本作の登場人物・設定等の著作権は、全てクリス・カーター、1013、 20世紀フォックス社に帰属します。 本編は「おとな化委員会」向けの作品です。18歳未満の方や大人向 けFicをお好みではない方は、お読みにならないで下さい。 Jack  (NC-17) (sub title:ベッドシーンが長いFicは好きですか?) spoiler:ドール wrriten by Nicholas 現実からのトーソーの欲求は、モーソーをボーソーさせる。 by Insane Nicholas 「スキナーに報告に行ってくるわ」 「うん」 何だかさっきからモルダーの様子がおかしいのには気づいていたが、 それもいつものことと思い私はスキナーのオフィスに向かった。 「報告書を持って参りました」 「ああ」 スキナーはデスクに座ったまま私を上目づかいにちらっと見上げてから 報告書を受け取って読み始めた。 「で、君はこれをX-Filesに加えたいのかね?」 読み終えて大きなため息をついてからスキナーが尋ねた。 「はい、そうしたいと思います」 「君としては休暇を潰しての捜査協力は不本意ではあったろう。 しかし地元警察と協力して事件解決に尽力をしてくれたようだね。 FBIに警察の責任者から丁重な礼がきたよ。 これがモルダーが一緒だったらいつものごとく地元警察を無視した、 とかという文句だったろうな」 そう言ってクスクス笑いだした上司を訝しげな顔で見ている私にスキ ナーは笑顔で言った。 「電話魔の相棒がいる才色兼備な捜査官を部下に持つという幸運に 見舞われているのはお前か、って昨日ジャックから電話があったよ」 「はっ?」 「彼と私は古い友人なんだ」 「そうだったんですか」 「まったく世間というものは時としてイヤになるほど狭いものだな」 相変わらず笑顔のスキナーに見送られてオフィスに戻ると、電話魔の 姿がなかった。 コーヒーでもいれに行ったのかと思い、PCを立ち上げて彼がやってい るはずなどないであろう事務仕事をやってしまう。 なるほどこれはモルダーでなくてもやりたくなくなると思われるような 煩雑な請求書作成に没頭しているうちに、時計を見ると既に定時は 過ぎている。 まさかいくらあのスプーキーでもコロンビアまで豆を摘みに行ったわけ ではあるまいに、一体どこで何をしていることやら。 セルにかけてみたがでる様子はない。 とりあえず請求書を仕上げると、オフィスをあとにしてモルダーのアパ ートに向かう。 外から見ても灯りついていなかったので多分いないだとうとは思った。 が、あのスプーキーのことだから灯りをつけずにビデオ鑑賞中かもし れないし。 それならそれでお決まりの嫌味を言っておかないとね。 一応確認のために部屋にあがる。 やはりいない。 部屋の空気の冷たさから、朝出社したきり戻っていないと判断する。 せっかくの休暇を邪魔するかのように電話をかけまくってくるくせに、 自分が消えるときにはメモ一つ残していかないんだから。 私は常にモルダーに居場所を把握されているのに、私は彼の居場所 を突き止めるのにいつも大変な思いをしなければならない。 この不公正さは何なのかしら。 だんだん腹が立ってきて、もう探してなんかやるもんかと家に帰ること にした。 鍵を開けて部屋に入り、灯りをつけて振り向いた途端飛び上がらんば かりに驚く。 「おかえり”ダナ”。遅かったね」 ソファにだらしなく座って私を迎えたモルダーはなんだか口調が冷た い。 「ここで何をしているのよ? それよりも仕事を途中で放り出して、一体何があったの?」 「今は事件を抱えているわけじゃないし。早退したんだよ」 「それならそれで一言いってよ。 それになんでセルにでないのよ。何度も電話したのよ」 「僕の直属の上司であるスキナー副長官にちゃんと許可を取ったよ。 僕にだって電話にでたくないときもあるさ」 「何よ、自分は人の休暇先にまで電話してくるくせに」 「いやならでなきゃいいだろ」 「でなくたってあなた、ジャックのセルにまで電話してきたじゃないの」 「ああ。君が休暇中とか言いながら、 しっかり協力してる事件の解決に役立てばと思って親切心から電話 したのに君がでないから、”君のジャック”のセルにかけたまでだよ、 ”ダナ”」 「”君のジャック”って何よ? 気に入らないことがあるならはっきり言えば」 「気に入らないことだって、”ダナ”」 そう言って彼は座り直すと私の顔をじっと見て先を続けた。 「君が休暇を潰してまで協力した事件の主任のジャックが気に入らな い。 しかもそのジャックが君よりずっと年上だってことも気に入らない。 それに君が奴をジャックってファーストネームで呼ぶのも気に入らな い。 奴が君をダナって呼ぶのも気に入らない。 君がそのジャックにわざわざポスターを送ってやろうってのも気に入 らない。 とにかく何もかも気に入らないんだよ。」 最後の方はどなっているモルダーにあっけに取られながらも、彼の言葉の一つに疑問を感じてきいてみる。 「あなた、ジャックが私のことをダナって呼ぶってなんで知ってるの?」 「君がスキナーのとこに行ってる間に電話があったんだよ。 ”ジャック・ボンサントという者だが、ダナはいるかい?” って。”ダナはいるかい”、だぞ。 ああ、もぉぉぉぉぉ!!!」 突然に叫ぶと、モルダーは手で顔を覆って膝につっぷしてしまった。 とにかくモルダーがジャックに嫉妬しているらしいということしかわか らなかった私は、なんでこんなにも彼がおかしくなっているのか理解で きず、暫く唖然と彼の背中を見ているしかなかった。 だって彼はあのエドのときにすらここまではおかしくならなかったのだ。 「モルダー」 私が肩に触れると彼の体がびくっと震えた。 「一体どうしたっていうの?」 「どうしたっていうのだって。 君は、君は、ジャックと休暇を過ごしたんだぞ」 「休暇を過ごしたって言ったって、ずっと捜査してたのよ」 「でも、君は”ジャック”と・・・・・・」 ここまできてやっとわかった。 彼は私が一緒にいた人物の名前が気に入らないのだ。 「ジャックっていったって、あのジャックじゃないわ」 「でも、ジャックはジャックだ。 しかも君好みの、ずっと年上のジャックだ」 相変わらずつっぷしたまま拗ねたような声で言う彼の肩に手をかけて、 起き上がらせる。 顔を覆っていた手をどかせると、子犬顔の上にあひる唇。 そんなの反則よ、モルダー。こんな顔してるあなたに怒れるはずない でしょ。 「なんでそんな前のことにこだわってるの?」 まだ私の顔を見ようとしないあなたは、ちょっと躊躇ってから悲しそう な目をして言った。 「だって、僕はどう頑張ってもジャックに勝てないから」 「そんな、ジャックは死んだのよ」 「だからだよ。だから僕は彼には勝てないんだ。 死んでしまった人間を美化してしまうのは、人の常だよ。 ましてや君のあの時の様子を見れば、 別れても君が彼をどんなに大事に思っていたかは明らかだ。 だから、僕は彼には、ジャックには勝てないんだ。 君が文句を言いながらも結局は捜査に協力したもの 彼の名前がジャックだったからじゃないかと思ったら、 もう、どうしようもなくて・・・」 ソファを握り締めながら俯いて駄々っ子のように言っている癖にだんだ ん涙声になってくる彼の頭を、ソファのアームに座って抱き締める。 「馬鹿ね。 確かにジャックは今でも私にとって大切な人よ。 でもそれは大切な思い出として、ってことよ。 それに死んでしまった人とはこういうこともできないでしょ。」 そう言って、唇を噛んで涙を零すまいとしている彼の顔を両手で挟んで 上向かせるとそっと優しくゆっくりとキスをした。 彼の腕が私の背中に回りギュっと抱き締める。 キスを終えても、まだ互いの唇がほとんどついているくらいの距離で モルダーに話し掛ける。 「ね。ジャックにはこういうことなできないでしょ」 彼は照れたように笑顔を向けると、ちょっと笑いがこもった声で言った。 「酷いよ。君は僕の体が目当てだったんだな」 「そうよ。今ごろ気づいたの」 彼の瞳から視線をはずさないままで、既に緩められていたネクタイを はずす。 そして、シャツのボタンをはずしていく。 現われた素肌にそっと掌を彷徨わせながら、彼の瞳に口付ける。 彼の手が私のジャケットのボタンをはずし始めている。 「私はあなたの体と、これが目当てだったのよ」 そう言って私は彼の左の胸に口付けた。 「Body & Soul  あなたのすべてが目当てだったの」 彼はクスクス笑うと私のジャケットをすとんと床に落とした。 「ならお互い様だね。僕もこれが欲しかった」 そして私のブラウスのボタンをはずしブラの上から左胸にキスをする。 「それとこれも欲しい」 手を背中に回してホックをはずすと、ブラをずらして胸の頂点を口に含 んだ。 「そっちの方が欲しかったんじゃないの」 「ばれたか」 「あなたこそ酷いわ。もうあげない」 そう言って立ち上がろうとすると、あなたはまたもや子犬顔になって私 を見上げながら抱き締める。 あなたねぇ、わざとでしょ、それ。 わかっててやってるでしょ、その顔。 もー、その顔されたら私が言える言葉なんてこれしかないわよ。 「ここじゃなくてベッドであげる」 そう言ってあなたの手を引っ張って立ち上がらせると寝室に向かう。 「何が欲しいの?」 寝室に入るとあなたの方に振り向いて私はきいた。 「まずはこれ」 私の頬をその大きくて温かな掌で包み込んで、そっと口付ける。 だんだんキスが深くなっていくと同時に体が熱くなっていく。 「うぅ・・・ん」 あなたの舌が絡みついてくると、思わず声が漏れてしまう。 途中まではずしたボタンを全部はずして、シャツを肩から落としあなた の熱い体を掌で味わう。 私のブラウスも何時の間にか脱がされていて、あなたの掌が私の肌の 上を彷徨っている。 かなり長いキスが終わると、自分の顔が上気して赤くなっているのが わかる。 あなたがスカートのホックをはずしている間、私はあなたのベルトをは ずしてジッパーを下ろす。 スカートが床に落ちると、あなたは膝まづいてストッキングとショーツを おろしていく。 「次は何?」 擦れた声で尋ねると、あなたは私のお腹にキスしながらニヤっと笑って 私を見上げ、そのまま自分の残りの衣服を脱ぐと、私をゆっくりとベッ ドに押し倒した。 「次はこれ」 私を横向きにすると後ろから抱き締めてくる。 耳朶をそっと噛まれると、ゾクっとして体が震える。 そのままあなたの唇は後ろから首筋を通って背中を降りていく。 「それにこれもだ」 肩越しに後ろから胸の膨らみをしっかり掌に納めると指先でその頂き をそっと摘む・ 「あぁ」 背中を反らせながらあなたの掌に自分の掌を重ねる。 あなたのもう一方の手は私の曲線を辿りなから下に下りていき、草む らを撫でてから、私の中心に触れる。 「あぁ・・・、うん」 その刺激の強さを緩めようと、あなたの手に自分の手を重ねた私の 首筋に軽く歯を立てる。 私が新たな刺激に気を取られている隙に、あなたの長くてしなやかな 指が私自身をなぞっていく。 「んぅ・・・、はぁ・・・」 あなたの指が触れる場所に私の意識は集中する。 掌が膨らみから離れ、私の頬を包むとそのまま顔を後ろに向かせて、 私の唇を自分のそれで塞ぐ。 あなたの指が与える快感と、舌が与える優しさに私は息をするのもや っとな状態なのに、あなたは更に指を増やし、そのスピードも増しなが ら、既に大きくなっている私の中心を親指で愛撫することもやめない。 「あっ、ああ」 全身を震わせながらシーツに沈み込んだ私の背中をあなたは唇でな ぞっていく。 酸素を補給する為にまだ大きく揺れている私の腰のサークルにあなた の唇が辿り着く前に私は起き上がり、背中を味わうことを邪魔されて 不満そうなあなたに口付けながら、そのままベッドに押し倒した。 「今度は私が欲しいものをもらう番よ」 「僕の欲しいものをまだ全部もらってないよ」 減らず口をたたいたって、あなたの瞳は興奮と期待で輝いているわよ。 じゃあ、それに答えないとね。 「それはまた後でね。とにかく、私の番よ」 瞼にキスしながらそっと囁く。 「私が欲しかったのはこれ」 「それだけでいいのかい? 慎ましいな」 くすぐったそうにクスクス笑いながら私の背中に腕をまわす。 「あら、そんなわけないでしょ」 鼻先にキスしながら囁く。 掌は互いの肌をまさぐっている。 舌であなたの唇をなぞりながら右手で胸を撫でる。 「今日は積極的だなぁ」 「あら、積極的って言葉はあなたの為だけにあるんじゃないのよ」 耳に息を吹きかけるように囁き、耳朶を噛む。 「うっ」 ビクっと体を震わせて唇を噛むその表情。 それもお目当ての一つなのよね。フフ。 真実を追い求めるときの鋭い目も大好きだけど、快感に震えながらし っかりと目を閉じているときも大好き。 この表情は私だけのもの。 そう思ったら、そんな表情をもっと見たくて、今日は徹底的に積極的 になることにした。 その官能的な表情を見るために、あなたの上になる。 左の掌をあなたの胸に彷徨わせる。 上目使いにあなたから目を離さずに、舌で左手を追いかける。 「あぁ、スカリー」 熱い吐息を吐きながら私に触れようとのびてくるあなたの手を、右手 で包み込む・ 指を一本ずつ口に含んで味わう間も、目はあなたから離れない。 私に触れられない不満と与えられる快感が綯い交ぜになって、あなた はより一層官能的な姿を私に晒す。 舌であなたの胸の突起の周りに円を描き、時々円の中心を軽く噛む。 「あっ、うん。 それも・・・欲しかったの?」 「ええ、もちろんよ」 舌で突起を擦りながら上目使いに答えると、枕から頭を起こして快感 に眉根をギュと寄せながらあなたは言った。 「はぁ・・・君のものだよ。全部・・・うっ、君だけのものだ、あぁ」 その表情に見とれながら私は答える。 「じゃあ、遠慮なく頂くわ」 舌をずっと滑らせながら、体も下に移動する。 掌はずっとあなたの肌を彷徨い。目はあなたの官能を味わう。 あなたの手はシーツを握り締めている。 舌はついに張り詰めているあなたに辿り着く。 その先をそっと舌で味わってから両手でそっと包み込んで、私は思い っきり意地悪そうな声できいた。 「これは一体どういうことかしら?」 あなたは腰を浮かせて唇を噛んでいる。 「ねぇ?」 あなたを包み込む手をそっと動かしながらさらに尋ねる。 「くっ・・・それは、あぁ、そーゆーこ・・・っとだよ」 「そーゆーことってどーゆーこと?」 あなたを口に含んで更に追い詰める。 「スカっリー、そんなに・・・・しちゃっ!!!」 「えっ、どーなるの?」 「ほんっとに、ダメだって、あうっ」 喘いでいるあなたよりも私の方が熱くなってる、って気づいてる? 私の方が我慢してるんだから。 でも言葉だけはもったいぶって言うわ。 「仕方ないわね」 そしてゆっくりとあなたを私の中に導く。 前屈みになって、あなたのその表情を上から楽しみながら、ゆっくりと 動く。 あなたの顔の両脇についていた手を片方上げて、あなたの唇を指で なぞる。 あなたが指に舌を絡めてくるだけで私の体は一層熱くなっていく。 あなたの手を取って、胸に誘うとあなたは目を開けて言った。 「あぁ、スカリー、君の唇が欲しい」 「お安いごようよ」 唇を重ねると、あなたの熱い思いまでも私の中に入ってくるような気が する。 その思いを唇だけでなく、私の全てで感じたくて、唇を離すと体を起こ して動きを速める。 それと一緒にあなたも激しく動きだす。 目を閉じまいとする努力は突き上げてくる快感に負けそうになる。 あなたは目をギュっと閉じて歯を食いしばってより一層激しく動きだす。 快感の頂点が近づいてくる。 「あぁ、スカリー!!!」 あなたの官能の頂点を目に焼き付けて、私はあなたの胸に倒れ込ん だ。 あなたは胸を大きく上下させながら、私の背中に腕を回してしっかり と抱き締め、私の髪にキスした。 快感と興奮と官能に、ボーっとした頭のままで私はあなたに尋ねた。 「ジャックが私をダナって呼ぶのが気に入らないって、 言うわりにはあなたずっと私のことスカリーって呼んでたわよね?」 あなたは私の頬を掌で挟んで持ち上げると、私の鼻先にキスしてから 言った。 「僕にとっては君はスカリーだ。どんなときでもスカリーなんだよ。」 そして私の唇に優しくキスをした。 心地よい疲労感からくる眠気がだんだん強くなってくる中、意識が残っ ているうちにこれだけはあなたに言っておなかいとね。 「あなたは誰とも比べられないわ。 それにあなた以外の人はいらない」 「それが僕の一番欲しかったものだ」 その時のあなたの表情が、私の一番欲しかったものよ、モルダー。 ***************************************** 無駄に長いベッドシーンは読者の怒りを暴走させる by Insane Nicholas