=THE X-FILESに関する権利は全てChris Cater,20th Fox=    =及びTen-thirteen productionに帰属します。=               !!!!警告!!!! *以下の作品は、18歳未満の方、及びX-Filesキャラの肉体関係を好ましく 思われない方には読んでいただけない内容となっております。ご注意下さい。 *以下の作品には登場人物が二人存在していますが、「Scully & Somebody」 の会話とお考えいただければ幸いです。 ====================================  <Distorted Jealousy>   by よみひと★しらず  According to Yomihito★Shirazu =====================================  「信じられないと思うけど、私、彼とは一度も寝たことがないの。」  「いいや、信じられるよ。」  「私ですら信じられないのに?」  「君を見てれば判ることさ。」  「ずるい人・・・そうやって、私の全てを理解してるふりをするのね。」  「俺はそこまでずうずうしくはない。君みたいな計り知れない女の全てを理解するなんて、  俺には無理だ。」  「測り知れない?」  「ああ、君には予測不可能な部分が多すぎる。」  「例えば?」  「例えば――――どうして俺とここにいるのか。」  「あなたはどうして、私といるの?」  「腹いせ、だな。」  「腹いせ?」  「ああ、君の全てを理解できない自分への、そして理解させてくれない君への。」  「多分私も・・・同じ理由だわ。」  「・・・やはり君は、予測不可能な女だ。」  「私も・・・そう思う。」  「なあ、君は奴を愛していたのか?」  「何よ急に・・・私を理解しようとしているの?」  「正確には、違う。君と奴のことを理解しようとしてるんだ。」  「嫉妬?――――ねえ、何で笑うのよ。」  「嫉妬のわけないだろ? 俺には奴に嫉妬する理由はないんだ。」  「じゃあどうして?」  「興味があるんだよ。愛し合っていながら、結局寝なかった君たちに。」  「ちょっと待って――――私まだ、あなたの問いに答えていない。私、彼を愛していたな  んて、一言も言ってないわ。」  「ところが、な、残念だけど、これも君を見ていれば判ることのひとつなんだ。」  「何ですって?」  「君は奴を愛している。」  「――――私、あなたを嫌いになりそう。」  「図星を指されたからか?」  「違うわ。そこまで確信持ってることを、わざわざ聞いてくるからよ。」  「君の口から聞きたいんだ。奴を愛してるって。」  「どうして?」  「多分、汚したいから。君を、君たちを。君たちの想いは・・・神聖すぎる。」  「私なら、とっくに汚れているわ。あなたにこうして・・・」  「それ以上言うな。」  「――――ねえ、そんな怖い顔しないで。」  「――――俺、そんなに怖い顔してたか?」  「ええ、身体中から氷の刺が突き出しているような顔だった。まるで全然知らない他人  みたい・・・」  「・・・俺が怖いのか?」  「そうね・・・私をねじ伏せて奪おうとしないあなたが、怖いわ。」  「妙なものを怖がるんだな。」  「だって、全てを見透かされてるような気がするんだもの・・・私のことも・・・彼の  ことも・・・」  「今のは『私は彼を愛してます』って聞こえたぜ。」  「――――教えて、あなたは一体、私に何を望んでいるの?」  「言っただろ? 俺は君を汚したいんだ。」  「教えてほしいのはそこよ。私を汚したいのなら簡単なことよ。全てはあなた次第だわ。  それなのに・・・あなたは・・・」  「俺に・・・犯して欲しいのか?」  「私を・・・汚したいのなら。」  「・・・犯したぐらいじゃ君は汚れんよ。いや、それどころか俺の元からなお遠ざかっ  てしまうだけさ。」  「それ、どういう意味?」  「教えてやろうか――――」   「あ・・・」  「どうしたんだ・・・もう気持ちいいのか?」  「・・・ま、待って・・・」  「さっきは、ここがいいって言ってたじゃないか。」  「で・・・でも、もう、こんなこと・・・」  「また身体が熱くなってきた・・・素敵だよ・・・」  「・・・あっ、・・・も、もう・・・」  「もっとして欲しいのか?」  「・・・あぁ・・・あぁ・・・」  「厭らしくて、綺麗な顔だ・・・もっと綺麗になってごらん・・・」  「・・・うぅ・・・うぅ・・・」  「・・・さあ、想像してごらん、これは・・・奴だ。」  「・・・い、いやぁ・・・」  「本当は奴がいいんだろ?」  「・・・ち、ちがう・・・」  「呼んでごらん、奴の名前を。呼んでもいいんだ。」  「いやぁ!」  「居なくて淋しいんだろ? 奴を愛しているんだろ?」  「ちがう・・・あぁっ」  「呼べっ、叫べっ、奴の名前をっ」  「いやっ、いやよぅ・・・あっ・・・もう、だめ・・・ああっ・・・!」  「・・・・」   「・・・・」  「・・・強情な女だ、君は。」  「ひどい人・・・!」  「泣くなよ。」  「私を・・・こんなに辱めて・・・」  「悪かったとは思う。でも、謝るつもりはない。」  「・・・どうして・・・?!」  「何も判らないふりをしながら、君はちゃんと知ってるんだよ・・・奴の名前を呼べば、  自分が汚れるってことを。」  「・・・そんな・・・」  「愛し合ってるのを認めないこと――――君たちの想いの前提だ。」  「聞いた風なこと言わないでっ。」  「怒るなら怒れよ――――でも、怒ったところで変らないぞ。君を・・・することで知る  ことのできた真実は。」  「あなたは・・・私が欲しくないの?」  「汚れのない君は、いらない。」  「どうして?!」  「俺にこんなことを許しながらも、君は汚れなかった。君と奴は、未だに神聖な絆で守ら  れたまま――――そんな君を犯したところで、その守りが強くなるだけさ。」  「でも私は、あなたが欲しい。」  「だったら認めろ、奴を愛していると。奴との絆ごと、汚れるんだ。」  「あなたはどうして、私をそんなに汚したいの?」  「――――嫉妬したいからだよ。」  「・・・え?」  「男として・・・奴に・・・」                                                             End