###########################################################################  DISCLAIMER// The characters and situations of the television program  "The X-Files" are the creations and property of Chris Carter,  Fox Broadcasting, and Ten-Thirteen Productions.  No copyright infringement is intended.  この作品は、『Jack in the box』に関連しております。 ########################################################################### 『Necessary one and Unnecessary one』  by うっしーズ3号 --------------------------------------------------------------------------- また、この季節をこの街で過ごしていた。 2年振りに訪れたここも、D.C.と変わらず季節に相応しい雰囲気を醸し出して いる。 しかし僕は、そんな華々しい風情から少し離れ、静寂の中に身を置いた。 時々遠くで聞こえる子供達の歌声は、僅かに季節の雰囲気を僕に教えてくれる。 荘厳さと活気を併せ持つこの季節は、今年の僕に何を贈ってくれるのか--- 僕は、ジッと待つ事にした。 --------------------------------------------------------------------------- CALIFORNIA San Diego Public cemetery 12/25 5:15 pm 「やあ、また来たよ。」 そう言って、僕は僅かに笑って見せた。 「まだ---来ていない様だね。」 尋ねては見たが返事があるはずはない。 しかし、何故か彼女に少しばかり咎められている気分になった。 まるで、「目的はそれなの?」と言われているかのように--- 僕は、自分のこんな子供じみた行動と、咎められた気分に苦笑いを漏らす。 その時、僕の後ろで声が聞こえた。 「Merry Christmas MR.」 唐突に、この場所の管理者らしき一人の男が僕に声を掛けてきた。 僕はそれに応えるように軽く会釈し、(何か聞きたいんだな?)そう思いながら、 男の言葉の続きを待った。 「失礼---ここには似つかわしくない挨拶でしたな---」 男はそう言って僕の様子を探っている。 そして僕は、そんな男の行動を読んでいる自分自身に(職業病だ---)と自嘲気味 に笑って言葉を返した。 「いや---季節はChristmasだからね。」 男はきっかけを見つけたと思ったのだろうか、早急に自分の興味をぶつけてきた。 「そんな季節にも関わらず、貴方は何度もここを訪れている---」 僕は(やはりな---)そう思いながら男の話を聞いていた。  <当たり前か---こんな季節に、しかも1日と空けずここに来ている男   興味を持たれても仕方はない---> 「そうだな---気になりますか?」 「あ、いえ---」 男は一瞬狼狽えていたが、やはり興味が優先したのだろう、僕の言葉の続きをジッ と待っていた。 僕も実際、そんな状況を悪くは思っていなかった。 どちらかと言うと、誰かに話しを聞いて欲しかったのかも知れない、そう思いな がら男との会話を続けた。 「貴方にとってChristmasはどんな季節ですか?」 「私にとってですか?」 「そうです---」 男は暫く黙った後、漸く答えを返した。 「---必要な物と不要な物を手に入れる季節---」 「不要な物ですか?」 僕は言葉の真意を確かめるように尋ねた。 「ええ、だって趣味の悪いプレゼントは不要な物だ。」 「なるほど。じゃあ、僕は今から必要な"者"を手に入れる為に、  相手にとって不要な"者"を贈る事になるのかな?」 気がつけば、僕等は互いに笑い合っていた。 「でも---どちらもいつかは、いい想い出になりますよ。」 「そうですね---」 「ええ。で、それを受け取る『待ち人』は来そうですか?」 男は『待ち人』と言う言葉を使って、僕の核心に触れようとした。 僕は男のそんな行動が可笑しくて僅かに微笑んで応えた。 「もちろん、『彼女』はきっと来ますよ。」 僕が自信たっぷりにそう言うと、男は深く頷く。 「良い、Christmasを---」 男はそれだけ言うと、頷いた僕に満足げな笑みを浮かべここを離れた。 数分後、漸く決心がついたのか、『不要な者を受け取る僕の待ち人』がそっと後ろ に佇んでいた。 = FIN = --------------------------------------------------------------------------- [あとがき]  はじめまして、「うっしーズ3号」です。  「Christmas」ネタと言うことで、私も書かせて頂きました。  面白みに欠ける作品で申し訳ありません。  よろしければ、ご意見等を掲示板の方へお願い致します。