この作品はあくまでも作者の個人的な楽しみに基づくものであり
この作品の登場人物、設定などの著作権はすべて、クリス・カーター、
1013、20世紀フォックス社に帰属します。



TITLE - Room 42 -  
<こんなモルを見ていたい編>

by yuria

 

                                                   Collage 
                                                    by YURI

 〜 モルダーファンに贈ります 〜

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 5:30 am  モルダーのベッドルーム

まだ薄暗い部屋にpipi..pipi..という電子音が響く。
ベッドがモゾモゾと動き、中からニョキっと腕が突き出て、サイドテーブルの上の
目覚ましを捜して長い指がふわふわと宙を舞う。
やっとお目当てのものを探しあて、電子音を止めると時計をつかんでベッドの中へと
抱え込んだ。

 5:40 am

pipipi..pipipi..
pipipipipi..pipipipipi..

徐々に大きくなるその電子音に、やっと観念して目覚ましを止め
モルダーは、ガバッっと起き上がる。
頭はモシャモシャ、顔はボーっとして目は一点を見つめている。
彼は毛布をはねのけ、両足をベッドから床に下ろす。
手に持った目覚し時計で時間を確認し、それをサイドテーブルに戻すと
その隣に置いてあったオメガの腕時計をはめる。

白いTシャツに薄いパジャマのズボンをはいたモルダーは、
ゆっくりとベッドから立ち上がり眠そうに目を軽くこする。
そのまま裸足でペタペタとバスルームへ行き、歯磨き、洗顔、髭剃りを
手早く済ませ、髪の寝癖を時間をかけて直す。

さっぱりとした顔でキッチンの冷蔵庫からオレンジジュースのボトルを出し、
そのまま2口、ゴクゴクと飲んだ。
残りを冷蔵庫に戻し、パタンと音をたてて冷蔵庫を閉める。
クローゼットの中のクリーニングから戻ってきたままになっている
白いYシャツの入ったビニール袋を破いて取り出し、袖をとおす。

ダークな色のスーツが並ぶクローゼットから、今日はオーソドックスな形の
濃紺のお気に入りの一着を選ぶ。
ズボンだけはきかえて、上着はカウチの背もたれに投げ掛けた。
ネクタイは、スーツに合わせて濃いブルー系の目立たないストライプ柄を選ぶ。
濃紺の靴下に黒い革靴を履き、キッチンへ行ってブラックコーヒーをいれる。

大きなマグに湯気の立ったコーヒーをなみなみと注ぎ、
新聞をとるためにドアのロックを開ける。

足元から新聞を拾い上げ左ひじにはさむと、長い足でひょいとドアを閉め
両手でマグカップを持ちコーヒーをこぼさないように、ゆっくりとカウチまで
運んでくる。マグカップをことりとカウチの前のテーブルへおき 
モルダーはどさりと音をたててカウチに座り、足を組み新聞を読み始めた。
部屋に朝日がさしはじめてモルダーの白いYシャツを際立たせる。

静かな部屋にモルダーの新聞をめくる音が、パサパサと響く。
コーヒーを飲みながら、ゆっくりとすみからすみまで新聞を読んでいく。
と、急に思い出したように左手を前にグッと突き出すような仕草をしてから
腕時計を見ると、あわてて読んでいた新聞をガサガサとたたみ
テーブルの上の飲みかけのコーヒーをクイっと飲みほした。
そしてYシャツの上から慣れた手つきでホルスターをつけ、
カウチの背にひっかけてあったスーツの上着をきて、黒い厚手のロングコートに
袖をとおす。

そしてテーブルの上に置いてあった車と部屋の鍵をもち、
手のひらでそれをチャリンチャリンともてあそびながら、部屋を出る。


           ------- モルダー、ご出勤 -------



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モルダーのアパート     10:26 pm     

カチっとドアが開き、モルダーが帰ってくる。
部屋の電気をつけ、鍵をテーブルの上へチャリーンとほうってから
コートとスーツの上着を脱いで、そのままカウチへどさっと座り
片手でネクタイをゆるめ、シュルっと音をたてて、それをひき抜く。

リモコンを手にとってTVをつけ、スポーツチャンネルにあわせ
画面を見ながらホルスターを外す。
そしてYシャツのボタンを外しながら立ち上がり、キッチンへ行って
冷蔵庫からミネラルウォーターの500mlボトルを出し、グイっと飲む。
モルダーの口から水がひとすじこぼれて、彼は手の甲で
それをクっとぬぐった。

ミネラルウォーターをカウチの前のテーブルの上へおいて、そのまま
Yシャツ、Tシャツと脱ぎながらバスルームへと向かう。

モルダーは、歯ブラシを口にくわえたまま、熱いシャワーを浴びている。
シャワーのお湯で口をすすぎ、髪、顔、胸、と順番に泡に包まれていく。
狭いバスルームいっぱいに湯気が立ち込め、彼の逞しい体がシャワーの飛沫をはじく。
泡をきれいに洗い流し、最後に顔を両手でブルっとぬぐう。
そしてシャワーの栓をキィっと音をたててしめた。

腰に大きめの白いバスタオルを巻き、ぬれた髪をタオルでゴシゴシ拭きながら、
体から湯気をたてたモルダーがバスルームから出てくる。
そしてテーブルの上におきっぱなしにしてあったミネラルウォーターを
グっと飲んで、つけたままになっていたスポーツチャンネルで
バスケの試合の勝敗を確かめる。
彼の広い胸や、大きな背中にはまだたくさんの水滴が残っている。

ミネラルウォーターを持ったまま、モルダーはデスクの電話に近づき
留守中のメッセージを聞き始める。
一件目はどこかの不動産屋。稀少物件とかの築25年の家を低価格で
買わないかと、やけに明るい声の男がしゃべりまくっていた。
二件目は LGM からのいつもの妙なメッセージがはいっていた。

そのメッセージを聞きながら、ふんっと笑ってミネラルウォーターを
一気に飲み干す。
カラになったボトルをごみ箱にシュートして、
黒いTシャツとパジャマのズボンに着替える。

いつもの習慣で、デスクの前の窓にかかった下りたブラインドを
左手の人差し指と中指でちょっと押し下げ、暗い外の通りを確認する。
不審な車や人影は見えない。
ブラインドにかけた指をはずすと、カチっという音とともに
彼の指で押し下げられていた部分が元に戻った。

モルダーは散乱したデスクの上を、なにやらゴソゴソと捜し始める。
仕事の資料をどかし、LGM から定期的に送られてくる雑誌を床に放り投げ、
積み上げられた本の後ろも捜している。
小声で悪態をつきながら、デスクの上からデスクの下へと捜す範囲を広げる。

椅子の足元に脱ぎ捨ててあったジーンズをどかすと、そこに捜していたものを見つけた。
携帯の充電器。

" Yes!! "

なぜかガッツポーズをとりながら、充電器に彼の携帯をセットする。

床に投げ捨てられたLGM の雑誌を足でデスクの下へとどけながら、
TVのそばのランプを残して、あとの部屋のライトを消した。

そして無造作に積み上げられたビデオの棚から
これで40何回めだかの映画のビデオをデッキに入れて
カウチに倒れこみ、横になって長い足を投げだす。

右手を頭の下に入れ、左手でリモコンを持ったまま、
顔を少しTVのほうに向けて、伏し目がちにビデオを観る。

ビデオの青白い光がチカチカとモルダーの上品な顔立ちを浮き立たせる。

半分ほど映画がすすんだ頃、モルダーはふっと頭を上げて充電中だった
携帯を見つめる。充電中のランプはもう消えている。

カウチから起き上がり、デスクの下の充電器にセットした携帯へと近づき手にとった。
そしてダイヤルしはじめたが、チラッとビデオデッキで時間を確認する。

   - 12:03 am -

少し考えたあと、小さなため息とともに携帯をまた元に戻した。

薄暗い部屋の中で光っている水槽に目をとめ、思い出したように
金魚に餌をやる。

水槽の棚の下に押し込めてあったバスケットボールを手にとって、
ポンポンと軽くつきながらカウチに戻って、再び寝転んだ。
ボールを両手でもてあそびながら、ぼんやりとTV画面を見ている。

しばらくするとモルダーの瞬きがゆっくりになる。
目を半分ほど閉じたモルダーの栗色の長い睫毛がぴくぴくとふるえる。

抱えていたバスケットボールがするりと床へ落ちて、ころころと
転がっていった。

モルダーが窮屈そうにカウチの上で寝返りをうつ。
彼は、そのふっくらとした唇をすこし開けて、あどけない顔で眠りについた。


    ---------------- おやすみ、モルダー。いい夢を・・・---------------



                            - end -
   


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【あとがき】

 ストーリーもない、
 スカリーもXFもでてこない、ちんたらした文章におつきあいいただいて
 お疲れ様でした。

 YURIさん、私の勝手なお願いを快くきいてくださって
 どうもありがとうございました。 
 
                           - yuria -

       yuria@duchovny.i-p.com


                                      Dec. 2000


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