***************************************  DISCLAIMER// The characters and situations of the television program  "The X-Files" are the creations and property of Chris Carter,  Fox Broadcasting, and Ten-Thirteen Productions.  No copyright infringement is intended.  この作品は、作者の妄想作品「寝不足」後の二人として書いております。  クリスマスFicとしての役目は?(苦笑)  また、MulderもScullyも本編とは全然違います。  それをご理解された上で、お読み頂ければと思います。 *************************************** = FBI捜査官のクリスマス = Written By AKUA Data:12/22/99 Spiler:None ***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-*** Once their minds "トクン" この音は何? あなたと彼女を目にする度、私の心の中は小さく音を立てる。 二人のことは、全て過去だとあなたは言う。 別にそんな事はどうでも…そんな事を気にしている訳では… 『嘘?』 今、私は嘘を吐いてる。 また、君は嘘を吐こうとしている? 彼女と僕を見つめる度、君からいつもの真っ直ぐな瞳が消える。 少しだけ逸らしたその瞳に僕は…何を言えばいい? 気付かされるよ、君が言ったあの一言。 『信頼関係の問題』 そうだ、全ては君と僕…"二人の問題"だ。 ***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-*** X-Files Office 7:10 PM 24 Dec. 「ありがとう。やっぱり貴方に聞いてみて良かったわ。Fox。」 「そうかい?」 「ええ、ホントに助かったわ。お邪魔してごめんなさいね?Scully捜査官。」 そう言って、彼女は私に視線を向けて軽く微笑んで見せた。 それと同時に、彼女の傍らに立つ"Fox"も私に視線を向ける。 「お邪魔だなんて…あなたが彼の相手をしてくれれば、私の仕事が捗るわ。」 私も二人の方に視線を置いて微笑んでみせた。 「あら?ご機嫌を損ねたかしら?」 そんな私の僅かな含みに彼女が素早く反応する。 今更ながらに感じる彼女の私に対する揺さぶり。 分かり易いこの行動に何を不安になっていたのか…  (女って単純。あんな一言で全てに気付くなんて…しかも、彼の一言?) その"彼の…"って事に何故か釈然としない思いが私の中で顔を出す。 「何故?私はあなたに感謝しているわ。だって彼の相手が出来るのは、  私かあなたくらいでしょ?」 「じゃあ、今から彼を連れだしてもいいのかしら?」 彼女は私から視線を外して、彼を見つめる。 彼女のこの一言が、釈然としない思いの私に彼への攻撃のチャンスをくれた。 「それは無理ね。私の仕事は終わったから、後は彼に仕事をして貰わないと。」 「え!チョッと待てよScully?まさかだろ?」 (何が?)っと彼に視線で質問を投げかけた。 すると、彼の視線は諦めたように『降参』を告げる。 即座に彼女は、彼に声を掛けた。 「ごめんなさいね、Fox…私があなたの邪魔をしたから…」 「いいんだよ、Diana。君のせいじゃない。  僕が彼女に任せきりなのがいけないんだ。」 彼は彼女の方に向き直り、お得意の笑顔で軽く頭を左右に振って見せた。  (はいはい、好きにして頂戴!) 私は呆れて二人の様子を眺めていた。 「じゃあ、私がお手伝いするわ。その後にXmas dinnerなんていかが?」 「え?うーん、イヤ…それは…」 彼の視線が、一瞬私に向けられる。  (私を見ても何も言ってあげないわよ、Mulder) そう思いながら、私は素知らぬフリで帰り支度を進めた。 「それがいいわね、Mulder。じゃあ、お先に失礼、楽しんできてね。」 苦笑いしている彼の肩をポンと叩き、彼女に見えないところでチラリと舌を出す。 その後の、彼の『まいった!』と言う表情を確認して、私は地下室を抜け出した。 ***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-*** Mulder's Apartment 10:07 PM あのまま地下室で別れてから、私は少し反省していた。  (大人げなかったかも…) そう思いながらも、私の中ではまた違う私が現れる。  (でも、彼の困った顔ってとてもCuteなのよね…) 今、その彼は、クリスマス休暇の夜だと言うのに、私に気づきもせず子供のように お気に入りのカウチで眠りこけている。 私はと言うと、そんな様子を何故か飽きもせずに眺めていた。 ここに来るまでは、いつものように"嫌がらせ電話"もかけてこない彼に、少々腹立た しさを覚えて『今年は家族と過ごそう』そう決めていた。 しかし、何故かここにいる私…。 そんな事を考えながら、私はハタと気が付いた。この部屋の主は、私の侵入に気付い ていない…と言うことは、いわゆるこれは『不法侵入』!?(今更だけど…)  (これじゃ、あなたと同じだわ…) 眠る彼を見つめながら考えてみた。 私は急に気恥ずかしくなって、静かに部屋を抜け出そうとする。 その時…… 「帰るな。」 彼が呟く。そして、目を閉じたまま私の左腕を掴んで放さない。 「Mulder、あの…」 私は、その強い声と掴んだ掌の熱に焦りと戸惑いを覚え、どうすればいいのか… と、途方に暮れる。 「帰らないで…Scully。」 「Mul…」 「お願いだ…」 さっきとは逆に、子供のように囁く彼の声が私の意識を変えていく。 彼の言葉にその場を離れる事が出来なくなった私がいる。 ギュッと掴んでいるその手にそっと右手を重ね囁いた。 「帰れないわ…」 漸く安心した様に彼はまたスッと寝息を立てた。 私はと言うと腕を掴まれたまま、また眠る彼を眺めている。  (「帰らなきゃ…」その一言が言えないなんて…。   でも、こんなままじゃ…やっぱり…) すると突然、彼の瞼がパッと開いて目の前に立ちつくす私を暫く見つめ、驚いた様 に声を挙げた。 「Scu?何して…」 そこで漸く私は彼が夢を見ていた事に気が付いた。 「…夢だと思って…」 さっきの行動に焦る彼が可笑しくて、自然と顔が綻んでしまう。 それでも私は冷静さを装って彼に尋ねた。 「夢に私が?」 「いや、その…」 「夢のあなたはとても素直なのね?Mulder。」 「え?」 「「帰らないで…」「お願いだ…」って…」 優位に立った気分で、意地悪に囁いた。 しかし、彼はそんな私に真剣な眼差しを投げかけてくる。 「ホントに…ホントにそう思ったからだよ、Scully。」 「!?」 やけに素直に振る舞う彼に、今度は私が驚いて見せる番だった。 「Mulder?」(ヤバイ!風向きが彼のペースに変わりそうだ…) 「うん?」 「どういう…意味?」(ああ…こんな質問したら…) 「僕を選んでくれてありがとう、Scully?」 「??」 驚く私に彼はにっこりと微笑んで見せる。 「家族より僕を選んでくれたってことだろ?」 「ちっ、」 「違わないよ、Scully。」 即座に答える彼に私は思っていた。  (完璧に填った…) 私は何も言えなくなっていた。 「Merry Xmas Scully。今年のプレゼントは君自身?」 「ば、バカ言わないで…」(何を焦っているのだろう?私…) 「勘違いするな、そう言う意味じゃない。」 「……」(既に私達は…) 「夢だと思った君が、こうして現実に僕の目の前から消えずに居てくれる。  それが僕にとってどれだけ大切な事か君に分かるかい?」 「Mulder…」 バカな事を考えていた私は、切ない彼の気持ちに喉の奥が苦しくなる。 その痛みに、私は自分の『Heartの位置』を認識していた。  (Mulder…その一言が私にとってのプレゼントだって気がついている?) 「Merry Xmas Mulder。ゆっくり眠ってね…」 「Scully?もしかして、このまま帰れると思ってる?」 「えっ」 「不法侵入の罪は重いんだ。」 「じゃあ、どんな取り調べが続くのかしら?Mulder捜査官。」 私は顎をツンとあげて見せた。 すると、彼の唇が私の耳元に近づいてくる。 「それは、これからの君の供述次第だ…」 「なるほど、でも……調子にのらないで!」 そう言って、私は彼の額をピシャリと叩く。 「イテっ!不法侵入に公務執行妨害、重罪だぞMs.Scully。」 「じゃあ、罰金を支払えば許されるの?」 「??」 「払ってあげてもいいわよ?」 そう囁いて私は彼の瞳を真っ直ぐに見つめた。  (休暇は長いのよ。寝不足にならない程度に頑張って…) 心の中で呟いた声に?彼いつもの笑顔で応える。 「今夜は帰さない…」 キザな台詞を囁く彼に、(受けて立つわよ)そう思いながらフッと微笑んで見せた。 ***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-***-*** 私の一言:  こんな作品にお付き合い頂きありがとうございました。  「何処がどうクリスマスやねん!」って声が…  「で、内容は?」って声もする…(苦笑)  みなまで言わないで、自分でも十分十分理解しております(汗)  でもね、クリスマスだし参加したかったの…ごめんなさい。 お気に入りクリスマスソング:  お気に入りって程では無いですが、『きよしこの夜』なんかどうでしょう?  子供の頃クリスマスの夜に教会のメンバーと、ローソクを持って唄いました。  (ちなみに、私は仏教です…)