講習生は定員を8名とし、4名ずつの2つのグループに分け、グループごとに隔週で講習を行った。
1回の講習は、その4名の講習生に対し、講師との一対一の個別講習(講習時間90分)で行った。
講習は、1グループあたり4回実施したので、講習生一人あたり、4回の講習となった。
なお、講習会参加費は、1回の講習会あたり500円とし、講習生には毎回の講習会開始前に支払ってもらった。
講習生の募集は、東京ライトハウスのホームページ、及び、視覚障害関連のメーリングリストを通じて行った。
講習生8名を年代別にみると、40代が1名、50代が2名、60代が3名、70代が2名であった。
利用経験別にみると、iPhone経験者が2名、iPhone/iPadPro初心者が4名、PC経験者が2名となっていた(表1 講習生一覧)。
Windows10とPC-Talker10の講習を希望している2名の講習生については、東京ライトハウスのスタッフが全講習を担当した。
iOS機器の講習については、講師が講習生に「指導的」に関わる形態ではなく、講師が講習生の抱える問題を「共有しながら」講習を進めていくという形態で行いたいと考え、日常的に「視覚サポート」を併用してiOS機器を利用している視覚障害当事者に講師を依頼することとした。
iOS機器の講師については、木村(2019)の当事者グループ「C会」の参加メンバーを通じて、講師依頼を行い、都内各所から10名の協力者を得た(表2 講師一覧)。
今回依頼したiOS機器の講師は、「視覚サポート」を併用しながら日常的にiOS機器を利用しており、「視覚サポート」を併用した操作方法について、より直感的な情報を持っていると思われた。
しかしその反面、これらの講師がすべてのアプリや操作方法に精通している訳でもないと考えられた。
そこで、講習生と一対一で対応する講師3名の他に、講師から依頼があった場合などに、
なお、講習の内容を講師間で共有するために、講習生と一対一で対応した講師には、各回の講習終了時に、講習の内容や講習生の反応などを「講習会報告」として提出してもらった。