いてました。既に渡部君と安川君は手遅れだと思います。ここ
   は被害を最小限に抑えるべきでしょう」
佐々木:「哀しい話ですわね……」
佐藤:「それがこれからの世には必要よ。……木村君、私の言うことを聞いて、
   渡部君と安川君が耳たぶ嘗めあって怪しい世界にイってるらしいの。私が
   思うに汚物は消毒だ、って結論なんだけど、その点、先生に聞いてみて」
木村:「ういーす。なあ神崎、先生にさあ、渡部と安川が実践系ホモホモで路上
   耳たぶナメで有害だから汚物認定すなわち消毒していいかどうか聞いてみ」
神崎:「別に性別越えない愛があっても良いと思うけどなあ。あ、僕はそっちじ
   ゃないけどね。……でもあの二人だと映像的に濃いねえ」
 ●『渡部ライフ:2538/8500(全裸ロメロクラッチ(屈辱技))』
神崎:「河合ちゃん、渡部と安川が映像的に有害指定なくらいいやらしい行為に
   励んでいるらしいんだ。だから二人をブっちめていいか先生に聞いて」
河合:「おうい、乙部、渡部と安川がいやらしくて凄いからブッちめていいか、
   そのあたり、先生に聞けや」
乙部:「ぶ、ぶぶ、ぶっち?」
河合:「ブッちめる」
乙部:「わ、解った。ね、ねえ大塚さん、わわ渡部君と安川君が、そ、その、凄
   くその、い、いい! っていうか、ぶ、ぶっち、ぶっち」
大塚:「ブッチャー?」
乙部:「そ、そそうそれそれ、だからせせ先生にいいかどうか聞いて、ね? ね?」
大塚:「ねえ井上君。渡部君と安川がブッチャーごっこしていいかどうか先生に
   判断あおぎたいって」
井上:「ブッチャーごっこ? 相方はやっぱ馬場? だよな?」
大塚:「そうなの? 私プロレスわかんない」
井上:「いかんなあ日本の国技だぞ。故馬場の十六文は”衝突不可避”という宇
   宙の真理すらまとった必殺技だったんだ。あの流れと観客の一体たる期待
   と歓声の大爆発は雄壮で美しかったなあ……」
 ●『渡部ライフ:1942/8500(32文ロケット砲)』
大塚:「ま、まあそういうことだから、先生に宜しくね」
井上:「へいへい。……おう、阿形君、先生に言ってくれ。渡部と安川が全日ご
   っこをしたいって言うから、俺、レフェリーやりに行くわ」
阿形:「子供だなあ。……ねえ先生、ちょっと良いですか?」
先生:「ん? 何だ? 今先生は和尚さんから宇宙より届く御釈迦様の通信電波
   について説法を受けている最中だ。そろそろピピピと来るぞお」
阿形:「あー、役たたねえやこのオヤジ」
 ●『渡部ライフ:1622/8500(力道山チョップ)』
阿形:「おい、井上、後ろの連中に言ってやれ、先生はピピピで頭が気持ちよく
   イってるからちょっと手が放せないって」
井上:「へいへい、了解?」

そんなこんなで渡部ライフが赤ゲージに突入した頃、渡部君のもとに矢野君が戻
ってきました。
渡部:「や、矢野! ど、どうだった皆は、ぐはあ?!」
矢野:「お、おう、では判決を申し渡す!」
渡部:「は?」
矢野:「電波に頼らず手を使え! そのあとは消毒! 以上!」
 一瞬置いて、
渡部:「……以上じゃねーだろっ!? なんだそりゃあ!?」
矢野:「じゃ、じゃあ、耳たぶなめ女対策は眉毛にマーガリン塗って”理性大爆
   発、リビドー上昇権威墜落!”って叫ぶといいぞ! 以上!」
渡部:「こらっ! いいぞ、って何だぁ!?」
矢野:「じゃ、じゃあ、来週のアワビさんは、
    ・ハマチ大暴れ
    ・スジコの焼き土下座
    ・隣のジョリーの餌は半分こ
    でどうだろう渡部君我慢したまえ、ではどうだ!? 以上!」
渡部:「だからそーやって勝手に”以上”って切るなあっ!!」
矢野:「あー、やっぱそう思う? じゃ、異常」
 ●『渡部ライフ:0088/8500(みみたぶなめ)』
渡部:「いやああああああああああああああ?っ! 異常で以上なの?ん!」
矢野:「な、なあ、やっぱ助けが必要か? 根本的に何か見直さない?」
 ●『渡部ライフ:0033/8500(大開脚)』
渡部:「誰か回復役を連れてきてええええええっ! 大事なもの失っちゃう?!」
 その叫びを聞いてまた矢野君走り出します。
 第二ラウンド開始。
 めでたくなしめでたくなし。お後が宜しくないようで。
??????????????????????????????
ああ、どんどん色々捨ててる気がするぞ自分。
さわやかだなあ……。ピーチ味。そんな気分。


232.  ああ、間違えてる   中里融司 2000/08/25


 どーも、修羅場中に次のを並行して書かなきゃならなくなって、大爆発気味でございま
す。
 あああ、三題噺。後半になって、ヒロインの名前が変わってるぅ。暑さで頭が溶けたか。
 というわけで訂正。お初じゃなくて、お咲ちゃんでございます。
 
 高畑くん、頑張ったんですよね、うんうん。
 だってああなっていたら、ああするしかないじゃないですかぁ。ごろごろごろごろ。

 古橋くん、お誕生日おめでとうございます。


233.  ふう、こんなもんかな、三題噺。   橋本紡 2000/08/25


 モケモケ5対ゴウゴウ団 ぶるーの恋

「あの……」
 都築亜美は呆然と呟いた。
 背中の中程まである見事な黒髪、きれいな弧を描く二重まぶた、鼻筋は通っ
ており、唇はふっくらとして可愛らしい。まず、美少女といっていいだろう。
自治会の副会長を務めているだけあって、少しばかり生真面目そうな雰囲気が
漂っている。
 今、彼女が立っているのは、私立白洋大学の正門前だった。ちょうどお昼時
なので、たくさんの学生が出たり入ったりしている。いつもどおりの、のどか
な学園の風景だ。
 ただ――。
 そういった学園の風景には似つかわしくない過激なパネルが、亜美の背後に
どどんとそそり立っていた。パネルはベニヤ板を何枚か組み合わせた巨大なも
ので、そこに墨字でさまざまな言葉が書かれている。
『ゴウゴウ団、許すまじ!』
『学園の秩序は我らが手で守ろう!』
『卑劣なるテロリストどもに制裁を!』
『学園の正義は自治会にあり!』
 言葉遣いといい、文字の書体といい、あたかも七十年代左翼闘争を思わせる
パネルである。そして亜美の手には巨大な幟が握られていた。その幟には『ゴ
ウゴウ団粉砕!』と勇ましく書かれている。おまけに、彼女の頭には『闘争貫
徹!』と書かれた白いハチマキまで巻かれていた。
「あの……会長……」
「なんだね、都築くん」
 と、背後から声がした。
 声の主は自治会会長の新堂有理である。
 パネルの裏に身を潜めているので、やたらと声が小さい。
「なにか異常でもあったのかね?」
「いえ、異常はなにも――」
 そこまで答えて、亜美は気付いた。
(異常なのは……あたしだわ……)
 恥ずかしさに逃げ出したくなったが、それを抑え、続ける。
「会長、どうして、あたしがこんな格好を?」
「ふふ、都築くん、作戦の基本とは待ち伏せだよ」
「待ち伏せ?」
「うむ、適当な標的を置くことによって敵を引きつけ、そこを一気に叩くのだ。
こうしてゴウゴウ団を挑発していれば、きっとやつらが現れるに違いない」
「じゃあ、あたしは囮ですか、つまり」
「うむ、そのとおりだ」
 あっさりと肯定する新堂。
「その表現が気に障るなら、ライオンの群に投げ出された羊とでも言おうか?」
「どっちでもいっしょです! それより、なんであたしが囮なんですか! ゴ
ウゴウ団は標的の服を奪い取って裸にしちゃうんですよ! あたしにそんな目
にあえと!?」
「ふふふ、そこは手を打ってある。我々には――モケモケ5がいることを忘れ
たのかね?」
「ああ、あの変態の集団……」
 亜美はうんざりとした顔で呟いた。
 あんな連中に自分を救うことなどできるはずがない。
 きっぱりと亜美は告げた。
「会長、あたし、失礼します」
「なにを言っているのだね、都築くん、まだこれからではないか。たとえ、そ
う……もし万が一、モケモケ5が君を守れなくて素っ裸にされてしまったとし
ても、その犠牲は貴いものとして、わたしの記憶の中にバッチリと――」
「あたしの裸をバッチリと記憶するんですか?」
「うっ……」
 思いっきり冷たい声で尋ねられ、新堂は言葉に詰まった。
「いや、その、そういう意味では……」
「とにかく――あたし、やっぱり失礼します! だいたい、なんであたしがこ
んなことしなきゃいけないんですか!」
 幟を放り出し、ハチマキに手をやる。
 だが、今までとは違う真剣な調子で、新堂が言った。
「いや、もう遅かったようだよ、都築くん」
「え……」
 見れば、いつのまにか周囲を取り囲まれていた。
 ざっと二十人ほど。
 全員が黒い全身スーツを身につけている。
(こ、これは――!)
 驚愕に顔を歪める亜美の前に、ひとりの女が現れた。
「ふふふ、我がゴウゴウ団に挑むとはいい度胸ね、自治会副会長!」


「あ、あなたは……」
 おののきながら、亜美はその女を見つめた。
 なんというか、非常に特徴的な女性だった。その全身はボディコンシャスな
皮のスーツで覆われているのだが、スーツのあちこちに――肩とか、おへその
あたりとか――穴が開いていて、妙にHっぽい。
 顔には蝶々の形をした赤いマスクをつけていた。
「わたしはパピヨン、ゴウゴウ団戦闘隊長よ」
「パ、パピヨン……?」
「学生の身でありながら高慢不遜な学園当局に与するとは……権力の蜜に捉え
られた裏切り者っ! その罪を思い知るがいいわっ!」
 パピヨンと名乗った女は、その手の鞭を振った。
 と、同時に、ひとりの男が現れる。
 いや――。
 それはただの男ではなかった。
 怪人だった。
 その顔は顔ではなく、真っ赤な口紅に彩られた巨大唇が首の上に乗っている
のだ。
 おまけに、素っ裸である。
「きゃあ!」
 亜美の口から悲鳴が漏れた。
 それを見て、パピヨンがホホホホホと笑い声を上げる。
「いけ、怪人クチビル男! 副会長を裸にむいておしまい!」
「ふおうっ!」
 叫ぶと、怪人クチビル男は両手を振り上げ、亜美に襲いかかった。
 その時――。
 突然、声がした。
「待て! 横暴はゆるさん!」
「なに!? 誰だ!?」
 叫ぶパピヨン。
 慌てて辺りを見まわしてみれば、パネルの前に自治会会長である新堂有理が
立っていた。
 不敵な笑みを浮かべつつ、新堂は静かに告げる。
「パピヨンとやら、わたしの術中にはまったことにまだ気付いていないのかね?」
「な、なんだと――」
「今日がおまえたちの最後だ。いでよ、モケモケ5!」
 そして現れたのは、例の面々だった
 先頭に立っているのは女装姿の体育教師鍋島(モケモケレッド)、右斜め後
ろに子供の人形を抱えた男(モケモケブルー)、そのさらに右斜め後ろにはフ
リルどっさりの服を全身にまとい、なんだかキョロキョロ辺りを見まわしてい
る挙動不審の女(モケモケピンク)。左に目を移せば、前はなぜかタマネギを
囓っているデブ(モケモケイエロー)、でもって後ろの男は血塗れのナイフを
持っている(モケモケグリーン)。
 向かいあう怪人クチビル男と変態モケモケ5――。
 微妙な緊張が彼らのあいだに漂った。隙をうかがっているのか、それとも他
の理由があるのか、互いにピクリとも動かないまま、ただ時間だけが流れる。
一秒、二秒、三秒……五秒……十秒……緊張感は加速度的に増していった。
 いつのまにか、クチビル男もモケモケ5も汗だくになっている。
 と――。
 突然、クチビル男がばったりと倒れた。
「ど、どうしたの、クチビル男!」
 慌てて叫ぶパピヨン。
 クチビル男は力なく呟いた。
「ふぉっ……ふおっ……」
「な、なんですって!? クチビルが乾いてダメですって!?」
 なにしろ巨大な唇である。
 日差しも風もまともに受けてしまう。
 乾きやすいのは当然だ。
 新堂が誇らしげに言った。
「ふふふふ、我がモケモケ5の力を思い知ったかね、パピヨン。こうなった以
上、潔くその正体を明かしてもらおうか」
「くっ!」
 なにがモケモケ5の力なのかさっぱりわからないが、それでもパピヨンは悔
しそうに顔を歪めた。
「なかなかやるな、モケモケ5!」
「負けを認めろ、パピヨン」
「これしきのことで、我がゴウゴウ団は負けん!」
「ほう? どういうことかね?」
「簡単なこと、我がゴウゴウ団の怪人はクチビル男だけではない! いでよ―
―怪人ミミ男!」
 パピヨンの叫びと同時に、どこからかひとりの男が現れた。クチビル男同様、
全身素っ裸。そして、その顔はもちろん――耳、である。巨大なひとつの耳
が――向きからいって、右耳だろう――首の上にのっているのだ。
「ちょっと待ってくださいっ!」
 突然、亜美が困ったように叫んだ。
「ゴウゴウ団の怪人はこんなのばかりなのっ!」
「ふふふふ、我がゴウゴウ団を舐めてもらっては困るわね。他にもいろいろい
るわ、もちろん」
「他にもって……まさか怪人ハナ男とか、マユゲ女とかじゃないでしょうね!?」
「…………」
 黙り込むパピヨン。
 額の辺りを、汗がツーッと滑り落ちる。
 どうやら図星のようである。
 亜美は頭を抱えた。
「なんで顔シリーズなの!? 必然性は!? 顔シリーズのあとはどうなってるの!?」
「必然性はその……好みっていうか……なんとなくっていうか……ええい、ど
うしてそんな質問にあたしが答えなくちゃいけないわけ!? あんたとあたしは
敵なのよ! やっておしまい、ミミ男っ!」
「ふんもーんっ!」
 パピヨンの命令に従い、勇ましい声を上げるミミ男。
 一直線に亜美に迫る。
 だが、その前に突然、モケモケブルーが立ちはだかった。なにをするかと思
えば、いきなりべったりとミミ男の身体にしがみつき、その耳たぶをぺろぺろ
と舐め始める。
 予想外の事態に、パピヨンがその顔を引きつらせた。
「な、なに!? どういうつもり!?」
 と、新堂が腕組みをしながら、興味深そうに呟いた。
「ふむ……どうやら我がブルーは恋に落ちたらしい」
「は? 恋?」
「彼は変態なのだ。なにしろモケモケ5だからな。どう変態かというと、耳た
ぶに対し、フェティッシュな性愛を感じるのだよ。たぷたぷとした、大きい、
ふくよかな耳たぶが好みだそうだ。怪人ミミ男のそれなど、理想的というわけ
だ」
「…………」
「…………」
 呆然とする、パピヨンと亜美。
 新堂は――なぜか、嬉しそうに――言った。
「恋とは落ちるもの。墜落、とダンゲルは言ったがね。とにかく、とめられる
ものではあるまい。まあ、ここはひとつ、彼らの恋の成り行きを見守ろうでは
ないか」
 それを恋の成り行きと見るかどうかは大いに疑問だったが、とにかく状況は
進行していた。
 ミミ男が泣きそうな声を上げる。
「ふんもーん!」
 そして、彼は身体にモケモケブルーを張りつかせたまま、あちこち駆けまわ
りはじめた。まさしく大暴れとはこのことだ。耳たぶなめの気持ち悪さ(もし
かしたら快楽かもしれないが……)に耐えられないらしい。やがて、彼の姿は
校内の奥深くへと消えていった。『ふんもーん!』という悲鳴だけが、時折、
聞こえてくる……。
 やがて、呆然としていたパピヨンと亜美の視線が重なった。
 ハッと我に返るパピヨン。
「くっ、今日はこれくらいにしておいてやる! この程度で勝った思うな、モ
ケモケ5!」
 悔しそうに叫ぶと、彼女は一味とともに駆け去っていった。
 その後ろ姿を見ながら――。
 亜美はガックリと肩を落とした。
「こんな勝ち方、イヤ……」


 ともあれ、モケモケ5は学園の正義を守った。
 次なる戦いが彼らを待っている。
 ゆけ、モケモケ5!
 戦え、モケモケ5!


234.  ふう、こんなもんかな、三題噺。   橋本紡 2000/08/25


 モケモケ5対ゴウゴウ団 ぶるーの恋

「あの……」
 都築亜美は呆然と呟いた。
 背中の中程まである見事な黒髪、きれいな弧を描く二重まぶた、鼻筋は通っ
ており、唇はふっくらとして可愛らしい。まず、美少女といっていいだろう。
自治会の副会長を務めているだけあって、少しばかり生真面目そうな雰囲気が
漂っている。
 今、彼女が立っているのは、私立白洋大学の正門前だった。ちょうどお昼時
なので、たくさんの学生が出たり入ったりしている。いつもどおりの、のどか
な学園の風景だ。
 ただ――。
 そういった学園の風景には似つかわしくない過激なパネルが、亜美の背後に
どどんとそそり立っていた。パネルはベニヤ板を何枚か組み合わせた巨大なも
ので、そこに墨字でさまざまな言葉が書かれている。
『ゴウゴウ団、許すまじ!』
『学園の秩序は我らが手で守ろう!』
『卑劣なるテロリストどもに制裁を!』
『学園の正義は自治会にあり!』
 言葉遣いといい、文字の書体といい、あたかも七十年代左翼闘争を思わせる
パネルである。そして亜美の手には巨大な幟が握られていた。その幟には『ゴ
ウゴウ団粉砕!』と勇ましく書かれている。おまけに、彼女の頭には『闘争貫
徹!』と書かれた白いハチマキまで巻かれていた。
「あの……会長……」
「なんだね、都築くん」
 と、背後から声がした。
 声の主は自治会会長の新堂有理である。
 パネルの裏に身を潜めているので、やたらと声が小さい。
「なにか異常でもあったのかね?」
「いえ、異常はなにも――」
 そこまで答えて、亜美は気付いた。
(異常なのは……あたしだわ……)
 恥ずかしさに逃げ出したくなったが、それを抑え、続ける。
「会長、どうして、あたしがこんな格好を?」
「ふふ、都築くん、作戦の基本とは待ち伏せだよ」
「待ち伏せ?」
「うむ、適当な標的を置くことによって敵を引きつけ、そこを一気に叩くのだ。
こうしてゴウゴウ団を挑発していれば、きっとやつらが現れるに違いない」
「じゃあ、あたしは囮ですか、つまり」
「うむ、そのとおりだ」
 あっさりと肯定する新堂。
「その表現が気に障るなら、ライオンの群に投げ出された羊とでも言おうか?」
「どっちでもいっしょです! それより、なんであたしが囮なんですか! ゴ
ウゴウ団は標的の服を奪い取って裸にしちゃうんですよ! あたしにそんな目
にあえと!?」
「ふふふ、そこは手を打ってある。我々には――モケモケ5がいることを忘れ
たのかね?」
「ああ、あの変態の集団……」
 亜美はうんざりとした顔で呟いた。
 あんな連中に自分を救うことなどできるはずがない。
 きっぱりと亜美は告げた。
「会長、あたし、失礼します」
「なにを言っているのだね、都築くん、まだこれからではないか。たとえ、そ
う……もし万が一、モケモケ5が君を守れなくて素っ裸にされてしまったとし
ても、その犠牲は貴いものとして、わたしの記憶の中にバッチリと――」
「あたしの裸をバッチリと記憶するんですか?」
「うっ……」
 思いっきり冷たい声で尋ねられ、新堂は言葉に詰まった。
「いや、その、そういう意味では……」
「とにかく――あたし、やっぱり失礼します! だいたい、なんであたしがこ
んなことしなきゃいけないんですか!」
 幟を放り出し、ハチマキに手をやる。
 だが、今までとは違う真剣な調子で、新堂が言った。
「いや、もう遅かったようだよ、都築くん」
「え……」
 見れば、いつのまにか周囲を取り囲まれていた。
 ざっと二十人ほど。
 全員が黒い全身スーツを身につけている。
(こ、これは――!)

 驚愕に顔を歪める亜美の前に、ひとりの女が現れた。
「ふふふ、我がゴウゴウ団に挑むとはいい度胸ね、自治会副会長!」


「あ、あなたは……」
 おののきながら、亜美はその女を見つめた。
 なんというか、非常に特徴的な女性だった。その全身はボディコンシャスな
皮のスーツで覆われているのだが、スーツのあちこちに――肩とか、おへその
あたりとか――穴が開いていて、妙にHっぽい。
 顔には蝶々の形をした赤いマスクをつけていた。
「わたしはパピヨン、ゴウゴウ団戦闘隊長よ」
「パ、パピヨン……?」
「学生の身でありながら高慢不遜な学園当局に与するとは……権力の蜜に捉え
られた裏切り者っ! その罪を思い知るがいいわっ!」
 パピヨンと名乗った女は、その手の鞭を振った。
 と、同時に、ひとりの男が現れる。
 いや――。
 それはただの男ではなかった。
 怪人だった。
 その顔は顔ではなく、真っ赤な口紅に彩られた巨大唇が首の上に乗っている
のだ。
 おまけに、素っ裸である。
「きゃあ!」
 亜美の口から悲鳴が漏れた。
 それを見て、パピヨンがホホホホホと笑い声を上げる。
「いけ、怪人クチビル男! 副会長を裸にむいておしまい!」
「ふおうっ!」
 叫ぶと、怪人クチビル男は両手を振り上げ、亜美に襲いかかった。
 その時――。
 突然、声がした。
「待て! 横暴はゆるさん!」
「なに!? 誰だ!?」
 叫ぶパピヨン。
 慌てて辺りを見まわしてみれば、パネルの前に自治会会長である新堂有理が
立っていた。
 不敵な笑みを浮かべつつ、新堂は静かに告げる。
「パピヨンとやら、わたしの術中にはまったことにまだ気付いていないのかね?」
「な、なんだと――」
「今日がおまえたちの最後だ。いでよ、モケモケ5!」
 そして現れたのは、例の面々だった
 先頭に立っているのは女装姿の体育教師鍋島(モケモケレッド)、右斜め後
ろに子供の人形を抱えた男(モケモケブルー)、そのさらに右斜め後ろにはフ
リルどっさりの服を全身にまとい、なんだかキョロキョロ辺りを見まわしてい
る挙動不審の女(モケモケピンク)。左に目を移せば、前はなぜかタマネギを
囓っているデブ(モケモケイエロー)、でもって後ろの男は血塗れのナイフを
持っている(モケモケグリーン)。
 向かいあう怪人クチビル男と変態モケモケ5――。
 微妙な緊張が彼らのあいだに漂った。隙をうかがっているのか、それとも他
の理由があるのか、互いにピクリとも動かないまま、ただ時間だけが流れる。
一秒、二秒、三秒……五秒……十秒……緊張感は加速度的に増していった。
 いつのまにか、クチビル男もモケモケ5も汗だくになっている。
 と――。
 突然、クチビル男がばったりと倒れた。
「ど、どうしたの、クチビル男!」
 慌てて叫ぶパピヨン。
 クチビル男は力なく呟いた。
「ふぉっ……ふおっ……」
「な、なんですって!? クチビルが乾いてダメですって!?」
 なにしろ巨大な唇である。
 日差しも風もまともに受けてしまう。
 乾きやすいのは当然だ。
 新堂が誇らしげに言った。
「ふふふふ、我がモケモケ5の力を思い知ったかね、パピヨン。こうなった以
上、潔くその正体を明かしてもらおうか」
「くっ!」
 なにがモケモケ5の力なのかさっぱりわからないが、それでもパピヨンは悔
しそうに顔を歪めた。 「なかなかやるな、モケモケ5!」
「負けを認めろ、パピヨン」
「これしきのことで、我がゴウゴウ団は負けん!」
「ほう? どういうことかね?」
「簡単なこと、我がゴウゴウ団の怪人はクチビル男だけではない! いでよ―
―怪人ミミ男!」
 パピヨンの叫びと同時に、どこからかひとりの男が現れた。クチビル男同様、
全身素っ裸。そして、その顔はもちろん――耳、である。巨大なひとつの耳
が――向きからいって、右耳だろう――首の上にのっているのだ。
「ちょっと待ってくださいっ!」
 突然、亜美が困ったように叫んだ。
「ゴウゴウ団の怪人はこんなのばかりなのっ!」
「ふふふふ、我がゴウゴウ団を舐めてもらっては困るわね。他にもいろいろい
るわ、もちろん」
「他にもって……まさか怪人ハナ男とか、マユゲ女とかじゃないでしょうね!?」
「…………」
 黙り込むパピヨン。
 額の辺りを、汗がツーッと滑り落ちる。
 どうやら図星のようである。
 亜美は頭を抱えた。
「なんで顔シリーズなの!? 必然性は!? 顔シリーズのあとはどうなってるの!?」
「必然性はその……好みっていうか……なんとなくっていうか……ええい、ど
うしてそんな質問にあたしが答えなくちゃいけないわけ!? あんたとあたしは
敵なのよ! やっておしまい、ミミ男っ!」
「ふんもーんっ!」
 パピヨンの命令に従い、勇ましい声を上げるミミ男。
 一直線に亜美に迫る。
 だが、その前に突然、モケモケブルーが立ちはだかった。なにをするかと思
えば、いきなりべったりとミミ男の身体にしがみつき、その耳たぶをぺろぺろ
と舐め始める。
 予想外の事態に、パピヨンがその顔を引きつらせた。
「な、なに!? どういうつもり!?」
 と、新堂が腕組みをしながら、興味深そうに呟いた。
「ふむ……どうやら我がブルーは恋に落ちたらしい」
「は? 恋?」
「彼は変態なのだ。なにしろモケモケ5だからな。どう変態かというと、耳た
ぶに対し、フェティッシュな性愛を感じるのだよ。たぷたぷとした、大きい、
ふくよかな耳たぶが好みだそうだ。怪人ミミ男のそれなど、理想的というわけ
だ」
「…………」
「…………」
 呆然とする、パピヨンと亜美。
 新堂は――なぜか、嬉しそうに――言った。
「恋とは落ちるもの。墜落、とダンゲルは言ったがね。とにかく、とめられる
ものではあるまい。まあ、ここはひとつ、彼らの恋の成り行きを見守ろうでは
ないか」
 それを恋の成り行きと見るかどうかは大いに疑問だったが、とにかく状況は
進行していた。
 ミミ男が泣きそうな声を上げる。
「ふんもーん!」
 そして、彼は身体にモケモケブルーを張りつかせたまま、あちこち駆けまわ
りはじめた。まさしく大暴れとはこのことだ。耳たぶなめの気持ち悪さ(もし
かしたら快楽かもしれないが……)に耐えられないらしい。やがて、彼の姿は
校内の奥深くへと消えていった。『ふんもーん!』という悲鳴だけが、時折、
聞こえてくる……。
 やがて、呆然としていたパピヨンと亜美の視線が重なった。
 ハッと我に返るパピヨン。
「くっ、今日はこれくらいにしておいてやる! この程度で勝った思うな、モ
ケモケ5!」
 悔しそうに叫ぶと、彼女は一味とともに駆け去っていった。
 その後ろ姿を見ながら――。
 亜美はガックリと肩を落とした。
「こんな勝ち方、イヤ……」


 ともあれ、モケモケ5は学園の正義を守った。
 次なる戦いが彼らを待っている。
 ゆけ、モケモケ5!
 戦え、モケモケ5!


235.  あら。   橋本紡 2000/08/25


二重投稿しちゃったよ……申し訳ないっすー。


236.  三題噺(耳たぶなめ/墜落/大暴れ)   土門弘幸 2000/08/26


『不夜城の花』

 よくいる『新宿に詳しい』と自称する者で、歌舞伎町に足を踏み入れたことのない者な
ど、存在しないだろう。もしここをなわばりとするならば、一度は足を運んだ方が良い店
がある。
 靖国通りに面した煙草店の角を曲がり、しつこい客引きを無視してまっすぐ進む。ちょ
っとわかりにくい角を曲がると、うらぶれたビニ本屋としみったれた地下パブがあって、
その一本向こうの小径が目印だ。
『a-ba』
 ア・バ、である。オレンジ色の煤けた看板は目に付きにくい。むしろ、あたりを徘徊し
ているホームレスのおっちゃんに聞いた方が、わかり良いだろう。
 なんの店かと問われると、ちょっと返答に詰まる。体裁は喫茶店だがいつでも酒を出し
てくれるし、名物はなぜかママお手製のお好み焼きだったりする。だがボトルキープして
くれるわけでなし、スナックとも言い難い。
 常連客は口をそろえるだろう。「『a-ba』は『a-ba』だろ」と。
 いつでもピカピカの扉を開けると、すぐに狭い階段。上っていくと、かすかにクラシッ
クが聞こえてくる。店内はさほど広くなく、カウンターしかない。
 不思議と、いつ入っても席は一つ二つ空いていて、すんなり座ることができる。
「いらっしゃい」
 カウンターの奥から、ママが嫣然と微笑む。その笑みは始めてこの店を訪れた者にも、
何年も通い詰めた者にも、まるで変わらない。
 席に着く。その瞬間、誰もが思うことがある。
『ああ、帰ってきたなあ』
 と。
 喩えるなら、長旅から自宅へ戻った時のような、「やっぱり家はいいなあ」の感覚だ。
 会社にも家にも居場所のない中年サラリーマンなどは、そうした感慨もひとしおなので
はないだろうか。
 いつも店に入る前は、ママの前で気取ろうと思うのだ。しかしつい楽をしたくて、席に
座るなり御絞りで顔を拭いたりしてしまう。だが多少の行儀悪さなど、ママは気に止めも
しない。ただ優しく、そっとメニューを差し出す。
 珈琲・紅茶は言うに及ばず、各種の種類や食べ物まで、様々な品目が並ぶ。メニューの
上部には詩とも歌ともつかない言葉が添えられていて、それがこの店の唯一の読み物だ。
 週代わりで変化するこの言葉は常に難解かつ皮肉げで、それがにこやかなママの底知れ
ぬ一面を窺わせる、と思うのは、いささか穿ち過ぎだろうか。
 例えば、今週の言葉。
『正味 三田山毛欅愛でても 赤門桜に志を立てみても 甲斐州梨に変わりなし』
 三田(慶應義塾)のブナの木を観賞しても、赤門(東京大学)の桜になにかを誓っても、
甲斐性なしは所詮は甲斐性なし、ということだろうか。
 同行の友人と言葉の解釈を巡って議論しても良し、一人様々なことに思いを巡らせても
良し。ママに訊いてみたところで、どうせいつものように穏やかな笑みを浮かべたまま、
「さあ……?」と誤魔化して見せるだけだ。
 客の一人が静かに席を立ち、しばらくした後、階下で派手な音がした。ママが苦笑し、
背の高いグラスに冷水を注ぎ始める。
 グラスにライムの絞り汁が添えられたあたりで、騒音の主が現れた。こことは別な店で
よく顔を合わせる、歌舞伎町をなわばりにした酔漢の一人だ。
 彼は早速、隣に座って赤い顔を上下させた。
「おお、『a-ba』れ会うなんれ、珍しいろら?」
 ろれつが回っていない。どうやら他で、相当に激しく飲んできたのだろう。
「いらっしゃい」
「あー、ママどうもれ、どうも」
 ママが、果汁入りの冷水を差し出す。酔漢がそれをちびりちびりと舐める。ママも、客
たちも、嫌な顔ひとつしていない。
 酔漢もことさら騒ぎ立てるわけでなし、そのまま静かにメニュー上部の言葉を眺めやり
ながら、店内を流れるクラシックに身を任せていた。
 ちょっと聞き覚えのない、哀しげな旋律だ。
「……ドヴォルザーク」
 酔漢が、半分眠ったような声色で、ぽそりと呟く。
 ママに目をやると、かすかに頷いて見せた。

 いったいなにを求めて、人は『a-ba』を訪れるのだろう。
 それは、誰にもわからない。きっとママ自身にも、わかっていないはずだ。
 ただ、歌舞伎町を夜の根城にするつもりがあるなら、一度は『a-ba』を訪れた方が良い。
「いらっしゃい」
 きっと、カウンターの奥からママが微笑んでくれる。
****************************************

 すいません、ちょっと出遅れました(汗)。
 だってー、みんなヒデぇんだもん。どーやってまとめりゃいいんじゃーっ!
 がるるるる。


237.  そうかもしれないなあ……   川上稔 2000/08/27


>土門さん
>ひどい人達
あ、自分は一番手だから、
「オイラ何も知らなかったんだよ、てへっ、トモダチになっていいかい?」
って妖怪人間なピピピぶりで除外っすね。いえーい。
皆、ひどいなあ(笑<他人事か。

>三題
やっぱり数こなすと芸風がしっかりしてきますなー。
安定してるっていうか何て言うか。こういうのを良い意味でのマンネリと
言うのかも、とか思ったり。
その中で、古橋さんだけいきなり今回から高見に昇ってしまった感があり、
自分的にイチオシ。ブラックロッドしか知らない人は、
「べ、別人か!?」
とか思うんでしょーなー……。

てなとこで、んじゃまた。
あ、次の三題行く場合の御題は、
『ドッキリ昇天』
ということで一つ。
ではでは?。


238.  ほんとにヒドい……あおーん   中里融司 2000/08/27


 三題噺出揃いましたが、中里なんだか、シリーズ化を意識してますはい。
 私、高畑くんの作品、好きです。なんだかああいうの、最近しっくり来ます。
 次のお題。「甘い抱擁」どうですか?

 土門くんの叫び、わかりますごめんねほんとに。
 けど、私も頑張ったんです。なんとか、最初の企画の路線に引き戻そうと。
 けど……けど……あううう。


239.  キーワード提出   高畑京一郎 2000/08/28



>ひどい人

 誰の事か知らないけれど、僕より前の人に違いあるまい。
 そうだ。そうに違いない。

(……次回の座談会、いろんな意味で盛り上がりそうだ……。)


 ……と、まあ、それはさておき。
 キーワードの提出をさせていただきます。

 あまり『濃い』のが重なると地獄を見るという事が分かったので、
 今回は思いっきり薄い奴を……。

 キーワード:『白』

 これでお願いします。  


 
240.  暑いぞ。眠いぞ。   橋本紡 2000/08/28


>川上さん
コンテンツ関係、ありがとうございました。
そうなんですよね、確かに出せる設定はたくさんあるんですよ。
ただ、問題は出すための手間ですねー。
設定はけっこうごちゃごちゃ作ってあるので、出そうと思うと、
少し手を入れなきゃならない。あと、フォーマットの問題も
あるしなあ。


>ひどい人。
僕にも覚えがないから、きっと僕より前の人なんだろう。
だって、覚えないしー(と語尾を伸ばしつつ)。


>きーわーど
「沈黙」ってなところで。
今回はシリアスなのも書けるお題にしません?
たまにはってことで。


241.  あ、そうか。   高畑京一郎 2000/08/29



 土門くんの『不夜城の花』、埋伏の術を使ってたんですね。

 最初、気付かなくて、「あれ?」と思ってしまいました。
(違和感なく、さらりと読めてしまったもので……)

 お見事です。
 特に、『大暴れ』の処理の仕方に、感服仕りました。


242.  第6回お題   古橋秀之 2000/08/31


どうもです古橋です。
あいかわらず手前の都合でバタバタしてるのですが、取り急ぎ次回お題をば――

****************************************
第6回お題は『甘い抱擁』『白』『沈黙』
〆切は9/25(月)
****************************************

「『ドッキリ昇天』を入れつつ、必ずシリアスに書くこと」という変形お題を考えたのです
が、
自分の首を締めそうなのでやめときます(-_-;)。


243.  夏風邪   川上稔 2000/09/03


ひーたー。
毎年この時期にひくので万葉からのならいに従い、
「バカ」
であることが内外共に見事に証明できるのですが、あー、何かいい読書休みですわー。
昨夜がピークだったらしく、午後から段々チョーシ良くなってきました。
今の内に読むだけ読むぞー。

てなとこで、んじゃまた?。


244.  私は歯の治療   中里融司 2000/09/05


 川上さん、お大事に。なんかいきなり涼しくなりましたし、お体皆さま気をつけて。
 私は本日、歯の治療でございます。また金属のクラウンです。
 セラミック被せると、値段が倍になるそうなので金属そのまま。
 寝不足ですぅ。今月半ばまで修羅場ってます。あう。
 でも、中華街で食べた大エビチリソースと海鮮お焦げが美味しかったので、その味覚を反
芻しつつ頑張るんだ。
 このまま涼しくなるといいですね。神さまお願い。
 ではではっ。


245.  なぞ。   橋本紡 2000/09/05


友達が結婚したので、遊びに行く。
その時に見た光景。

「おい」   ←酒を飲みつつ、ぼそりと友人。
「はい」   ←新しい冷えたビールを即座に出す奥さん。
「おい」   ←虚空を見ながら、ぼそりと友人。
「はい」   ←迷いもせずタバコを出す奥さん。

信じられん。
テレパシーなのか? そうなのか?


246.  相も変わらず   川上稔 2000/09/12


咳が出る出る。
深夜の高速道路を八時間で東京?鳥取、しかも往復、とか、そんなことを二日間
でやるもんじゃーありません。眠気ざましのクーラーでノドがー(笑。
とりあえず一休みしつつネタ仕込みと称して本読んだりゲームやったり。
ついでに何か仕事もしてるんですが、しかもそれが主になりつつあるん
ですが、
「休みと称した自宅作業」
のような気もしないでもないです。
そーか、よく考えたらものかきって自宅作業がメインなんだよな……。
うーむ。
とりあえず、こーいう休みが取れたのはこの仕事を始めて五年ぶりではなか
ろうか……。

ああっ、人混みの多い時期を外して休む、そんな私がニクいっ!!(純粋に
負け惜しみだなー。大体、台風と風邪と葬儀で休み潰れてるしー)

って書き込みが完全にテンパってますな。
明日からはこのところ休んでたhpの更新に入ろうかと思ったり。
いやはやではでは?。


247.  なぜか   川上稔 2000/09/12


テンパった文章を古橋さんの色でアップしていた自分がここに。
目押し失敗してました、すいません。


248.  修羅場継続中。   高畑京一郎 2000/09/16


 ご無沙汰しております。高畑です。
 現在、『ど修羅場』状態にあります。

 タイムリミットまで、あと僅か。
 果たして、間に合うのでしょうか。
(……我ながら、なんてスリルとサスペンスに満ち溢れた生活を送っているのだろう……)

 ……と、まあ、それはともかく。
 第6回の三題噺ですが、気力体力にまだ余裕の残っている今のうちに、提出しときます
ね。


249.  『三題噺(甘い抱擁/白/沈黙)』   高畑京一郎 2000/09/16


『雪の女王』

 長野の山奥に、母の実家がある。
 年を重ねてからの僕は、毎年、冬になると、冬山登山を楽しむために、その村へと出掛け
る事にしていた。
 冬の山は危険だと、人には、よく言われる。なぜ、わざわざ冬を選んで山に登るのか、
と。
 そう問われても、確たる答えは、僕の中にもない。
 強いて言うなら、雪があるから、だろうか。
 雪はすべてを閉ざしてくれる。都会の喧噪に追われる僕を、沈黙の中に包み込んでくれ
る。
 白一色に覆われた山の中を登って行くと、この世に存在するのは僕だけような気さえす
る。
 感じるのは強い孤独。そして、そびえ立つ山々の雄大さと、僕という存在の矮小さ。
 だが、それだけではない。
 たった一人でも、ちっぽけなごみの様な存在であっても、それでも僕はここにいて、前に
進んでいる。自分は生きているのだという事を、実感できるのだった。

 困難なルートにチャレンジする事が目的ではないので、僕が登る山は、さほど高くもなけ
れば、険しくもなかった。言ってみれば、『ちょっと大きな丘』程度のものである。
 天気の良い日を選んで、朝から山に入り、そして日が落ちるまでには戻って来る。それが
僕のやり方だった。

 だが、その年は天候が悪かった。太陽が顔を出すのを待つ間に、一週間取った休みの大部
分が空しく過ぎてしまった。
 これじゃあ、無理に休暇を取った甲斐がないな……。
 そう思った僕は、休みの六日目、空が晴れるのを待たずに、山に入ってしまったのであ
る。
 一応、ラジオで天候を確認し、一日ぐらいは小康状態が続く筈だという目算があっての行
動だったのだが、それが甘かった。
 山に掛かる雲の色が、見る見るうちに、その濃さを増したかと思うと、降り始めた雪が急
速に僕の視界を閉ざした。いつも通っているルートだからと、勘に任せて山を降りようとし
たのが、また間違いだった。
 気が付けば僕は、位置も方向も見失って、吹雪の中に佇んでいた。吹き付ける風が、僕の
体から熱を奪って行くのが分かる。このままではまずいと、そう思った。
 僕はその場にしゃがみ込み、両手で雪を掻き始めた。雪洞を作れば、吹雪を凌げるだろう
と考えたのだ。
 だが、体力の方が、既に限界だった。腕を動かすのが億劫になり、やがて自分の体を支え
る事もできなくなった。
 駄目だ、続けろ。掘らなきゃ死ぬぞ。
 そうは思いながら、僕は既に目を閉じてしまっていた。
 俯せに寝そべった僕の背中に、雪が降り積もっていくのが分かる。
 冷たさは感じない。心地よい気怠さが、僕の体を浸していた。
 もう……いいや……眠っちゃえ……。
 雪の女王の誘惑に耐えきれず、僕は、その甘い抱擁に、身を任せた……。

 ……けれど。
 僕は死ななかった。
 目が覚めた時、僕は村の医院のベッドの中にいた。そしてその脇には、真っ黒に雪灼けし
た精悍な男の顔があった。
「……真吾」
 この村で産まれた人間の多くは、成長すると外の世界へ出て行く。子供の頃、僕と遊んで
くれた少年たちは、最早、この村には残っていない。唯一、真吾だけが、この村に残る事を
選んだのである。
「だから言わないこっちゃない。あんまり山を甘く見るな」
 出来の悪い弟を窘める兄貴のような表情で、真吾は僕を見下ろしていた。
「君が……助けてくれたのか?」
「お前が飽きもせずに毎年同じ山に登っててくれて助かったよ。でなきゃ、探す場所の見当
も付けられなかっただろうな」
 あの吹雪の中で、行き倒れになった人間一人を見付け出す事がどれほど困難な事か、それ
は僕にもよく分かっていた。二重遭難の危険性さえある。だが真吾は、それをおくびにも出
さなかった。
「……雪の中で目を閉じた時……もうこれで目を覚ます事はないんだなって思ってた」
「俺の山では、誰も死なせないさ」
 そう言って、真吾は、にっと笑った。
 ガキ大将だったあの頃と、少しも変わらない笑顔だった。


250.  三題噺   古橋秀之 2000/09/25


『砂糖菓子の姫君』(甘い抱擁/白/沈黙)

 さて、丘の上のお城には、〈砂糖菓子の姫君〉が住んでおりました。
 この姫君、その名の通り、発する言葉という言葉すべて真っ白な砂糖菓子となって口から

ぼれだすという、今でいう特異体質。
 それというのも、この姫君の誕生の祝いに招かれなかった妖精がやっかみ心から、
「この娘の吐く言葉という言葉は、すべて猛毒となれ」
 という呪いをかけたところ、横にいた妖精があわてて、
「毒の代わりに、甘い甘いお砂糖になりますように」
 といいそえてどうにかことなきを得た、という事情があるのですが、ま、これは余談。

 ともあれ、楽しい言葉は動物や星の形に、ゆううつな言葉は四角い角砂糖に――ぽろぽろ

こぼれる砂糖菓子はおつきのささえる銀の盆に受けられ、これまたつねに脇にひかえるティ

ポット係のつぐ紅茶にとかされて、姫君の指ししめす相手に差し出されます。それを飲めば

君のいいぶんは文字通り腑に落ちて理解できるのですが、まあ、なかなかに手間なことでは

ります。
 いいたいことのなかなか伝わらぬもどかしさに、姫君はだんだんと言葉すくなになり、一

中沈黙を守ることもしばしば。かと思うと、窓辺にすわって空の雲などを眺めては、ぽろ
り、
ぽろりと角砂糖を落とし、それを紅茶に入れてはご自分で飲んでいます。つまり、ひとりご
と。

 そんな姫君もお年ごろになって、近隣の三つの王国から、三人の王子が求婚にやってきま

た。いずれも、姫君のかかえた事情を知った上での申し出です。
「あなたの望みは、なにも言わずともかなえて差し上げよう」とたくましい第一の王子はい
い、
「私たちの部屋を、あなたの言葉で飾り立てましょう」と美しい第二の王子はいいました。
 そこに、第三の王子はドーナツなぞをもぐもぐやりながらいったものです。
「あなたの言葉は、みんな私が食べてしまいましょう」
 第三の王子は小太りで、前のふたりに比べるといささかさえない感じです。
 それでも、姫君が彼をお選びになったのは、姫君の差し出した紅茶を、彼だけが、じつに

いしそうにいただいたからかもしれません。

 それからのち、小太りの王子――故郷の王位を継いで王さまになりました――に嫁いだ
〈砂
糖菓子の姫君〉あらため〈砂糖菓子のお妃〉は、小太りの王さまの横に座って、一日中、た

黙ってにこにこと笑っておりました。動物や星の形の砂糖菓子も、四角い角砂糖も、ひとつ

こぼすことはありません。
 お妃さまの言葉は、枯れはててしまったのでしょうか?
 いえいえ――王さまとお妃さまは、おふたりきりのときには、それはそれは甘い抱擁をか

しておられるのですよ。


251.  中里融司   三題噺・明日の戦乙女(後半) 2000/09/25


そして、最後に映ったものは、白い輝きのなかに消えていく、美しかった私の星。
 哀しみが胸に充満し、重い怒りに変わっていく。
「――不滅の命が欲しいのよ。何度倒されても、その度に復活して、必ず奴らに、報いをく
れてやる。戦乙女義勇軍は、理不尽な侵略は認めない。そうでしょう?」
「そ、そうですけど……『ファルゴーレ』の消滅に関しては、もう義勇軍のトップは動き始
めているはずですよ。調査の結果を、待つわけにはいかないんですか?」
「待つだけなんて、耐えられない。調べるなら、自分で調べるわ。そのために、私を義勇軍
に入れてほしいの。それは、申告書に書いてあるはずよ!?」
 私の顔色は、たぶん変わっていたはずだ。
 少女はしばらく私を見つめ、やがて頷いた。
「わかりました。でも、明日の朝まで考えてください。それが、規則になっていますから」
 そう言って、少女は緩やかな動作で立ち上がった。
「次の料理を、持ってきますね。決意が変わらなければ、貴女はロボットになるんです。い
くらでも時間があるんですから、食事の時間くらい、ゆっくり取ってください。ね?」
 念を押すように言う少女に、私は苦笑して頷いた。
 食事を終え、あてがわれた部屋のベッドに潜って、私は最後の眠りについた。
 明日からは、別の私になる。温かくてもひ弱な、生身の人間の意識を電子脳に転写して、
機械の乙女の仲間に入る。
 冷たい機械であればこそ、ためらうことなく復讐できる。愛した人たちの仇を討つ、その
予感の、甘い抱擁に身を委ね、私はいつしか、深い眠りに落ちていった。

「どうする、泉。この娘、復讐のためだけに、人間を止めようとしているよ」
 特殊セラミックの体を反転させて、精悍な顔の少女が言った。
 眼の前に浮いた思考投射球には、少女の精神風景が映し出されている。血塗られた心象風
景を見つめていた少女は、ゆたかな胸の前で腕を組み、考えながら頷いた。
「仕方ないよ。彼女も、人間を捨てることで、乗り越えようとしているものがあるんだも
の。貴女がそれをやった以上、彼女にも同じことをやる権利があるわ」
「う?ん、でもなぁ。復讐のために人間止めちゃうと、後で後悔しないかな」
 髪を掻き回して、セラミック製の少女が言う。しかし、泉と呼ばれた少女は、肩をすくめ
て言った。
「生身でも機械でも、変わりはないわ。未来を決めるのは、彼女自身よ。それに……」
 どこか闇を孕んだ笑みを浮かべ、泉は昔からの仲間に眼を向ける。
「動機は何であれ、自分で壁を破る決意を固めた娘は、いい戦乙女になるわ。あとは亜希
子、貴女たちの指導如何でしょ?」
 泉と呼ばれた少女の言葉に、亜希子と呼ばれた機械の娘は、難しい顔で考え込み、やがて
不承不承頷いた。
「痛いとこ、突いてくるなぁ。私たちが踏み出しちゃった以上、彼女を拒むわけにはいかな
いか」
「そうそう。機材部に彼女の体、発注しとくよ。戦闘用が良さそうだね」
 言いながら、泉は手元に保管されている、戦闘用ロボット体のカタログを呼び出した。
 人間として、最後の眠りに就いている彼女のもとに、まもなく最終的な選択を問う使者が
赴くはずだ。それでも彼女の決意が変わらない場合、明日の朝には、彼女はロボットとなっ
て目覚めることになる。
 機械として見る陽光を、どのような思いで受け止めるか、それは彼女だけが知ることだっ
た。


252.  三題噺・明日の戦乙女(前半)   中里融司 2000/09/25


『明日の戦乙女』

 その日の夕食は、品数は少ないながら、結構豪華なものだった。
「お金、かかったでしょう? 私、もう食べなくても、大差ないのに」と気にする私に、係
についてくれた女の子は、小首を傾げて微笑んだ。
「駄目ですよ。私たちの仲間になっても、食事はできます。けど、温かい食べ物を直接味わ
えるのは、いまのうちだけなんですから」
 そういいながら、彼女はスープの皿を置く。
「最後の晩餐。私たちは、そう呼んでいるんです。自分の舌で味わえる、最後の食事ですか
らね」
「最後の晩餐、ね――なんだか、怖いな」
 釣られたように、私も笑う。彼女はお皿を胸に抱き、悪戯っぽい口調で言った。
「あ、もちろん、いまからなら引き返すことができますよ。死刑ってわけじゃないんですか
ら。どうします?」
 探るような目つき。間接照明の柔らかい光が彼女の瞳に染み込んで、幾重にも重なった、
レンズの層を浮かばせた。
 それきり、彼女は口をつぐんだ。何かを待っているような表情で、じっと私の顔を見る。
 私も、何も言わずにいた。言いたいことはあるけれど、門をくぐり抜けるまでは、言うべ
きじゃないような気がしていた。
 長い沈黙。やがて、彼女は気を取り直したように、屈託なく言った。
「言いたくなければ、いいですよ。義勇軍と名乗っていますけど、私たちの組織は何かの理
由で、過去の自分から決別したくなった人ばかりが集まってる場所ですから。他人に言いた
くない人だって、たくさんいるんです」
 温かく微笑する彼女の髪は、柔らかな太陽の色。天然には存在するはずもない、そして染
めたものでもない。
 彼女の知らない素材を使った、人工の特殊な繊維だ。よく似た素材で造られた彼女の肌
が、柔らかい照明を滑らかに反射して、シルエットを浮き立たせる。
 その姿が、私にはなんとなく、心の安らぎをもたらしてむくれるように思われた。
 彼女を眺めていると、懐かしい思いに囚われる。胸に熱いものがこみ上げ、言葉が出ない
ままに見つめていると、彼女は頬を赫らめて、恥ずかしそうな口調で言った。
「私の体、温かくなるでしょう? 義勇軍加盟希望者の方に、最初に私が応対するのには、
理由があるんです。私が応対するのは、生身の方で……わかります?」
 上目遣いに問いかける、全身を温もりで彩る少女に、私は黙然と頷いた。
「聞いたことがあるわ。戦乙女義勇軍の最初のメンバーは、自ら進んで脳を捨てた、七二人
の少女たち……地球人の人格を脱し、桜輝皇女の持ち物になることで、真に宇宙に翔ぶ決意
を表した少女たちだったよね。そのとき、彼女たちは得るものと引き替えに、あまりに大き
なものを捨てた。幾分かは残った後悔が、新たな志願者に温かい血の流れる体を思い起こさ
せて、振り返る時間を与えることになった……それが、貴女の役目なのね」
「ええ。結成時の話は、貴女が仲間に加わった後で、直接聞くことができると思いますけ
ど。本当に、後で泣いた方もいたみたいですよ。なまじっか精巧な電子脳に転写しちゃった
から、辛さも凄いものだったらしくて」
「直接? だって、義勇軍の結成は一八〇年も前のことでしょ? なのに……ああ、そう
か」
 問いかけて、私は自嘲の笑みを漏らした。
 どの勢力にも属さない、少女たちの義勇軍。全員が生身の体を捨て、機械の脳と機械の体
を得た少女たちだ。
全員が、本部にして旗艦たる、この惑星級艦に人格保存し、万一壊れても、即座に新しい機
体で蘇る。生身の者には不可避の死も、彼女たちには無縁のものだ。
 だからこそ、私は志願している。故郷を汚し、大切な人たちを殺した、彼らに復讐するた
めに。
 私は唇を噛みしめ、独り言のように言った。
「……決意を翻すことはないわ。貴女たち戦乙女義勇軍は、どの勢力にも荷担せず、あらゆ
るトラブルを調停すると聞いた。でも、私は自分で解決したいの。けれど……」
 私は、胸を押さえた。掌の奥に、鋭い痛みが走る。
 心臓に埋め込まれた精神爆弾。この束縛から逃れるには、温かい血の流れる体を捨て、冷
たい機械になるしかない。
 それ以上は言葉にせず、私は心の底に、決意を沈めて眼を閉じる。
 紅い血に彩られた瞼の裏に、赤と黒が入り交じる火焔の濁流と、緩やかに動く魔神の腕に
絡め取られ、次々に塵と化していく父が、母が、そして彼が映る。


253.  三題噺(甘い抱擁/白/沈黙)   橋本紡 2000/09/26


あー、ごめん。シリアスに書くつもりだったんだけど、ちょいと
きつくて、動けないっす。
ってなわけで、今回はこれで。

「見て見て! 瑞穂!」
「千香ちゃん、朝からそんな大声出さないでよ。あー、千香ちゃん
ってば、また徹夜したでしょ。目の下クマになってるよ」
「いいのいいの、そんなの! あたし、お菓子作りに命かけて
るんだから。もーねー、今じゃ豪介は立派なお菓子奴隷……い
や、アシスタントだし、ひろせ先生は個人講義をやってくれる
し、たまんないわけよ! 腕上がりまくりなんだもん!」
「痛い痛い。千香ちゃん、そんな背中バシバシ叩かないでよ。
で、どうしたの、今日は。なに作ったの」
「これよ、これ!」
「……なに、この複雑な形のケーキは」
「ふふふふ、これぞ結城千香特製、文字シリーズケーキ! 砂
糖を普通のケーキの七倍入れた、甘い甘い――」
「千香ちゃん……もしかして作者が三題噺で悩んでるから、そ
れを助けようとして、複雑な形の文字型ケーキを焼いたの……?」
「そ、そんなことないわよ! なに細い目してんのよ、瑞穂!
今日が締め切りだっていうのに、作者がすっかり三題噺のことを
忘れてて、とてもネタ考える余裕なくて、ビービー泣きついて
きたとか、そ、そんなことはないわよ! ほらほら、だって文
字シリーズで、こんなにいろいろ焼いたんだから!」
「いろいろ……うわ、すごい、千香ちゃん! 『薔薇』とか『撃
滅』とか『饕餮』とか、これって、みんなスポンジなの!?」
「ふふふふ、見事でしょ」
「でも、饕餮とかよく思いついたね。中国の神様だっけ?」
「それは作者が最近、中国文明展を見に行ったから……い、い
え、なんとなくよ、なんとなくっ! ほら、あたしってば、漢
字強いからっ! 地獄大使に始まり、魑魅魍魎とか四露死苦と
か三七五六四とか書けたしー!」
「四露死苦って、あんたは暴走族か……けど、相変わらずハイ
テンションで声大きいね、千香ちゃん……あたし、ちょっと疲
れてきた気がする……」
「いやあ、そんな誉めてもらってもー!」
「誰も誉めてないけど……ちなみに『白』と『沈黙』はどう処
理するつもりなの……?」
「な、なによ、それ。いい、これは三題噺とはカンケーないん
だからね!」
「はいはい、わかったことにしておいてあげるから」
「むむう、なんか引っかかるけど……ほら、偶然よ、偶然これを
焼いたの!」
「これ……ホワイトチョコでコーティングされた『沈黙』……」
「な、なによ、瑞穂、その白けた目は! 札幌銘菓白い恋人が
あるんだから、結城家銘菓白い沈黙があったっていいじゃない!
あたし、コンサドーレのファンだし! あたしあたしあたし――」
「あー、千香ちゃん、泣かないで! 別に責めてるわけじゃな
いんだから! ほら、鼻水拭いて! それより、千香ちゃん」
「う、うぐっ……うぐっ……な、なによ、瑞穂……」
「字、間違ってるよ」
「え?」
「『法要』じゃなくて、『抱擁』だってば、お題は」
「あれ、そーだっけ?」
「殺してどーすんの、殺して」
「むむう」
「気づいてなかったの、全然? 意味通らないとか思わなかった?」
「むむう」
「千香ちゃんってば……ほんと……」


254.  「過情書きの人」(甘い抱擁/白/沈黙)   川上稔 2000/09/26


くはー、終電乗ったら日付変更線越えたー。一日遅れですまんです?。
相変わらずの品性外角低め。

???????????????????????????????
「過情書きの人」
???????????????????????????????
・間木重一(仮名)は現在困っている。
・間木重一(仮名)は隠れ痴漢である。
・間木重一(仮名)は埼玉在住で東京にある会社に通勤している。
・間木重一(仮名)は東京と埼玉を結ぶ”最狂線”を通勤に使用している。
・間木重一(仮名)は”最狂線”の中を戦場と考えている。
・間木重一(仮名)は”全日本痴漢連盟”(JCC)の若手幹部である。
・間木重一(仮名)は二十五歳である。
・間木重一(仮名)は痴漢道五年、今まで検挙されたことがない。
・間木重一(仮名)は痴漢行為を”御美触”と呼んでいる。
・間木重一(仮名)は理想の”御美触”を追求している。
・間木重一(仮名)は野良痴漢を許さない。
・間木重一(仮名)は触れる以外の痴漢行為を許さない。
・間木重一(仮名)は中国拳法を習っている。
・間木重一(仮名)は野良痴漢を叩きのめす。
・間木重一(仮名)は”アチョー”と気合いを叫ぶ。
・間木重一(仮名)は円運動と気導が得意である。
・間木重一(仮名)は円運動と気導の”御美触”を追求している。
・間木重一(仮名)は一年前、ついに”空気触り”を体得した。
・間木重一(仮名)は師匠から「よくか”んは”ったな しけ”かす” よ!!」と誉めら
れた。
・間木重一(仮名)は現在とても困っている。
・間木重一(仮名)は過去に傷を持っている。
・間木重一(仮名)は五年前にとある少女をかばったことがある。
・間木重一(仮名)は少女をかばって代わりに車にひかれたことがある。
・間木重一(仮名)は少女に見捨てられ、一人で病院まで這いずっていったことがある。
・間木重一(仮名)は骨盤骨折をして、いろいろな意味で”ヤバ”かったことがある。
・間木重一(仮名)は独身である。
・間木重一(仮名)は理想の”御美触”には条件が必要だと考えている。
・間木重一(仮名)は理想の三条件”理想的女性””気づかれぬこと””慈しむこと”を考
えている。
・間木重一(仮名)は先日、全日本痴漢連盟から西関東支部長という重要職の誘いを受け
た。
・間木重一(仮名)は支部長になったら関東一帯の野良痴漢を撲滅するつもりであった。
・間木重一(仮名)は現在非常に困っている。
・間木重一(仮名)は一ヶ月前、”最狂線”の中で”理想的女性”見つけた。
・間木重一(仮名)は女性像に”奥ゆかしさ”と、それに相反する”勢い”を求める。
・間木重一(仮名)は早い話、”告白なら白い封筒の恋文じゃなきゃダメっ!”ってタイプ
である。
・間木重一(仮名)は彼女のことを”東京に仕事に向かうOLと見た。
・間木重一(仮名)はいろいろなことを考えた。
・間木重一(仮名)は理想の”御美触”を追求している。
・間木重一(仮名)は野良痴漢の好きな”甘い抱擁”ではなく、”御美触”を追求してい
る。
・間木重一(仮名)は幾度か彼女に近づいた。
・間木重一(仮名)は彼女に触れられなかった。
・間木重一(仮名)は彼女を見ていた。
・間木重一(仮名)は彼女に近づく野良痴漢を排除した。
・間木重一(仮名)は一度だけ、雨の日に野良痴漢の接近を許し、彼女が自分で痴漢を撃退
するのを見た。
・間木重一(仮名)は現状ひどく困っている。
・間木重一(仮名)は自分の中に”理想的女性”と”慈しむ”があることに開眼した。
・間木重一(仮名)は”気づかれぬこと”を追求すべきだと考えた。
・間木重一(仮名)は彼女との関係を”気づかれぬ”まま保ちたいと考えた。
・間木重一(仮名)はたまっていた有給を一気にとった。
・間木重一(仮名)は飛騨に籠もり、片眉剃って修行に励んだ。
・間木重一(仮名)は熊を倒し、牛を倒し、滝を切って闇を穿って6キロのダイエットに成
功した。
・間木重一(仮名)は一週間前に埼玉に戻ってきた。
・間木重一(仮名)は気導で瓦を十五枚割れるようになっていた。
・間木重一(仮名)は師匠から「またか”んは”ったな しけ”かす” よ!!」と誉めら
れた。
・間木重一(仮名)は決心をつけた。
・間木重一(仮名)は五穀断ちを行い、戦場に赴いた。
・間木重一(仮名)は現状、これ以上はないほどに困っている。
・間木重一(仮名)は先ほど、ついに彼女の後ろに立った。
・間木重一(仮名)は先ほど、ついに身構えた。
・間木重一(仮名)は勝負の直前、彼女が振り向いたのを見た。
・間木重一(仮名)は彼女に見覚えがあった。
・間木重一(仮名)は彼女のことを、五年前に自分がかばった少女だと気づいた。
・間木重一(仮名)は彼女が今まで自分を捜していたことを聞いた。
・間木重一(仮名)は彼女からこの五年間のことと、三ヶ月前に彼に気づいたことを聞い
た。
・間木重一(仮名)は彼女が救急車を呼びに言った間に、自分が這いずって病院に行ったこ
とを悟る。
・間木重一(仮名)は彼女にこの一ヶ月どこへ行っていたのかと問われた。
・間木重一(仮名)は彼女に対して何も言えず沈黙した。
・間木重一(仮名)は真っ白になりつつあった。
・間木重一(仮名)は現状、どうしようもないくらいに困っている。
・間木重一(仮名)は究極の”御美触”を追求している。
・間木重一(仮名)は究極の”御美触”には”気づかれないこと”が必要だと考えている。
・間木重一(仮名)は彼女が一通の封書を差し出したのを見た。
・間木重一(仮名)は封書を受け取った瞬間、全て捨てねばならないことを悟った。
・間木重一(仮名)は”甘い抱擁”もいいだろうかと考えている。
・間木重一(仮名)は”甘い抱擁”がハッピーエンドだと解っている。
・間木重一(仮名)は、だが、困っている。
・間木重一(仮名)はとても困っている。
・間木重一(仮名)は困っている。
・間木重一(仮名)は男なのだ。
・間木重一(仮名)は男なのである。
・めでたくなしめでたくなし。
・おあとが宜しくないようでー。
????????????????????????????????

この三題、結構厳しいっすよー。
うーむ……。


255.  三題噺(甘い抱擁/白/沈黙)   土門弘幸 2000/09/28


<TT>
『ユウキのイロ』

 初めて意識シたんは小二の時で、席替えで隣に座ったアイツに、オレはビビンときた。
恋の始まりや。
 オレは猛烈にアイツを口説いた。もちろん小二の頃だから、『好きや』とかそういうス
トレートなことをブチかましたわけとちゃう。まずはジャブから。定石定石。オレは賢い
小二やった。
「オマエってライズチームで言うとこのピンクやな」
 ライズチームはソン当時めっちゃ流行ってた戦隊ヒーローで、紅一点のライズピンクは
オレのアイドル。デモ、アイツはライズチーム見てへんだみたいで、いまいちピンときて
ない様子やったわ。クソ、外した。
 まあ、ガキの頃の、オチャメな失敗ちゅうやつや。

 それからもオレはアタックを続けたで。アイツが私立の中学に進むて知ってからは似合
わん猛勉強くれて、ドンケツやけどなんとか同じ学校に合格シた。その中学で地元の小学
校出身はオレらだけやったから、なにかと話すきっかけにはなったわな。
 そないな涙ぐましい努力の甲斐もあって、オレとアイツの友情はバリバリ深まったわ。
エエ感じやった。こー、友情が愛情に変わるんも、もうじきや。
 けど中学からこっち、同級生どもも色気づくわな。ぎょーさんライバルが増えたんは、
このあたりからや。オレはいっちょ作戦に出た。なるたけ行き帰りは一緒になるよう画策
シつつ、学校では部活に打ち込んだ。やたらベタベタするよか、地道に格好良さをアッ
ピールや。
 アイツは美術部なんぞで絵を描いたりシてたけど、オレは陸上一筋や。自慢やないけど
足には自信あるねんな。お陰でオレは、ロクに勉強もせんとスポーツ推薦で、高校では優
等生の通う進学校を選んだアイツを、すんなり追っかけることができたし。

 つきあいも十年越えてくると、アイツもまあオレのことを意識せんわけにはいかんわな。
そら友達はお互いぎょーさんおるけど、やっぱ特別なんは自分らだけやって。
 はっきり言葉にシてもろたワケやないけど、それはアイツの眼差しや口ぶり、あるいは
ちょっとした仕草なんかでよおわかる。でもなあ。
 あと一歩。あと一歩が、足らへん感じもあった。このままコクっても玉砕しそうな予感
ちゅうやつや。
 コイツはなかなか厄介なもんで、いざ意識シてまうと、これがまた踏み出せへんねん。
妙なことカマして下手に気まずうなるより、居心地エエ関係、ポジションを維持シ続けた
いと思ってまうねんな。
 オレは胸ん中のモヤモヤを陸上にぶつけて、高三に上がる頃にはなんと、一流体育大学
からお誘いがかかるまでになった。アイツはアイツで暇つぶしやと思ってた絵に打ち込み
続けてて、どっかの美大を受験するらしい。
 こらアカン。距離が離れるんは、マズい気がシた。オレらの関係ってのは『遠からず・
けっこう近い』がデフォやったんや。それが崩れると、今まで積み上げてきたモンが全部
パーになってまう気がシた。
 なんとかせにゃならんだ。

 そうこうシとる内に、もう卒業式の当日や。
 アカンねん。オレ普段はこー、がーっ! と強気な方なんねんけど、いざっちゅう時は
意外にビビリ入ってまうねんな。アイツの目ぇ見ると、つい視線そらしてもうて、本当に
言いたいことはナニひとつ言えへんのや。
 画策とか沈黙とか、そんなん嘘や。単にオレは意気地のうて、ヘタレくれとるだけや。
 こら、アカン。これじゃ男や女やのうて、まず人としてアイツの隣に立てへん気ぃがす
る。マジマズい。ヤバいて。
 そうアイツはいつもまっすぐで、オレみたくセコなくて、ビビリちごて、だからオレは
アイツにホれたんや。
 でも、ウソやない。オレの想いかて、ウソやない。なんちゅうかこう、アイツのためや
ったら、ヨソでは発揮できやんチカラも湧いてくるっちゅうか……だから、だからこそ、
そう、ユウキっちゅうやつを出さなアカンのとちゃうやろか。
 オレは卒業式の放課後、アイツを校舎裏に呼び出した。ユウキを出して。
 ライズチームのレッドみたいにな。

</TT>


256.  あう、やっぱしかあ   土門弘幸 2000/09/28


 遅れたどころの騒ぎじゃありませんね。そのいい加減な月日の感覚をいい加減にしろ自
分。申し訳ありません皆さん。
 しかもまた、テーマの使い方、変化球やし。タグがやっぱり効かないようで、これじゃ
多分わかりませんね。あうー。もしお時間のある方は、適当なエディタにコピペってから
御覧ください。上手くすりゃ、オレの意図どおりになると思いますんで。

 じゃあ、まあ、そんな感じで。


257.  すみません、私用で使わせてもらいます……。   古橋秀之 2000/10/01


> 「この発言が古橋秀之のものであること」
> に関しては、「6MEN BBS」の方で証明(というか、せめて補強)しておきたいと思いま
す。

――というわけで、この件はこれにて。


258.  あ、そうそう   古橋秀之 2000/10/01


そろそろ次回お題等、お願いしますね?。

なんか今回みなさんテンション低いですが、年末進行やらの影響ですかね……。


259.  御題?   川上稔 2000/10/02


次の御題っすか?
では、今は全国的に秋。
秋空は蒼く風は爽やかということで、今回の御題は今までのようなものではなく
爽やかに、ただ爽やかに一つ!
「毛糸コンニャク」
で御願いいたします。
……ああ、何かテンション高いんだか低いんだか。
あー、あと、それと、そろそろロシアン関係、話題にしてみます?


260.  キーワード提出。   高畑京一郎 2000/10/02



 キーワード:『黒』

 それでは、これで、お願いします。

**************************

 ところで……。

>「毛糸コンニャク」

 これって、実際にある物なんですか?

(適当に言葉を組み合わせただけなのか、僕が知らないだけで、本当に存在する物なのか、
ちょっと見当が付かなかったので……)


261.  以前、面妖な飲み物で   中里融司 2000/10/02


 何年か前、自動販売機に「こんにゃく白玉汁粉」という面妖な飲み物がありましたが。
 いや、試してみるもんじゃありませんでした。ここんとこ、なんだか寝不足。一日に見開
き10枚なんて、やるもんじゃありません。
 で、お題。
「鰯雲」
 なんか秋らしいし。いかがでしょうか。


262.  なに着てこうかな……なんて浮かれてられないや   土門弘幸 2000/10/03


 今日は授賞式ですなあ。またみんなで新人をいびりましょう(笑)。

>古橋さん
 テンション……低かったですか? ううむ。
 あ、お題目は『ひどいひと』ということで。

>川上さん
 では、そのあたりのことも含めて本日、謀議を凝らす、ということで。
 あ、でもBBSオンリーの方がいいのかな? 見てる方々的にも。

 まあ多分いつものスーツでしょう。んであ。


263.  明日ってか今日は   川上稔 2000/10/03


授賞式ですかー。
会社から直接行くことになりそうです。

>高畑さん
>毛糸コンニャク
内緒。
ってか、日曜日に近所のスーパーに食料買いに行ったとき、糸コン(略すな)が
妙に山積みで、
「糸コンがあるなら、何で縄コンニャクがないんだろうなあ……」
とか思い、
「荒縄コンニャクとかあると二重三重に下品だろうか。うーむ……」
と絶対にレスがつけられないようなことを無表情に考えていました。
どーも最近、ちょっと下系の野を支える下脳(左脳と右脳の下にある)が秋の感性
にビビっときているようで困りものです……。

>土門さん
どこかでチャットで、
「それぞれの意見」
とか編集部コミで述べてアップ、とか、そーいうのもいいかもなー、と、
そんなことテキトーに考えますね。こういうのって。
前回がほとんど水面下状態だったから、今回はどーしようかな、と。
そんなこと話し合っても面白いかもしれません。

いやはや、んじゃまた明日ー。


264.  誰も書かないしい   土門弘幸 2000/10/05


 やっちゃっていいのかな? と思ったけど、10/3の授賞式の感想などを。

 授賞式スタートは16時。前回、前々回とも遅刻したけど今回はセーフ。控え室にて過去の
受賞
作家の面々とダベリング。今日は手ぶらで行ったため、もはや恒例となっている中里さんの
新刊
は頂けず。ちぇー。川上さんのステキグッズも頂けず。ちぇー。
 今回の受賞者の皆さんは流石に緊張気味。なんか、集団お見合いみたい(笑)。小説賞受
賞者
は野郎ばっかだったんだが、イラスト賞・コミック賞は男一人にねーちゃんいっぱい(コミ
ック
賞は男二人のはずだけど、一人は欠席だとか)、という構成だったんで、なんかちょっと羨
まし
いぞ。
 んで授賞式。ドーン! と過去の受賞作が流れる中でオレの『オーキ伝』は、何故かCD
ドラ
マのパッケージだった。何故? オレですら持ってないというのに(オイ)。全六回、小説
だけ
で計十四冊もあるので映像はけっこう長め。バックにずっとブギーポップの実写映画および
アニ
メの映像が使われていた。会場で後ろの席に座っていた上遠野さんをチラッと振り返ると…
…ゴ
メン、書くとマズそうだ。
 そんで各賞の発表となったわけだが……相変わらず永井豪先生は受賞者を褒めないなあ
(笑)。
#あ、これもマズいかな。
 受賞者は各部門ごとに一人、金賞受賞者だけが壇上でインタビュウ受けてたけど、やっぱ
り、
みんな緊張気味。しかしむしろ、その後ろで倒れそうな顔をしている人がいるのに苦笑。そ
う、
オレもそうだったよ。しかしオレん時は全員がコメントさせられたのだ。
 まあ式はつつがなく進行して、最後にある発表があったんだけど、オフレコなんだろう
か? 
まあ一応、黙っておこう。上遠野さんの隣に座っていた●●さんを振り返ると……ああ、こ
れも
書くのマズそうだ(笑)。
 色々ヤバい話などしつつ、パーティ会場へ。しかし年々せま(以下略)。
 寝起きはロクにモノが喉に通らないオレは、この時までバナナ一本しか食べてなかったの
で、
胃袋が暴動寸前。しかし乾杯後すぐに小説賞新人の皆さんの所へ引っ張られる。あう、オレ
まだ
エビ(寿司ね)食ってない?。
 金賞『平安京八卦』の渡瀬草一郎氏は線の細い、知的なイメージの青年。ってキミ、オレ
の弟
と同い年かい。髪がツンツン短くて、中村恵里加@ダブルブリッドに嬉しそーに何度も触ら
れ、
困惑していた。そりゃそーだろな。
 同じく金賞『天国に涙はいらない』の佐藤ケイ氏は一見して、いかにもサバゲーとかが好
きそ
うなタイプと見たっ。いや、ロクに話せなかったんで情報ないんよ。フランス語に堪能らし
いの
で、おそらく外人部隊出身なんだろう。オレと同い年。
 銀賞『魔法士物語』の零一二三氏はなんか初々しい感じで、より年若いはずの渡瀬氏に比
べる
とこー、戸惑いが隠せない様子。スマン実はそれはオレのせい。ごめんね零さん。オレらの
間に
ナニがあったのかは、二人だけの秘密(笑)。
 奨励賞『王道楽土』の御堂彰彦氏はちょっとタダモノでない感じ。いや、目が鋭いの。作
品の
方も審査員の先生方の意見が真っ二つに分かれたそうで、きっと懐にコルトでも隠し持って
いる
んだろう。オレと同い年。
 奨励賞『天剣王器』の海羽超史郎氏は今回最年少、1979年生まれとか。渡瀬氏は早生まれ

しいけど、学年は同じなのだろーか? 彼は『オーキ伝』のファンだとか。愛いヤツめ(
笑)。
まあ『どっちの』オーキ伝が好きかで、性格もわかるのだがー。
 授賞式中に、今度は各賞の受賞者全員へのインタビュウが行われたんだが、会場の半数く
らい
が聞いてない様子。聞いたれよ晴れ舞台。と言いつつオレもいっぺんトイレ行ってたけど。
 しかしナニゲに今回、大阪出身がやけに多い。ううむやはり風はOSAKAから吹くの
か?
 イラスト大賞・銀賞『ヒバリノココロ』の鯱子氏が新婚さんで、ダンナまでステージに上
がら
されてインタビュウ受けてたのは、ちょっと心暖まるエピソウドだったさー(^_^)。
 一時間半ほどでパーティもシメ。渡瀬氏はまた中村恵里加@酔っぱらいに髪を触られてい
た。

 以上で授賞式・パーティ終了。恒例として二次会では受賞者と旧受賞者は引き離されてし
まう
ので、彼らについてこれ以上は書くこともなし。ちぇー。
 二次会では担当氏にこってり絞られる。隣に座った上遠野さん、ドラクエの話してないで
助け
てくれ。え、だめ? ちぇー。その更に隣に座っていた川上さんが、ぽつり。
「いま、橋本さんスッゲー輝いてるね」
 うむす。上遠野さんの正面に座った橋本さんは、オレの正面に座った中村恵里加@深酒?
 に
絡まれつつ、アルカイック・スマイルを浮かべていたさー。
 まあ席上いろんな話をしたけど、ここでは書けないので割愛。22時頃に二次会もヒケ、解
散。
例年は編集さんたちがどっか連れてってくれたものだが……まあいいや。オレ、中里さん、
上遠
野さん、古橋さん、阿智さんの5人で新宿の喫茶店にて少し喋って、帰宅。
 はたして中村恵里加@へべれけは、無事に家に帰り着けたのであろうか。

 お土産はパンフと前回受賞三作(持ってるちゅうねん)とオレンジケーキでした。
#中村さんゴメンね、ネタに使って。今度TRPGでもしましょう。


265.  誤植発見   土門弘幸 2000/10/05


 突っ込まれる前に自分で書いておきます。
 えーと、すいません。どこでどう寝ぼけたか、下の書き込み、授賞式の後に喫茶店に行っ
たメ
ンツの内『三雲さん』が『阿智さん』になってました(汗)。阿智さんはそっこ帰った……
ん、
でしたよね? 中里さん古橋さん。
 しかも受賞各氏へのインタビュウが行われたのは『授賞式』でなく『パーティ』が正しい
し。
 嗚呼、酔っぱらいはオレの方か?
 んにゅー。


266.  橋本さんの名誉のために   川上稔 2000/10/06


言っておきますとー、えーと、
「真顔で笑う」
って表現を単に体現していただけなのかもしれないなー、とか(笑。
ドラク●的に言うと、

『はしもと は こまっている!!』
『はしもと は ほほえんた”!!』
『しかし うまくいかなかった!!』
(敬称略)

ってーカンジだったと思うんですが(笑。
なお、全体の感想としては、
「皆、無茶苦茶キャラ立ってるなあ」
ってのと、
「明るいなあ」
ってことで、見習うべきところが多いなー、とそんなことを思いました。
小説部門の受賞者の方達は関西方面の人が多く、
「うわー、何か喋ってるだけでコント気分に浸れるわ」
なのが、西の血を半分引くものとしては印象的。
しかしまあ、受賞者の人達って皆いきなりチームワークいいのは恒例のことと
して、大人っぽい感覚の人が多かったのも特徴ですな。自分が受賞したときは
どうだったろうかとか意味もなく比較して思ったり……。うーむ……。
何しろ挨拶されて自分の方が、
「あー、そのー、えーと」
とか言ってるのが情けないというか何というか(笑。
しっかりせんとなー……。

なお、式の後の集まりではゲーム製作の話と北斗●拳話とジョジ●話が、
「ダブルショック!!」
的にスパークしていて、その向こうで行われている土門さんと担当さんの勝負
には気づいてませんでした。すまんす。
ともあれ皆様お疲れ様でした。


267.  中村さんとの一幕   橋本紡 2000/10/06


いや、楽しかったよ(苦笑)。
あれはあれで(苦笑)。
中村さーん、今度いっしょに飲みましょうねー(いや、ほんとに)。


268.  授賞式のこと   中里融司 2000/10/06


 阿智くんは、最初に帰られましたっけ、土門くん。
 でも、三次会は健康的でした。アルコォル抜きだったし。橋本くんも中村さんと飲むなら
声かけてくださいね。

 けれど、今回は皆さんお若かったです。いや、なんだか自分、年取った気がします。
 イラスト大賞も、みんな技術上がってるなぁ。そのうち、組めるといいな。


269.  次回お題   古橋秀之 2000/10/10


あ、みなさん先日(10/3)はどうもでした。
ボゲーとしてる間に一週間経ってしまいました。すみません。
とりあえず用件を先に。
****************************************
第7回お題は『黒』『鰯雲』『ひどいひと』
〆切は10/31(火)
****************************************
今回も川上さんのは濃すぎて難しいかなーとか思いまして。
そのうち川上さんのボツお題を三つ集めて――といった、地獄のような出題をしてみてもイ

かもですね。

阿智さんとは、たしか新宿へむかう途中でお別れしましたね。


270.  よーやく   川上稔 2000/10/13


明日からの土日出勤で三つの〆切にケリがつきますわー……。
やりー!!

>古橋さん
不採用ネタ、二つ目でしたっけ?
個人的には”色”とかの他の御題と結びつきやすいものが入ると難しいなー、
とか思ってたりします。
ネタの限定力が高くなり安いというか何というか。
上手く言えんのですが。いやはやいやはや。

>ロシアン集合日
いつにします?>高畑さん
そろそろ決めておいた方がいいような。

ってとこで、んじゃまたー。


271.  大危険   土門弘幸 2000/10/14


 現住所契約更新期日迄後十五日也。
 我現状赤貧故更新料支払不可。
 必然要引越。
 畢竟要金銭。
 我発見根本的矛盾。
 更新即要金銭。
 引越即要金銭。
 逼迫残日数。
 結論猛烈内職。
 然乍僅少賃料。
 我探索極安賃貸住居。
 必須要項敷金礼金零関東圏。
 発見結果最低八万前後也。
 現状不達成目標相当額。
 大危険。

 てなわけで関東圏内での引越できないとなると、一時、実家に帰るハメに陥りそうです。
 というか両親は盛んに「そうしろ」と言ってます。あう。
 そうなるとなかなか上京もできそうにないので、集合日は今月中だと有り難いですね。
 ……だから後十五日だっちゅうのオレ。

>阿智さんのこと
 そう言えば、授賞式の日は阿智さんの誕生日でしたね確か。
 おめでとうございます。<激遅


272.  修羅場抜けー   川上稔 2000/10/21


ういっす。
タイトルのように一拍休みで近況報告。
やっぱ書いてると無茶楽しいなー、と、そんなことを頷いた複合修羅場の
一ヶ月でした。いや、おもろいですな、やっぱ。
ただ、ここのところの急激な冷え込みで何かちょいと風邪ひーたっぽいです。
空咳が出るというか何というか。
薬飲むとびっくりするほど眠くなりますし、うまくいかんもんですなー……。
今度集まるときまでには治しときますー。

いやはやではでは。


273.  毛糸こんにゃく   中里融司 2000/10/21


 三題噺、どうしましょうかな。せっかく「毛糸コンニャク」を考えていたのに。
 今回は、前にちょっとみんなに話したことやってみようかな、と考えてます。
 なんだか難しそうなのだが、そこはそれ。好きだし。
 あ、そうそう。那須温泉は気持ちよかったですよぉ。来月は定山渓に行く予定。いや、極
楽極楽。
 その前に、書かなきゃならないのがあれとあれと、ですが。


274.  あ……なんか、書き込むの久し振り……。   高畑京一郎 2000/10/27



 先日の集まりで、ちょうど隣に阿智くんが座っていたので、
 映画の話で盛り上がりました。

 僕と阿智くんの嗜好は基本的にかなり近いようなのですが、時々、
「え? あの映画、駄目なの?」
 とか、
「ええ!? なんで、あんな映画をそんなに高く評価すんのさ」
 といった意見の食い違いが生じるので、その辺が話していて面白かったです。

 ちなみに、話題に上がった映画の中で、僕と阿智くんが共に好きだといった作品は、
 「シュリ」「シックスセンス」「ラヂオの時間」「交渉人」
 といったあたりでした。

(……それにしても、阿智くんの「ダーク・シュナイダーって誰ですか?」って言葉には吃
驚したなぁ。)
(ああ、なんか、ジェネレーションギャップを感じる……)


275.  寒く   川上稔 2000/10/28


なってきましたなー。
三題噺をまだ考えてませんが、ヘタすると今回パスかも。
とりあえず、この前話合ったこととか、面白そーなんで色々作っておきます。
いやはやではでは。


276.  息が白い   中里融司 2000/10/29


 いや本当に、気温が低くなってまいりました。
 なんか、吐きようによっては息が白く見えますな。いよいよ晩秋という感じです。
 三題噺、早く書かなければ。

 映画といえば、こないだの集まりのとき、買った「明治天皇と日露大戦争」を見ている
と、歴史絵巻という感じがして良いです。一発撃つ度にごろごろ後退する野砲が、ナポレオ
ニック好きの中里には琴線に触れて。
 そういえば、この映画の日本海海戦シーンは、以前三笠の集会室でやっていましたっけ。
 X‐MENも見て来ました。面白かった。やっぱりウルヴィーは侠です。


277.  なんだかね。   橋本紡 2000/10/29


三題噺の締め切りか。
ネタは考えてあるんだけど、さて、どう料理しようか……。

ところで。
友人(女)との会話。

「橋本君橋本君、実はあたし、好きな人ができたの!」
「ほー。誰?」
「バイト仲間なんだけどね! これが、九つも下なの! 可愛くて可愛くて!」
「……あ、そう」
「いやあ、いいねえ、若い子! 頬がとけちゃうね!」
「……おまえはオッサンか……まあ、いいけど、ちゃんと付き合ってんの?」
「まだ!」
「告白はいつするの?」
「できるわけないじゃない! あたしはね、そっと見守ってるだけでいいの!」

なんか勝手に日陰の女の振りしてるよなー、とか思いつつ、
とにかく頑張れよと言っておきました(なにを頑張るのかは謎ですが)。
やれやれ……。


278.  引越当日であったり   土門弘幸 2000/10/30


 来月よりオレは、都民から県民にクラスチェンジです。
 三題噺ちと遅れるかも。ネタはあるので書きます。しばしお待ちを。
 んでは。


279.  三題噺 秘剣鰯雲   中里融司 2000/10/30


戸石藩家中に兵法達人にて、城戸忠左衛門といふ侍あり。修行の甲斐ありて一剣を得、秘剣
鰯雲なる名をつけり。忠左衛門年を取りて、秘剣の伝授を思い立ちけり。
 忠左衛門門下に、高弟二人あり。藩重役の息子にて高橋伊織、容貌涼しく腕立ちたる者に
て、才覚又衆にすくれ、殿様のお覚えめてたき者なり。又一は上田覚兵衛と云ひ、足軽の息
子なるも人物大にして下の者に慕はれ、また容貌十人並みなれども優しき心根にて、廓の女
子たちにも人気ありける。なれど兵法伊織に及ばず、二の弟子とて語られけり。
 忠左衛門二人を呼び、秘剣の伝授にふさわしき者を選ぶ風情にてあれは、弟子たち皆物言
ひしけるに、まさしく伊織にお伝えあるに違ひ候はずと言ひ合ひけるに、師匠覚兵衛にこ
そ、秘剣を伝へしと聞ひて驚かぬ者してなし。
 秘剣の伝授を受けしは、すなはち道場の跡取りなり。覚兵衛、常より茫洋とし、分別あり
やなしやとて知る者なし。人々何故かの人がごとき昼行灯に伝へけりと怪しみ騒ぐに、伊織
こそもつとも怪しみ、口惜しく思ひける。
 忠左衛門に、見目よき娘あり。名を琴といひ、十六なり。器量よしにて縁談数多く寄りけ
れども、殊の外器量を恃む心強く、伊織をこそ我が夫と思ひ定めけるに、覚兵衛を養子に迎
へんとて父の命受け、心胆消し飛ばすほど驚きにけり。忠左衛門心安らひだがゆえか、ほど
なく病を得、薬石功なく虚しうなりけるは、次なる騒ぎの根源なり。
 伊織日頃より琴の心根を知れども、師の娘なれば軽々に振る舞うことかなわず、行ひ澄ま
しける。されど秘剣の伝授かなはず、口惜しく思ふ心切りなく、つひに琴を使嗾して秘剣奥
義の書き物を得んと思ひける。これなん、魔が射すといふことなり。
 伊織、一夜琴が寝所に忍ひ入り、共に過ごせり。祝儀の前とて不義密通なれは、伊織娘に
因果を含め、覚兵衛追い落とさんとの企みを巡らしける。琴元より望まぬ婿なれは、伊織が
企みに乗りけるなり。
 伊織、藩の目付と語らひて、覚兵衛に秘剣伝授に不正義の廉ありとて呼び出しにける。覚
兵衛不審に思ひしも表に表さず、疑ひ持たぬふりにて赴きたり。
 目付の云い様、覚兵衛が病にて心気衰へける師匠を騙り、己が思ふままに使嗾せる咎にて
改易、入牢など示しける。その場にては狐につままれたる思ひにて、道場に帰ること許され
たるも不審に思ふが、琴冷ややかにて、『覚兵衛に伝授せるは、父の不覚なり。速やかに伊
織に譲り、技を知らせ給へ。されば咎なく、お構いのみにて済ませらる』と言ふに、覚兵衛
すべてを悟れり。おとなしやかな美女なれとも、心根黒々と染まりしを思ひ、覚兵衛表に表
さす、素直に頷きけり。
 なれば、覚兵衛伊織がもとに使いよこし、『覚兵衛不覚者にて、奥義伝授の器量なく、退
転仕り申したくお願い申しあげ候。つひては師匠が残せし秘剣、潰えさせるにもいかず、高
弟の一なる高橋殿にお伝え申し上げたく、お知らせ申し上げ候。遺恨を晴らせしおそれあり
とお疑ひありせば、どなたなりと立会人、認め申し上げ候』とて神妙に口上いたしける。
 もとより己が仕組みしものなれば、伊織藩の重役に立会人依頼しける。日時定めし後、道
場にて一子相伝の奥義巻物、秘蔵の太刀三方に乗せ、重役三人ほど立ち会わせ、伊織居住ま
いを正して正座し待てり。
 板戸の隙間より、琴心躍らせて成り行き如何にと見守りける。覚兵衛身を清め、木刀を携
え、まず印可の巻物を取り出し、伊織に渡しける。
 次いで、口上にて印可の子細を伝えけり。伊織いちいち頓首しけるも、残る秘剣は木刀を
交え、体得しけるより他になし。元より兵法の段は上回り、負けを取る恐れなしと信する
に、木剣取りて向ひ合う。
 しかるに、伊織驚きにけり。覚兵衛が木剣、ひら⌒と舞ひ、打ちかかれは逃け、下がれは
付け入り、気の休まることなし。汗みずくになりて眼は眩み、次第に悩乱せし伊織、つひに
相手を見違へて、重役に打ちかかりける。
 重役驚ひて『これ何をする。無礼にてさふろうぞ』と言うも伊織ますます惑乱して、つひ
に真剣抜き放ち、肩に一刀、つけにける。
 重役慌てて逃げ倒れ、覚兵衛に『乱心者、討って取れ』とて叫ひけるに、覚兵衛する⌒と
歩み寄り、木剣にて脳天を打ちしかば、脳骨小砂利のごとく微塵に砕け、伊織その場に打ち
倒れて息絶へたり。
 琴驚き、嘆きけるも、伊織乱心の体にて討ち取られしものなれは、覚兵衛に咎めなく、重
役の危急救ひたる忠臣とてもてはやされけり。
 後日、祝言をあげし後、初夜の床にて嘆く琴に、覚兵衛ふわ⌒と笑って言へり。
『海に住む鰯、弱き魚にて数のみあり。亡師か編み出せし秘剣鰯雲、手数多くして相手の悩
乱を誘ひ、つひには魂を消し飛はして自滅に追ひ込む秘剣なり。弱き者の技なれは、伊織が
ごとき強者に伝授かなわす、我が受けたる道理なり。負けを装ひて勝ちを得るは、兵法の極
意なり』と。琴驚きて、『秘剣の極意は知らす、伊織どのを悩乱に追い込みたるのみにて取
りひしぐも易きことなり。あえて刃傷に至らせ、斬り殺すは外道なり。ひどひ人なり』と詰
るも、覚兵衛涼しげに琴を取りひしぎ、己が妻となせり。
 己の弱さを知り、つひには強きを自滅に追ひ込みし秘剣、これぞ兵法の極意とて、覚兵衛
莞爾と笑ひけり。


280.  『三題噺(黒/鰯雲/ひどいひと)』   高畑京一郎 2000/10/31



『転・目撃』

 長野の山奥に、母の実家がある。
 その年のゴールデンウィークに、僕は彼女を、そこへと案内した。
 自然以外には見るべきものもないような田舎だが、僕にとっては様々な思い出のある場所
であり、僕の中で最も大きな比重を占めている場所でもある。だからこそ、僕は彼女に、こ
の時代と隔絶されたような場所を見て貰いたかったのだ。
 彼女とは、会社で知り合った。派遣社員としてやってきた彼女に、仕事を教えてあげてい
る間に、いつしか僕らは惹かれ合い、付き合うようになったのである。彼女は明るく社交的
で、華のような女性だった。
 母の実家に着いた僕らが荷物を解いていると、早速、真吾がやってきた。女の子と二人連
れでいる僕を見て、さすがに少し驚いた様子だったが、僕が彼女を紹介すると、
「こんな美人をつかまえるとは、お前もなかなか隅に置けないな」
 そう言って、真吾は、からかうような笑みを、僕に向けた。
 翌日。僕と真吾は、彼女を山に案内した。春の山は色鮮やかな緑に満ちており、青い空に
は、季節外れの鰯雲が浮かんでいた。
 どちらかと言えば都会的で、派手好きな面もある彼女だったが、自然の織りなす美しい光
景には、目を奪われた様子だった。
 僕らは、山や沢に彼女を案内しては、思い出話を聞かせてあげた。子供の頃、隕石を探し
に行った事、近くの畑から西瓜を盗んで食べた事、冬山で遭難しかけた僕を真吾が助けに来
てくれた事など、彼女に聞かせてあげたい話はいくらでもあった。
「あ、じゃあ、それがあの石なのね?」
「そんな事するなんて、ひどい人ね、あなたたち」
「それで、それから、どうなったの?」
 彼女は、そんな相槌を打ちながら、興味津々といった様子で、僕らの話に聞き入ってい
た。
 彼女がこの田舎での時間を楽しんでくれているのが分かって、僕は嬉しかった。
 僕にとって真吾は掛け替えのない友人であり、彼女もまた大切な人だった。だから、その
二人が仲良く話している姿を見るのは、僕にとって楽しい事だったのである。
「真吾さんって、話に聞いてたより、ずっと素敵な人ね。男っぽくて、頼りがいがあって」
「だろ?」
 彼女のその言葉を、僕は誇らしくさえ聞いたほどだ。

 ……けれど。
 それから、一月ほど経ったある日。僕は予想もしていなかった光景に出くわしたのであ
る。
 真吾が街にいたのだ。似合いもしない今風のファッションに身を包み、どこか居心地悪そ
うに、夜の繁華街を歩いていた。そして、そのそばには、彼女がいた。
 彼女は真吾に寄り添い、真吾の手は彼女の腰にまわされていた。
 僕は、声も掛けられずに、その光景を、ただ見詰めていた。
 二人の間になにが起きたのか、考えるまでもない。抱き合って歩くその姿が、すべてを如
実に語っていた。
 夜の街に消えていく二人の姿を見送りながら、僕は、自分の中にどす黒い感情が湧き上が
って来るのを感じていた。
 このままにはしておけない。
 はっきりと、そう思った。


281.  三題噺 黒/鰯雲/ひどい人   橋本紡 2000/10/31


モケモケ5対ゴウゴウ団

「はあ……」
 廊下を歩きながら、都築亜美は深々と息を吐いた。
 情けないやら辛いやら……なんとも表現しがたい感情が胸を埋め尽くしている。
 原因は――ゴウゴウ団である。
(まったく、あの連中、どうにかならないのかしら)
 亜美はゴウゴウ団の標的にされていた。
 怪人ミミ男やら、ハナ男やら、マユゲ女やら、とにかくそんな怪人たちが次
々と襲ってくるのだ。
 会長である新堂よりも狙いやすいと判断されたらしい。
 もっとも、そのたびにモケモケ5が出動し、危機は逃れてきた。一度上着を
脱がされかかったことはあったが、その時もモケモケレッドの変態パワーが相
手の怪人を吹き飛ばしたため、それ以上の被害はなかった。
 にしても、だ。
 いつ裸にされるかもしれないという状況に置かれれば、誰だって気が滅入る。
 ましてや、亜美は若い女性なのだ。
(もし裸にされたら……お嫁に行けなくなっちゃう……)
 そう思うと、またため息が出た。
 今、亜美は自治会室に向かっている。新堂に呼び出されたのだ。なんでも、
重要な報告があるらしい。新堂の言う“重要な報告”というのがどういうもの
なのか不安ではあったが(なにしろ、あの性格なのだ……)、とにかく副会長
である以上は話を聞かねばならない。
 やがて、亜美は自治会室の前にたどり着いた。
 ドアを開け、中にはいる。
「会長、報告って――」
 その言葉は、途中で切れた。
 驚愕に顔が歪む。
 自治会室の中には新堂がいた。
 それはいい。
 しかし、その隣に腰かけているのは――。
 パピヨン、だった。
 ゴウゴウ団の戦闘隊長の。
「あ、あ、あ……そんな……なんで……」
 まさか!?
 自治会の本陣とも言える自治会室が乗っ取られた!?
 会長は人質!?
「卑怯よ! ゴウゴウ団! 会長を人質にするなんて!」
 が、その時、いつもどおり落ち着いた新堂が口調で言った。
「待て、都築くん、わたしは人質などではない」
「は? でも――」
「まあ、こちらに来たまえ」
「そうよ、こちらに来なさい、副会長」
 新堂と同じように落ち着いた口調で、パピヨンも言う。
 わけがわからないながらも、亜美は彼らの向かいに腰かけた。
 よく見れば、細長い折り畳み式テーブルの上にはお茶が出ていた。お茶菓子
も準備されている。なんというか、戦いだの人質だのといった緊張感はどこに
もなかった。まるで午後のお茶会のようだ。
 新堂は亜美にお茶菓子を差し出した。
 実においしそうな大福である。
「ささ、これを食べたまえ」
「はあ……」
 わけがわからないながらも、亜美は大福を口に運ぶ。
 続いて、新堂も大福を口に運ぶ。
 さらに、パピヨンも大福を口に運ぶ。
「ふぁいちょー、このはいふく、すっふぉくおいひいですねー!(訳:会長、
この大福、すっごくおいしいですねー!)」
 大福を頬張ったままのため、亜美の言葉はいささか不明瞭だった。
「ふぅむ。はひかにふまい(訳:ふむ。確かにうまい)」
 新堂も同じである。
「ほうね、ふばらひいあひだわ(訳:そうね、すばらしい味だわ)」
 パピヨンもそうであった。
「ほころで、どうひて、はいちょうとはぴおんがいっひょにひるんですか? 
まふぁか、はいちょうがふらぎったとか?(訳:ところで、どうして会長とパ
ピヨンがいっしょにいるんですか? まさか、会長が裏切ったとか?)」
「ふぁにをいう、ふふきくん、いわしぐもわたひははいちょうだよ(訳:なに
を言う、都築くん、いやしくもわたしは会長だよ)」
「ふひはね、ふぉのはなひはふぉれでさいふぉなの(訳:実はね、この話はこ
れで最後なの)」
「さいふぉ……さいふゅうかいってことふぇすか?(訳:最後……最終回って
ことですか?)」
「ふぉのふぉりだ、ふぁあ、ふぃふょおうはふぉのうちふぇつめいふぁれると
おもうが、とにかく、ふぁいふゅうふぁいなのだ(訳:そのとおりだ、まあ、
事情はそのうち説明されると思うが、とにかく、最終回なのだ)」
「ふぁくろうはま、ふふきさん、はいちょう、ふぉれからはふぉんびりしまふ
ぉう(訳:ご苦労様、都築さん、会長、これからはのんびりしましょう)」
 そして、三人はそろってお茶で大福を流し込んだ。
「それにしても――」
「三題噺のお題を処理させるため、わたしたちの喉に大福を詰まらせるとは――」
「作者もひどい人ですね」



 ま、こんなもんで。


282.  三題噺(鰯雲・黒・ひどいひと)   川上稔 2000/11/01


ひどい人って言うたら……。
一度はやっとくべきだろー。
?????????????????????????????
『格闘魔・庄冶勝司の日記:十月三十日』
?????????????????????????????
 この自伝用日記帳も既に七百二十一冊目となった。
 新品の一頁に筆をつけることとする。
 つまりはおろし立て日記、ナウく略してオロニチ、もしくはタテツキの一頁目に、これ
より一筆したためようと言うのである。
 もはや戦いも極め、勝機も殺気も全て判じて敵を穿つ我が身なれど日々の移ろいの変化
には甚だ未熟を感じ、それを示して省みる必要を感じる。
 反省。
 それはつまり自分のしたことを振り返り、省みることだ。
 振り返り、省みる。
 後ろを向く動作を二度行う、それはつまり前を見ると言うこと。
 究極の前向き思考。
 ゆえに私は反省する。前向き思考だ。前方一直線。脇目をふらずに自分のしたことを
強烈に反省する。
 念じろ。イメエジトレエニングと同じく、このような精神活動は念じることで意味が出
る。
 念じろ。念じるのだ庄司勝治。
 とどけこの想い。特に自分。
 ただ念じるのだ──
 反省する原因、今日成したことを思い出せ。
 今日は。
 今日は良いことをした。
 したのである。
 いつものように神田駅前の小さな公園で夕刻の柔軟体操を行っていると、前の通りを
一組の男女が通りかかった。
 男の方は革ジャンパーを着込んでいた。不思議なことに日本人なのに髪が金髪だった。
 そしてその髪は何故か重力に逆らって真上に長く総立ち状態だった。
 怪しい術を使う男であった。
 念のため、周囲ただよう相手のにほひから敵能力測定確認。
 確定の敵評価は0.12BC。
 なお1BCはかつて米国を震撼させた黄色い悪魔のチョップ一回分に相当する。
 相手は弱小。もう鼻水、それも青汁、そんなレベルだ。
 弱者を手に掛ける道義はない。弱者は守られるべきものだ。
 ぶちのめすしかない。
 理屈ではない。心だ。ただ感じるのだ。
 ぬう、と身構え、そやつの背負う黒いケースを武器だと見据えたところで決意した。
 自分はその重力無視男の背後に立った。
 この位置からの不意打ちは卑怯者のすることだ。
 まず、相手にこちらの呼びかけて意図を気付かせ、全てを説明する言葉を放つ。
「──話は後だあっ!!」
 いきなり飛びかかって殴って蹴って小突き回してすいませんと言っても許さずに全裸で
砂場in公園に頭から突き刺したところでやめてやった。
 途中、バンドとかヘビメタとか俺の夢とか楽団関係をうめいていたのが聞こえたが、
なあに、若者にありがちな被害妄想だろう。
 よくあることだ。
 とりあえず公園の砂場に起立する全裸の下半身を見据えてから、一句。
「晩秋の中や股下生え初むる──」
 見たままを表現した一句。我が敬愛する中村草多男の本歌取りである。
 すがすがしい気持ちで空を見上げると夕焼け空に鰯雲。焼き魚の形に似た雲を見ている
と腹が減った。
「カレーが食いたいものだ……」
 つぶやき、一つ忘れていたことに気付いた。
 この男が連れていた女。
 その女はいつの間にか砂場から生えている下半身に手を掛け叫んでいた。
「タケシ! タケシ!!」
 安心しろ。
 タケシは芸術になったのだ。
 それを完璧にするために、女の手を振り払い、私はタケシの足をつかむと更に下へ
押し込んだ。何か砂の中で骨が折れて肉がひねれるような音がして、
「あひいぃ?っ!!」
 砂場が叫んだ。
 不思議な砂場だった。
 とりあえずタケシを三回ほど回して完璧にしてから、私は女と向かい合った。
「どうだ?」
 と、腕を組んでタケシの出来を問うた。
 すると女はこちらを見てこう言った。
「何て、……何てひどい人なの!」
 誰がひどい人なのか?
 女はこちらに視線を向けていた。
 私は女の視線を受け、その視線の先、後ろを向いた。
 背後。
 何故か公園の外でこちらを見ていたサラリーマンが一人、私と目を合わせると肩を
びくりと振るわせた。逃げるように背を向けて走り出す。
 後ろめたいことがあるに違いない。
 だが、違うかもしれない。
 ひょっとしたらあの男は気だては悪いがマニアックな造形の女房とすぐに金をせびる
がヘタレ不良一直線の子供に囲まれて、だがそれでも元気に毎日重圧の中を生きていて、
ただ単にたまに何かを見てしまって走り出してしまいたくなる、──それだけなのかも
しれない。
 そのようなささやかな幸せを殴るのは王者のすべきことではない。
 こう言うとき、私は自分のカンを信用する。
 じっくり考えて二秒で結論した。
 相手は弱小。もう鼻水、それも黄汁、そんなレベルだ。
 弱者を手に掛ける道義はない。弱者は守られるべきものだ。
 うむ。
 ぶちのめすしかない。
 理屈ではない。心だ。ただ感じるのだ。
 そう、確かにあれはひどい男だった。
「よかろう」
 私は女にうなづき──、あとはもう書くまでもあるまい。

 良いことをした。
 街の美化のために芸術的記念碑を作り、ひどい男を倒して治安に努め、しかも無料。
模範的市民。そして模範的王者である。
 もし世界王者会議などあったならば、私はその中の会長に選ばれるだろう。
 反省せよ。
 反省せよ庄司勝治。
 偉い。
 素晴らしい。
 大統領。
 至高。
 究極。
 料理対決。
 ラーメン。
 モンゴル。
 助っ人。
 ──足りぬ。
 何かが足りぬ。
 相手の胸を打ち、肋骨が折れて倒れてうめいて頭を打って悶絶一発追い打ち五発、
吹っ飛んだ所にケリ十発、と、そこまでやって初めて一個の結果となるように、何か
大事なものが欠けている。
 何が足りぬのか。
 反省の心が足りぬのだ。
 未熟である。人生五十年。いままで前のみを見て生きてきた自分にもまだ、前向き姿勢
が足りぬのか?
 そう。確かに私は昔から押しが弱い。
 自覚はある。
 あと一歩、あと一歩、いつもあと一歩と言う大事なところで何故か自然に正拳が出る。
 違う。違うのだ。たまには水平チョップも打ってみたいのである。
 だが身体がそれを許さない。身体が正拳を自然としているのだ。
 健康な精神は健康な肉体に宿る。
 ならば自然な身体が正拳を望んだならば、それが健全。ゆえに水平チョップを望む私は
不健全だ。
 話がそれたようだ。
 少し前に戻って問題を片づけよう。
 何が足りぬのだ。
 私は完璧であるはずだ。
 足りぬものなど無い。
 ──む。
 そうか。聡明に理解した。私が完璧であっても他がそうとは限らぬではないか。
 タケシだ。私はヤツを完璧な芸術にしたつもりであった。
 だが、完璧な芸術などありえないのだ。
 迂闊。
 この迂闊の原因は分かる。
 タケシめが。手間を掛けさせおって。
 とりあえずあれだけ深く突き刺しておけば抜くことは出来まい。サラリーマンと
ともに刺した芸術は残っていよう。
 それに少し自らの手で傷を付け、完璧を喫するために完璧を損なうとしよう。
 さて。
 出陣しようか。深夜二時であろうとこの城のようなホテルは自由に出入りできる。
 素晴らしい管理態勢だ。
 窓の外では下の駐車場に黒くて四角い車が何台も止まっているのが見える。
 やはりこれだけ見事なホテルだと客も多いのだろう。
 見事な判断だ。
 そこをかねてより投宿先とした自分の聡明さに反省し、筆を置くこととする。


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めでたくなしめでたくなし。
おあとがよろしいようでー。
ってこれ、他の比較者と並べないと単なるピピ日記ですなー……。


283.  三題噺(なんだか、なんなんだか)   古橋秀之 2000/11/02


 どうもです古橋です。
 すみません、三題噺の件すっかり忘れてました。お題はなんでしたっけ?
『黒』 『鰯雲』 『ひどいひと』 ですか。
 えーと――
「ひどいひと」という言葉には、ちょっとインビな響きがありますですね。
 なんというか、ベッドの上で毛布を胸元までたくしあげた妙齢の女性が、顔をそむけ乱れ

なぞ直しながら、それでも憎からずといった調子でぽつり、
「……ひどいひと」
 そんな絵づらが浮かんできますね。え、浮かばない? いやそんなはずはない絶対浮かん

はず。絶対っ。
 ちなみにこういうときには往々にして「ひと」は「男」と書いて「ひと」と読む、つま
り、
「……ひどい男(ひと)」
 となるわけですが、これがまたアレですね。「男」という字に「大切な人」というニュア

スを含む「ひと」という読みを当てることによって「男と女の関係」を匂わせるわけです
ね。
 おなじオトコでも「漢」だとこうはいかない。
「……ひどい漢(ひと)」
 なんかこう「漢」だと一気に三国志か北斗の拳かという感じ。しかもあれらの世界観は女

が不在とまでは言わないにしても影の薄い世界で、有り体に言えばなにやらホモ臭い。私の

ではベッドの上で毛布を胸元までたくしあげているのはなぜか『張飛益徳』になってしまう

ですが、これはオレだけかもなあ。お相手は劉備でしょうか関羽でしょうか。まあいいけ
ど、
別に。「青龍偃月刀を持ていッ!」なにに使う気だなにに。
 考えてみれば、なにもオトコに限らんでもよいですね。
「……ひどい女(ひと)」
 ホモ転じてズーレーですか。なにやらドキドキしてきました。
 ここでお題をもうひとつ投入。
「……ひどい鰯雲(ひと)」
 ……。
 なんだかわからなくなってしまったので、一旦話を戻して形容詞に注目。
 ここでは「大切な人」に「ひどい」という形容詞がつくことで反語的に情念の深さが表現

れています。
「大切な人」が「ひどい」、「ひどい」けど(から)「大切」ってどういう状況でしょう
ね。
類する言葉に「……ケダモノ」などがありますが、ううむ、きっとスゴイことをしてるんだ

うなあ。ドキドキドキ。いいなあ。
 ちなみにこれらはあくまで「ひどい」からいいのですな。逆に、
「……いい男(ひと)」とか、
「……やさしい男(ひと)」
 というのは、聞きようによってはなにやらブベツ的な響きをともなって聞こえてきます。
え、
被害妄想気味ですか、私。
 ともあれ、「いい」も「ひどい」も個人の主観を表現する言葉だから深みをもって聞こえ

のであって、これが、
「……黒い男(ひと)」
 だったりすると、「はあ、黒いんですか」としか言えませんね。まあ、よっぽど黒いんで

ょうなあ。しかし、町田にも黒人の人多いですが、別にそんなにしみじみ言わんでも。
 最後にもう一度先ほどのお題を投入。
「……黒い鰯雲(ひと)」
 ええと、なんの話でしたっけ? ダイイングメッセージですか、これは?


284.  しまった   古橋秀之 2000/11/02


高畑さんの色でアップしてしまいました。すみません。


285.  業務連絡   高畑京一郎 2000/11/03



 皆様、こんにちは。高畑京一郎です。
 早速ですが、皆様にお知らせがあります。

 11月いっぱいで、メディアワークスのホームページがリニューアルを行う事になり、そ
れに合わせて、この『6MENdiceBBS』も、一時的に休止する事になりました。

 できれば時期を見て再開したいと思っていますが、この形での集まりは、11月いっぱい
で、ひとまず区切りを付ける事になります。

 これまで『6MENdiceBBS』では、試験的な意味合いも含めて、三題噺やリレー小説をやって
きました。僕個人としましては、いろいろ反省点はあるにしても、それなりに意義のある事
だったと思っていますが、皆様はいかがだったでしょうか。
 これまでの反省や、次に向けての企画案など、忌憚のないご意見を聞かせて下さるとあり
がたいと思います。

 また、読者掲示板の皆様も、これまでの感想や、こんな企画があったら面白いというよう
なご意見がございましたら、ぜひ、お聞かせ下さい。今後の参考にさせていただきたいと思
います。

 それでは、最後の一箇月、よろしくお付き合い下さいませ。

                               高畑京一郎


286.  明日のために、その一   中里融司 2000/11/04


 うーん、あと一月かぁ。およそ一年、結構感無量なものがありますね。
 ここはやはり、未来に向けての提案などするのが正当ではないでしょうか。
 いずれ、シェアードをやろうという話がありましたし。三題噺をやって、いろいろ芸風が
出てきたことですし、そちらの話はどうでしょう。
 皆さん、どう思います?


287.  ご質問への回答。   高畑京一郎 2000/11/04



 読者掲示板の、はちぼくさんへ。(発言4684) 

>疑問。
>リレー小説の二弾の話はコレとは関係なく継続するんでしょうか?

 リレー小説の第二弾は、既に執筆が終わっています。

 題名は『逢えば恋する乙女(やつ)ら』です……が、この題名を鵜呑みにはしないで下さ
い。

 とりあえず、

「土門くんの事態収拾能力は素晴らしい」
「橋本くんは、ひどい人だ」

 この二点をもって、僕の感想とさせていただきます。


288.  お答え   中里融司 2000/11/07


 読者BBS、霧原さんへのお答え。中里の一行感想文ですが、

   ごめんね土門くん。
 君は素晴らしい。

   以上でございます。詳しくは、12月発売の電撃hpを参照のことね。 


289.  では許可も出たので   川上稔 2000/11/08


ちょいとこんなことをあと一ヶ月。

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6menという個性を集めた企画の前提として、
「集まったはいいけど、わしらでちゃんと何か出来るの?」
という実験を含めたリレー小説でしたが、ありがたいことに好評のようです。
通過点として考えてはいましたが、えーと何ですか、その(段々何言って良
いかわかんなくなってきましたなー)まあ、アレですな。

・企画の成果

ということで、前に集まったときに話した、リレー小説で作り上げてきたも
のを、まとめとして固めてみたり、質問してみたりってのでいきましょーか?
「会えば設定するヤツら」
ってことで。

何しろ書いていてちょっとばかり、
「き、聞くべきかこれは!? ツッコミ入れていいんかい!?」
的なところも多くあったよーな企画だったので(笑、二回分終えた後だとキャラ
設定や舞台設定など、個人的には皆さんに色々聞いてみたいこと多いですなー……。
ついでに言うと、それぞれのキャラや世界観とかの発案や、後ろの人にバトン渡す
ときの考慮とかを聞いてみたい気もします。
(土門さんは編集部経由になるんでしょーか、引っ越し後の今時分だと)

とりあえず明日(ってか明後日早朝?)、第一質問事項とかちょっとまとめて
アップしますー。
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ってことで、とりあえず、
「一つの世界を11月末までにどこまで作れるか」
というのを行ってみます。
”会えば?”で聞きたいことがありましたらどんどん行きましょー。


290.  二回目について   川上稔 2000/11/08


一番手はやっぱり、言うことないから損ですなー。うーむ。
少なくとも前走ってる馬に蹴られることはないわけですし。

とりあえず、
「ちょっとしたら、二回目について告知する」
ということで一つ。
今回、企画として結構面白い仕掛けが多いのですなー。
設定とか話し込みつつ、これからそのあたりをオープンしていきます。


291.  では”逢えば?”で、第一の御質問?。   川上稔 2000/11/09


前に話しにあがったあたりを御質問?。

*********************************
●6MENDICEリレー小説「会えば?ヤツら・設定公開第一回」
*********************************
>高畑さん
・舞台の世情設定(雰囲気・時代背景)
・豪介キャラ設定

>中里さん
・この世界の薬膳など設定
・この世界の軍隊とか怪しい組織の設定

>土門さん
・この世界の超能力などルール設定
・この世界のヒーロー概念

>古橋さん
・この世界の格闘精神論(勝敗概念?)
・ひろせ先生キャラ設定2
(担当分の折の設定)

>橋本さん
・千香キャラ設定
・瑞穂キャラ設定
・ひろせ先生キャラ設定1
(担当分の折の設定)

>わし
・庄司設定
・謎のお茶の水設定
*********************************

ということで御願いいたします。
ライブ感を優先と言うことで、
「他の人の設定に、ツッコミ追加設定アリ」
ってので行きたいと思います。
ひろせ先生など、言いたいことありそうな方は多そうですし(笑、
ダベりの雰囲気って大事ですし。
このあたり、最後にログなどまとめるときに統合しますので、あまり
一発で完成形を狙わないでいた方が気楽かと。
また、上記以外の質問なども思いつき次第どんどん行きましょー。
読者の方からの質問があるかもしれませんし、上記には含まれていない、
「執筆に対する質問(手法、展開の理由など)」
もあるかと思います。
フレキシブルに答えていったりツッコんでみたりすると言うことで。

なお、11/16日に、リレー小説二回目”逢えば恋するヤツら”の紹介と、
質問の二回目をアップしたいと思います。
ちょっと巻き気味ペースですがお付き合い下さいませ。


292.  それでは……。   高畑京一郎 2000/11/09


>・舞台の世情設定(雰囲気・時代背景)

 『逢えば闘う奴ら』の時は、6番手の人が1番手の人のために簡単な舞台設定をするとい
う事になっていましたので、これに関しては、古橋くんの仰せのままに、という感じでした
ね。

 舞台設定としては、ごく簡単に「現代日本」。
 ただし、「格闘ゲームにあるような、顔を合わせればすぐ闘いを始めてしまう奴らの話」
という補足説明がありました。

 で、これを元に、イメージを膨らませたわけです。
 コメディタッチにするという方法もありましたけれど、ここは思いっきりハードボイルド
で攻める事にしてみました。全体的に、乾いたイメージで。

 闘うべき相手と巡り逢ったから闘う。そういう考え方をする男たちがいる。
 いずれも一匹狼の男たち。
 やり合う時間を決めているわけでも場所を決めているわけでもないのに、出会うべくして
出会い、そして闘う。

 ならば舞台は、やはり田舎より都会。
 それも薄汚れた裏通りのイメージ。
 ひび割れたコンクリートや錆びた鉄骨などが、「こいつら」には相応しい。

 ……とまあ、こんな感じでイメージを膨らませていった結果、ああなったわけです。

>・豪介キャラ設定

 設定の後付けが可能なように、敢えて具体的な設定はしないようにしましたが、僕の中に
あったイメージとしましては……。

 「闘う男」ですから、それなりの体格は持っているんでしょうね。
 身長は少なくとも180以上。肉付きもそれなりにはあるはず。
 年齢は、20歳以上。(10代では、さすがに無理がありそうなので)
 生活の全ての焦点が「闘う事」に集中しているような感じ。
 普通の勤めはできないでしょうから、多分、昼間はバイトかなんかしてたんじゃないでし
ょうか。
 女には無関心。どこかで綺麗な女性と出会っても、「この女が突然、武器を持って襲いか
かってきたら、どう受ける」とか、そういう方向にしか思考が働かない。

 榊原豪介というのは、そういう男です。
 と言いますか、僕が書いていた時は、そういう男でした。


 ……ところで彼、いまだに、あの子のところに居候してるんですか?


293.  なんか、こんなこと。   橋本紡 2000/11/09


うん?
なんか、高畑さんに言われてる気がするなあ。
でも、聞こえないなあ(ふははははは)。

ところで。
『逢えば闘うヤツら』は、そうですね、世界観としては
高畑さんのを見るまではまーったく決めてませんでした。
原稿もらったら、その時点から考えはじめて、二日で
仕上げる――それだけ決めてたって感じです。んでもっ
て、高畑さんのが「すんげえ男くさい世界」だったので、
これはひっくり返さねばって思った(笑)。そのまま
行くって手もあったんだけど、高畑さんの世界があまりにも
見事に男くさかったんで、それを「笑い」に変えてやろう
という欲望が、つい(笑)。

 そう――。

豪介は熱い。しかし、熱いがゆえに、別の視点から見れば、
それは「お笑い」の要素に限りなく近づいていくのではないか、と。
そんなわけで、千香のキャラができたわけですな。
豪介の存在性をたった一言で全否定できるキャラ。その
自らの行動に疑いを持たないキャラ。決めつけポーズが
似合うキャラ。でもって、いちおー『逢えば闘うヤツら』って
話だったので、それっぽい伏線(になる要素)を入れつつね、
やってみました。
瑞穂はその千香と同時に作ったキャラですね。千香がボケ、
瑞穂が突っ込み。千香だけでもその存在自体は成り立つんだけど、
千香の元気さというか天衣無縫さをより際だたせるため、
第三者的視線の確保をしておきたくて。そういう目的なので、
千香とは基本的に正反対にしてあります。
千香でかい、瑞穂小さい。
千香うるさい、瑞穂おとなしい。
千香体育会系、瑞穂非体育会系。
このコンビは可愛らしくて、けっこう気に入ってます。

それから、ひろせセンセー。
あの人はもう、ねえ(苦笑)。
当時、この手のキャラが好きでして。
出した理由は、ただそれだけです。
なのに、なぜみんないじる(笑)?

うーん、僕の狙いは「フリルのエプロンをつけた豪介」像に
凝縮されてるかなあ……。

おお、そうだ。
豪介はいまだ、千香んちに居候してますよー。
ちょっと前の三題噺でも書いたけど。
では、千香から一言。
「えー、豪介? いるわよー。もう、あいつったら、まーだ闘志
燃たしてるのよねー、ったくバカなんだから。でも、お菓子奴隷
としてちゃんと働いてくれてるけどね」
「それはこき使ってるのでは……?」
「んなことない、んなことない。もう、目の幅涙を流しながら
手伝ってくれてるわよ。あ、豪介が帰ってきた! ねー、豪介、
薄力粉買ってきてよ! 強力粉じゃないからね、間違わない
ようにね! え? なに? オレは帰って来たばかりですって?
ぐずぐず言わずに買ってきなさい! もう、ほんと文句ばっかり
なんだから! ねえ!」
ほんと、こいつは……。


294.  あ、あんな事、言ってやがる。   高畑京一郎 2000/11/10



>「えー、豪介? いるわよー。もう、あいつったら、まーだ闘志
>燃たしてるのよねー、ったくバカなんだから。でも、お菓子奴隷
>としてちゃんと働いてくれてるけどね」

 ああ、榊原豪介……お前はいったいどこへ行く……。

 豪介贔屓の僕としては、ここは一発、なんとか彼の復権を果たしてあげたいところです
な。

 ありがちな路線としては、
・新たな敵の登場。
・いつもの調子でちょちょいと片付けようとするが、反対にやられてしまう千香。
・失意する千香に代わって、榊原豪介が立ち上がる。
 ……といった感じですか。
(千香が敵わない相手をお菓子奴隷風情がどうやれば倒せるのか、そこまでは知らないけ
ど)


295.  庄治・勝司関連?。   川上稔 2000/11/10


んだば、個人的に魅惑の捨てキャラ(笑、庄治勝司関連。

・「発生」
実はリレー小説をやる際の会議中、既に方針があらかた決まってました。
自分が「敵」を書くことになっていたんですが、執筆一番手は高畑さん、
「こりゃーマジ格闘くるなー」
ってのは見事に予測できて、あとは橋本さんと同じように、
「格闘バカの究極形を見せたらどーなるだろうか」
というのが発想の基本形です。
ですが自分が敵を書くのは三番手。主人公は高畑さん橋本さんと、二度のキャラ
立てを受けて来ます。
「二度ブーストされた主人公相手に、ポっと出のライバルがいてもなあ」
ってことから、キャラの個性を最も出す方法として、
「一人称で書き、二度ブーストされた主人公と同じ濃さまで持っていく」
を選択しました。
自分は日記帳の話を書いたこともありますし、ノウハウ的にどうにかなるだろう、
と。構成としては、
「ライバル→ヒロイン→ライバル」
ってな構成で日記を載せればOKかと(橋本さんが千香と瑞穂の2キャラを立て
たので、濃いオヤジの間に二人の女の子のメールやりとりが入りました)。
会議中、そこまで考えて、皆に、
「じゃ、自分、日記調で書きますから」
と言ったのを、その場にいた方は憶えておられると思います。
会議の後で皆でメシ食いつつ腹のさぐり合いをやってましたが(笑、その時には
もう頭の中で一人のオヤジが暴れていたり。

キャラ立てとしては、フツーの格闘系の主人公が、
「強くなりすぎてよくワケわかんなくなっちゃった人」
という感覚。本当なら文章として、技とか、
「こーしてあーしてソレするから当たる」
という思考をもっていくものが、強すぎて何やっても当たってズガンだから、
「いきなり殴って張ってサバ折り回してごめんなさいと言っても許さずに──」
ってやりたい放題。
高畑さんの原稿を見たときに、
「豪介も強くなるとこーなるんだろうなー」
とか思いつつ書いていました。

三回目担当としては、それまで舞台の地名がはっきりしていなかったので、執筆
者全員がなじみ深い神田、お茶の水(メディアワークスがあるんですな)としま
した。雑踏、のイメージがあったためかもしれませんなー。
ちなみに、原稿の削りの大半は、
・「千香の日記」
・「豪介の愚痴メモ」
だったりします。

「設定」
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名前:庄治・勝司(しょうじ・しょうじ)
性別:男
種族:人間(多分)
年齢:四十二歳
職業:最強格闘通り魔・王様
外見:とりあえず格闘オヤジ。背筋伸びてるカラテカ体系。
   睨むと誰でも逃げ出すような眼光。
   あとはイラストレーター任せ。
服装:軽装。ジーンズなどのフィット系は着ない。
   冬でもTシャツなタイプ。
性格:自己中心どころではなく、自己しかいない。
   頭の中に庄治宇宙があり、五歳くらいで世間と分離。
   ものごとの思考判断が自分の得意分野(格闘)で計られるのと、基本的に
  自分以外は皆弱者=護るべき者であるため、意外と一般人に対してはフツー。
  ちょっと攻撃的な人間に対してはいきなりズガンでハッピー。
   何事も話さず決断する。自分に疑問を持っても、自分で解決する。
   言葉遣いがやや古い。暑苦しい。
実力:二十歳の時に統合空手選手権に飛び入り参加して優勝。
   その勝利の事実はかき消されたが、あまり気にせず世界最強を示すために
  世界各地を転戦。カンチョーとか電気アンマとか、奇特な技をよく使うが、
  達人級であるために誰もかわすことが出来ない。(強すぎるためにそーいう
  楽しい技がボクサーのジャブ並の命中率を誇る)
経歴:四歳  :ミヨちゃんにフラれて女を断つ。
   二十二歳:全日本統合空手選手権にて優勝。
   以後  :無敗
特記:個人戦闘力が異常過ぎるため、米国の某研究所に目を付けられ、その戦闘
  力をデータ解析されている最中(本人気付いてない)。
   たまに某研究所から彼を模したアンドロイドがデータ収集のために世界各
  地に現れて暴れまくるが、それって本人がしてることとあんまし大差ない。
   なお、彼は基本的に負けないので、
  「庄治が負ける、もしくは変な行動をとった」
   時は、その庄治はアンドロイドが変わり身してることになります。
  :勝負終了後に一句を読む。
  :現在神田の変なホテルの最上階に宿泊中。
  :毎日日記をつけていて、自伝を著するのが目標。
※他何かあったら好きに付け加えまくってもOK。
ってか、経歴とか勝手に設定付加して、
「実は私は十年前に──!!」
とかやるのが楽しいキャラです。
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ってこういう設定、誰にも見せずに書くのがオツですな……。


296.  雑談っす。   川上稔 2000/11/10


どもども。

>高畑さん
>豪介
あんまし書けませんでしたが、真面目っぷりが色々と好きなキャラだったりします。
古橋さんが言ってましたが、
「豪介も千香も勝司も、常に自分疑ってないんですよねー」
ってのは、やっぱ豪介がスタートラインだったから、対抗するには自我の強いのを
ぶつけていくしかなかったんだろうなあ、と。
自分の所に来たとき、豪介は高畑さんのままだったけど、周囲が対抗し始めてて、
「その中でいかに豪介が本来の自分と、周囲の濃さの板挟みに逢っていくか」
って流れになってたんだと思います。豪介が、
「あ? 何か俺、今やってること変じゃないか?」
って思っても、回りがそれを許してくれない(笑。
今まで豪介は自分の攻撃的なところを、
「異常」
とか思ってたのだろうけど、
「何か他にも異常なのがいる」
わけで、そういうのに免疫ないから思い切り引きずり回されるのかな、とか。
しかし、vol.7と8を読み直して思うのは、
「豪介には強権的な姉か妹がいて、トラウマあるに違いなかろー」
ってことだったり……。
それでたまらず家出て格闘修行……?
いやいやながらも目の幅涙でお菓子作りに付き合ったり、実は結構、そういうのが
行われてた家に生まれてたんではないのかなー、とか。 家族設定、どんなもんでしょ?

>裏通り
お茶の水のギター屋の路地とか、そのあたりがイメージとして浮かんでました。
初めに出てきた電車は、何かモロに、
「深夜の総武線」
のイメージを感じてたりします。足の速い中央線ではなくて、ゆっくりと距離を
刻んでいく総武線で、短距離間の人の乗り降りを見据える豪介、と。
そのあたりから神田、お茶の水、秋葉原あたりを舞台と設定してました。

>橋本さん
>千香と瑞穂
良いコンビだなー、とか思って書いてました。
実は橋本さんのとこではチョイ役なんですよね。でも何か対称的なコンビなので、
千香が立ってくると、いなくても対称キャラとして瑞穂が出る、と。
瑞穂も自分崩さないタイプですなー……。
千香はビジュアル的に固定力が強くて、瑞穂の方は人それぞれっぽいですね。
そのあたりも対称的でしょーか……。
なお、自分は瑞穂をメガネ娘だと思ってました。
挿画で見たらショートカットだったので驚いた覚えがあります(笑。
ちなみに彼女のお祖父さんは右系です(勝手な……)。大ボケしつつたまにそういう
判断基準が出たりする、と。
話を作るとしたらスポークスマンにさせやすいのが瑞穂かなあ、と。
この二人の学校生活ってどんなもんなんでしょ?
あと、千香の家族設定も結局明らかになってないよーな(これは中里さん?)。

ってとこで、いやはや。
んじゃ今度は謎のお茶の水設定などー。


297.  この世界の究極薬膳法   中里融司 2000/11/12


 何か寒くなって参りましたね。
 千香の家族設定って、私がやってよいのでしょうか。橋本くん、何か考えてません?
 ということで、それは橋本君に振っておいて……って、結構私のパートまでに出てこなか
った分については、いろいろ考えていたりするのですが。
 では、この世界の薬膳について。
**********************************************************************
 元々、薬膳法のルーツは中国にある。
 太平洋戦争後、国民党政権に代わって政権を取った革命党は、唯物主義に立脚したため、
あらゆる非合理的な現象を抹殺しようと試みた。その余波は料理界にも及び、秘蔵の薬膳料
理を伝えてきた料理人たちはその秘法を封印し、あるいは香港、日本に逃れて、密かに暮ら
していた。
 その頃、山奥に住む一人の少年が、故郷でいろいろとトラブルを起こし、香港に逃げ出し
て、そこで職を転々とする内に、小さな料理店に職を得た。
 その料理店の主人こそ、この世の始まりにあたって医療の始祖となった神農以来、正当の
究極薬膳を伝えてきた系統の祖にして、一子相伝の技術を伝える者。
 一方、この文明の基調となっている女禍と遙かな過去に争い、破れた伏儀を祖先にもつ暗
黒の一族が、人間の限界を破って神の域に達する術を模索して、追求の手を伸ばしている。
 伏儀の系統を伝える者たちは、西欧のグノーシス教徒やインド亜大陸の修行者たちに影響
を与え、それぞれに人間の限界を超える方法を模索させることになるが、伏儀族の者たちは
そんなことは気にせずに、人間がもつはずの神性を発揮させる方法を捜す内、薬膳法を見出
した。闇に繰り広げられた闘争の末、老師匠は非命に倒れ、少年は日本に脱出した。
 その前に、老師は少年の才能を見抜き、料理を仕込みながら密かに薬膳法も教えていた。
しかし、肝心の制御法を教える前に抗争が起こり、少年は不完全な薬膳法を身につけたのみ
だった。
 それが、彼の悩みだった。亡き師の志を継ぐため、逃れた日本でホテルのレストランに務
めた彼は、同じ店に勤める少年の内に天才的な才能を認め、ともに失われた薬膳法の解明を
試みる決意を固めたのだった。そして、ホテルのシェフで、フランス料理の名人と呼ばれた
結城多一郎の婿養子となり、数年後には可愛い娘に恵まれた。
 やがて、彼は娘が父親の体質ゆえか、生まれながらに薬膳が染み込んだ、特別な体質をも
つことに気づいた。それに、幼児ながら常識外れの頑強な体をもつことを知り、失われた究
極薬膳法を復活させるためには人体実験以外にないと、我が娘をその輝かしい目的に、供す
ることに決めたのだ。
 少年とともに、幼い娘に薬膳法の様々な仕込みを施す父親。その副作用か、やたらと背が
高く男の子みたいな顔で、元気に頑丈に直情的に育った娘は、多趣味な少年から格闘技の催
眠教育を施され、すくすくと育っていった。
 しかし、伏儀党の手はそこにも及び、父親は妻とともに、放浪の旅を余儀なくされた。自
分のような思いを、娘にはさせたくない。それに、薬膳調整は延々と続けられ、いま中止す
れば命が危ない。
 そこで父親は、一戸建てを娘に買い与え、自分の痕跡を断つための激烈な戦いの末、消息
を断った。しし、いまでもどこからともなく仕送りが続けられ、娘はその境遇を疑うことも
なく、元気に高校生活を続けている。少年はテレビを通じて薬膳強化を続け、現在に至って
いる……と。

 また、様々な地域に、いびつな形でばらまかれた人間逸脱法は、それぞれの国の軍の注意
を引き、また犯罪組織には、格好の戦力として取り入れられた。そういったものの中に、正
当な伏儀党は連綿と続いている。彼らは網を張り巡らせ、失われた人間逸脱法を探し求めて
いる……というのはどうでしょう皆さま。


298.  やっぱり千香は   中里融司 2000/11/12


 ということで、なんだか千香は、豪介が言った「悪の組織が造った改造人間」と、あまり
違っていない気がしますが。
 その少年が、後のひろせ先生。ひろせよしかずのルンルンクッキングは、千香一人に向け
たものだったんです。
 でも、それを見ている人たちも、不完全とはいえ薬膳法にかけられていまして、いろいろ
と妙な体質の人が段々増えている。
 薬膳法は意識せずして、世界に影響を与えているのです。もしかしたら、瑞穂も。うふ
ふ。


299.  設定というかなんというか   古橋秀之 2000/11/12


どうもです古橋です。

いきなり余談から入りますが、高畑さんのおっしゃる通り、「逢えば闘う?」の舞台設定は

から「格ゲーみたいな奴で――」とおねがいしました。
「リレー小説をまともに書くのは非常に難しい」と思っていたため(今でも思っています
が)、
お話的に一番簡単そうなものを選択したのです。ラストの私のパートまできた時点で生き残

てる奴が闘って最終的に誰かが勝てば、まあなんとなくオチはつくかな、と。
ほとんど生き残ってて忙しかったですが。



> ・この世界の格闘精神論(勝敗概念?)

『餓狼伝』とか『グラップラー刃牙』とか見てていつも思うのですが、この人(登場人物)

ちはみんな同じ価値観で生きているんですよね。
つまり、武器でも罠でも使えばいいのに、あくまで拳と拳で戦い、暗黙のうちに「それが俺

ちのルールだ」ということになっていて誰も疑わない。
そして、一方が「勝った!」と言えば、もう一方は必ず「ふ、負けたぜ……」と言う。「俺

認めない!」とか言うのもいるけど、まあ実際には負けたと思って悔しがってるわけです。
でも、それってヘンだよなあ。
いや、嫌いじゃないんです。格闘マンガとかは一般的に好きですし、上記2作品は特に好き

す。でも、自分で書く時にはつい避けてしまうんですな。
橋本さんが結城千香の下りで言ってることと、大体同じですね。

――というわけで、この世界には現実世界と同様、共通した「勝敗の基準」はないと思いま
す。
強いて言うならば「勝ったと思ったやつが勝ち」です。女子プロレスの神取忍言うところの
「心が折れた」人間が負けるだけです。
なので、どうにも折れそうにない人々、千香とかひろせ先生とか庄司は、闘っても勝敗は発

しません。平行線になるだけです。
それでも千香やひろせ先生はまだ、「突かれると痛い部分」を持っていそうですが、庄司
(ロ
ボ庄司)はたとえボコにされて1ヵ月ばかり入院しても「今のはスリップダウン」と言っ
て、
平気な顔をしているでしょう。
豪介は勝負の際のルール設定とかで悩んじゃう――なんだかんだで相手に合わせようとしち

うところが弱いわけですね。


> ・ひろせ先生キャラ設定2
> (担当分の折の設定)

私のところに回ってきた時点での条件、

・なにかの理由で格闘家を集めている。→なぜ?
・自らもなにやら体術を使うらしい。
・テレビ番組を持つ天才料理人である。
・「究極薬膳法」を用いて結城千香を野獣のような異常体質に変えた。→なぜ?
・「お菓子ファンタジー」なるイベントを開こうとしている。→なぜ?

これらから推論し、ひろせ先生の目的は「強い奴を集めて菓子を食わすイベントをやってみ

かったんだろう、多分」ということになりました。
「でかい人がもりもり飯を喰うのを見るのは楽しい」という気持ちは、まあちょっとわかる

うな、やっぱりわからんような。
体術はまあ、料理を通じて身についた身のこなし、なのではないでしょうか。

んで、ほっとくと猛獣とか宇宙人に菓子喰わすために、秘境に旅立ってしまいそうですね、

の人。菊池秀行の『妖神グルメ』(邪神に料理喰わす話)なんてのがありましたが、そんな
感じ。
でもその前に豪介に「うまい」と言わせねばなりません。
豪介も菓子くらい喰ってやりゃいいんですけどね。「これだけの『本気』を見せられて、戦

ずにいられようか!」とか言ってるんでしょうね。
難儀な人たちです。



以下再び余談。
まあ、私のパートは基本的に人の描いたキャラを動かす部分なので、特に設定というのはな

のでした。
「謎の黒スーツの男」は「ひろせ先生」と同一人物である、とすることによってたいへん味

あるキャラクターになったわけですが、これは土門さんのお手柄ですね。

そんなところで……。


300.  豪介の復権   橋本紡 2000/11/13


それはやはり、このパターンでしょ。
ありがちな展開としては。

・新たな敵登場。お菓子バトルを千香に挑む。
・千香、自信満々で闘いを受けるが、ちょっとした思い上がりにて虚をつかれる。
・豪介登場。
・とめる千香。「お菓子作り初心者のあんたには無理よ!」
・だが、初心者である豪介は、初心者であるがゆえに……計量の大切さ、
 粉振るいの大切さ……つまり基礎の大切さを説き、勝利。
 お菓子は基礎! そう教えてくれたのは、おまえだ、結城! とか。
・ニヤリと笑う豪介。どうだ、結城。
・だが、門前の小僧・豪介が基礎をしっかり身につけていると知り、
 千香は――当然、豪介の得意気な様子に気づくことなく――自らの正しさ
 すばらしさを再自覚していた。ああ、あたしってば、やっぱり天才。

うん?
復権してない気も……。


301.  ひろせ先生   橋本紡 2000/11/13


うーむ、諸説入り乱れるに及んでますます謎が深まっていくなあ。
まるで某殺し屋のようだ(笑)。


302.  とりあえず   川上稔 2000/11/14


ぽちっとこんなもんを今作ってみたっす。
http://www.mediaworks.co.jp/~w_kawaka/6men/map02.JPG

1:「お茶の水駅」
  神田川の縁にあるJR中央線の駅。西口と東口で出れます。
  東口の聖橋は人柱の言い伝えがあったような気も。
2:「明治大学」
  この近所にメディアワークスがあるような気が。
  なお、大学前の大通りはギター屋とファーストフードというイメージが
 個人的にやたらと強かったり。
  勝司が空手着持った若いのを殴って警察に追われて逃げるのは、ここ。
  また、勝司がメレンゲ豪介を追尾して南下していくのもこの大通り。
3:「新東京ホテル」
  この前で豪介が千香に土下座してトゥキック食らう。
4:千香と瑞穂の通う学校。

   ハイそんなわけで御質問?。
>高畑さん
1:豪介が初めに闘ってひろせ先生と出会う裏通りはどのあたりでしょーか。
2:豪介の投宿所はどこでしょーか?
 (夜に電車で移動しても大丈夫な近場だと思うんですが)

>中里さん
1:勝司の投宿ホテルってどこでしょーか?
2:何か名所ありましたら教えて下さいませ。
 (あんまし詳しくないんです、都内方面……)

>土門さん
:ひろせ先生の、
「とう!」
 の現場というか、最終決戦場所はどのあたりでしょーか?

>古橋さん
:ひろせ先生の家、もしくは出没場所ってどこでしょーか?
(投宿場所と言うよりも”ここにいると見える”がありそうですなー……)

>橋本さん
1:千香の家ってどこでしょーか?
 (帰宅でお茶の水駅方面に歩いていくのと、電話してきたメレンゲにすぐ
 駆けつけてきたため、湯島のあたりじゃなかろーかと思ってます)
2:瑞穂の家ってどこでしょーか?
 (メールのやりとりと、待ち合わせに池袋を指定することから、このマップ外
 の可能性は高そうですなー)

他、各キャラの出没しそうな場所や、何か、
「関係ありそうな店」
等ありましたら宜しく御願いいたします。あと、
「あのシーンはここだろうなあ」
てなのがありましたら、そのつど御願いいたします。
マップにどんどん書き加えていこうと思っています。

てとこで、んじゃまた?。


303.  お久しぶりです。   土門弘幸 2000/11/17


 引越のドタバタの余波が、こんな時期までかかってしまいました。
 うひー、もー11月も半ば過ぎてます。大変、申し訳ありません。つってもこのサイト、テ
レホ
入ってないと、とても見られたもんじゃないしなあ。
 三題噺……は、あう、今更かも。ちょい考えます。

 そいでもって、逢えば闘う奴ら。
 えーと、うーーんと。うにゅる。
 よくよく考えてみるとオレ、状況の繋ぎ役なんで、自分からは新機軸な設定を打ち出して
るわ
けじゃないのすな(笑)。ま、せーぜー究極薬膳てそりゃ中里さんの担当なのか。ふぬる。

>この世界の超能力などルール設定
>この世界のヒーロー概念

 そう言われても(困惑)。
 薬膳法絡みは、中里さんが説明しはったしなあ。今更オレにナニを語れと? 『逢え恋』
絡み
のアレ? アレはマズいっしょなー。はう。
 仕方ない。仮面ファイターの話でも(笑)。

「 仮面ファイター元条惇(もとじょう・あつし)は改造人間である!
  彼を作ったブラッカーは世界征服を狙う悪の秘密結社である!
  仮面ファイターは人間の自由のためにブラッカーと闘うのだ!  」

 というお馴染みのナレーションから始まる特撮番組、仮面ファイター。秘密結社ブラッカ
ーに
改造された『ハチ男』で、ベルトに浴びた太陽エネルギーで変身するエコロジカルなヒーロ

で、必殺技は高々度の跳躍から繰り出されるスティンガーキック。駆する愛機はボルケイノ
号。
普段は歌声喫茶『アモーレ』を経営する唯一の理解者・楠木(くすのき)のおやっさんと、
うだ
つのあがらない怪しいライフを送っているのだ……って駄目だなあ、ありきたり過ぎ。むに
ゅる。

>:ひろせ先生の、
>「とう!」
> の現場というか、最終決戦場所はどのあたりでしょーか?

 それって「中里さんが決めた『ホテル・ニューヨーク』のそば」としか(苦笑)。まあ舞
台設
定的に新宿近辺であることは間違いないでせう。サウザンドタワーがどこか、にもよってく
るし
なあ。
 うーん、サウンザンドタワー……いかにも西新宿か、南口あたり。でもどっちにしても、
『ホ
テル・ニューヨーク』のようなラヴホがありそうな界隈は、ランドマーク足り得る立地条件
の場
所にはないし……なんだって千香はこんなトコを待ち合わせに指定したんだー! がー!

 ううにゅう。だからオレは調整役だったんだってばさあ(泣)。


304.  設定と名所と   中里融司 2000/11/17


 あ、どーもどーも。なんだか、急に寒くなりましたね。
 一つお仕事終わりましたんで、書き込みできます。川上さん、土門くん、どうもお待たせ
しました。
*****************************************
 庄司の投宿ホテル:ホテル・ニューヨークは、新大久保と歌舞伎町の間くらいにあるホテ
ル街の一画を想定してます。
 あの辺りは、昔ブラックローゼス(注・X‐MEN)が本拠を置いていただけあって、い
ろいろ海外の品を売っている店が多く、一種治外法権的な趣のある場所でして。
 おそらく千香は、大量にお菓子の材料を仕入れるとき、あの辺の店に来ていたものと思わ
れます。
 たぶん、豪介も知らない街ではないと思います。

 東京の名所:と言いますと川上さん。私、銀座か下町かで、かなり偏ったものになります
が。
 豪介や庄司がうろつく以外に、日本で一番頑強な、格闘を日々の生業としている巨漢たち
が、ごく普通に闊歩している街はどうでしょう。
 JR両国駅から、都営新宿戦の大島駅にかけての一帯には、世界的に見てもかなりのラン
クに来そうな大男が、ごく普通に、ご町内に溶け込んで生活しておられます。
 大相撲の部屋が集中していますし。なんだか、千香ってあの辺が好きそうな気がするので
すが。
 あと名所……どんなところがいいでしょうか。 


305.  こんな回答ですいません。   高畑京一郎 2000/11/18


>1:豪介が初めに闘ってひろせ先生と出会う裏通りはどのあたりでしょーか。
>2:豪介の投宿所はどこでしょーか?
>(夜に電車で移動しても大丈夫な近場だと思うんですが)

 そう言われても(困惑)。(……と、土門くんの真似をしてみたり)

 リレー小説という形式上、先頭バッターだった僕の設定は、あってなきがものなので、一
概に、「こうだ」とは言い兼ねますが……そうですね、書いていた時のイメージという事で
あれば……。

 (1)に関しては、山の手線の外側のつもりでした。都会というよりは、その端っこと言
いますか、そんなイメージで。
 (2)に関しては、家賃の安いところ。(う?ん、我ながら、なんてアバウトな回答だろ
う)


    
306.  三題噺と言えば。   高畑京一郎 2000/11/18



 橋本くんや中里さんがシリーズ化を試みているのを見て、自分もやってみようと思ってい
たのですが、「起承転」まで持って行って、肝心の「結」を書けなかったのが、心残りとい
えば心残りですね。

・書き出しは「長野の山奥に、母の実家がある。」
・舞台は「秋の山」。(今まで、夏・冬・春とやってきたので)

 この条件を守りながら、「真吾」との関係に決着を付けてやれれば、四部作として綺麗に
まとまったんですが。(う?ん、残念)


307.  おお、どうしようか。   橋本紡 2000/11/20


ふう、風邪引いてるくせに旅行行ってたんで、ちょいと
遅れましたー。

でもって。
千香の家ですが、本来は千香も瑞穂も郊外からの
通学っぽいんですが……。
うーん、それだと設定をどうにかしなきゃね。
さて、どうしたものか。


308.  位置的関係   中里融司 2000/11/20


 あ、そうだ。サウザンドタワーは、新宿南口にあります。
 高島屋と紀伊国屋書店の、線路を隔てたお向かいさん辺りでしょうか。その中には高級ホ
テルが組み込まれていまして、最上階のホテルには、ひろせ先生も時には腕を振るう一方
で、結城シェフの薫陶を受けた料理長、千香の父上の教えを受けた中華料理のシェフが働い
ています。

 って、本当に見てきたようですね。
 その関係もあって、千香は新宿には親近感をもっているようです。あと、横浜の中華街と
か。

 橋本くんの言っているひろせ先生27の秘密が、あまり出てきてないですよぉ。で、私が
一つ。
 ひろせ先生は、格闘技界に限らず、一般スポーツ界にも熱烈な崇拝者をもっているっ。
 その究極薬膳砲を応用した料理は、ドーピングに抵触することなく、選手の能力を、三倍
にアップするのだっっっっ。

   三題噺>シリーズ化というか、時代小説にできるかな、と、いろいろ試してみました。
 最後のは、同時代の人が書いた、という設定ですが、面白かったですよ。あの雰囲気で、
またやってみたいな。


309.  設定とか   古橋秀之 2000/11/23


おつかれさまです、古橋です。
どうにも動きが鈍くてすみません。


> :ひろせ先生の家、もしくは出没場所ってどこでしょーか?
> (投宿場所と言うよりも”ここにいると見える”がありそうですなー……)

・洋菓子屋「ら・ぷぺ」
 高校生の女の子(可愛い)と大学生の柔道部員(「押忍! いちごシューが大好物であり

す!」)が交替で店番をしている。
 ひろせ先生は柔道部員目当てにたびたびこの店を訪れる。

・和菓子屋「あんころ堂」
 ひろせ先生は店の前を通り過ぎざまに奇声を発して威嚇する。和菓子は嫌いらしい。

・ジム「お茶の水拳闘倶楽部」
 通りに面したガラスにぺたりと貼りつき、うっとりと練習生を見つめるちょうちん袖の男
と、
ときおり「ふ……」と笑いを浮かべて通りすぎる全身黒づくめの男が同一人物であると知る

はいない。

こんなような感じでしょうか。
場所はまあ、マップ上に適当に配置していただければ……。



余談ですが、私は小説書くときにあまりマップとか描かない人間なので、どうしたらいいの

わからんなあ、と思ったんですが、ゲームのマップの設定みたいにすればいいんですね多
分。
そう考えると、川上さんの「まずはマッピング」というアプローチは、やはりゲーム屋さん

しいなあ、とか思ったりしました。

それはさておき、次にこの手の企画をやるときには、設定や本文のフォーマット、作業手
順、
作業分担、各人の作業量などを管理する係(いわゆる監督者)が必要かと思います。やはり

家さん同士の寄り合いだと、立場が横並びなので難しいですね。


では、とりあえずこれにて――


310.  どもども   川上稔 2000/11/23


どもども。御回答いただきどうも有り難うございます。

>新宿
一気に来ましたねー。こりゃ新宿マップも作るしかないですなー……。
とはいえ自分、新宿は全くというか、
「駅前以外に知識が無い」
ってか、
「東京都民なのに、そーではない高畑さんに道を教えてもらった」
くらいの場所なもんで、(車派の人にとって、あのあたりほど行きにくい場所は
ないと思うんですが。うーむ……)何か解らないことあったら色々御質問させて
いただきますー。

>お茶の水
こっちも色々と追加をありがとうございます。
ここを舞台にしたいのは、
「全員(またはメディアワークスに関係する人達)が土地勘を共通で持ってるから」
ってのと、
「何か近くに色々詰まってるしーみたいなー」
ってだけなんですが、
「小さな店とかが、結構オープンで開いてる」
感覚があるなー、と、古橋さんのイメージ見てて思いました。
逆に新宿の方は怪しいものをブチ込んでいくと、新宿(暗)?お茶の水(明)の
ようなイメージ差異が計れるのかなあ、とか。夜の顔はまた別で設定すると面白
いかもしれませんなー。

>監督業
先決め方式もですが、
「好きなフォーマットで喋ってもらって、それをログにまとめる人が総合的な
フォーマットで皆の意見を表記する」
のもありかなー、とか思いまして。議事録と同じ方式で行ってみるのも良いか
な、と。
で、今回は自分がログ取ってまとめよーかと思っています。

>マップ
余裕があったらうちの会社の人に頼んで作り直してもらおーかと考えていたり。
素材集でやろーと思ったらピンポイントなものが無いんですわー。
ちょっと思案中です。

>投宿所
ひょっとしたら、
「寝ないで自分の持ってる24時間店(御菓子屋・料理屋・料理学校(?))を
漂泊している」
のかもしれませんなー……。
あ、押忍はツボなので駅の近くに配置しましょう(笑。

>千香・瑞穂
今のところ千香の家には、
・お茶の水
・新宿
・郊外
の三カ所が上がってますが、
「どれか一つが作品内で描かれてる一軒家で、他は何らかの理由で父親が
用意していたセーフハウス」
とか、そんなとこなんでしょーか。勿論消毒済み。

>豪介
なるほどー、現状は、
「山の手外側、家賃安めのとこで、でも都内の方への弁はいい」
ってとこで、保留というか早いもの勝ちというか、そんな感覚で。
結構、
「西武線が似合う男」
とか、勝手なイメージがあったり(笑。

>設定・名所
あ、すいません。名所関係は作中に関係ある場所の付近、または作中に関係ある
(台詞などに出てきた、もしくはキャラの裏設定)地名と言うことで御願いいた
しますー。
なお、庄治ホテルはお茶の水方面でも考えていたので、
「どっちかがロボ庄治」
の可能性が高そうです。どこで入れ替わったのか考えるとホラーっぽいですね。
何しろ、
「ひょっとすると庄治(本物)と豪介が実はまだ逢っていない」
のかもしれなかったり(笑。

>仮面ファイター
「とう!」
の語源が来ましたなー……。しかし歌声喫茶って今通用するんでしょーか(笑。
でも特撮番組に見えていて、
「実はノンフィクションドキュメント」
だったりすると始末に負えないと言うか何というか。
番組中でひろせ先生のお菓子のCMとか入るんだろうなあ……。

>ひろせ先生の謎
・毎年、私的に年賀状をだす相手が一人だけいるらしい。

と、んじゃ、近い内に前にお話したとおり、ちょっと二回目の、
「逢え恋」
の告知して、最後一週間分の質問とか行きますです。
いははやではでは。


311.  11月も、あと1週間ですね。   高畑京一郎 2000/11/24


>「好きなフォーマットで喋ってもらって、それをログにまとめる人が総合的な
>フォーマットで皆の意見を表記する」(発言310)

 ……あ、なるほど。
 という事は、「こうしちゃうと別の人のした設定と矛盾しちゃうな」というのは、現段階
では、あまり考えなくてもいいわけですね。


>余談ですが、私は小説書くときにあまりマップとか描かない人間なので、(発言309)

 皆さんそれぞれに、舞台設定やキャラ設定の仕方(設定する際に、どういった部分に重点
を置くか)に違いがあって、面白いですね。

 たとえば僕は、キャラ設定をする時、外見上の設定よりも、「その人間にはなにができて
なにができないか」という事の方に重点をおくようにしています。
(身体的能力、知的能力による制約や、その人物の持つ倫理観による制約など)

 で、榊原豪介の倫理観についてですが、僕は『湾岸ミッドナイト』に出てくるキャラクタ
ーのように考えていました。
「自分のやっている事は褒められる事ではない。だが、それをしなければ、自分は自分でい
られない」
 みたいな感じで。
 つまり、する事に迷いはないけれども、自分のしている事に無批判ではない。

(今にして思うと、「闘う相手と逢うべくして逢う」といったあたりも含めて、かなり『湾
岸ミッドナイト』の影響を受けてますね。僕のパート。)


312.  ロボットと言えば。   高畑京一郎 2000/11/24



 ホンダとソニーから、相次いで、人型ロボットが発表されましたね。
(自動車メーカーと家電メーカーが同じような事をやっているというのも、考えてみると不
思議ですが)

 アイボの登場以降、ロボット開発の速度も、また加速したような観があります。

 この分だと、メイドロボットの市販も、そう遠い事でもないかもしれませんね。>中里さ



 
313.  うひー、ホントだ   土門弘幸 2000/11/24


 イツノマニ。<あと一週間

 要するに気軽にやっていいのね? というわけで、うむり。

>歌声喫茶
 新橋あたりにゃまだありそーですね。ずいぶん前のこってすが、バイト先で一緒に誘導灯
振っ
てたオッチャンがハマってたっけか。というわけで

・歌声喫茶「アモーレ」
 昔懐かしい歌声喫茶(がなにかわからない人はお父さんお母さんに聞いてみよう!)。御
茶ノ
水から水道橋方面への道中のちょっと奥まった場所、雑居ビルの千香もとい地下の、「え?
 こ
んな所に!?」という場所に存在。基本的に営業は夕方からで、木曜日になるとちょうちん
袖に
化粧ばっちりのガイが現れるとか。某特撮番組に登場する同名店との関係は不明だが、店長
は草
薙(くさなぎ)さんという女性である。

 川上さんの「実はノンフィクション?」、採用。

>湾岸ミッドナイト
 いつだったか高畑さんがそういう話をしておられたのを憶えてたんで、「逢え闘」オレパ
ート
における豪介の信条は、そういう風に書いてみました。初志からすると、やっぱりアレは正
解だ
ったのかな?

>小説を書く時
 なんか『容姿』『性格』『説明』と分けて設定することが多いですねオレの場合。毎回、
無意
味と知りつつ身長体重誕生日はきっちり決めてたり。星座とかもね、占いの本とか見たりし
つつ。
 豪介は天秤座かねえ。千香は牡羊座だな、うん。ひろせ先生は魚座あたり。庄司は……無
理矢
理、双子座とか。しかし星座占いってなあこうして考えるとシューキョーみたいなもんで、
たか
だか十二区分に収まるようじゃキャラ立ちとしてはダメなのかな。


 なんだかんだで川上さん任せになっちゃってるなオレ。イカンね、どうにも。


314.  設定など。   橋本紡 2000/11/25


うーん、千香の家、どうしましょうかね。
豪介の電話に駆けつけてるところを見ると御茶ノ水近辺なんだけど、
最初に豪介が飛びこんでくる時点では郊外っぽいし。
あ、もしかして千香にもロボ千香が……まさか……。
瑞穂の家は池袋線あたりにしときましょうかね。
それだと、まあ、どうにかなりそうだし。


ひろせ先生の秘密。
活字しか読まないと思われているが、実は漫画も好き。
かつて『ベルサイユのバラ』にはまったのがきっかけ。
しかし「先生って、○○○物が好きですよね」などと
指摘されると激昂するのだった。
ただし、少年スポコン物は純粋に憎悪している。
「わたくしは美しいものしか認めないの!」
だそうだ。

例の闘い以後、ひろせ先生は豪介にも個人指導を行って
いる。かなり嫌々の様子で「このバカ! その泡だて器の
使い方はなに!?」だの「出直してきなさい! お菓子作りを
舐めないで!」だの甲高い声で叫んでいるわりには、豪介が
都合で指導を休むと寂しそうにそわそわするらしい。
「先生、今日は榊原さん、お休みするそうです」
「そう……ここのところ休みが続いてるわね……」
「あの、先生、来週はきっといらっしゃいますよ。そんなに
落ち込まなくても……」
「わたくしは落ち込んでなどいません!」
「せ、先生……怖い……」
あー、ベタっすね(笑)。

お気に入りの紅茶は英国王室御用達のF&M。実はこれも
漫画の影響だったりする。どんなに忙しくても、午後の
紅茶は欠かさないらしい。


315.  キャラの作り方。   橋本紡 2000/11/25


とりあえず動かしてみる。
しゃべらせてみる。
外見とだいたいの性格くらいは決めておくけど、書いてみての
動き方優先かなあ。

うーん、人によってけっこう違うもんですね。
細かく決めてるところは土門君らしいな。とか思ったり。


あー、しかし今年の風邪はきつい。
直ったと思ったら、ぶりかえしましたー。


316.  電撃hp?vol.9「6MENリレー小説”逢えば恋するヤツら」告知  川上稔 2000/11/25


んじゃ、残り一週間を切ってるってのもあるんで。

*********************************
電撃hp?vol.9「6MENリレー小説”逢えば恋する乙女ら」告知
*********************************
内容を明かすわけにはいかんので、どー告知したもんか(笑。
とりあえず自分のパートのところを重点的に少し。

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0・企画
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Title:「逢えば恋する乙女ら」
ジャンル :恋愛もの(多分)
対象   :中高生以上の男女
執筆者  :6Mendiceの面々
発表   :電撃hp?vol.9

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1・テーマ
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当時の会議でのメモを見てみましたが、
『テーマ、やるべきこと=逢ったら恋すること絶対命令』
とありました。
……サカリの犬かい。

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2・あらすじ
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簡単に言うと、
「少女が少年と会ってボーイミーツガールなところを悪い大人達が捻って
邪魔したが土門さんがまとめた」
というところでしょうか。
あ、ちなみに、本編とは別で、
「言葉の端々から裏真意が見え隠れする参加者感想文大会」
があるようです。

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3・舞台
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まず一つ言って大丈夫なのは、
・『舞台は前作と同じ』
ってことだったりします。

だから今、ここで前作の設定を慌ててまとめてるんですなー(笑。

第一回目「逢え闘」で使用された謎のお茶の水を舞台に事件は展開します。
結構ストリートドラマなのかもしれなかったり。
よって前作に出てきた人達がチラリと現れたり、また、前作で通用した、
「無茶な理論」
が更に個々の作家さんの解釈で適用されていたり。 リレー小説のシェアワールドみたいなもんでしょーか。

事件はお茶の水駅の西口あたりから始まって、千香達の通う学校の方へ、
午後の夕焼けの中、雑踏の流れる緩やかな坂道で本格的にスタート。

?????????????????????????????????
4・キャラクター
?????????????????????????????????
また一つ言って大丈夫なのは、
・『前作と主要キャラは違う』
ってことだったりします。
前作を読んでなくても大丈夫な親切設計ってか、
「そーしないとダメと言われた」
わけでもあって、このあたり、なかなか難しいものですなー。
前作は千香や瑞穂といった娘が出てきましたが、今回の主人公は彼女達の
級友で、彼女達から見るとどことなく不確かなところがあります。
っていうか今回の登場人物ってなんか皆そんなとこあるよーな気が。
なんつーか。
「色々な意味で不確かな連中」
が集まってるのが今回の話でしょーか。

とりあえず彼女は高校三年生で、どんなテストだろーと100点をとるこ
とができるんだけど、わけあってそれを自分でストップしてる、と。
それがために進学も就職も望まなくて、さてあと卒業まで数ヶ月、どうし
ようかと迷っているときに、いきなり”0点”をとる事件発生。
さあ本格的に、
「どうしよう」
と。
そこで迷うのをやめて踏み出すから事件は展開するんですが。
はてさて。

?????????????????????????????????
5・キーワード
?????????????????????????????????
・「彼女は他人に依存する」

無論これは自分パートのキーワードであって、読後に一言付け加えていき
たいもんですなー、と。
そんなことを思ったり。

?????????????????????????????????
てなとこで、んじゃー。


317.  御質問   川上稔 2000/11/25

実はまだ、執筆順番を明確に発表してないんですなー。
とりあえずハナが自分で終わりが土門さんってのは大体解ってるよーです
が。ううむ。

>皆さん
それぞれ担当されたところや、全体を見て、
1・テーマ
2・あらすじ
3・舞台
4・キャラクター
5・キーワード
について何か御願いいたします。
話のスジに触れなくても(キャラなど事件発生以前のことを語るとか、他
の作家さんをダシにして語るとか(笑))書けるよーに思いますんで一つ。

>皆さん
今回、実は皆さんそれぞれがちょっと出でもキャラを作って出しているの
で、そのキャラ設定をできれば御願いします。
先バレかなー、とか思われる場合、名前とか出さなくてもOKです。
自分は、
「他人から見た主人公」
って感覚で設定を公表しようと思ってます。

>高畑さん
・この世界の”裏社会”事情について
漠然とでもいいので御願いいたします。

>中里さん
高畑さんの意見を受けた後で、
・この世界の”裏の組織”について
御願いいたします。
>土門さん
・この世界の学生さん達の話題や服装嗜好、事件について。
変な連中多いとこなんで、何か”狩って”んのか、とか。
思いついたら御願いいたします。
・この世界の行く末予測
最後のまとめ方を見てたらミョーにこれ気になってまして。
何でもアリっぽいんですが、それが表に出ていくのか、ひそやかに裏にし
まわれていくのか、はたまた”仮面ファイター”のような番組として語り
継がれていくのか、とか。

>古橋さん
・千香達の学校について
御願いいたします。
一番、皆でツッコミ入れられそーな場所ですなー。

>橋本さん
・シフト論
で御願いいたします。

>わし
・さらにマップを頑張れや
おう。

何か建物とか思いついたら言って下さいー。
マップに反映させますんで。
いやはやいやはや。


318.  オレ設定そのにー   土門弘幸 2000/11/27


 ふーむ、なんでオレが「学生さんたちの話題や服装嗜好」をフられたのかよーわかりませ
んけ
ど、まー愚考してみますか。楽しげだし。

 とりあえず『逢え○○』ワールド(仮)の若者間で流行ってるのはズバリ、『ストリート
ファ
イト』。それも闘【ルビ:や】る側でなく、観る側。どうしたワケか(笑)逢うや否や闘い
だす
連中がごろごろいるので、二十三区内に限定しても一日一回はどこかでストリートファイト
が行
われているとか、いないとか。
 ファイトが行われるとモバイルによるネットワークがいち早く連絡を回し、近隣にいた若
者た
ちは素早く現場に駆けつけます。幸運にもまだ決着がついていなければ、彼らはすかさずそ
うし
たファイターの周囲を取り囲み、背景【ルビ:モブ】キャラよろしくはやし立てるわけで
す。
 某空手王はファイトの度に観客数?数十名を巻き込むことで有名だったり。
 当人たちは気まぐれや偶然に頼って行っているはずのファイトが、なにゆえ迅速な連絡網
で観
測されてしまうのか、それはネットワークを形成している当の若者たちの間でも不明なこと
です。
 多分、誰かが裏で糸を繰っているんでしょう。

 あるいは『流行』と『事件』の狭間にあるかも知れないこととして、謎のドラッグの流布
があ
ります。効果としては簡単な幻覚作用のみなのですが、とにかく効きが早く、また中毒作用
が弱
く、更に安価であることが支持の要因です。
 当初はごく一部、繁華街にたむろする中でも特に真っ当でない領域の者の間で、「噂に上
る」
程度だったものが、ある時期を境に急速にマーケットを拡大していきました。殊に特徴的な
のは
公立高校や私大付属など「真面目な」学生にも顧客が現れていることで、一口に「青少年全
体の
モラルの低下」では済まされないなにかがあるようです。
 多分、誰かが裏で糸を繰っているんでしょう。

 また、制服の復権とでも言うべき事象は渋谷・新宿を中心にある種のムーブメントを起こ
して
います。言うまでもなく、援助交際の流行などによって女子学生における制服の定着率はも
はや
安定化の極みにあります。学校卒業後も制服をまとい人気を得ようとする、いわゆる「なん
ちゃ
って女子高生」もかなりの数に及ぶでしょう。
 しかしそれだけでは説明できない、老若男女を問わない制服着用ブームが巷で起こってお
り、
人気の高い制服は市場の表裏を問わず高値で取り引きされています。流行はほぼ週代わりで
移り
変わっていますが、安定して高い支持を得ているのは、古式ゆかしい詰め襟とセーラー服の
よう
です。新宿の某公立校制服、白基調のセーラー服および公認黒タイツ・コインローファーの
組み
合わせは、セット価格で平均10万を越えるとか。
 いわゆるブルセラとこの流行との相違は、取引された制服が実際に着用されていること─
─つ
まり制服がユーズウェアと同じ位置にあることでしょう。当然、「おまえ学生やったん何十
年前
やねん」というような方にも着用が見られます。しかしこの現象の急速な勃興にはやはり不
可解
な点も多く、マスコミも扱いに困っているようです。
 多分、誰かが裏で糸を繰っているんでしょう。

>>蛇足<<
 こうした「多分、誰かが裏で繰っているだろう糸に好んで操られる人々」を総称して、
「マリ
オン・エイジ」と言うとか言わないとか。

 ……こんなもんスかね。『世界の行く末』云々は、他の方の動向をうかがってからとしま
す。
ってももう期間もそうないんで、近い内に。


319.  逢えば恋する奴ら・設定   中里融司 2000/11/28


 いやぁ、旅が続くと疲れますな。
 高畑氏、どうもどうも。あのロボットさんが公開された日には、私は北斗星一号の個室で
ハレンチ学園の話などしていましたのでその日のニュースは見てないのですけど、皆さんが
メイドさんだの少女型だの看護婦ロボだのがもうじきですね、おめでとーと祝福してくださ
います。
 一旦技術が走り始めると結構早いものですし、早く実用的な娘さんロボが出て欲しいもの
です。できれば小麦色の肌で眼が吊り気味で、少し性格設定生意気気味の奴が。
******************************************************
 川上氏のご指定に答えて、逢えば恋する奴らに登場する、中里製作キャラのことなど。
 ヒロインには妹さんがいます。陸上部に所属していて、結構ヒロインとは性格対照的か
も。生意気盛りの14歳で、お姉ちゃんを愛しながらも、ある面不満に思っています。
 でも、それは姉を愛するがゆえ。若さゆえの不用意な言動も、ときにしてしまいます。
 それが、お姉ちゃんには辛いということが、なかなか理解できません。
 ネタバレしないようにとすると、この辺りで切るのが吉かな。いかがざんしょ。
320.  設定   高畑京一郎 2000/11/28



>・この世界の”裏社会”事情について

 古橋くんのパートで出て来たのが、日本のやくざ。
 橋本くんのパートで出て来たのが、グローバルな裏組織。

 橋本くんの組織は世界規模な悪事を働いていますが、同時に、古橋くんの組織にも、技術
提供をしています。
 もっとも、技術そのものは彼らの大切な財産ですから、それを公開するような事はしませ
ん。
 「製品とそれを扱う技術者をセットで貸与する」という形ですね。

 古橋くんの組織は、必要に応じて、橋本くんの組織にコンタクトを取り、その製品を購入
するわけです。

 橋本くんの組織はあまりに巨大なため、多くの派閥ができており、時には派閥間の抗争も
あったりする。そこに「○○○」のような一匹狼が跳梁する隙があったりするわけですね。

 ……と、まあ、こんな感じでしょうか。


321.  設定とか。   橋本紡 2000/11/28


誰もが誰かに依存する。
いや、当たり前ですけどね。あの形を取らなく
ても、人はいろんな意味で誰かに依存しているも
のです。それを自覚しているか、自覚していない
か……そこら辺が大事。と思ったり。
依存って少し形を変えると恋だよねえ。と思ったり。

シフト論は……書いていいんでしょうか?
・特殊な形で依存する。
・段階がある。
これ以上明かすと、やばい気が。
話の根幹だし。
設定を固定するか、あるいは拡大するか……方法は
二つあったけど、あえて拡大しました。それは
リレー小説という形式をとってたから。設定に奥行きを
与えることによって、「それはなんだ?」という
疑問を提示しようかと。

それと。
○○○は某国からの亡命者をモデルにしてますー。
亡命者は亡命が成功してからも大変……そういう
番組だったような。けっこう、なんとゆーか、
暗黒街的な生活をしてたんですよねー、その人。
そういうイメージで作ってみました、はい。
名前もそのまま使わせてもらったけど(苗字だけね)、
まあ、彼の国ではありふれた名前で、日本でいえば
鈴木佐藤田中みたいなものだし、問題なかろうと。
その番組では、辛い思いをしつつ、しかしそれでも
頑張って働いている亡命者なども紹介してて、
ちょっと感動しました。


322.  ちょっと遅めですが   川上稔 2000/11/29


いただいた意見とか入れて、ちと修正込みでできました。
第一回分スタッフロール(?)

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●6mendiceリレー小説「会えば闘うヤツら・基本データ」
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※以下、敬称略

:企画
 高畑京一郎
 株式会社メディアワークス

:執筆者
 高畑京一郎・中里融司・土門弘幸・古橋秀之・橋本紡・川上稔
 織田裕行(イラスト)
 電撃hp編集部(紹介、座談会)

:発表
 前半:電撃hp七号(紹介2p:本文18p:計20p)
 後半:電撃hp八号(紹介2p:本文18p:座談会6p:計26p)

:仕様
 発表時:縦21×28:三段組み
 執筆時:20×20原稿用紙:最低18枚 最大22枚

:執筆順番
 一番手:高畑京一郎(主人公)
 二番手:橋本紡(ヒロイン)
 三番手:川上稔(敵)
 四番手:中里融司(事態の急変)
 五番手:土門弘幸(主人公の危機)
 六番手:古橋秀之(クライマックス)
 ※会議場での熾烈な駆け引きと苛烈な懐柔の末に決定。

:執筆時期
 2000年三月十日から、一人頭持ち時間十日で執筆。
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二回分は、同じような仕様で作るってことで。
でもコレ、もー八ヶ月以上前のことなんですなー……。
ああ年末ですよ今、キビシィ?。

>橋本さん
あ、ちとメールでちょっと送りますー(私事?)

てなとこで、ではでは。


323.  設定   古橋秀之 2000/11/29


おつかれさまです、古橋です。


担当パートについてあれこれ。

> 1・テーマ
「事件が起こりそうな状況」を作ることだけしか考えていなかったので、特にテーマとかは

定していません。

> 2・あらすじ
これまた、私のところは「状況設定」だけで終わっているので、特にいうことはないです。

> 3・舞台
自分は「普通の現代モノ」は苦手かもなあ、と思います。
新宿と渋谷と池袋を書き分けたりとかは、ちょっとできませんね。

> 4・キャラクター
男の子担当だったのですが、状況設定もそうだし、基本の性格も「ちょっとぼーっとした
子」
という感じで、ヒロインの子とかぶってたかなあ。あんまり上手くなかったですね。

> 5・キーワード
私的には「ナイフ」がポイントだったかも。「少年」と「ナイフ」って、まあいかにもな感

ですが(時事ネタだし)、切羽詰まった感じを出すのに便利なんじゃないでしょうか。
後の方のパートでは「薬」や「能力」の方に焦点が移っていきましたが、まあ、それもまた

し。



> ・千香達の学校について

えーと、
・九段下近辺にある。武道館のとなりとか。
・共学である。多分。
・大学の付属かも。
・歴史は古い。戦前は日本軍絡みの施設。それ関係の怪談などあり。
・生徒数は500人くらい?
 ここ10年ほど、少子化に伴って生徒数が減り、校舎には空き教室がたくさんある。
・電車で通学する生徒が多い。
・校風はわりと自由な感じ。

んんー、こんぐらいしか思いつかんです。

・校庭の地下には巨大な空洞があり、魔方陣が描かれている。
・「淫獣教師」と呼ばれる先生がいる。
・体育祭では伝統的に全校生徒による「縦笛行進」が行なわれる。
とか、まあテキトーなことは言えないでもないですが、それもちょっと違うような……。


では、とりあえずこれにて――


324.  設定・裏の組織   中里融司 2000/11/29


 うーむ、闇の社会も大変ですな。
 高畑氏の設定を受けて、この世界での裏の組織はこうなっています。
*********************************************** 

 この世界の闇組織。
  アジア大陸を中心に、闇社会を統括する巨大な組織がある。古代中国に端を発する異端の創
造神、伏義を崇め、女過が大量生産した粗製濫造の人間から、本来の姿と能力を取り戻そう
とする一団で、その実体は組織ではなく、七人の個人。『七星陣』と呼ばれているが、彼ら
はことごとく秘密のベールに包まれ、実体は定かでない。直接の傘下組織もなく、ただ教え
を乞いに来た者に対してはある程度までは秘密を明かすため、七星陣のメンバーを導師とし
て崇める組織も少なくない。それらを統括する超組織的機関を、伏義会と呼ぶ。
 彼らは神農以来の精神的な修行、あるいは食べ物などにより、目的を達成しようと考え、
それで得られた能力を、組織の拡大に用いるにはややためらいをもつ。
 一方、ヨーロッパには同じように、人間の殻を脱却して、神の域に迫ろうとする団体があ
る。
『太陽の子騎士団』と名乗る彼らは、七星陣とは異なり、傘下にさまざまな組織を収めてい
る。それらの中には七星陣を崇める組織と交流しているものもあるが、基本的な考えの違い
……彼らは薬物、あるいは人体改造により、即物的に目的を達成しようとする。そのため、
対立することの方が多い。
 太陽の子騎士団に関しては、その技術が修行などの迂遠な手段を必要としないため、各国
軍部も追求を始めているふしがある。
 日本の裏社会にも、神農を本尊とするものがあり、彼らは伏義会とは別個に『男』を磨く
ことで超人化を追求してきたが、近年は大陸系マフィアとの提携により、伏義会に繋がる組
織も増えたため、社会の暗部では、熾烈な戦いが繰り広げられている。そういった、超自然
的な戦力をもたない普通の組織は、どちらかに吸収され、消えていく運命にあるようだ。

 また、彼らとは関係のない闇の組織として、究極の料理を追求する秘密のクラブがある。
庶民のおかみさんから、政界財界の重鎮まで、そのメンバーは多種多様だが、会合の席では
社会的な地位は関係ない。皆怪しい化粧に袖の膨らんだ服、ちょうちんブルマという格好
で、都内某所に集まり阿鼻叫喚の料理三昧を繰り広げる。
 その主催者は、皆さまおわかりですよね。

 もう一つ、人間の可能性を追求する、ストリート・ファイト愛好者の互助会的な組織が存
在する。
 一定以上の実力をもつ格闘家には、スカウトに使者が訪れる。黒スーツを纏った黒眼鏡の
姿は全員共通で、目的はただ、最強の男(あるいは女)を決める、ただそれだけ。
 小さな組織だが、構成員の戦闘力が並みでないだけに、大抵の場合は触らぬ神に祟りなし
を決め込まれる。組織に属さず、ルールも無視する某さすらいの格闘家に対しては、組織の
刺客が繰り返し放たれているが、いまだ成功した者はない。


325.  キャラ設定とか   川上稔 2000/11/29


んだば自分もキャラ設定。

「設定」
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『依存する主人公』
名前:中村・明美(なかむら・あけみ)
性別:女性
年齢:十八歳
職業:学生
外見:身長150センチ半ば。顔は細面。長髪を束ねている。
   焦点の結ばれていない目つき。よくぼけーっとしている。
服装:学生服。家ではシャツにジーンズなど、動きやすく汚れてもいい格好。
性格:ちょっとぼんやりしていて、他人に一歩を譲ってしまう。
   興味本位で動く傾向がある。卑怯なこと、約束を破るようなことはしない。
   律儀。
   自分の現状が崩される出来事があると、積極的な対処に入る。そうでない
  限りはぼけーっとしてる。
経歴:
生まれて以来:
    家族の中ではよくできた子として育つ。
    本人も極めてノホホン。平和平和。
十五歳:高校にて変な友人出来る。
十六歳:夏休みに父親の単身赴任先であるフィリピンに行ったとき、格闘家の
   ストリートファイトに巻きこまれて失明。
特記:
 家族関係など自由に設定。
 高校卒業後の進路は未定。
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お、意外とプレーンタイプ。薄味。


326.  シフト論   橋本紡 2000/11/30


報告者 佐々木順二
題   感覚依存症について

ここ数年、世界のあちこちで特異な現象が見られる
ようになってきた。研究者のあいだでその現象は感
覚依存症と呼称されているが、それは明確に定義さ
れた病名ではなく、ギラジウム症候群や睡眠時無
呼吸症候群などと同様に、その表面現象をひとくく
りにまとめ、適当な呼び名を与えたにすぎない。感
覚依存症の発生頻度はおよそ七百万に一人と、各種
症候群と比べても極端に少なく、存在が予想される
遺伝的発生因子の保有者は――未発見ゆえ、これも
予想にすぎないが――実際の発病者のおよそ二十倍、
すなわち三十五万人に一人と考えられている。この症候群
の研究がいっこうに進まないのは、その現象の特異さも
あるが、なによりもこの発生頻度の低さによる。有
意なデータを得るための、十分なサンプル数が確保
できないのである。
 以下に、感覚依存症の主な症状を挙げる。

・視覚の喪失。
・限定範囲内(個人差はあるが、およそ三メートル)に
存在する、他者の視覚を共有することが可能となる。
・他者の視覚を共有することにより、同時に、その乗り
移った対象の脳内電気パターンを自らの脳内電気パターンに
置換すること――すなわち、感情の読み取り――が可能
となる。

 この現象を簡単に表現してみるならば、精神浮遊で
ある。肉体の檻から、精神が解き放たれるのだ。ある
いはオカルト的に、あるいは精神と肉体の牧歌的
二元論に収束しかねないこの現象ではあるが、当然の
ごとく何らかの医学的科学的説明が存在するはずで、
いかに困難であろうとも、その原因と治療法を早急に
見つけ出す必要がある。現在のところ、過去の精神的
諸症状に有効であった治療法が試されているが――薬
物療法、カウンセリングなど――現在に至るも、いまだ
症状の完全治癒はおろか、軽減する方法さえ発見されては
いない。

補足
これは未確認ではあるが、イタリアのマッシモ教授が
感覚依存症に第二段階が存在する可能性を示唆したと
の報告がある。第二段階において、発病者は感覚依存
現象を自らの意志でコントロール可能になるとのこと。
また、そのように抑制可能な浮遊精神を、現在確認さ
れている限定範囲三メートルを超えて浮遊させること
さえ、できるようになるという。ただしマッシモ教
授はこの示唆を行った後、その消息を絶っている。突
然の失踪ゆえ何らかの事件に巻きこまれた可能性が高
く、現地警察が捜索にあたっているそうだが、いまだ
その消息は不明のままである。


327.  さて。   橋本紡 2000/11/30


うーん、こんなもんかなあ。


328.  世界の行く末   土門弘幸 2000/11/30


 個人的には「裏でひっそり」の方が好みだなあ、と思ったり。

 彼(彼女)らは一切を“依存”しない。
 代わりに全てを“認識”する。
 表裏を問わぬ社会の営みを超越し、淡々と現実に埋没している。
 誰も不思議に思わない。何故なら彼らがなにをしようと、世間には一切影響を
与えない……否、正確には、彼らのすることが即ち、現実を規定するからだ。
 故に彼らは“認識”されない。

 駄目だー、どう書いてもネタバレしてしまう。
 ある意味、最終兵器みたいな設定を作っちゃいましたからねえ。

>橋本さん
 あ、○○○ってそういう設定だったんですか。
 うーむ。えらく変えてしまったなあオイラ。

>川上さん
 ……フィリピンだったの!?


329.  再見   高畑京一郎 2000/11/30



 いよいよ11月も最後の日付となりました。

 この『6MENdiceBBS』も、かれこれ一年続いてきましたが、以前お知らせしたように、本日
をもって、ひとまず休止する事になります。

 BBSの名前がなかなか決まらなかったり、スタンスの違いから若干の行き違いが生じた
りと言った事もありましたが、「大勢の人間でなにかをする」という経験は、いろいろと興
味深いものがありました。
 これらの経験は、ぜひ次の機会に生かしたいと思います。

 中里さん、橋本くん、古橋くん、川上くん、土門くん、お疲れさまでした。
 お忙しい中、時間を割いて戴き、恐縮しております。

 また、この掲示板をご覧になって下さっていた皆様にも、お礼を申し上げます。

 それでは、皆様、またの機会に。

 再見。

                               高畑京一郎


330.  おつかれさまでした   古橋秀之 2000/12/01


どうもどうも、高畑さん、みなさん、おつかれさまでした。
それではまた次の機会に。


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